薬剤師は誰もが羨ましいと思える職業の一つでしょう。

ただ、薬剤師という職業を知ると薬剤師を不安視する発言を目にすることがあります。

疎ましいと思って嘆いているとも取れますし、本当に薬剤師の立場が危うくなっているともとることが出来ます。

これを本当に理解しているのは薬剤師だけでしょう。

これから薬剤師になろうと思っているあなたに送ります。

今回は、薬剤師の安定性について紹介しましょう。

薬剤師の仕事って安定しているの?

薬剤師は安定しているのかの問いにズバリ答えるのであれば答えは・・・

『安定している』が間違いのない答えです。

薬剤師の安定性や将来性についてインターネットやSNSではどのように言われているのか実際に調べてみました。

そうすると次のような意見が上がります。

  • 薬剤師は将来飽和してしまうから雇用が無くなる
  • これからの薬剤師は心配
  • 10年後薬剤師は充足して溢れてしまう

などネガティブな意見を目にします。

この情報の出どころはわかりませんが、ウソか真か薬剤師について否定的な意見はなくなっていないのが現状です。

でも、この情報に信憑性ってありますか?

単なる個人が発している情報であれば、情報源が不明なうちは真に受けることはありません。

薬剤師の充足率も少しずつ上がってはきていますが都心に限ったことといってよいでしょう。

男女比は女性が占める割合が多く、働き盛りの頃に結婚・出産・育児などで薬剤師としてフルタイムで働いている薬剤師が少ないというのも影響しています。

これは、むしろ結婚・出産・育児などのイベントがあっても働きやすいことを意味しています。

信頼性のない情報から薬剤師を不安がるのであれば、今の現状を見て安心しましょう。

薬剤師が安定している理由とは?

薬剤師が安定しているということを紹介しましたね。

では、いったいどの部分から安定性を感じることが出来るのでしょうか?

一つ一つ紹介していきます。

薬剤師の免許が国家資格であること

ご存知の通り薬剤師になるためには国家試験を合格する必要があります。

そのため、薬剤師は日本という国に認められた資格なのです。

専門学校や4年制大学を卒業しただけでもらえるような資格や講義などで単位を満たしていれば取得できるような簡単な免許ではありません。

加えて、昔の薬剤師国家試験は4年性薬学部を卒業することで受験資格を得ることが出来ました。

しかし、アメリカの制度にならって薬学部が6年制になってからはその価値がさらに高まりました。

医療はなくならない

超高齢化社会と言われる昨今、医療が減退していくことはありません。

医療には医師の診断が必要不可欠です。

これに合わせて、薬や検査は必須事項です。

薬が世の中からなくならない限り、薬剤師という職業は安泰でしょう。

少子化も歯止めがききませんが、どんな世の中になっても医療が廃ることはありません。

そんな一面からも薬剤師の安定性がうかがえます。

同世代に比べると高い収入を得ることが出来る

薬剤師の平均年収は600万円前後と言われています。

薬局・ドラッグストア・病院・企業など職種に応じて様々ですが、薬剤師でない人の平均年収と比較すると約1.5倍高く、その違いは歴然です。

薬剤師は、仕事内容が『患者さんのため』になる数少ない職業です。

仕事内容は調剤にクローズアップされがちですが、コミュニケーション能力を生かした服薬指導や情報収集で薬の効果を確認したり副作用を早期発見することが出来ます。

そのため、患者さんへ提供する医療への貢献度は抜群に高くなります。

言い方を変えると、間違ったことはできないととてつもなく重い責任感がついて回りますが、年収と見比べれば相応でしょう。

薬剤師になってからの安定性は?

薬剤師と志す人は少なからず安定志向ではないでしょうか?

