保育士の仕事で大変なことについて詳しくお話しさせていただきます。

長年、女性のなりたい職業上位に常にランクインしている保育士。

かわいい子どもたちと楽しく過ごしているような良いイメージがありますよね。

また、求人数が多く、資格があれば全国で働けるなどメリットの多い職業に思えます。

しかし実際に勤務するとなると、楽しいだけではないというのが現実です。

今回は保育士の大変な面や業務内容について具体的に解説します。

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保育士のおおまかな仕事内容とは?

保育士は、主に保育園に勤務して子どもたちの日常生活をサポートするお仕事です。

保育園の保育士の仕事は、担当する子どもの年齢によって違ってきます。

0歳児クラスでは、授乳や排泄、午睡など生活の支援が中心となります。

1歳児クラスから、体を動かすリトミックや外遊びなど多様な活動が増えてきます。

着替えや食事、片付けなど少しずつ自分でできるように支援していきます。

3歳児クラスになると、保育園によってはお勉強的な活動が入るところもあります。

また、体操教室や英語教室などが展開されることもあります。

保育士は子どもたちの生活の手助けをしながら、自分のことは自分でできるように声をかけたりお手本を見せたりします。

実は、保育士の働きかけや活動にはすべて狙いがあります。

例えば、絵本の読み聞かせでは「物語の世界に親しみ、先生やお友達と気持ちを通わせる」「本を通して、文字や絵に興味を持つ」、創作活動では「友達と協力する」「自分のイメージを表現する」といった狙いが設定されており、その狙いによって活動内容や保育士の声かけも変わってくるのです。

このような日々の保育の他、年間を通して様々な行事が行われています。

保護者も参加する親子遠足や運動会、夕涼み会、発表会、卒園式などの大きな行事以外にも、芋ほりや豆まき、クリスマス会や水遊びなど季節に応じたイベントを沢山実施しています。

