広報はスペシャリストと言える仕事でもあり、広く見聞が必要とされる仕事でもあります。

そんな広報への転職は、どのように行うのが一番良いと言えるのでしょうか?

また、広報の転職で気をつけるべき点や狙い目の企業の特長は?

円滑に転職するためにはどのような点に気をつければ良いのでしょう?

広報の仕事は多岐にわたることが多いのですが、その割に孤独な仕事です。

自社の広報をしている場合でも製品広報をしている場合でもそうです。

広報で重要視されることの一つに差別化があります。

同業他社の製品よりも自社の製品の優れている点、劣っている点などの情報は、常にアンテナを立てて見張っておく必要があります。

経営方針や事業展開等についてもそうです。

ですので、自社の良いところも悪いところも把握できているかどうかが重要視されます。

今回は、そんな広報の転職という切り口から覗いてみたいと思います。

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広報で転職する人は多い?

広報職について転職する人が多いのは、広報代理店などで仕事をしている人でしょうか?

広報の醍醐味はやはり、その企業に属して企業価値を創造し、それを拡大していく点にあると言えるでしょう。

なので、広報代理店などで多くのクライアントを抱えてそれを回していくというのを得意としない人が中にはいるようです。

しかし企業内の広報職に就いた人はその企業の提供している商品やサービスが好きだと思う人なので、転職などはあまり多いとは言えないでしょう。

しかし広報も他職同様に、企業の勤めやすさや所得などによってはやはり上を目指したくなるのも無理はありません。

なので広報は、やはり待遇面の改善を目的に転職する人が多いと言えるのかもしれません。

よくある転職理由とは?

理由としては、やはり待遇面の問題、もしくは同僚や先輩などとの人間関係が上手くいかないなどというケースがあるかもしれません。

また、他の業態の広報業務も経験してみたいなど様々な理由が考えられます。

広報代理店から企業広報への転職

広報代理店では基本的に数社を担当し、それを回しながら業務をこなしていくことを強いられます。

これはメディアへ出向いて情報を収集しやすいことや名の知られた広報代理店であれば、メディア側にも信頼がありますので、プレスリリースなどを送りやすいというのがあります。

しかし一人で数個ものクライアントの案件を抱え、案件によっては製品広報から企業広報まで多岐にわたる場合には、その仕事内容のギャップに非常に多忙になったりとやりづらい面も出てきます。

また、一つの企業内で自社の全体に関わってこそシナジーが出る職務でもありますので、広報代理店から企業内広報へと転職を希望する人は多いとも言えるでしょう。

企業広報から広報代理店への転職

逆に企業内広報から広報代理店への転職をされる方も、中には存在します。

そうした方の転職理由の一番は、多くの製品広報の手法を知りたい、広報代理店だからこそ知り得るノウハウを知りたい、などの理由が多いようです。

広報という業務は企業のあり方によっても業務が左右されることが多い仕事でもありますので、多様な手法や多様な広報のやり方を知るには広報代理店に転職するのが様々な業務を知ることへの最も近道でもあるのです。

そうしたことを知りたいという気持ちや一般の企業内広報よりも広報代理店の方が給料的にも優遇されているケースが非常に多くありますので、待遇面に不足があると感じる人もまた、広報代理店への転職を考える人が多いのかもしれません。

製品広報から企業広報への転職

製品広報業務を企業内でしていて企業広報を志す人は非常に多いのが現状です。

やはり製品広報のみでは企業が向いている方向が分かりづらいというのが現状です。

そうした時に、取締役会や社長の近くにおり、企業がどちらに向かっているか理解しやすい企業広報への転職は、製品広報担当者からするとより華やかで企業全体に関わる自分の能力をより一層発揮することが可能になる舞台と言えます。

ですから、製品広報担当として企業に就職した人がその能力を磨き、企業広報へと転職をするケースは大いにあると言えるでしょう。

企業広報から企業広報への転職

企業広報の体験者が企業広報へ転職するケースで多いのは、転職先企業が例えば広報のスタートアップでまずは立ち上げから手伝ってほしいなど今までの環境では経験し得なかった体験をさせてくれる場合が多いと言えます。

また企業内広報から企業内広報へ移る場合には、待遇面や自己スキルをより有意義に使える職場へと転職するケースが多いと言えるでしょう。

例えば日経企業で企業内広報を経験してきたけれども、自分の得意とする英語などのスキルをより活かすため海外企業のPR(パブリック・リレーションズ)セクションへと応募する場合などがそうだと言えます。

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広報で狙い目な会社の5つの特徴とは?

