2020年11月28日

舞台監督になるには?

舞台監督になるために勉強しておくべきことや、下積みから実際に監督になるまでの流れを、現役舞台監督が解説します。

芸能界や舞台に興味を持っている人は少なくないと思われます。

ただ、照明や音響、大道具や衣装等は世間一般に知られているものの、舞台監督という職業を理解している方は少ないのではないでしょうか。

監督というと一般的には野球の監督か映画の監督のイメージをもたれますが、舞台監督の場合は思われているイメージとは大きく違っています。

そんな舞台監督、英語で言う「ステージマネージャー」について解説します。

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舞台監督になるには?

これと言った資格も必要なく、自分で舞台監督だと言えば舞台監督なのですが、歌手や俳優と同じで、売れているか、仕事が取れるか、大物と働けるかということとは次元が変わってきます。

良い仕事ができて売れる人もいればそうでない人が存在しますし、良い仕事にも様々な種類があり、ギャラの良い仕事なのか、待遇の良い仕事なのか、本人の成果が高く芸術的になるようにできた良い仕事なのかはまるっきり違う意味を持っているからです。

自分にとって良い仕事と世間から見て良い仕事とは真逆の場合も多々あるのです。

楽して適当にやって良いギャラが貰える仕事は、自分にとって良い仕事になります。

苦労した結果お客さんが喜んでくれたのにも関わらずギャラが安い仕事は第三者から見て良い仕事をやってくれたということになりますし、ギャラが安くたいした仕事をしていないのに皆が憧れる人達と一緒に働いているとなると世間にとって良い仕事と言える等、シチュエーションは沢山あります。

そんな仕事さえ取ることのできない人もいますし、仕事でずっと休みがない場合も。

舞台監督で仕事を取るには、舞台監督の会社に所属もしくは契約してもらう、プロデューサーに直接雇ってもらうか募集している所に応募して採用される、劇団に所属して劇団の仕事としてやる、知人の紹介でやるといったようないくつかのやり方があります。

おすすめの学校はある?

日本大学芸術学部や桐朋学園、玉川学園大学や、日本工学院、大阪芸大等です。

舞台監督の下積み時代は?

舞台監督の下積み時代には、所属した会社や劇団、フリーとして契約した公演で先輩舞台監督の下に付いて、演出部や舞台監督助手として働き仕事を覚えていきます。

大抵の大劇場の公演では舞台監督は2人以上いて、チーフ舞台監督のほかにサブの舞台監督、公演によっては2人で手がまわらない部所を担当する舞台監督が手の足らない人数だけいますし、会社となれば新人育成のため、人手が足りていても新人の勉強のために現場に送り込んでくれます。

ここで先輩方に教わりながら覚えていくのです。

小劇場の場合はいきなり1人で初めてチーフとしてやらなければならない場合もあり、自分なりのやり方を周りから学んでいくことになります。

ある程度の経験を積んだ後にきちんと教わった人と出会いがあり、自分ができていない所が分かると、その人に教えてもらうこともあります。

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舞台監督の就職先や募集状況は?

音楽系で言えばユニゾンカンパニーやクリエイト東京、クリエイト大阪等があり、芝居系は亀屋東西社、マルーラ、その他各劇団等で、演劇のサイトや仕事探しのサイト等で募集があります。

よく見るのはCoRich舞台芸術というサイトで、掲示板で様々な職種のスタッフを募集しています。

舞台監督の働き口はどの程度あるの?

通常、各劇場、各公演において1人から2人程度の舞台監督が働いていますが、お金のない劇団等は俳優さんが舞台監督を兼ねて公演する場合もあります。

小劇場等を含めると都内だけでも100カ所弱ありますが、毎日公演しているわけではありません。

これらの劇場のどこで何時の公演に携わるかということになります。

公演のための稽古や打ち合わせ等のことも考えると、稽古場は新宿や銀座、森下や世田谷他様々な所にあり、本番前の稽古に付き合うために通う必要があります。

大手の公演をやる会社は、松竹、東宝、明治座、新歌舞伎座、御園座、博多座、各プロダクション(ホリプロやナベプロ等)や、制作会社(何社かあります)、各劇団などで、小劇場を数に入れると結構な数が存在しますが、おすすめするのはやはり大手です。

舞台監督の転職事情

実家の商売を継ぐために辞めた仲間が何人かいます。

また、大道具の派遣会社の社長職に納まった人や、プランナーや作家、演出家になった人もいます。

商業系の大舞台の舞台監督は舞台や作品のことをよく知っているため、俳優さんに引っ張られて演出家になるパターンはとても多いのです。

古い作品になると当時の演出家が故人になっている場合も多く、当時舞台監督をしていた人が内容を一番把握している為、演出家になりやすいです。

経験者が語る!できる舞台監督はこんな人

信頼できる人

出演者の信頼を得ていて、各スタッフの動きも把握しており、スムーズに進行させることによって全体がまとまることができるようなスケジュールなり捌き方をできることが重要です。

臨機応変な人

臨機応変というのも大切な要素で、何にでもすぐに対応できることが求められます。

知識のある人

様々な知識を持っていることも、状況に応じて出すことができる引き出しが多い人と周囲に認識されるため、頼られることが増え信頼が厚くなります。

また作品において気付くことも増え、良い方向に持っていきやすくなるため、知識は持っていて損はありません。

アイディアが豊富な人

アイディアが豊富な人は、新しいアイディアを提案し採用されることで作品に貢献することになりますので、尊敬が集まり信頼が付いてきます。

気の長い人

短気な人は怒りやすく、周囲を萎縮させがちであるため雰囲気が悪くなりやすくなりますが、気の長い人は和やかな雰囲気を作り、皆に楽しく働いてもらいやすい環境を作ることができます。

優しい人

相手を気遣うことができる人は集団において皆をまとめやすくなりますし、良いムードを作れるムードメーカーになることができます。

辛い仕事であっても良い雰囲気の中だと辛さが半減しますので、その分頑張ることが可能になります。

機転の利く人

その場その場で一番良いやり方をすぐに実行することで信頼を勝ち得ることが可能になり、現場の生産効率が高くなります。

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舞台監督の仕事に興味がある方へ(まとめ)

まずは搬入搬出等のアルバイトをやってみて、現場を知り、舞台監督に接してみてどんなことをしているか見てみることをおすすめします。

基本的に、バイトさんを仕切るのは初めは舞台監督で、そこから各セクションに配置されますが、同じ舞台上で働いているためどんな仕事をしているかが分かりやすいです。

そこで目で見て知ることが、最も分かりやすい方法だと思います。

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