出版不況と呼ばれる中、編集プロダクションの業務は非常に厳しくなっています。

業績が悪化する会社も多く、リストラも盛んに行われているため、転職を考える人も少なくないでしょう。

そこで、編集プロダクションの転職におけるポイントや注意点を解説します。

編集プロダクションの転職で注意したほうが良い2個のこと

ブラック企業

編集プロダクションは総じて、ハードワークであり、深夜に及ぶ残業や休日出勤も日常茶飯事。

それでいて給料も安いことがよく指摘されています。

実際にその通りなので覚悟が必要なのですが、編集プロダクションの中でも、多少なりとも差があることも確か。

「楽な仕事」や「高収入」であることはまずありませんが、「今より良い仕事」や「今よりは良い給料」を求めることは十分可能です。

業務の範囲

会社により、「取材とライティングが中心」とか「企画から編集、校正までを請け負う」などスタイルに多少違いがあります。

前者のほうが仕事量が減る分給料も安くなりますが、後者がそれほど給料がいい訳ではありません。

また、広告やタイアップ記事、企業媒体などをメインにしているプロダクションも多く、そのようなケースは単価の高い仕事を請け負っているため、やや給料も高くなります。

しかし、そのような企業頼みの業務だと、仕事を切られた場合のリスクが大きいため、「一時は羽振りがよかったのに、あっという間に潰れてしまった」という例も多く、リスクがあることも知っておきましょう。

転職を成功させるためには何をすれば良い?

自分のスキルや経験をアピール

相手はあなたの経験と能力を買うのですから、この部分を強くアピールすることが最も重要。

ただし、あれこれと欲張りあまりにアピールの範囲を広げすぎるのは逆効果です。

相手の立場に立ち、思わず自分を採用したくなることに絞り込んだほうがいいでしょう。

特に訴求するのは、「○×社とのパイプあり」とか、「○○ものの企画を立案して採用された」という実績です。

あなた個人のコネクションと企画力は、新天地でもそのまま活かすことができるため、大いにアピールした方がいいでしょう。

前向きな姿勢をアピール

本音では、「前の会社では契約社員だったので、正社員になりたい」という志望動機だったとしても、編集プロダクションではそのような「安定志向」は最も嫌われます。

「安住したいのなら、ほかの業界へ行け」という考えの人ばかりなのです。

こんな時は、「もっと責任のある立場で活躍したい」とか、「自分が編集長として一冊を取り仕切りたい」とか、「長年の夢だった○○物の企画を成立させたいが、以前の会社では不可能だったので」という言い方で志望動機を訴えれば、やる気を買ってくれる可能性が大です。

転職するに当たっての必要な心構え

焦って転職先を決めない

編集プロダクションの多くは、出版不況のアオリで苦戦しています。

現時点で転職しようとしても、今より条件が悪いということも珍しくありません。

たとえ現状が厳しくても、わざわざ現状以下にすることもありません。

焦って転職するより、現在の会社にいながら現状を改善する方法を模索することも必要でしょう。

業務内容が本当に自分に適しているか

編集プロダクションは、それぞれにカラーがあり、単純に「今の給料より良い」というだけで転職してしまってから、「仕事の内容がどうしても自分に合わない」と感じることも多々あります。

得意分野をもって専門的な仕事をしてきた人ほど、新天地で違和感を覚えがち。

「クルマ雑誌の仕事がメインだったが、クルマも飽きてきたし、食べるのが好きだからグルメ系もいいだろう」などと、安直な理由で転職を決めてから、「食の世界の独特の雰囲気や仕事の進め方がどうしてもなじめない」と感じることもあるのです。

