仲居という仕事は、古くから存在する伝統的な職業です。

日本のおもてなし文化の象徴になりつつある旅館で、お客様に一番近い存在として、御食事の提供やお見送り・お出迎えを行います。

しかし、その反面、過去に同じ現場で働いてきた人からは、「仲居の仕事が辛い」という言葉も多く聞いてきました。

今回は、仲居という仕事にフォーカスを絞って、私が仲居の仕事を辞めたいと思った瞬間をまとめました。

そして、「辞めたい」と思った時に、どうやって乗り越えてきたのかをまとめていきます。

業務内容に関する記事は多くありますが、実際の体験談に基づく記事は少ないと思います。

よりリアルな経験から悩んでいる方の参考になれば、とても嬉しいです。

仲居を辞めたいと感じた6個の理由と乗り越え方とは?

仲居業務に適応するまでの話

「一番大変だったのはいつか?」

そう問われると、仕事を覚えるまでがとても辛かった記憶があります。

トレーナーについた先輩の仲居さんとは、1ヶ月もの間、プライベートの話をすることはありませんでした。

仕事に関しては教えてくれますが、教えられたことを頭で認識しても体は動かないことがあります。

出来ないと、裏に呼ばれて叱られ続けたことを覚えています。

相談出来る相手も誰一人いなかったこともあり、悩みを吐き出せる場所がないと言う状態。

全く初めての業界に飛び込んだことも重なり、不安な毎日を過ごしていました。

その乗り越え方とは?

仕事面で初めは失敗することは当たり前だと思います。

しかし、その失敗から改善していこうとする姿勢が、大切だと感じます。

そのような姿勢で仕事に取り組んでいくと、時間が経つに連れて、相手にその姿勢が伝わります。

目に見える評価を得ることは捨てて、失敗から学んで行動を試行錯誤をし続けました。

そうすると、周りから自然と話しかけられるようになった気がします。

周りも、新しい人が居ると、どう接すればいいか分からないと言うのが本音です。

周りが困っていた時に助けたり、大変そうな状況に自主的にヘルプに入ったり、そんな姿勢が周りの心を開く近道です。

「派遣社員」というだけで目の仇にされた話

「どうせすぐ辞めんだろ!」

「所詮派遣なんだから黙っとけ!」

派遣社員というだけで、このようなことを言われたこともあります。

正社員でないという理由で差別のような扱いを受けたのは、仲居の仕事で働いていた時だけだったと思います。

「派遣はどうせダメだ。」

「派遣は使えない。」

そんな言葉をある特定の社員から聞くことが多かったです。

自分自身はその現状を飲み込むことは出来ませんでしたが、実際には圧力があった為に、辛いと感じていました。

その乗り越え方とは?

実際にシフトを組んで居る人に、「この人とは働きたくない」という意思を告げることが大切です。

年配の仲居の中には、過去の経験に引っ張られて、勝手にレッテルを貼ってくる人がいます。

出来る限りストレスを溜めない為に、自分の意思を会社側に伝えることが大切です。

自分のことが嫌いな人に時間を使うことは、更に大きなストレスに繋がります。

努力した結果、自分を信じてくれた人に対して、時間を使うことが効率的だと思います。

仲居の仕事をして3ヶ月で10キロ痩せた話

日々のストレスや、想像を超える運動量によって、3ヶ月で体重が10kg減少しました。

通常でも11時間、忙しい時は15時間働いていました。

常に立ち仕事でありながら、休む時間がない仕事ですので、実際に体重計に乗った時に驚愕したことを覚えています。

今まで「大変な仕事だよ」と言われてきた仕事の中でも、実際に身体の変化が大きかったのは、この仕事がナンバーワンだったと感じます。

裏を返せば、ダイエットしたい人にはおすすめかも知れませんん。

その乗り越え方とは?