高額な学費を払い、6年間を勉強に明け暮れて苦労してなった薬剤師であれば、安定した職に就きたいと思うのは自然な流れです。

薬剤師になった時点でその安定性はある程度保証されています。

ここでは、もう1つ足を踏み込んで職種別に薬剤師を見てみましょう。

薬剤師になったら職場で安定性が異なる

薬剤師といっても所詮は雇われの身です。

田舎にある小さな病院や薬局は薬剤師が来ないので金銭面ではかなり優遇されています。

しかし、いつ倒産するかわかったもんじゃありません。

規模が小さいということは、運営がうまく以下なった場合、もろに響きます。

ある程度規模の大きいところでは、そのマイナス分を干渉してくれます。

安定性は一番かもしれない。病院薬剤師

病院薬剤師には、大学病院から個人クリニックまでその規模は様々です。

この中でも、大学病院や県立、私立の病院薬剤師は公務員になります(準じます)。

母体が大きいこともあり、余程の赤字となっていない限りは心配ないでしょう。

公務員でもあることから、いきなりクビなんてこともよほどのことをしない限りありません。

初任給こそ低いですが、毎年昇給もあり、生涯年収も薬局・ドラッグストアと逆転することも珍しくありません。

先端の医療にかかわることが出来るため、やりがいを追求しやすい職場環境でもあります。

大きいもには巻かれてもいいかも。チェーン薬局・ドラッグストア

地域の個人薬局やグループを組んでる薬局ほど待遇は良好です。

年収1000万円に近づくことも夢ではないでしょう。

しかし、その運営の不明確さは否定できません。

近年では、大手チェーン薬局が個人薬局を買収する動きが盛んになっています。

また、大手チェーン薬局の強みは、出産・育児休暇などの福利厚生の面が充実していることです。

個人薬局では、薬剤師の人数確保が不十分で休むに休めない環境が少なからず存在します。

目先の給料だけにとらわれず、今後の人生設計を見ながら就職先を決めるようにしましょう。

薬剤師をネガティブな面からみてみた

薬剤師に対するネガティブな意見は後を絶ちません。

ではどうして薬剤師はマイナスなイメージを持たれがちなのでしょうか?

せっかくなのでこのイメージを解説していきましょう。

すぐ仕事を辞める薬剤師が多い(転職する薬剤師が多い)

薬剤師は幸か不幸か国家資格です。

効力の強い免許を持っている影響か、就職活動に困ることはよほどのことがない限りありません。

今日仕事をやめようと決心しても明日、明後日には仕事が決まっていても全く不思議ではありません。

近年、転職に関する情報が飛び交っている影響で薬剤師の転職がクローズアップされています。

先に記載した仕事に困ることはないのは紛れもない事実です。

しかし、だからといって薬剤師がみな志低く金銭面のみを求めて仕事を右往左往しているわけではないということを覚えておいてください。

やりがいや将来像を見据えて頑張っている薬剤師もたくさんいます。

第一、薬剤師に慣れれば生きていけないことは決してありません。

ご安心を。

薬剤師の仕事はAIにとって代わられてしまう

文字だけで見ると薬剤師の仕事が機械に取られてしまうと思った人もいるのではないでしょうか?