多くの場合は経験しないとわからないので、転職してから気づいてもあとの祭りとなってしまいます。

その会社が本当に自分に適した業務内容なのかどうか、しっかり吟味することが重要です。

勤務地も考慮する

「給料がよくなるから、多少遠くてもいいか」と安易な気持ちで転職をして毎晩終電で帰ることになり、帰宅が深夜1時半という日々が続いたら肉体的にも精神的にも辛いはず。

この世界では、終業が遅くなるのは必然でもありますから、自宅から遠い場所に転職するのは自殺行為とも言えます。

編集プロダクションの転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

年収の高い会社に転職する

単純に月給だけで比較するのではなく、たとえば「企画手当」のような成功報酬などの制度があるかどうかもチェックしたいもの。

頑張れば頑張ったなりに収入が上がる制度があれば、モチベーションにもつながります。

企画力を磨く

編集プロダクションの命運を左右するのが「企画力」です。

どの版元も「売れる企画」を求めており、企画力をもつ社員であれば、どんな即戦力よりも高く評価され、収入アップにもつながります。

コネクションを築く

企画力にも関係しますが、出版社との人脈はもちろん、いい著者や著名な監修者とのコネクションがあれば断然有利。

「○○先生に監修してもらって私が手がけた本が増刷になりました」という実績があれば、同じ先生の監修本を企画する場合に話が早くなるからです。

この世界では「○○さんと知り合いです。前に一緒に仕事しました」という人脈が非常にものを言うのです。

自分にあった編集プロダクションの求人の選び方や注意点

前述したように、編集プロダクションの業務内容は会社によって微妙に違います。

求人を見る場合にはコツや注意点があることを知っておきましょう。

【選び方①】雇用形態から探す

通常は正社員募集が原則ですが、契約社員募集というケースもあります。

現在正社員であれば、わざわざ契約社員になる必然性もありませんし、現在契約社員で転職を目指すなら、正社員で探すべきです。

【選び方②】職種から探す

編集プロダクションの場合、原則は「編集者」または「編集スタッフ」で、「編集アシスタント」の場合もあります。

ほかに「校正者」や「DTPオペレーター」の求人などもありますが、これらの職種は別物と考えたほうがいいでしょう。

【選び方③】会社の業態から考える

株式会社のほか、有限会社の場合も多いのですが、編集プロダクションの場合「有限会社だから格下」とか、「株式会社なら安心」ということもありません。

業態は気にせず、あくまで会社の「中身」で判断しましょう。

【選び方④】会社の業務内容から考える

自分の経験やコネクションが活かせる業務内容かどうか、たとえば医療関係者にコネクションがあっても、健康本の実績がまったくないプロダクションだと宝の持ち腐れになる可能性があります。

あるいは自分がチャレンジしたい分野で実績のある会社ならいいのですが、まったく興味のない分野を主体とする会社であれば、長続きしない可能性もあるので、しっかり業務内容を見極めることが転職には重要です。

【選び方⑤】給与や雇用条件から考える

現時点より高いことに越したことはないのですが、きわめて収入が不安定な業種ゆえ、業績が悪化すれば給料が下がることも覚悟する必要があります。

単純な給料面だけでなく、「自分のスキルを活かせる会社かどうか」を重視し、「実績を上げれば給料アップが可能なのかどうか}を注視すべきです。

【選び方⑥】エリアから考える

勤務が深夜にまで及びことが多いため、自宅から遠い会社はなるべく避けたほうが無難です。

まとめ

編集プロダクションは、出版不況の逆風にさらされてどこも厳しい状況です。

廃業に追い込まれる会社も少なくないし、事業存続のためにやむなく社員をリストラしている会社も珍しくありません。

不安を感じて転職を考える人も多いようですが、転職に失敗する例も多々あります。

失敗する理由としては、「将来が不安になった」とか「今の会社が嫌になった」「仕事がきつい」といった後ろ向きな姿勢であることが大半です。

しかし、「自分のスキルや経験が現在の会社で活かせないので、もっと活躍したい」と、あくまで前向きな姿勢で臨めば、新天地でも大いに羽ばたけるはず。

出版不況のなかでも、多くの会社が頑張ってサバイバル合戦を勝ち抜いているのです。

強い気持ちと前向きな姿勢を忘れずに、自分を高く売り込むことができれば、きっとあなたの転職は成功するでしょう。



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