知っていますか?

日本の医療機器業界はアメリカに次ぐ世界2位の市場と言われています。

国内市場をみても右肩上がりで、近年では3兆円近い数字となっています。

そうです。

一言で言うと景気が良いです!

医療機器業界だけに限りません。

健康産業と言われる、サプリメントの販売や健康食品を扱っている業界も右肩上がりです。

ここまで書くとお分かりだと思います。

こんなに小さな日本ですが、世界でもまれに見る高齢化なので、これらの業界は大変景気がいいです。

医療機器業界といっても大きく3つに分けることができます。

  • 治療系医療機器
  • 診断系医療機器
  • その他の医療機器(歯科用機器、衛生用品など)

この中で、もっとも伸びているのは治療系医療機器です。

では実際にどういった仕事があるのか、医療機器メーカーの仕事内容について紹介していきます。

医療機器メーカーの仕事は大きく3個の役割に分けられる

営業

当たり前のことですが、この人たちがいなければ商品が売れません。

これは、営業畑の方であれば分かることですが、医療機器メーカーの営業は人気が高いです。

ある求人誌のデーターによれば、就職、転職したい上位には常に医療機器メーカーの名前があがります。

理由はさまざまですが、一番の理由はお給料です。

一般の営業よりは高いと言われています。

しかし、残念なことにまだまだ男性の世界です。

9割が男性です。

私は1割の方(女性)なのでよく分かりますが、女性だと少し物足りないと思われる傾向にあります。

一番分かりやすい例えで言うと、車の営業と似ています。

機械系は男性が強いというイメージでしょうか?

