営業から広報に転職した経験を基に、広報はどんなことをするのか、どういった転職をすればいいのかについてお話ししていこうと思います。

広報といっても幅が広いので、目指す企業の研究は別途行いましょう。

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転職して広報になるには?

広報になるといっても、一般的な転職方法と大した差はありません。

務めていた関連企業の取引先などに転職するケースもあれば、転職サイトに登録したり、転職エージェントに依頼して斡旋してもらうなど、手段は複数あります。

私の場合は務めていた企業のクライアントへの転職でした。

前職では営業でしたが、その際の会話の内容や提案内容が転職につながったケースです。

異職種から広報への転職で注意したほうが良い4個のこと

「仕事は仕事」という切り離しができないと続かない

正直に言うと、私の現職は広報ではありません。

辞めた理由も含めて、注意点としてご紹介します。

広報は、自社の商品やサービス、または自社そのものを会社外に向けてPRする仕事であるため、責任感が必要です。

自社の商品やサービスの内容、会社の歴史や概要まで深く理解して、どこで誰に会っても話せるくらいの知識量が求められます。

私自身はこの部分に関しては、営業からの転職経験ということもあって、問題ありませんでした。

しかし、広報の仕事には「矢面に立つ」という側面があります。

務めていた会社では重大なトラブルこそなかったものの

商品やサービスが広く消費者に楽しまれる企業であったことから、内容への不満や攻撃的な問い合わせ、クレームへの対応がありました。

SNSも活用してPRしていたことから、さまざまな人からのメッセージを頂戴し、都度思い悩んでいました。

営業と違って、担当顧客の要望や要求を解決していけば良いというわけではないですし、ただ攻撃をしたいという人のメッセージもあるので、メンタル的にキツイものがありました。

責任感が強すぎる、自分の問題として捉えてしまい、仕事を仕事として切り離せない人だと、プライベートの時間まで悩むことになります。

日本語力は必要

今はライター業をやっているので、この力はあったと思いたいところですが、広報としての日本語力と、小説や記事執筆の日本語力は少し異なっています。

プレスリリースの作成や会社案内、パンフレットなどの作成は、短い言葉で的確に意図を伝える力が試されるからです。

万人に興味を持ってもらえるような見出し作りも重要なポイントといえます。

プレスリリースは業界のニュースサイトなどにも載るため内容の充実度、話題を生む構成にできるかどうかも試されます。

また、私の務めていた会社では動画配信も定期的に行っていたので、台本の構成やセリフのチェックなども担うことがあり、プレスリリースとは全く違ってユーモアが必要とされました。

これはSNSでの情報発信もそうでしたね。

Twitterとfacebookでは同じ情報でも使う言葉を変えていました。

視覚的なセンスはあった方が良い

会社によって部署が分かれることもあるとは思いますが、ホームページのデザインチェックもしていました。

また、SNSなどで公開する画像のチェックなどもあり、どんな端末で消費者が閲覧するかという想定も含めて、不都合がないよう、端末によってギザギザに見える解像度やデータが重すぎるといったことについて、修正指示を出します。

別途デザイナーはいるのですが、会社と消費者をつなぐ立場なので、独りよがりなものになっていないかどうか、中立な視点で物を見なければならず、視覚的センスも問われます。

危機管理能力も求められる

広報も1人で全部をやっているわけではないので、会社ホームページで公開するブログ欄、動画配信用の収録担当などは別の人が行っていました。

広報になりたての担当者が執筆した内容や、現場の声といったものを公開するときに「炎上しそう」「これを言ったらどう捉えられるかわからない」「社内ではわかるけど消費者にもこの言い回しが伝わるか」といったことを客観的に判断しなければなりません。

会社にとってダメージがなく、より良い印象を与えつつ過剰広告にはしないというバランスが大切です。

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転職を成功させるためには何をすれば良い?

