一度は「葬儀屋の仕事はキツイ」と耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、何がキツイのかと聞かれると、ズバッと言える方がいないのが大半です。

そして、そのキツイ仕事でも辞めずに続く方もいらっしゃるのが事実です。

どのようにしてキツイ仕事を乗り越え継続して勤務できるのか、キツイ仕事内容と乗り越え方を解説いたします。

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葬儀屋のおおまかな仕事内容とは?

病院や遺族から葬儀の依頼の電話が入るとご遺体を受け取りに伺います。

その間に、喪主の方と葬儀の規模やお花の種類や本数などを決め、葬儀に来られる方や来ることが難しい方の電報などの受け取り住所や電話番号をご遺族の方へお教えし、電話を受ける準備を行います。

同時進行で祭壇業者や花屋、献茶、納棺士の手配を行い、喪服をお持ちでない方が遺族にいらっしゃれば、貸衣裳屋の手配など、全てを同時進行します。

特に喪主の方から「全てお任せします」と言われた場合は、全ての段取りや指示を取り仕切る必要があります。

葬儀の際に故人へ着させる洋服の指定の有無、棺の中へ入れたい故人の私物の有無、お坊さんの手配や宗派の確認、ご遺体を安置する場所が自宅では難しい場合は、遺体安置できる葬儀会社だったら自社に霊安室があり、なければ葬儀会場で遺体安置できるかの確認を行います。

本来はご家族が24時間、線香を絶やすことないように故人に付きっ切りになるのですが、ご遺族が葬儀の準備などで付きっ切りになることが難しい場合は、葬儀会社が代わりに故人に付きっ切りで線香を見たりします。

このように同時進行で様々なことを進めていかなければなりません。

葬儀屋の仕事内容は、こちらの記事を参考に!

葬儀屋の仕事がきついと言われる5個の理由とは?

皆さんも「葬儀屋の仕事をしてください」って言われたら抵抗あるのではないでしょうか。

無くなって困る職業であるものの、抵抗してしまうのは何故でしょう。

それはイメージが先行してしまい、できるかな?という疑問からキツイに代わり、葬儀屋の仕事がキツイと感じてしまうのです。

では、どういったイメージを持たれることが多いのでしょうか。

そして、本当にキツイ仕事内容とは何になるのでしょうか。

体力的にキツイ

なぜ、体力的にキツイかというと、重い荷物を運んだり、遺体を運んだりと、意外と力仕事が多いのです。

特にご遺体の方の体重によって、重さも違いがありますし、力が入っていない方というのは、驚くほど重くなります。

それだけ力が必要になります。

また、忙しくて葬儀当日までの間に、仮眠時間が2~3時間しかないというパターンもあり得ます。

短時間で質の良い睡眠をとらなければ、体力が温存できないため、仕事にならないでしょう。

そして、葬儀が始まるとほぼ立ちっぱなしです。

座るということはほぼなく、立ったり、動き回ることが多くなります。

更に、夏は炎天下の中で、弔問者を誘導することもあります。

冬は暖房がない中、雨や暴風の時も誘導しなければなりません。

風邪を引いた、寝不足で元気が出ない、立ち仕事がしんどいとなると仕事になりません。

だからこそ、体力が必要となります。

世間体が悪い

皆さんもイメージ的に、良い印象をお持ちになる方は少ないでしょう。

特に年配の方には、良く思われることがありません。

「人の死を商売にしている」「詐欺」などという印象を持たれやすいです。

一部の葬儀会社が確かに、詐欺に近いような商売をしているケースがあるため、こういった印象を持たれてしまうのでしょう。

葬儀会社毎に葬儀費用は異なります。

一番ランクの低い葬儀を依頼すると「このプランだととても質素になるから、これぐらいのランクのものが妥当だ」というような説明をされ、言われるがままランクを上げ、予算以上の費用を掛けてしまうということもあります。

