編集プロダクションには、「給料が安い」というイメージがつきまとっています。

ハードワークなのに収入が割りに合わないともよく言われるのですが、本当なのでしょうか…。

気になるその実態に迫ってみましょう。

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編集プロダクションの給料の相場はどのくらい?

正社員で新卒入社した場合

会社によって幅がありますが、14〜18万円くらいです。

正社員で転職した場合

転職の場合は、経験値やランクによってかなり変わります。

平均的には19〜25万円といったところですが、経験が浅い人はもう少し安くなりますし、ベテラン編集者であれば、30万円を超える場合もあります。

パート・アルバイト

時給で1000〜1500円くらいが平均的です。

編集プロダクションの場合、会社によっては編集者でなく、校正者やデザイナー、DTPオペレーターなどを募集することもありますが、このような職務の場合は若干時給が高めで、1200〜1600円くらいが平均的です。

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

賞与

年2回の賞与が出る会社も珍しくありませんが、まったく出ない会社もあります。

業績次第で出たり出なかったり、というケースが多いです。

ただし、賞与が出るとしても一般企業よりは低い水準であることが大半です。

もし月給2ヶ月分が出れば万々歳でしょう。

昇給

年1回の昇給という会社が多いですが、昇給が名ばかりになってしまう会社もあります。

業績によって上がることもあれば、逆にカットされることも珍しくなく、浮き沈みが激しいのが常です。

各種手当

残業手当や休日出勤手当が支給される会社もありますが、それも珍しい部類。

多くの会社はどちらも出ないと思ったほうがいいでしょう。

ただし、企画が通った場合など、企画を考案した人に企画手当等が支給されるケースがあります。

給与が高い人は何が違うの?

スキル

編集者のスキルは明らかに個人差が大きいです。

特に編集プロダクションでは、高収入につながる企画力が重視されるため、出版社に企画を通せる力のある人ほど、当然給料も高くなるのです。

役職

変数プロダクションの場合、「主任」「チーフ」「部長」などといった役職を与える会社もありますが、役職手当があるとしてもわずかです。

名ばかりの役職で手当がない場合も珍しくありません。

社長以外は、実質ナンバー2で勤続15年以上のベテランでも役職なしという会社もあります。

勤続年数

同じ会社で勤続年数を経過すれば、たとえ少しずつの昇給でも給料は上がっていきます。

ただし、前述したように浮き沈みの激しい業界なので、長年勤めていても業績が悪化すれば、給料もカットされてしまいます。

現在50代で、景気のよかった20代の頃と年収が同じという人も珍しくありません。

地域

編集プロダクションは大都市、それも東京に大半が集中しています。

収入の地域格差はそれほどありませんが、地方都市の場合は東京の会社ほど仕事量が多くないこともあり、東京ほどのハードワークにはならないこともあります。

編集プロダクションの給料の決まり方

経験年数

途中入社の場合、年齢や経験年数によって多少は考慮されます。

ただし、たとえ経験が豊富でもその会社の業務にはあまり役立たないケースも実際はあるため、入社当初の給料は低めに抑えて、仕事ぶりを見てから昇給させるという場合もあります。

多くの会社では、自社の収入アップにつながることを示せば、昇給につながりますが、ただ業務をこなせるというだけでは、なかなか評価にはつながらないでしょう。

背景には、出版業界の状況が非常にシビアだという現実があるからです。

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編集プロダクションで給料をあげるためにやるべき3個のこと