いかに中立の立場、客観的な見方ができるかをアピール

「御社のことが大好きです!」というのは面接での常套句になっているので、ライバルがいる場合の差別化ができません。

私の場合は取引先だったこともあって、ある程度内部事情や現状の広報の何に問題を抱えているのか知っていましたから、自分が入社することでどこが強みになるかを伝えられたのは大きかったです。

多くの企業は、広報として活躍している人を中途採用しない限り、新卒入社時に総合職採用した人物の中から広報担当者を決めて行きます。

その時に問題になるのは、中立性の欠如、主観的な考え方を持つ人物が多いというものです。

新卒からいきなり広報に配属されることはまずなく、自社の商品やサービスを理解するために現場に入るのですが、そうすると知識は得られる一方、主観的な見方になってしまいます。

昨今問題になっている大学広報部の発言なども、内部に染まりすぎたために起こっている炎上と言わざるを得ません。

そのため、転職で新たに広報を目指すなら、企業のこと、商品のことを研究しておくのは当たり前で、危機管理能力につながる中立かつ客観的な物の見方ができるかどうかが勝負です。

IRも知っていると選択肢が広がる

IRは株主総会などの資料や公開資料の作成、総会の司会進行を務めたりする仕事です。

大きな会社では広報、広告、IRそれぞれに担当部署や責任者がいますが、中小企業だと広報部が兼任していることも多いです。

売上、当期純利益、支出などの基本的な知識は必須で、経理担当者や部署のトップの報告をまとめて資料にし、自らも理解して話せる力があると企業を選ぶとき、広報がIRも担う会社を選択肢に含めることができます。

私の場合は前職で営業部の責任者だったため、株主総会用の資料作りにも携わっていたという経緯がありました。

採用に際してこの点が評価された部分も大きかったように思います。

PR会社に就職して経験を積んでおく

これは私の実体験ではありませんが、関連した業務を行ったことの無い、全く異なる職業からいきなり別会社の広報に入るのは難しいものがあるので、PRを専門にさまざまな企業のPRを担う会社の一社員としてまず転職するという手があります。

そこで広報のことを学んでから企業専属の広報担当者として転職するケースです。

あるいは、メディア対応が主な広報の仕事としている企業であれば、メディア経験者が有利になることも多いので、webメディア運営会社、報道、テレビ局などに転職してから広報を目指すという方法もあります。

転職するに当たっての必要な心構え

自分にできることとできないことを把握しておく

初めて広報になろうというのに「なんでもできます」と言うのは完全にNGです。

広報は、顧客や消費者と企業との関係を良くするための仕事なので、人間性に疑いのある人物が採用されることはありません。

丁寧な言葉づかい、文章の組み立て方といった基本のスキルに加え、人前に出てもしっかり話せるかどうか、知識はどれだけあるか、視野が狭くないかなど細かく審査されます。

また、メディア対応を広報のメインの仕事としている会社での面接で「SNSで反響を呼んだ経験があります」と言ったところで何の評価ポイントにもなりません。

その企業が広報に何を求めているのか、自分の持っている能力がそれと合致しているかをよく考えましょう。

契約社員期間中に実力を見せられるかが勝負どころ

広報として中途採用される時は即戦力としての採用がほとんどです。

正社員として面接を受けても、3カ月から半年くらいは試用期間として契約社員になることが多いため、その期間中に即戦力であると判断されなければなりません。

教わっている場合ではないのです。

もちろん、会社に入ってみないとわからない内部事情や独自の文化、文言の規定などはありますが、基本的な知識や広報としての仕事の流れ、会社の商品やサービスを学び直している時間はありません。

面接を受ける前に企業研究、仕事研究はしっかりしておき、必要であれば経理や法務の知識も身に付けておきましょう。

異職種から広報への転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

多くは年功序列型

広報の仕事は知識やテクニックはもちろんですが、実績が物を言う世界でもあるため、成功を積み重ねている年齢が上の人、経験年数が長い人の方が年収が高くなりやすいです。

社外広報を担当できることが重要

社内向けのお知らせをするのも広報の仕事ですが、やはり売上に直結する社外向け広報や、株主に説明しなければならないIR系の仕事ができる人の方が年収が上がりやすいです。