広報職で狙い目な会社の特徴とはどんなところでしょうか?

またどういう募集を選んでいくべきでしょうか?

もしも貴方が広報を初めて経験する場合には、どのような企業のどのような募集を選ぶべきでしょう?

また貴方が広報の達人と呼べるレベルまで経験しているのであれば、どのような待遇の企業を選んでいくべきでしょうか?

ここでは、広報という職務で転職する場合の狙い目な企業の特長を見ていきます。

立ち上げたばかりの企業

広報の経験があまりない人の場合、立ち上げたばかりのベンチャー企業などで仕事をしてみると、広報を学ぶ機会に恵まれます。

そこでは広報のみで一人の人を雇えない場合も多いので、様々な仕事を兼任することも多くあります。

基本的には総務職がメインになりますが、それを通して企業の動きがよく分かるようになるのです。

基本的に総務の仕事とは、簡単に言えば「会社のレベルアップ」とされています。

経営陣を含めた全ての部署との連携や関係を持つ社内で唯一の存在ですので、社内全体を見わたすようになります。

また小規模会社の場合、小口会計など財務以外の会計を任されることが多く、その際に企業のキャッシュフローを目の当たりにするということは、自分の企業の何が収益に繋がっており支出が多いのは何かなどが分かることで、ビジネスを学ぶ絶好のチャンスでもあります。

こうした立ち上げたばかりの企業の広報は大変ですが、非常に醍醐味もあり、面白い仕事の一つと言えるのではないでしょうか?

サービスが分かり難い企業

貴方が企業面接を受ける前には、恐らく企業のHPなどをご覧になると思います。

企業のHPを見た時にそのサービスやビジネス内容が分かりづらい場合には、逆に広報としての力を発揮する舞台がその企業にはあると言えます。

広報の仕事の一つは企業の取り組みを分かりやすく伝えることです。

特に広報業界では「中学生にも分かるように伝える」とよく言われます。

中学生にも分かるように難かしい業務を噛み砕いて言う能力が求められているわけです。

それができていない企業の場合には広報が活躍する場があるということです。

HPの製作(リニューアル)からブランディングに至るまで、多々活躍できる可能性があります。

時には企業の情報が上手く整理されていない理由が組織内にある場合もあります。

そうした場合には、時間をかけて組織認識を変えていくような業務にも携わることになります。

関係各所と長い時間をかけて調整していく関わりが必要になってきます。

何らかの理由で拗れてしまっている情報を紐解き、それを明文化することで、社内にも社外にも自分たちの業務を分かりやすく伝えてあげるという広報特有の仕事が可能になります。

広報セクションを立ち上げた企業

今までに広報セクションがなく、部門を立ち上げる為に人を雇用する企業もあります。

こうした企業の場合は社内に広報の専門家がいないので、孤独な業務になるケースも多くあります。

また広報の仕事には企業ブランディングの維持という業務もありますが、こうした会社では部門や他セクションがレギュレーションのないままにロゴなどを使って企業の公的なレターを作成していたり会社概要を作成していたりするケースがあります。

その場合、その業務が本来何処の部署で管轄すべき業務なのか調整などが必要になってきます。

これは企業内の業務分掌の問題にもなってきますので、時間がかかります。

また、立ち上げとなると一人での業務となりますので、製品広報から企業広報まで広く関わることになり、部署を運用していく中で代理店を使った業務や採用なども自分の裁量でこなさなければならなくなっていきます。

しかし非常に学ぶことも多く、自分で一つの企業の中に広報というセクションを立ち上げるくらいの気持ちで仕事ができます。

部内予算のやりくりなども仕事の一つとなってきます。

広報の担当者の後任を探している企業

広報業務の後任を探している企業の場合は、基本的に広報経験者を採用するケースが多いと言えます。

ただ、上司もおり同僚もいる部内の人員補充になりますので、分からないことがあれば部内で質問もできますし、教えてくれる人もいます。

また相談に乗ってくれる上司もいる環境で仕事ができますので、広報初心者でもこうした体制の整っている企業であれば安心して就業ができるのではないでしょうか?