もちろん、女性で活躍されている方もいます。

技術開発

医療機器の研究、設計開発、システム開発または従来の製品の改良などといった、技術職になります。

特別な資格は扱っている機器によって、会社によって異なりますが、大学では工学系、理系が有利になる職種です。

事務

医療機器メーカーの事務は一般事務とほぼ変わりません。

しかし、近年市場が非常に拡大していることから海外とのやり取りも多くなってきています。

外資系の医療機器メーカーも非常に多くなっています。

世界の医療機器メーカーのトップ15社は欧米、欧州で占められているのが現状です。

会社の規模にもよりますが、英語は外せないスキルになってきています。

営業の4個の業務

営業

医療機器メーカーの営業は特殊でハードです。

特殊の意味は、営業相手が病院、お医者様なので、一筋縄ではいかないクセの多い方々を相手にします。

ルート営業

私の働いていた医療機器メーカーは主に内視鏡、レーザーメスなどを販売しておりました。

診断系医療機器(MRIやCTといった数千万から億単位)とは違い、内視鏡やレーザーメスは単価が数万円から数十万円です。

毎年必ず受注がきます。

しかし、油断はできません。

滅多にないですが、局長が変わったり、権威あるお医者さんが移動したりすると見直しが入ったりします。

飛び込み営業と言われるものは、医療機器メーカーの業界にはありません。

代理店、病院、クリニックのルート営業になります。

しかし、ルート営業ではありますが、アポイントは取れません。

先生をひたすら病院で待ちます。

先生の行動も把握しておくようになります。

待っても話を聞いてもらえないことも多々あります。

いちいち落ち込みません。

だいたい夕方以降にようやく会えます。

もちろん、営業をするのは病院の中でも権威のあるお医者さんになりますが、私は新人のお医者さんにもコミュニケーションをしっかり取りました。

そんな意味のない事をと言われたこともありますが、この業界で長く働くのであれば重要です。

ここが、ルート営業の面白いところです。

長く勤めるともちろん、顔が売れます。

婦長さんや他のスタッフさんとも仲良くなります。

よって、コミュニケーションをいろいろ取っておくと、情報もいろいろ入ってくるので売り込みがしやすくなります。

ルート営業で他社の営業マンと会うことは頻繁にあります。

この世界は情報戦です。

これは個人的な意見ですが、医療機器メーカーの営業は製薬会社の営業より嫌われません。

コミュニケーションは比較的取りやすいです。

立ち会い

医療機器メーカーの面白いところは、科によってまったく営業内容も方法も変わります。

”立ち会い”と言われるものがあります。

これは、自社の製品を実際に手術中に操作します。

ドクターやスタッフの方は医療のプロですが、医療機器のプロではありません。

医療行為をするわけではなく、機器を操作するという意味で立ち会います。

もちろん、この立ち会いをするまでには、専門知識を身に付け、ドクターからの信頼関係も必要になります。

なかでも整形外科、循環器系の営業は激務と言われていました。

手術件数も緊急処置も多いのがこの2つです。

よって、残業は当たり前ですが、10時間近く手術室勤務と言う事もよく聞きます。

私が勤めていた会社は内視鏡やレーザーメスを扱っていることから、手術の立ち会いはもちろんします。

しかし、私は経験がありません。

お恥ずかしい話ですが、医療機器メーカーの営業として入社し、立ち会いを知らなかったのです。

研修の際に初めて聞き、私は血を見るのがダメなので退職も考えたほどでした。

営業の全員が全員立ち会うわけではありません。

深夜の呼び出し、休日出勤(実際に少なくなってはいますが、まだまだ多いのは確かです。)

営業のはずが、病院での勤務の方が多くなっている営業マンもいました。

そういった意味でも医療機器の営業は臨床にかなり近い距離で仕事をします。

サービスエンジニア

なぜ、サービスエンジニアがこの営業の分野に?と思われますよね。

まず、医療機器のサービスエンジニアの内容を簡単に説明します。

装置系医療機器(人工呼吸器、MRI、CT)等の修理、メンテナンスが主な仕事になります。

これは会社によってですが、営業職が兼任してサービスエンジニアとして働く場合もあります。

理由は顧客からしてみると大変ありがたい事で、二度手間になりません。

しかし、『簡単な修理ならできる』レベルのサービスエンジニアです。

営業職としてもある程度の修理ができる事によって、営業する際に強みになり他社との差別化も計れます。

高度な修理になった際には、専門職のサービスエンジニアが必要になります。

これはあくまでも一例なので、大手は基本的にサービスエンジニアと営業は分かれます。

アプリケーションスペシャリスト

これも、なぜ営業に?と思われる方も多いかと思います。

近年、営業の職種も多岐に渡っています。

各企業によって、呼び名が変わったり、職種も変わったりします。

その代表的とも言っていいのが、アプリケーションスペシャリストではないでしょうか?

日本語の直訳では『営業技術職』『営業サポート』とも言われます。

本来の仕事は、簡単に言うと、医療機器のデモンストレーションを行います。

使い方の説明をしますが、売り込んでいるわけではありません。

営業マンと一緒に病院、医療機関に出向き説明をします。

機器の導入を考えている病院にとって、具体的な技術面での説明が必要になります。

アプリケーションスペシャリストになるには、臨床現場での経験が必要です。

現場をしっている、営業ができるアプリケーションスペシャリストは重宝されます。

技術開発の業務

研究、開発

新製品の機器開発はもちろんですが、既存の機器の見直し、改良などを行います。

この職種に就くにあたり工学、電気、電子、といった分野だけ網羅していれば良いと考える方も多いと思いますが、実際には医学的な知識も必要です。

多面に渡り知識が必要になるこの分野では、経験も必要になることから狭き門ではあります

なお、大手の研究職に関しては、博士課程修了者のみ採用になっています。

医療機関の開発にはその先にある患者さんの命を助ける大きな使命があります。

事務の2個の業務

大手になれば部署が細かく分かれていますが、中小企業になると人事、経理、発注、輸入手続きなどまとめてやることもあります。

人事や経理といった一般的な事務職から、医療機器メーカー事務職ならではの業務内容をを2つ紹介します。

貿易事務

国内または外資にもよりますが、メーカーで製品を輸入しているところは、貿易事務として働くことが多いです。

もちろん、メールのやりとりも英語で、間違いなどあったときには現地に自分で電話することも多々あります。

営業サポート

医療機器メーカーとディーラー(卸会社)では事務内容も変わります。

ディーラーはメーカーから仕入れた製品を病院に納品する会社です。

ディーラーの場合、受発注、営業のサポートもメインの仕事になります。

医療機器メーカーのやりがいとは?