社内向けと比べて責任の重大さも格段に違いますし、メディア対応などもあると表に出なければならないので、その対価として高い報酬が支払われる傾向にあります。

転職する

広報に限った話ではありませんが、1社でそこそこ高い年収までいけば、転職することでさらに高い収入へジャンプアップできる可能性があります。

1社で収入を上げられたということは、実績があることを示しているので、人材を欲している企業からすると喉から手が出るほど欲しい存在です。

獲得するために現在の年収よりも高い額を提示してくれます。

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広報で人気な業界とその理由

広報は「花形部署」と呼ばれることも多いので、華やかな業界が人気のようです。

また、学校関係の広報も人気でした。

具体的に見てみましょう。

アパレル業界

アパレル業界の広報は、その多くがブランドイメージを対外的に発信していく仕事を担っています。

人気ですが、広報としての経験を積んでいる人でないと難しいので、もともとアパレル関連の仕事をしていない限り採用される可能性はかなり低いと言わざるを得ません。

また、広報としてファッション誌などの取材を受けることもあるため、ブランドイメージから遠い見た目の人も採用されづらいようです。

人気な理由

アパレルの広報は「プレス」と呼ばれ、あらゆる広報の中で最も花形といっていいでしょう。

イベントが多いので他の広報と比べると遥かに激務ですが、キラキラした世界に憧れがある人、広報という仕事のイメージが強い人に人気です。

学校系

私立高校や大学などの広報です。

事務員の中から広報部署配属が決まります。

受験者を集めるためのPRや学校通信などの発行、部活動が強い場合はその会見などの準備、司会進行などを務めることもあります。

ただし、最初は事務員として採用され、その後広報になるケースが多いようです。

人気な理由

トラブルを引き起こしづらく、時間に余裕を持って働きやすいという安定感で人気です。

学校の事務員全体の年収はそれほど高くはありませんが、広報未経験者でも挑戦しやすいといえます。

エンタメ系

映画、出版、ゲーム、アニメなどエンタメ系の広報です。

ただし、他業種から転職するためには武器となるような実績がないと採用されません。

エンタメ系で広報を部署として構えられるのは大手ばかりで、年収は800万円を超えたりするのですが、まず企業数が少ない上に、ベテラン勢の引き抜き、新卒時から育てあげた人が担当していることが多いです。

人気な理由

子供の頃から好きだった物に関わりたいという思いから、募集枠よりはるかに多い応募があるようです。

しかし、夢をつくる業界でも広報の仕事はシビアで、特有の業界知識も必要ですから、入れる可能性は低めです。

自分に合った広報の求人の選び方や注意点

広報の仕事は未経験・中途採用の募集はあまりないので、そもそも選択肢が少ないのですが、うっかり応募して大変な思いをしないために注意点をおさえておきましょう。

【選び方①】雇用形態から探す

派遣やアルバイトの広報というのはほとんどありません。

会社のブランド力を保持・向上する重要な役目であり、急に辞められたり社外に情報を漏らされると大問題になりますから、基本的には正社員です。

正社員になるための候補として契約社員になることはあります。

【選び方②】職種から探す

広報の中に、PR、IR、広告が複合されている募集要項があるので注意が必要です。

PRだけだと思って応募したらIRも含まれていたという場合、知識が追い付かないので書類審査で落ちてしまいます。

【選び方③】会社の業態から考える

広報の仕事は取り扱う商品やサービスは違っても、仕事内容が大きく変わるわけではないので業態はそれほど意識しなくても構いません。

ただし、大手企業の広報ともなると、かなり厳格なので自分と合うか合わないかは年収や雇用条件以上によく考えましょう。

【選び方④】給与や雇用条件から考える

別業種から広報に転職したいという場合、即戦力採用ではなく将来性を見込まれての採用ですから、最初の年収は期待せず、そこで実績をあげて年収をアップしていく方向で考えましょう。

広報の年収のボリュームゾーン(人数が多い層)は300万から500万ですが、20代の給料が月給15万円から25万円くらいなので、最初は年収300万円以下ということもあり得ます。

基本的には定時出社定時退社が多いですが、新商品や新サービス発表前後や株主総会あたりは残業も多くなることがあります。

残業代が出る会社かどうかはしっかりチェックしましょう。

【選び方⑤】エリアから考える

広報は企業であれば大中小問わず必要な仕事ですから、全国各地で会社を選べます。

ただ、PR会社に入って学ぼうと思うなら都会の企業がおすすめです。

都会は複数の案件を抱えている可能性が高いのでスキルアップが早いです。

まとめ

広報の中途採用募集数は少なめで、経験者優遇の傾向があるのでなかなか厳しいですが、本気で目指すなら面白い仕事です。

挑戦してみる価値はあると思いますので、自分に足りていることと足りていないことを冷静に分析して準備を進めてみましょう。


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