これを真に受けて薬剤師の存在意義がまるでないような意見を主張する人は後を絶ちません。

結論から言うと正解でもあり不正解でもあります。

順を追って説明しましょう。

アメリカの薬剤師と日本の薬剤師の違い

薬剤師業務のAI化を話す上で日本とアメリカの違いは外せません。

日本の薬剤師はアメリカの薬剤師に大きく影響を受けています。

薬学部が6年制に移行したのがいい例です。

アメリカの薬剤師はとても地位が高いです。

一部では、医師と同様の処方権を持っています。

また、アメリカは皆保険ではないため、患者さんの保険や金銭状況に応じて薬を選択することが必要不可欠です。

そのため、お金がある人ほど先進的な医療を受けることが出来ます。

日本は、国民はすべて平等に同じ治療を提供される権利があります。

アメリカの薬剤師は、患者さんに適した医療を提供することで薬学的な知識を発揮して職能を生かすことが出来ます。

日本の薬剤師はこの処方に関する権利がありません。

この違いが国民に与える影響は思っているほど大きく、アメリカの薬剤師の社会的地位は非常に高くなっています。

テクニシャンの存在

アメリカにはテクニシャンという職業(制度)が存在します。

テクニシャン(技術屋さん)は、薬剤師の手足のように動きます。

この動きには、薬剤師特有の薬学的な知識は必要ありません。

薬を間違えずに取りそろえる技能や図り取るテクニックが要求されています。

薬剤師の醍醐味である服薬指導も行いません。

鋭い方はピンと来たかもしれませんが、アメリカでいうテクニシャンはまさに日本の薬剤師そのものなのです。

あまり薬剤師を知らない人が『薬剤師さんは薬を取っているだけだから楽そう』と思うこの意見こそが国民が薬剤師に対して抱いている意識そのものです。

つまり、薬剤師=楽そうのイメージが払しょくできずにいます。

頭の中で繰り広げられている薬学的な思考は決して外から見えることはありません。

アメリカの薬剤師は、この薬学的な思考を患者さんの治療=金銭に直結することが出来ます。

この患者さんへの貢献度の違いが社会的地位の違いといっても過言ではありません。

AIに取られてしまうのはテクニシャン

薬剤師を目指そうと思っている方は、日本の薬剤師に未来はないのかと思われたことでしょう。

大丈夫です。

日本でもアメリカのテクニシャンと同様の制度が稼働しようとしています。

平成31年4月2日付で、厚労省0402通知『調剤業務のあり方について』が出ています。

これは、薬剤師以外のものに実施させる業務の名言化を目的とした通知になります。

従来の薬剤師法第19条では、薬剤師以外のものが、販売または授与の目的で調剤してはならないことを規定しています。

近年、患者さんに一人かかりつけ薬剤師をつけるといった制度が進んでいます。

薬剤師は、患者さんに薬の説明をするだけでなく、患者さんの服用状況や副作用モニタリングを行い薬剤全般的に把握することが求められています。

そのため、これまで暗黙の了解で行っていた医療事務の調剤を、調剤機器や情報技術の活用も含めた対物業務の効率化のために有効な取り組みの検討を進めるべきとされました。

つまり、薬剤師が調剤に最終的な責任を持つということを前提に薬剤師以外の人に調剤業務を委託することが認められました。

薬剤師が行うべき服薬指導や患者把握をするため、従来行っていた調剤を医療事務やテクニシャンが担うことが名言化初めて明言化されました。

しかも、薬剤師の管理下で行うことも明記されています。

これからの薬剤師は、より薬学的な管理を行うため、仕事を細分化していく方向にあるでしょう。

薬剤師も求められる内容がより専門的になるため存在価値は高まりますが、この期待に応えることが出来ないようなレベルの低い薬剤師は生き残っていくことが出来ないとも言い換えることが出来ます。

これからの薬剤師は志を高く持つ必要がありそうです。

薬剤師になるまでや薬剤師になってからの勉強が大変

薬剤師になるには薬学部で6年間薬学に関連する基礎から臨床まで幅広い知識を学ぶ必要があります。

薬剤師になっても日々進歩する医療や薬の情報を得なければあっという間に世の中から置いていかれてしまいます。

日々勉強、日々研鑽と簡単に言いますが、日常業務をしながら添付文章を確認するだけでなく、時間外に勉強会に参加したり、学会に参加したりと自分の時間を使って勉強することは意外と骨が折れます。

この大変さだけを感じるだけでなく、薬剤師としてのやりがいを感じることでその大変さをうまくコントロールすることが出来ます。

まとめ

一生懸命勉強したのにそのスキルを活かすことが出来ないと自分の学生生活はいったい何だったんだと否定的な気持ちになってしまいます。

高い学費と6年間の勉強といったネガティブな要素は払拭できませんが、その先には、高収入、持っている知識をフル動員して仕事ができる環境が待っています。

これから医療が無くなることは決してありません。

薬剤師の立場が危うくなってくる、いずれ薬剤師は必要なくなるといった根拠もない情報が飛び交っています。

しかし、国からは薬剤師の職能を発揮するために業務効率化のために通知も出ているのが現状です。

薬剤師という職業を国から求められるだけでなく、患者さんからも求められるようなそんな薬剤師は安定以外の何物でもありませんよ。