基本的には前任者が行っていた業務を引き継ぐことが多く、その上で余力が出てくれば他の人の仕事を手伝いつつ部署としての業務拡大に貢献していくことになります。

こうした企業に就業できると、基本的には広報の業務事体が組織内で理解され且つ確立されていますので、仕事がしやすい環境に最初から入っていけると言えるかもしれません。

広報のセクション長を探している企業

セクションがすでにあり、広報のセクション長を探している企業もあります。

そうした企業の場合には、広報業務全般の能力と共にマネージメントの業務能力も必要とされます。

またグローバル展開をしている企業の場合には、英語力なども求められます。

人前でプレゼンテーションなどを行うなどの業務も発生してくる可能性がありますし、大きな会場で企業イベントを取り仕切るなど部門長として責任の重い業務が発生してきます。

何か問題が起きれば危機管理対応なども求められてきますので、広報部門の部門長の募集の場合には熟練した広報の専門家が求められているということになるでしょう。

広報の転職で注意したほうが良い2つのこと

メディアにコネクションがある方という募集の企業

メディアにコネクションのある方募集という企業広報の募集文をたまに見かける事がありますが、これは広報を勘違いしている企業の募集文といえるのでは無いかと考えます。

というのも、広報は確かに人でありますし、広報担当と記者は確かに仲良くなる事も多いのが現状です。

しかし広報はその記者に会う時必ず企業を背負って会います。

個人として会う訳ではありません。

記者が個人に付くという事はありませんし、仲良くなったからといって、ホイホイとその人が言う通りに記者が掲載を上げてくれる訳でもありません。

あくまでメディアは企業の情報を得る為に広報と会うのであり、企業が時流にあった、求められる業務を展開していれば記者の方から求めて取材の申し込みやメディアでの取扱の連絡を求めてくれるものです。

広報業務で最も良い広報戦略はこれだと言えるでしょう。

企業の業務が時流の中心におり、プレスリリースをメディアが欲している状態です。

広報への問い合わせも多く、その上経営方針や事業方針が非情分かりやすく整備されており、製品が世の中に求められているものであれば、製品やサービスや企業は自然と目立ち、必要とされ、色々なものを巻き込みつつ世の中に知らしめられて行くものなのです。

立ち上げなどのプレイングマネジャー募集の企業

企業立ち上げの時のプレイングマネジャーを募集している企業の場合、全てを一人でやらされる可能性がある事を覚悟しなければなりません。

しかし、これは広報部門の立ち上げ業務でもありますので、自分で組織を作って行くというダイナミックな業務を展開出来るという事でもあります。

しかし、外部代理店を使う、新規の部員を採用するなどしたとしても軌道に乗る迄には大変な苦労を強いられる事もあります。

しかし、部署が軌道にのり広報業務の業務事体が大きく展開されていくのを見た時の達成感はまた格別なものがあるのは間違い無いでしょう。

なので苦労を惜しまないのであれば、こうした募集に応募して新たなチャレンジをしてみるのも広報として素晴らしい経験となる事は間違いありません。

当初に苦労がある事を覚悟した上で応募するのであれば問題ありません。

広報で転職を成功させるためには何をすれば良い?

今までの職務の結果をファイリングしていく

現在あなたが広報部員であり、広報セクションで仕事をしているとします。

製品広報を担当していたとするなら、貴方のやってきた仕事を記録していく事は非常に役だつと言えるでしょう。

自分が出したプレスリリースを纏め、掲載紙、誌のクリッピングなどと共にファイリングしておく、自分の作った戦略等の資料や関わった資料やニュースレターがあればそれらもファイリングしておく事が必要です。

こうした事を次の転職の面談の時にプレゼンテーションする事であなたの仕事が認められます。

社内の規定に反さない限りで自分の仕事を記録し、ファイリングしておく事をお薦めします。

しかし広報は社内機密にも触れる仕事でもありますので、そこの部分の注意は怠らないようにして下さい。

広報で転職するにあたっての必要な心構え

何を目的に転職するのかを明確化する事

広報職経験者が新しい広報職に転職する場合に必要な心構えは他の職務でも同じと言えます。

要するに転職の目的を明確化する事です。

年収のアップを狙っているのか、それとも自分の新たな技量を使った広報をやりたいのか(英語が出来るので外資などの広報セクションに転職したいなど)それとも今の広報業務が忙し過ぎるのでより体制が整いライフタイムバランスの取れた職場に転職したいのか?

