医療機器メーカーの仕事内容。激務なの?ブラックなの?役割に分けて業務内容を確認してみよう!
日本の医療機器業界は、アメリカに次ぐ世界第2位の市場規模と言われているのをご存知ですか?
国内市場を見ても右肩上がりで、近年では3兆円を超える規模にまでなりました(2017年以降)。
そうです。
一言で言うと景気が良いのです!
これは医療機器業界だけに限りません。
ヘルスケア産業を担うサプリメントや健康食品を扱っている業界も右肩上がりです。
ここまで書くとお分かりだと思います。
こんなに小さな日本ですが、世界でも稀に見る超高齢化社会なので、これらの業界は大変景気が良いのです。
今後も安定成長が期待される医療機器業界なので最近では就活や転職でも人気が高く、難関の業界となっているようですね。
ある求人誌のデータによれば、就職・転職したい企業の上位には常に医療機器メーカーの名前が挙がるそうです。
では、実際にどういった仕事があるのか、医療機器メーカーの仕事内容について早速紹介していきたいと思います。
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目次
閉じる医療機器メーカーの仕事は大きく3つの職種に分けられる
営業職
当たり前のことですが、この方たちがいなければ商品が売れません。
医療機器メーカーの花形とも言える営業職ですが、他業界と比較しても人気が高いです。
理由は様々ですが、一番は給与水準の高さが考えられるでしょう。
一般的に、他業界の営業職より給与相場が高いと言われています。
しかしその分様々なレイヤーに対する説得力が求められ、自社製品に対する高い専門知識を必要とします。
実際に働く男女比率はおおよそ9:1とまだまだ男性が多い職種ですが、最近では少しずつ女性の活躍も広がっています。
技術開発職
医療機器の設計やシステム開発、従来の製品の改良などを行います。
必要となる資格等は機器の種類や企業によって異なりますが、大学では工学系・理系が比較的有利となる職種です。
事務職
医療機器メーカーの事務は、いわゆる一般事務が行う業務内容とほぼ変わりません。
ただし、会社によっては英語力が求められる場合があります。
近年は外資系の医療機器メーカーが非常に多くを占めているため、海外とのやり取りが必要不可欠となるケースが増えています。
世界の医療機器メーカーのトップ15社も、欧米・欧州で占められているのが現状です。
営業職の業務内容4つ
営業活動
医療機器メーカーの営業担当は、医療業界ではSRと呼ばれています。
医療機器は、CT・MRIのような大型の製品から人工関節などの生体適合材料系、手術用のマスク・グローブなどの消耗品まで含まれ、その範囲はかなり広域にわたります。
私の働いていた医療機器メーカーでは、主に内視鏡・レーザーメスなどを販売していました。
CT・MRIのように単価が数億円にもなる高額な機器とは違い、内視鏡やレーザーメスは単価が数万円~数十万円程度です。
そのため、比較的扱っていただきやすいものだったように思います。
しかし油断はできません。
他社との競合などによって見直しが入ったりするので、継続的に扱ってもらうためには営業活動によるフォローが重要となります。
営業先は、代理店、病院、クリニックです。
ルート営業ではありますが、基本的にはアポイントは取れません。
ドクターをひたすら病院で待ちます。
待っても話を聞いてもらえないことも多々ありますが、いちいち落ち込むことはありません。
長期戦にはなりますが、信頼関係が築けるようになると、看護師さんや他のスタッフさんなどとも自然と仲良くなることができます。
様々な方とコミュニケーションを取ることで情報がつかめ、売り込みもしやすくなります。
ここがルート営業の面白いところだと思います。
立ち会い
医療機器メーカーの面白いところは、担当する機器によって診療科目が異なり、営業内容や方法も大幅に変わるところです。
代表的なものに、自社の製品を実際に手術中に操作する「立ち会い」と言われる業務があります。
ドクターやスタッフの方は医療のプロですが、医療機器のプロではありません。
医療行為をするわけではなく、機器を操作するという意味で立ち会います。
もちろんこの立ち会いをするまでには、専門知識だけでなくドクターからの信頼関係も必要です。
私が勤めていた会社では内視鏡やレーザーメスを扱っていたので、手術の立ち会いはもちろんありました。
しかし、私は経験がありません。
お恥ずかしい話ですが、医療機器メーカーの営業として入社していながら立ち会いを知らなかったのです。
研修の際に初めて聞き、私は血を見るのがダメなので退職も考えたほどでした。
営業職が全員立ち会えるわけではありませんが、自分が販売した医療機器が役立つ喜びと独特の緊張感を味わうことができる、貴重な業務の一つです。
サービスエンジニア
なぜサービスエンジニアがこの営業の分野に?と思われますよね。
まず、医療機器のサービスエンジニアの内容を簡単に説明します。
装置系医療機器(人工呼吸器、MRI、CT)等の修理、メンテナンスが主な仕事です。
中小企業の場合など、会社によっては営業が兼任する場合もあるようです。