確かに結婚式でも同様で、花が貧相になったりするからこうした方が良い、とランクアップを勧められるケースはあるでしょう。

これは言い方の問題であり、詐欺をしているわけではありません。

実際、家族葬などは低料金で受けますし、葬儀会社によっては予算範囲で見栄えよくできるように案を出してくれる会社もあります。

しかし世間のイメージでは前者の内容が色濃く残っているため、良いようなイメージを持って頂けません。

もちろん、自分自身がそうした詐欺のような仕事をしていないという自信があっても、なかなか「葬儀会社に勤めてます!」と胸を張って言える方の方が少ないでしょう。

この部分は非常にツライと言えるでしょう。

精神的にキツイ

この精神的にキツイというのが一番、多く声を聞くかと思います。

何が精神的にキツイのでしょうか。

ご遺体にもいろいろあります。

正確に言うと、亡くなり方が色々あるということです。

病気・事故・自殺・事件・身元不明など、人の最期というのは千差万別です。

病気の場合は、綺麗なご遺体が多いですが、不慮の事故や事件などは、息を引き取る瞬間の顔が恐ろしい形相のままとなっている方もいらっしゃいます。

中には目を閉じることができない方もいます。

これは死後硬直が始まってしまい、目を閉ざすことができないパターンです。

事件の場合は顔を傷付けられてしまっている場合なども目にすることがあります。

こうした部分が精神的にキツイということになります。

この経験は決して慣れることがありません。

そういった面では、精神的にキツくて厳しいということになるでしょう。

覚えることが多い

葬儀会社は基本的に、マニュアルというものが存在しません。

基本的な知識を入れて、そこから臨機応変に対応していく必要がありますが、この基本的な知識というのが多岐にわたります。

宗派によって異なる葬儀の進行内容・用意するもの・礼儀作法など、一つ一つの項目で奥深く覚える必要があるため、経験を積むことで「手に職」と言われる専門分野の人材として活躍することができるでしょう。

感情移入は厳禁ですが、遺族の立場になり言葉遣いや心遣いをしていかなければ、無神経な人と言われるでしょう。

感情移入をせず、しかし遺族の立場を考えつつ、配慮していくということを覚えていかなければなりません。

知識だけでなく、その時々に応じた心理状態を考え察知し、行動するということを意識するため、最初は膨大な量を覚えていく必要があるといえるでしょう。

性別に関係なく夜の勤務がある

葬儀業界というのは、昼夜問わず勤務することが多々あります。

通夜は夜に行われることが多く、葬儀は日中に行うこともあります。

そうなると人員の体制をある程度、シフトで交代することはありますが、全ての人員を交代させるということはありません。

シフトによって男性でも女性でも夜通し勤務する可能性があるということになります。

女性で夜勤がある職種も珍しいものです。

だからこそ、女性が長く続けて行くのは難しいと言われます。

また、若手であればこうした不規則な生活も耐えられますが、年齢を重ねると不規則な生活がつらくなりがちです。

こうしたある一定の年齢層しかできない仕事という部分もキツイといえるでしょう。

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それを乗り越える5個の方法

このように非常にキツイ部分が幾つかあるものです。

では現在、葬儀会社でお勤めの方はどのようにして、このキツイ部分を乗り切っているのでしょうか?

もちろん、人によって乗り越え方は十人十色とあると思いますが、その一部を今回、ご紹介します。

体力的にキツイを乗り越える方法

ある程度、力仕事となるということを理解し、基礎体力の向上に努める必要はあるでしょう。

基礎体力を上げることで、風邪を引きにくい身体を作ることができるようになります。

あとは睡眠の質を良くするために、枕や呼吸方法を変えるなど、短時間でも熟睡できるような方法を自分なりに編み出すことは必須です。

また、防寒対策としてはヒートテック・貼るカイロなど防寒グッズを用意し駆使する。

暑さ対策は、熱中症にならないように水分補給と塩分補給を徹底する、冷却グッズを用意し駆使するなど、体力が奪われないようにするために様々な対策が必要となります。

私がよくやっていたのは、夏場はとにかく水分補給と塩分補給をすることでした。

飲み物も水ではなくスポーツ飲料を選び、冷却シートを首やワキに貼ってクールダウンさせる。

冬場は貼るカイロをとにかく腰やワキに貼り、指先用に貼らないカイロを持ち、ホットレモンなどコーヒー以外の温かい飲み物を飲むようにしていました。

コーヒーは利尿作用があるため、トイレの頻度が高くなると仕事に影響をもたらし易くなるので、そういったものは控えるようにしていました。

睡眠に関しては、比較的に寝るのが早い方でしたが、やはり家と違う空気感でなかなか寝付けずに最初は過ごしていましたが、雰囲気や家以外で眠ることに慣れると、短時間睡眠でもスッキリ目覚めることができていました。