それらの目的によって志望する企業も変わって来るでしょう。

自分がその企業の製品やサービスを好きになれるかどうか確認すること

広報として転職するにあたって意外と大切な事柄の一つに、その企業自体、企業のやっているビジネスモデルを好きになれるかどうか?があります。

広報は企業を代表して自社のあり方や姿勢などを多くのステークスホルダーに知ってもらうのが仕事ですので、自社や自社の製品を好きである方がより職務にその能力を活かせます。

なので、自分がこの企業のあり方や企業の存在が好きだなと思える場合には、自分の力をより発揮できると言えるでしょう。

広報の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

製作物についてファイリングしておく

広報業務に携わっていると時に製作物を作成する場合があります。

それは社内報であったり、企業のブロッシャーであったり、はたまた企業用のロゴ入りレターやロゴ入りの封筒であったりします。

時には企業を啓蒙するような書籍を出版するのも広報の仕事ではあります。

そうした製作物はできるだけとっておくようにしましょう。

製作物を見せるということは、どれだけの手間をかけて貴方がどのようにその業務に関わったのかを一目で理解してもらえるチャンスでもあります。

ですので、そうしたものはできるだけ取っておいて、できるだけバリューの高いものを目指す転職先企業に持ち込みPRすることが重要になります。

自分が関わった案件などをきちんとまとめておく

広報業務は多岐にわたり且つ他部署との連携が必要になるために、ネゴシエーションやらミーティングやらとにかく毎日多忙です。

毎日同じ仕事をしているようで、全く異なった仕事を同時にこなしていかなければならない場合もあります。

また社外環境によっては急に企業が注目を浴びるなどのケースがポジティブにもネガティブにも起こりやすいセクションでもありますので、繁忙期というのはありませんが毎日バタバタと様々なことを同時に進めているような感じでしょうか?

そうした広報の仕事の中で自分の関わった案件を纏めておくというのは非情に大変ですが、これをできる人は次の転職に自分のやってきたことをアピールできる人と言えるでしょう。

小さく見落としがちなことでも評価される場合は多くあります。

どんなことでも漏らさず自分の業務を客観的に見て、何をしているのかということを書き出してみるというのは大切です。

掲載紙・誌などのクリッピング

自分の関わった露出記事などをクリッピングしておくべきなのかは前段でも触れましたが、これは非情に重要なことです。

いつ何というメディアに自分の出したリリースやニュースレターや、もしくはメディアの取材が成果となって取り上げられたのかをクリッピングしファイリングし整理しておくことは、今後の貴方の広報マン・広報レディーとしてのキャリアにとって非情に有効なアピールの一つと言えるでしょう。

特に製品広報においてはこうした活動は大変評価されますので、コピーなどを取りキャリアが分かるようにそれらをまとめておけば、面接時のPRに使えます。

まとめ

ここまで広報として転職するにあたって気を付けて行きたいことや転職を円滑に進める為のコツなどを見てきましたが、皆さんはどのように感じられたでしょうか?

広報という業務は非情に個人性の高い業務でもあり、企業によっても形態が異なる仕事です。

ほとんどの人は最初に広報として従事した広報業務を刷り込まれますので、新たな会社に行って広報のあり方に愕然とする人も多いようです。

しかし、企業によって広報の形態が異なるのは当然ですので、それは自分で認識した上で、新しい会社で過去の経験を活かしつつ新たに学びながら、更に向上し広報としてのスキルや経験を身につけていくんだということを深く理解した上で真摯に業務にあたってほしいと思います。

この文章が転職活動をされる皆さんの経験にちょっとでも役に立てば幸いです。

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