現在の編集プロダクションでは、給料をあげることが簡単ではなくなっています。

編集のスキルや文章力を磨いたとしても、会社の業績向上につながらなければ、それほど評価はされません。

とにかく、自分が「会社に利益をもたらす存在」であることを示すことが第一です。

今の勤務先でできること

給料アップの交渉をしてみる

給料アップの交渉をするには、具体的な材料が必要。

自分が担当した仕事というより、「自分が取ってきた」仕事でどれだけの収入をもたらしたのか、を材料にして交渉します。

その場合、「自分が企画を提出して採用された」例はもちろん、「版元や制作会社から指名されて自分が担当した」例などがあるとより効果的です。

営業活動をする

好景気の時でもなければ、ただ待っていても仕事はありません。

編集プロダクションにおける営業活動とは、

  • 1.企画を通す
  • 2.発注先のルートを新規開拓する
  • 3.発注先との関係を深めること

など。

2は、それまでお付き合いのあった人が転職して、別の会社に移った時がチャンスです。

相手も転職先で実績をあげたいので、コネクションのあるプロダクションの力を借りたいと考えるからです。

積極的に企画提案をすると効果的です。

3は、とにかくマメに連絡を取ることが肝心。

アピールすることで意外なチャンスが広がるものです。

思い切って転職する

今の会社で行き詰まりを感じたら、転職もありです。

編集プロダクションはハードワークなあまり、退職する人も少なくないので、求人も珍しくありません。

自分に適した会社がタイミングよく見つかれば、思い切って新天地に移るのもいいでしょう。

転職先の選び方1:転職サイトを利用する

転職サイトにも編集プロダクションの求人は出ています。

ただ、「校正者」の募集だったり、WEB制作の業務だったりすることも多いので、募集内容をよく見極めて探しましょう。

転職先の選び方2:知人に紹介してもらう

編集プロダクションでは、人的ネットワークを頼りに人を探すことも多いです。

まったく知らない人を雇うより、信頼できる人物の紹介であれば安心できるからです。

版元などに相談できる人がいれば、事情を話して紹介してもらう手もあります。

ただし、その場合はくれぐれも秘密を守ってもらうこと。

給料をアップさせるための求人の選び方

中途入社であれば「自分のスキルを活かせる職場かどうか」、が一番のポイント。

たとえば、広告タイアップの事案についての実績が豊富なら、その分野に力を入れたい会社には大いにアピールできるはず。

逆に、たとえばグルメ系を専門にしてきたのに、その分野にまったく興味がない会社であれば、実績が十分に評価されない可能性があります。

まずは、自分の資質に敵した会社を選ぶことこそが、給料アップにつなげるコツです。

給与相場が今よりも高いところを探そう

正直なところ、編集プロダクションで給料が高い会社を探すのは難しいでしょう。

それでも、企業媒体や広告媒体を中心とする会社など、比較的単価の高い案件を扱っている会社など、少しでも相場が高い会社はないこともありません。

逆に、信じられないほど給料が安い会社も少なくないので、今より収入が下がる会社ばかりであれば、転職のタイミング自体も考慮し直したほうがいいかもしれません。

賞与や昇給制度をチェック

賞与や昇給制度については、多くの場合が「あり」と書いてありますし、決してウソではないでしょう。

ただし、一般企業に比べれば、編集プロダクションは昇給や賞与がまったくないということも珍しくないです。

きちんとした賞与や昇給制度を望むのであれば、違う業種を選ぶほうが賢明です。

残業代はちゃんと出る?

残念ながら、ちゃんと出るケースは非常に珍しいと言えます。

多くの会社では「定時」という概念もあってないようなもので、編集プロダクションに「残業代」を求めること自体がナンセンスです。

交通費や福利厚生は?

通常の場合交通費は支給されます。

通勤定期はもちろん、取材にかかった交通費などは会社負担ではなく、版元に請求できることが大半です。

福利厚生については、ほとんど期待できません。

経験者が教える、実際に給料がアップしたのはこんなとき

自分の企画が通った時などに「企画手当」が支給されることはあります。

私の場合、大手出版社に提出したムックの企画が通った時に、給料に加えて10〜15万円がつきました。

雇用形態ごとに違いは出てくる?

月給や年収

ほとんどが正社員で、派遣社員や契約社員というケースはまれです。

アルバイトは時給計算だと正社員とあまり変わらないので、月給制にするケースもあります。

その場合は、一番若い正社員の7割程度というラインです。

給料以外における良い点と悪い点

正社員

正社員とはいえ、給料は安く、労働環境が悪いなど条件は厳しいです。

いい点は、自分が手がけた仕事が世に出るので、やりがいを感じられることでしょう。

派遣

WEB制作を中心にするプロダクションの場合やデザイナーなら、派遣社員というケースも見られますが、編集業務ではあまり派遣は見られません。

経験者が派遣社員で編集業務を探すなら、プロダクションより出版社などを当たったほうがいいでしょう。

契約社員

上記の派遣と同様で、編集業務での契約社員は極めて少ないのが実情です。

アルバイト

手軽に編集業務を経験できるのはアルバイトのメリットです。

ただ、雑用ばかりであまり面白みが感じられないというケースや正社員なみに働かされてハードな割りには収入が安いということもあります。

この働き方は、こんな人におすすめ!

正社員

編集の仕事をどうしてもやりたい、という人は正社員で入っていいと思います。

契約社員

契約社員という実例自体が少ないものの、以前編集業務を経験していて、短期的に復帰したいという人や長時間は働けないという人にはいいでしょう。

アルバイト

編集業務を体験したい、出版物制作の現場を見てみたいという人には向いています。

この仕事が自分に適しているかどうか確信が持てないという人にもオススメ。

派遣

契約社員と同じく、派遣社員の実例が少ないのですが、以前編集業務を経験していて、短期的に復帰したいという人や長時間は働けないという人にはいいでしょう。

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まとめ

編集プロダクションは、収入の面では非常に不利な業種です。

安い給料の割りにはハードワークで、残業代などもまず出ません。

それでも、キャリアを積んで大きな企画を通せるスキルやコネクションを持てれば、多少なりとも高収入を得る可能性は残されています。



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