雰囲気にいち早くなれるということが大事です。

世間体が悪いことを乗り越える方法

他人が言うことを気にするなと言われても、やはり多少は気にしてしまいますよね。

これは自分自身の考え方の転換かもしれませんが、自分の仕事にやりがいや誇りを持っているなら、他人が言う言葉を気にしないことだと思います。

世の中、世間体が悪い職業なんて山ほどあります。

例えば、飲食店での仕事となると、休みなし・しんどい・大変そう・収入が低いなど、様々な見解を持たれる方が多いでしょう。

しかし、飲食店で調理することや接客をすることが、「自分の店」として責任持って出来ているなら、その人にとって天職となると思います。

仕事の価値は他人が決めるのではなく、自分で決めるものです。

自分がしている仕事の中で、自分にしかできない仕事内容があると思います。

そこに自信や誇り、プライドを持てば、他人が言うことを気にすることがなくなります。

この世の中に不必要な仕事はないと私は思います。

飲食店がなければ、仕事終わりや休日に外食ができないでしょうし、葬儀屋がなければ亡くなった後のことが困ります。

ゴミ清掃車がなければ、世の中はゴミで溢れ返ってしまいます。

このように偏見があるような職業でも、世の中から無くなってしまうと困る部分があるということです。

自分のしている仕事にプライドを持ち、胸を張ることをおススメします。

精神的にキツイを乗り越える方法

私もこの部分は一番、乗り越えるのに時間が掛かりました。

当初は感情移入してしまい、遺族が泣き出すと同じように泣いていました。

結論から言うと、葬儀に慣れたということは一度もありません。

やはり悲しくなりますし、事故や事件などでお亡くなりになった方は、まさかその日に死ぬということを考えて生活していないと思います。

そう思うとやっぱり涙が出ますし、もっとこうしたかったかなとか考えてしまいます。

特に子供の葬儀はとてもツライです。

会場も亡くなったお子さんが好きなアニメの主題歌などが掛かっていることが多く、不憫に思う気持ちがより一層高まってしまいます。

この悲しい気持ちを解消することは難しいと私は思い、「どんな風な葬儀にしたら、亡くなった方が安心して浮かばれていくのか」ということを意識するようにしました。

好きなお菓子をたくさん供えてあげる、弔問者全員がゆっくり最後の挨拶ができるように時間を設けてあげる、少量の花でもたくさんあるように置き方を工夫するなど、自分自身が故人に対してできる配慮は何かを考えて、出来る限りのことをやるよう意識していました。

悲しいということには慣れないですが、自分にできることを最大限してあげることを意識すると、今まで見えなかったことが見えたり、こうしてあげようと考えることができ、しっかりしなくては!という気持ちに切り替わります。

ビジネスとして割り切ることができる人もいますが、割り切りができない人は、私と同じように考えて行動してみる事をおススメしますよ。

覚えることが多いことへの乗り越え方

知識を付けるために、宗派などはとにかく暗記しました。

また上司に相談し、様々な宗派の葬儀に行かせてもらえるように依頼したりし、勉強と現場で見て覚えるという二通りの方法を取りました。

覚えることが多いというのは、自己の努力でカバーするしかありません。

最初は覚えるために現場に入ることもあるため、体力的に少し大変な思いをすることもあります。

しかし、自転車の乗り方と同様で、一度身につけてしまうと忘れるということはなかなかありません。

だからこそ、最初の数ヶ月の苦労が実りやすく、仕事でもプライベートでも活かすことができる知識となるのです。

根性論みたいになりますが、自分自身の努力で乗り越えるしかありません。

性別に関係なく夜の勤務を乗り越える方法

ある程度身体が慣れると、生活スタイルが固定されてくるため、夜の勤務をしていても特に負担に感じることはないと思いますが、慣れるまでの間は、身体のサイクルが出来上がっていないため、勤務中に眠くなることもあるでしょう。