休日の楽しみ方を見つけることが大切だと感じます。

仲居という職種は、ホテル業界の中でも稼ぎが良い仕事です。

自分なりのリフレッシュ方法を見つけながら、オフを満喫することが大切です。

私のオフの過ごし方は、毎日のように顔を合わせる会社の方とは会わないと決め、近隣の県に旅行して観光地を巡ったりしていました。

仲居として働いていた当時は、興味本位で、ひとりで旅館に泊まったりしたこともあります。

この仕事はハードワークなので、しっかりと息抜き出来る時間を確保することが、長く続けるコツだと感じます。

中抜けシフトに慣れなかった時期

仲居業務は、基本的には「中抜けシフト」が採用されています。

「中抜けシフト」とは、チェックアウトからチェックインまでが、休憩時間となっており、朝早い時間と夜遅い時間に働くシフトです。

初めて「中抜けシフト」で仕事をした時は、「仕事場に2回来ないと行けない」という精神的な辛さがありました。

一度仕事が終わって休んでしまえば、その後に仕事をする気力がない自分にとっては、とても辛かったと感じます。

その乗り越え方とは?

私の周りで働いていた人は、毎日ではないですが、中抜けの時間にご飯を食べに行ったりしていました。

人によって過ごし方は様々ですが、この時間も自分に合った過ごし方を見つけることが大切です。

友達と遊んだり、美味しいご飯屋さんでランチしたり、近場の観光地を巡ったりするもの楽しいと思います。

大規模な団体の宴席対応

時には350人を超える宴席の手伝いに入ることもありました。

人数に応じて仲居の人員も決まるために、20人以上の仲居が手伝いに入ります。

仲居の人数が増えるほど、統率が難しくなり、リーダー的な仲居の怒号が準備段階で響き渡るのが、とてつもなくストレスでした。

「そうじゃないだろ!」

「もっと早くやれよ!」

早くやろうとすれば正確性が落ちたり、正確性を重視すれば早くやれと怒られる。

矛盾した感覚を常に抱えながら、「本当に辞めたいな」と思い続けていたこともあります。

その乗り越え方とは?

私自身は、自分から思ったことを言える人には言うようにしていました。

「根性論とかでなく、方法としてどうしたら効率的に進めるか考えよう」

「みんな頑張ってる。ただより進める為には方法を変えないといけない」

それはほとんどの場合、簡単に要らないとゴミ箱に捨てられますが、「自分の意見を言う」行為がストレスの軽減に繋がると感じます。

思ったことを言わずに、嫌なことを耐え続けるストレスは、想像以上に計り知れないものがあります。

私自身も、仲居の仕事をやっている時に、思ったことを言える時間があったから、乗り越えられたことは沢山あると感じます。

反撃を恐れずに、自分の想いを伝えると言う行為が、ストレスを軽減させてくれると感じます。

女性だらけの中で働く大変さ

仲居はどの旅館でも女性の割合が多いです。

男というだけで、最初は、その全体の輪に入れない感覚がありました。

仲居業務を始めてすぐの時は、過去に男ばかりの職場だった為に、どういう形で適応すればいいかをとても悩みました。

初めて一緒に仕事をする女性の方とは、自分が仕事をしている時に、「そこ邪魔」と冷たく言われたりしたこともあります。

仕事終わりの片付けなども、女性同士で話しながらやっている中で、私はひとりで黙々と片付けをしていたことを覚えています。

その乗り越え方とは?

任された仕事をとにかく責任を持ってやる姿勢を、見せ続けたことで、自然と声を掛けてくれたりすることが増えました。

あるひとりの女性の仲居と仕事をしてから、徐々に全体とのコミュニケーションも濃くなっていったと感じます。

新しい環境に飛び込むと、どうしてもその環境に適応するまでの間は辛いです。

しかし、一度信頼して貰えれば、過去苦しんでいたことも嘘のように円滑に進みます。

耐えなけれいけない、新しいことを始めた最初の時期は、とにかく行動で周りの信頼を得ることが大切です。

ひとりの小さな信頼を積み重ねることが、全体のコミュニケーションの濃度に繋がると感じました。

いろいろ試したけれど、やっぱり辞めたい!辞める前にやっておきたいこととは?