日常の業務に加えて行事の準備も行うため、行事の前は大忙しになります。

保育士の勤務先としては保育園(保育所)が一般的ですが、実は保育士の資格があることで様々な選択肢が広がります。

例えば企業内の託児所や乳児院、児童養護施設、病院の小児病棟などで保育士として働くことができます。

また雇用形態も、公立保育園で働く公務員保育士、私立保育園で働く正規採用保育士、パートで勤務するパート保育士、補助業務のみを行う保育補助や保育助手など様々です。

ここでは、一般的な保育園で働く保育士に着目しようと思います。

保育士の仕事の大変なこと8選

いつも笑顔で、可愛い子供たちに囲まれているイメージのある保育士。

しかし実情は、なかなかハードな仕事をこなしているのです。

保育士や職員の人間関係

保育士は女性の職場と言われています。

男性保育士も増えてきてはいますが、少数派なのが現状です。

職場に女性しかいないということも珍しくありません。

女性同士が集まると派閥が生まれたり陰口を言いあったりと、人間関係がこじれやすくなります。

また雇用形態も、正規採用や臨時採用、パートなど人それぞれのため、年下の正規採用担任保育士が年上のパート保育士に指示を出すという場面も見られます。

担任が補助の職員に依頼をするのは当たり前なのですが、「年下のくせに何あの言い方・・・!」など火種になってしまうこともあるようです。

保護者からのクレーム

最近、保育現場では保護者との関係に神経をすり減らすことが多いです。

保護者とは常にコミュニケーションを取り、園児の様子を細かく伝えます。

日頃から良い関係が築けているかどうかが、何か問題が発生した際の心証に大きく影響するからです。

ただ、保育園に子どもを預けている保護者はとても多忙な毎日を送っています。

送迎の際にも慌ただしく、なかなかお話ができない、連絡ノートも読んでいるのかどうか分からないという方も中にはいます。

園児について気になることをお話したく面談日を設定しようとしても、対応できないと言われてしまうこともあります。

保育園と保護者の間ですれ違いが多くなると、トラブルが発生した時のクレームに繋がりやすい傾向にあります。

かなりの力仕事

実は保育士の仕事は、かなりの力仕事です。

0〜1歳児のクラスでは、ぐずる子どもを抱っこしてあやすことが多いです。

園児が同時にぐずってしまったときには抱っこ紐とおんぶ紐を両方使い、前に一人後ろに一人抱っこしてあやし続けることもあります。

また、おんぶをしながら両手に二人抱っこしなければいけない場面もあります。

腰や背中にかなりの負担がかかって辛いです。

もっと大きな園児でも気持ちが落ち着かないときには抱っこをせがむこともありますので、へとへとになってしまいます。

また、水遊びのためにたらいやプールを運んだり、運動会の準備のために道具を運んだりするのも重労働です。

保育士の間では、腰痛は職業病と言われているくらいです。

園児と全力で遊ぶのも体力が必要です。

ほとんどの園では、ほぼ毎日外遊びの時間があり園庭や近くの公園で遊びます。

大きい子ども達は足も速く力も強いので、こちらもいつも全力です。

子ども同士のトラブル

子ども同士がトラブルを起こすこともあります。

一番困るのは、ケガをさせてしまうことです。

おもちゃの取り合いで引っかいたり、かみついたり、持っていたおもちゃが顔に当たってしまったり、遊んでいる時に突き飛ばして転ばせてしまったりと、子ども同士による些細なケガの発生は日常茶飯事です。

大きなケガに繋がらないように見守っていますが、厳重に予防線を張っていてもケガは起こってしまいます。

保育園によって対応の仕方は異なりますが、私の経験した保育園では「園でのケガは子ども同士のトラブルであっても園の責任」「誰が手を出したのかは保護者に報告しない」という対応マニュアルがありました。

保護者がお迎えに来た際に、ケガをしてしまった経緯を伝えます。

その際に、誰にケガをさせられたかはお伝えできないということも説明します。

保護者同士で謝罪を求めたりすることになると余計にトラブルが大きくなってしまう可能性があります、と説明すると、たいていの保護者が納得してくださいます。

保育士が平身低頭謝罪しても納得してもらえない保護者もいたので、子ども同士のトラブルによるケガは憂鬱でした。

生活リズムがバラバラに

多くの保育園では、シフト制を導入しています。

保育園の開園時間は概ね7:00~20:00と長時間にわたることや、月曜日から土曜日まで(園によっては日曜日も)勤務があるためです。

私の経験した園では7:00から働く朝番・8:30から働く中番・10:30から夜まで働く遅番の3種類がありました。

保育士同士で、バランスをとりながらシフトが組まれています。

子育てをしている保育士は中番しか入れなかったため、独身者やパート保育士が朝番や遅番に入っていました。

1週間の中で出勤時間がバラバラだと、生活リズムを整えることが難しくなります。

次の日が朝番なのになかなか寝付けない、遅番の日は夕食の時間が深夜になってしまうなんてこともありました。

また、出勤時間を勘違いしていて無駄に早く出勤してしまったり、次の日の出勤時間が正しいかどうか何度も確認して気持ちが張っていることが多かったです。

保育士を離職してしまう理由の一つに、生活リズムが崩れることが辛いと挙げられるほどです。

プライベートも保護者の目?