私の場合は、食事の量を気をつけていました。

特に夜中の勤務時には、22時以降にお腹いっぱいの食事を避け軽食にすることで、眠くなることを避けるという方法をしていました。

その方が、体重の増加を防ぐことも出来ますし、何より不摂生になりにくいのが特徴です。

また、その他にも睡眠時間を均等にするようにしていました。

寝溜めをしないように気を付けたりと生活習慣を見直しをして、睡眠サイクルを安定させるようにすることで、睡魔に襲われることが少なくなるでしょう。

キツい時もあるけど、葬儀屋の仕事がおすすめの理由

上で書いたように、葬儀会社の仕事は非常にキツイ部分が多々あります。

だからこそ、やりがいを感じる部分もあったり、一つのやりがいが非常に大きいものになったりするのです。

では、葬儀屋の仕事のどういった部分が良いのか解説します。

従業員同士が仲良くなる

葬儀屋のお仕事は自分ひとりで完結できるものではありません。

同じ葬儀に携わる従業員全員で協力して初めて完結できます。

全員が同じ目標(葬儀を事故なく無事に終了させること)に向かって仕事をすることで仲間意識も出ますし、結束力が増します。

もちろん自分と合わないと感じる人もいると思いますが、共通目標を持つことで、一時的にでも結束することができます。

こうした経験をできるのは、葬儀屋のお仕事だけということではないですが、長時間に渡って同じ目標を追いかけていくため、結束力が短時間で生まれていきます。

自分自身がサポートすることもあれば、サポートされることもあるでしょう。

誰かが困っていたら全員で助けるという意識がなければ、成立しない仕事といえるでしょう。

無事に最後のお見送りをできたとき

葬儀屋の仕事は日々、遺体に触れるお仕事です。

しかし遺族にとっては、初めてご遺体を見るという方も多いでしょうし、事件や事故などで目を覆いたくなるような状態の遺体も決して少なくありません。

ただ、葬儀屋の仕事はどの故人に対しても必ず、平等に接する必要があります。

弔問者に亡くなった方のお顔を見せてあげられないことも多々あります。

でも遺族にとっては、弔問者に察知してもらいたくないデリケートな部分があるということですよね。

そういった場合、どのようにしたら不自然さがないかを考え、遺族にご提案してあげなければなりません。

エンゼルメイク(死化粧)で隠せるものなのか、完全にお顔を見るという行為自体を無くすのかなど、様々な案を用いて遺族の意思を尊重しつつ、故人をお見送りするなど、多種多様な事例がその場その場で起きていきます。

何かが起きた時も無事にトラブルなく葬儀を完遂することで、やりがいを感じるでしょう。

遺族からの言葉を頂けたとき

一番やりがいを感じる部分は、遺族の方から「良い葬儀をありがとう」という言葉を頂戴した時だと思います。

遺族の方が「良い葬儀」と言う場合、故人と一番近い人が感じているからこそ、故人もそう思ってくれている可能性は高いです。

そんなとき、最期のお見送りを担当して良かったと思えます。

特に、様々なご要望をお聞きし、100%の希望を叶えれられるように全力で知識や知恵を振り絞り、遺族や故人の気持ちを推し量って接した結果、「良い葬儀」という言葉を頂けると、何よりもうれしいものです。

本当に良い葬儀と感じなければ、御礼を言われることはまずありません。

だからこそ、「やってよかった!」という感動になります。

未経験でもやる次第で即戦力になる

冒頭にもお伝えした通り、知識などは自分自身の努力で補うことができます。

最初は誰でも未経験なので、たくさん現場に出て、先輩方のやり方を多く見るようにしましょう。

少しずつ段取りを覚え、次の作業はこれ!というように流れを知れば、先手を打った行動ができるようになります。

先読みをしてくれるスタッフが現場に1人でもいると、非常に頼りにされやすく、新しい仕事もドンドン覚える環境を与えてもらえます。

私も最初は右往左往しましたが、2回・3回と現場に行くようになり、次はこれをした方が良いのかなと考えられるようになりました。

全部の流れを理解できなくても、一部分でも理解できれば、その持ち場を任せてもらえることも早々にあります。

私は最初、献茶として現場に出て、段取りや流れを覚えてから、お花の手配や祭壇の手配、電報関係の受付など事務方を任せていただきました。

その後に事務方と献茶を兼務するようになり、エンゼルメイクの資格を取りに行き、納棺士の方々と協力するようになり、最終的には司会をさせて頂くまでになりました。

完全未経験からスタートして司会業までやるまでに要した期間は1年でした。

葬祭ディレクターの資格は持っていなかったので、祭壇を作ったりまではしていませんが、お手伝いはさせて頂いていました。

このように在籍年数には関係なく、自分の覚えようとする行動力次第で、あっという間にスキルアップできるのは魅力的だと思います。

どんな仕事でも会社や先輩から頼りにされるのは、やはり嬉しいものです。

年功序列がない業界なので、そうした部分では自分の頑張りがしっかりと評価されるため、やりがいを感じやすいのではないでしょうか。

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まとめ

一般的なイメージは「キツイ仕事」であり、忌み嫌われる職業でもある葬儀屋の仕事。

私は過去に葬儀屋の仕事をやったことがあるからこそ、皆さんに伝えられることは「決して楽な仕事ではない」ということと、「やりがいもしっかり持てる職業である」というこの2点です。

どんな仕事も大なり小なり人のイメージが先行する部分があります。

葬儀屋という仕事は「ここまで出来たらOK」という終わりがありません、もっとこういう風にしたら良いのではないかなど、貪欲に考え実践することで「良い葬儀でした」というお言葉を頂けるのです。

ツライ部分を乗り越えて是非、頼りにされる葬儀屋さんになって頂ければと思います。


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