「自分の中で精一杯頑張ったけど、やっぱり辞めたい」

決して楽ではない仲居業務ですので、辞めたいと言う気持ちが揺るがない人も多いと感じます。

ここでは、仲居を辞める前にやっておきたいことについて、経験者の視点から、お話しさせて頂きます。

配置転換なども検討してみる

仕事を辞めたいと言う人に対して、部署の配置転換を提案する会社も多いと感じます。

フロント・裏方業務・売店業務など、仲居の仕事以外にも旅館には多くの仕事があります。

一緒に働く人が変われば、イメージも大きく変わります。

部署異動も一つの選択肢として、持っておくのも大切です。

次に働く場所を決めておく

「もう耐えられないから辞める」と勢いで辞めてしまうと後悔することが多いです。

その時の「本当にここで働くのが苦痛」という感情で、全てを決めずに、辞めた後を決めることが大事です。

「どんな仕事が自分に合っているのか?」

「どこで働きたいのか?」

働く場所は、自分の生活の中で大きな割合を占めるものです。

出来る限り先を見据えて、動くことが大切です。

環境を変えても状況は変わらない

私は人間関係をきっかけに会社を辞めたことがありますが、転職した会社でも同じような問題に直面しました。

いくら環境を変えても、結局は自分が変わらなければ、同じ問題はまた繰り返しやってきます。

そういうことに気づけたという点では、転職したことで気づきがあったと感じます。

悩みから解放されたとしても、また違う悩みを抱えることになります。

「環境を変えることで、全て問題は解決する」というのは誤解なので、それを含めて会社を退職するべきかを考える必要があると思います。

信頼出来る人に相談してみる

周りに居る信頼出来る人に相談することで、問題が解決に向かうこともあります。

相談する相手は、複数人が良いです。

複数人に相談して意見を聞くと、その中から自分に合った手法を選ぶことが出来ます。

また女性限定ですが、誰かに相談するという行為で問題の8割は解決すると、言われています。

ひとりでは行き着かない答えを、周りは持って居ることが多いので、辞めたいと思った時は相談することが大切です。

仲居を辞めた後にはどんな仕事がおすすめ?

「仲居を辞めた後はどんな仕事がいいの?」

仲居の仕事を生かせる職業を、個人的にまとめて紹介させて頂きます。

仲居以外のホテル業界の業種

仲居の業務は、どの職種に比べても体力勝負です。

その為に仲居以外のホテル関係の仕事はおすすめです。

思い切って大きなグルーブ会社のホテルに転職するもの良いかもしれません。

細かな仕事内容は、もちろん職種によって覚えることは多いですが、仲居という目線があるのは大きな武器です。

チェックインからチェックアウトまでの流れを、知っているのは大きな武器になるので、とてもおすすめです。

営業職

ひとと話すことが好きなら、営業職もとてもおすすめです。

私自身も、もともと営業の仕事もしていたことがあって、楽しく仕事をしていました。

相手に商品を提案する為に、新しいことを勉強する大変さはありますが、提案したものを気に入って貰えると嬉しい気持ちになります。

個人的には営業ノルマがないものが理想です。

営業ノルマがあると、相手の為の提案ではなく、自分の利益の為の提案になってしまうことが多いからです。

「仲居からジョブチェンジしたい!」

そういう方がもし居れば、営業職は検討してみても面白いと感じます。

まとめ

いかかでしたでしょうか?

今回は仲居業務をしていて、私が辞めたいと思った出来事と、その乗り越え方についてまとめさせて頂きました。

少し新しい切り口の内容なので、よりリアルに仲居の仕事が伝わればとても嬉しいです。

この記事はあくまで私の主観ですので、多くの意見を取り入れることをおすすめします。

「辞めたい」と思ったネガティブな経験は、どの仕事をしても沢山ありますが、仲居の仕事をやっていたことを後悔はしていません。

私にとっては、今振り返れば必要な経験だったと、強く思います。

仲居として働く人数は、全国的にも減少傾向にはありますが、接客の基本を学ぶことが出来る貴重な仕事です。

「仲居の仕事が気になっている」

「接客を学びたい」

そんな人の人生の選択のきっかけになれば、とても嬉しいです。


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