退勤後やお休みの日に、スーパーなどで保護者とばったり会ってしまうことがあります。

園児に大声で「○○せんせ~」と呼ばれて恥ずかしい思いをしたという保育士さんも多くいると思います。

保護者に、買い物の内容を見られてしまったり彼氏と歩いているところを見られてしまうと、陰で噂になってしまうこともあるようです。

わざわざ遠くまで買い物に行って、保護者と出くわさないように気を付けていました。

おしゃれができない

保育士は子どもと接するため、華美な服装はNGです。

指輪やピアスなどのアクセサリーは子どもの肌を傷つけてしまったり、うっかり落として誤食されてしまうという危険性があります。

また、髪の毛を下ろしていると子どもに引っ張られてしまうため、ほとんどの保育士は髪を束ねているか短くしています。

服装も、ジャージや動きやすい服装の上にエプロンをしているため、仕事中はおしゃれな服装をすることもありません。

お化粧はしますが、つけまつげなど派手すぎると保護者からの信頼を損ねてしまうので、見出し内程度に留めている人がほとんどです。

給与が少ない

保育士を離職してしまう理由の第一位は、給与の少なさでしょう。

公立保育園、私立保育園で違いがありますが、大変な仕事の割には給与が少ないのが現状です。

初任給は概ね月18万円程度から始まり徐々に昇給しますが、月25万円程度で頭打ちとよく言われています。

男性の保育士もいますが、正直家族を養うには厳しい収入だと言わざるを得ません。

それでも公立の保育園であれば順調に昇給することができるのですが、私立保育園の場合は30代以降の昇給が少ないと言われているため、退職したり結婚して扶養内パートになる人も多くいます。

昨今の共働き世帯の増加により、保育園の増設は急務の課題と言われています。

しかし、保育士の給与が少ないためになかなか保育人材が集まらず、社会問題となっています。

保育士の給料は、こちらの記事を参考に!

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大変な時もあるけど、保育士の仕事のやりがいとは?

子どもがかわいい!

保育士の仕事の魅力は、なんと言っても子どもたちと密接関わりが持てるということでしょう。

0歳児には0歳児なりの、2歳児には2歳児なりの違った可愛いさがあります。

まだ意味を持った言葉を発せない子どもとのやり取りや会話が上手になってきた子どもとのおしゃべりも、心が通じていると感じられる瞬間です。

どんなに大変だな、疲れたなと思っているときでも、子ども達に満面の笑みで抱きつかれたり「先生大好き」と言われたり小さい手でぎゅっと握ってこられたりすると、全てが報われる気がします。

行事が成功したとき

行事の準備はとても大変です。

日常の業務をこなしながら、同時進行で行事の準備を行います。

例えば運動会などはダンスや出し物を考えるところから始まり、衣装や小道具を作ったり旗の準備をしたりと当日まで怒涛の日々を過ごします。

運動会の当日も、天候や気温を気にしたり園児の体調や機嫌に気を配ったりしながら、行事を完遂させなければなりません。

保護者の期待というプレッシャーもあります。

そのような中で行事が無事成功に終わったときは、言いようのない解放感と達成感に包まれます。

保護者に感謝されたとき

保育士をしていると、時折思いがけないご褒美をいただけることができます。

それは、保護者からの感謝の言葉です。

「保育園に行きだしてから、食べられるものが増えたんです。先生ありがとうございます」「毎日保育園が楽しいって言っているのです。先生のおかげです」「最近トイレに行きたいときに教えてくれるようになりました。先生がいつも声掛けしてくれているんですよね」などなど・・・。

仕事だから当然だと思ってやっていることでも、感謝の言葉をいただけると、日頃の苦労が報われるようで本当に嬉しくなります。

子どもの成長を感じたとき

子どもたちは日々心も体も成長しています。

できることもどんどん増えていきます。

そういった成長を目の当たりにできることが、保育や教育などに関わる者の特権だと思います。

特に、自分の働きかけによって子どもの成長を感じられたときは、感慨もひとしおです。

例えば実際に会ったことですが、友達と関わるときに上手く要求をアピールできず、突き飛ばしたりひっかいたりしてしまう子がいました。

トラブルが起こるたびに、どうしてそのような行動をとってしまったのか丁寧に聞き取るようにしました。

また、トラブルを未然に防ぐために遊びの時間はさりげなくその子の近くに行き、危ない行動を止めていました。

更に、少しでも良い行動が見られた時には大げさにでも褒めて、どんな行動なら称賛されるのかということを学習させるように心がけました。

数ヶ月後には、友達に手を出さず要求を言葉にすることができるようになり、とても嬉しく感じました。

未だに記憶に残る出来事です。

まとめ

大変なこともあるけれど、やりがいもたっぷりな保育士。

人手不足なため常に求人が出ており全国に勤務先があるため、働き始めやすいお仕事でもあります。

子どもと関わる仕事がしたいと考えている方には、是非おすすめしたいお仕事です。




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