あくまで「簡単な修理ならできる」レベルですが、それでも営業職でありながらある程度の修理ができることは強みとなり、他社との差別化も図れます。
もちろん、高度な修理になった際には専門職のサービスエンジニアが必要となります。
アプリケーションスペシャリスト
近年は、営業職の業務範囲も多岐にわたっています。
それにより呼び名が変わったり職種も変わったりと、あまり聞き慣れない職種や業務内容が存在するかもしれません。
その代表的とも言って良いのが、アプリケーションスペシャリストではないでしょうか。
日本語の直訳では「営業技術職」「営業サポート」とも言われます。
簡単に言うと、医療機器のデモンストレーションを行う仕事です。
機器の導入を考えている病院にとって、具体的な技術面での説明が必要となります。
これもまた、営業が兼任して行う場合があります。
ただしアプリケーションスペシャリストになるには、臨床現場での経験が必要です。
アプリケーションスペシャリストとしても活躍できる営業はまだまだ少なく、重宝されるでしょう。
技術開発の業務内容
研究、開発
医療機器の開発には、その先にある患者さんの命を助けるという大きな使命があります。
具体的には、新製品の機器開発はもちろん既存の機器の見直し、改良などを行います。
工学、電気、電子といった分野だけではなく医学的な知識も必要となるために、採用条件も厳しく狭き門ではあります
尚、大手企業に関しては博士課程修了者のみ採用というケースが多いようです。
事務職の業務内容
先述の通り、医療機器メーカーの事務はデータ入力や電話対応といったいわゆる一般事務が行う業務内容とほぼ変わりません。
しかし、製品を海外へ輸入している企業では貿易事務として働くことが多いです。
その場合は英語力が求められることも。
もちろんメールのやり取りも英語で、間違いなどあった時には現地に自分で電話することも多々あります。
医療機器メーカーの特徴って?医薬品メーカーとの違いとは?
メディカル業界の中でも比較されやすいのが医薬品メーカー。
扱う製品は違えど、患者さんの治療に役立つ製品を日々研究開発し医療の現場で製品が活かされるという点で何かと混合される場合が多いようです。
実際には似て非なるもの。
同じ営業職でも、MRとSRでは違います。
医師になかなか時間を取ってもらえないMRと違い、SRはアポイントも取りやすく医師と話す時間も長めです。
これには、立ち会いの有無が関係しています。
医師や衣装従事者のパートナーとしての存在感は、MRよりも実感しやすいと言えるでしょう。
医療機器メーカーのやりがいとは?
どんな仕事でも、お客様に感謝されたり喜んでもらえることをやりがいにしている方が多いと思います。
とりわけ医療機器メーカーが扱う製品は、人の生命に関わる非常に重要な役割を果たします。
自社の製品を使ってもらえたことで、病気の早期発見に繋がったり患者さんの喜びになる。
この製品のおかげで患者さんの負担を緩和することができている。
この実感こそ医療機器メーカーならではの深い喜びであり、やりがいや達成感に繋がることでしょう。
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医療機器メーカーの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと
医療機器業界で働くために必要な資格は基本的にはありません。
ただし、所属する企業の方針や扱う製品によっては資格の取得を推奨、もしくは必須と定められることがあります。
具体的には、MDIC(医療機器情報コミュニケータ)など、医療機器に関する専門的な情報・知識を持っていることを示す資格が挙げられます。
元々は医療機関に勤める臨床工学技士が持っていることの多い資格でしたが、医療機器業界が成長するにつれ営業職を中心に取得するケースが増えてきました。
商品の説明
自社の製品の説明は当然覚えなければいけません。
またその製品の機能を説明しても、なぜこれが良いのか、相手に必要と思わせなければ意味がないのです。
他社の製品の勉強も必要です。
例えば消化器内視鏡に関して言いますと、世界市場の100%は日本製です。
それほど日本は高い技術を持っています。
そして、競合が多いということです。
いかに自社製品が他社よりも優れていて医療現場にとって欠かせないものかを、具体的に説明するための勉強が必要です。
病気、体のしくみ
営業相手は医師、または医療関連スタッフです。
営業として入社しても、この方々と対等に話す知識が必要です。
病気のこと、体のことを勉強するのは、自社の製品をより提供しやすくする事が目的なのです。
まとめ
医療機器メーカーの仕事は、患者さんの命、医療の発展を担うという重大な使命があります。
患者さんの治療を常に考え、日本の医療をより豊かにできるよう研究開発と製品販売を行っています。
働く上で学ぶ、覚えることは山ほどありますが、将来性についても充分に期待できることから、給与や待遇面も良い企業が多いようです。
知識や人脈を含めて自身の成長に繋がることも、医療機器メーカーで働く魅力の一つであると言えるでしょう。
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