どこの会社の営業マンも、仕事のやりがいはお客様に感謝されたり喜んでもらえることをやりがいにしている方も多いと思います。

しかし、医療機器メーカーはここが特殊で、直接営業するのは病院だったり、それに関する機関です。

自社の製品を使って患者さんが良くなってくれたり、助かったりする現場にはなかなか出会えないのが現状です。

少し大きな目でみる必要があり、自社のこの製品を使ってもらえた事で早期発見が可能になり、患者さんの喜びになる。

この製品のおかげで、患者さんの負担を緩和することができている。

そして売り上げと共に喜んでもらえている確信に変わるので、それがやりがいにつながります。

医療機器メーカーの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

営業職は特別何かの資格が必要ではありません。

しかし、覚えなければいけないこと、勉強しなければいけないことは山ほどあります。

商品の説明

自社の製品の説明は当たり前ですが覚えなければいけません。

しかし、その製品の機能を説明しても、なぜこれが良いのか、相手に必要と思わせなければいけません。

他社の製品の勉強も必要です。

例えば、消化器内視鏡に関して言いますと、世界市場の100%は日本製です。

それほど、日本は高い技術を持っています。

そして、競合が多いという事です。

いかに、この製品が他社よりも優れ、医療現場にとって欠かせないものかを具体的に説明する勉強が必要です。

病気、体のしくみ

営業相手はお医者さん、または医療関連スタッフです。

営業として入社してもこの方々と対等に話す知識が必要です。

例えば、すごく簡単な例で言いますと、癌という病気は誰でも知っています。

この癌は、できる場所によって治療法が変わります。

ここまでも分かります。

実際に胃がん、大腸がんといった手術は早期、末期の場合どういった処置をするのか?

一般的に言われている内視鏡を使っての切除、または手術など選択肢も増えます。

これらを病気の観点から、いかに患者さんに負担のない治療ができるのか?を提案していかなくてはいけません。

病気のこと、体のことを勉強するのは自社の製品をより提供しやすくする事が目的です。

まとめ

医療機器メーカーの営業は引き抜きも多く、転職も多いと言われます。

しかし、上記でも述べたように、学ぶ、覚えることは山ほどあります。

お医者さんではありませんが、転職も科ごとにする事があります。

例えば、私の例でいいますと循環器科で主に使用する医療機器メーカーで働いていると、次に就職する先も循環器科系を選びます。

理由は、楽だからです。

すでに知識や人脈もあるので製品が変わっただけで、新しい事を学ぶ必要がありません。

逆に、経験を伸ばせるチャンスです。

お医者さんも、研修医であればいろんな科をまわり勉強するかと思います。

しかし、実際に働き出してから何回も科を変わるお医者さんはいません。

正直、医療機器メーカーは大手になればかなり安定しています。

しかし、職種によっては拘束時間が長かったり、不定期な休み、緊急の対応を求められる事も少なくありません。

激務と言われることは確かです。

私が勤めていた頃は、これに加え接待がありました。

食事会、ゴルフといった接待は何十年も前は当たり前で、しない会社がないくらいでした。

しかし、今はコンプライアンスが厳しくなっているので、数はグッと減りました。

数はそんなに多くはありませんが、勉強会や学会への参加もすることがあります。

実際にその現場でプレゼンテーションをすることもあります。

多岐に渡って仕事があり、企業によって仕事内容が大幅に変わるこの業界ではありますが、1つの使命感があります。

日本の医療をより豊かに、少しでも早く、少しでも痛みを緩和できないか?を常に考え、研究し開発され販売しています。


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