製薬会社でホワイトな会社の4個の特徴と求人や面接の時の見分け方とは?
私たちの身近にある「薬」を作っている製薬会社。
とても身近なものを作っている会社ですが、実際にどんな仕事をしているかご存知ですか。
「薬を作って売る」と言っても他の製造業とは違い、少し特殊な仕事内容なのです。
この記事では、そんな製薬会社に就職するには何を知っておけば良いのかをまとめてみました。
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製薬会社の役割とは?
製薬会社の役割は大きく分けて三つあります。
一つ目は病気の治療や予防のために新しい薬を生み出すこと。
二つ目は薬が必要な人のためにいつでも薬を届けられるように安定供給をすること。
そして三つ目は薬の正しい情報を提供することです。
製薬会社にはどんな仕事があるの?
製薬会社には様々な仕事があります。
ここでは製薬会社特有の五つの仕事を解説していきます。
研究職
医薬品を開発していく仕事です。
病気の予防や治療に効果がありそうな細菌を探し出したり、化合物を作り出して薬として効果があるかを調べます。
何千もの物質の効果を一つ一つ確認していく作業となりますので、プロジェクトによっては十年以上かかることもあります。
製薬会社の根幹を担う仕事ですが、地道にコツコツと作業を進められる忍耐強さが必要な職種です。
開発職
開発された薬の治験を行う仕事です。
開発職という名前から薬を開発する仕事だと勘違いされる方もいますが、薬の開発を担っているのは研究職になります。
開発職はどんな仕事なのかというと、研究職が開発した薬の治験を行い製品化することです。
治験とは患者さん、または健康な人に実際の薬を投薬し、様々なデータを収集して有効性や安全性を確認する試験のことです。
治験を行った後、国に医薬品として承認してもらうための申請を行うのも開発職の仕事です。
品質管理
原料や医薬品の品質をチェックする仕事です。
医薬品は患者さんの体内に入れるものなので、品質管理は非常に大切です。
品質を確保できなければ販売することはできません。
そのために出来上がった製剤の品質をチェックしたり、使用する原料の安全性をチェックすることが品質管理の仕事です。
工場スタッフ
製造ラインで作られた医薬品のチェックや梱包を行う仕事です。
検品や梱包など様々な仕事がありますが、清潔で空調も保たれた工場内でのライン作業で力仕事はほとんどありません。
製薬工場は常に清潔でなければいけないので特別な作業着を着て作業することになります。
MR
自社医薬品の情報を医療関係者に提供し、情報を収集する仕事です。
MRとは製薬会社における営業職のことです。
「Medical Representative」の頭文字をとったもので、日本語に訳すと医薬品情報担当者です。
営業職の仕事と言えば「売ること」なのですが、製薬会社の営業職の場合はあくまでも自社医薬品の有効性や安全性の情報を医療関係者に提供し、実際に使ってみて安全性や有効性がどうなのか情報収集することが主な仕事です。
医薬品の納品や代金の回収といった仕事は自社では行わず卸業者の仕事になるので、卸業者と連携をとることも必要です。
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製薬会社求人でよくある募集内容とは?
製薬会社での仕事の種類について説明してきました。
ここからは就業形態について解説していきます。
給与や勤務形態など、項目別に見ていきましょう。
職種
医薬品を扱うので全体的に理学系の募集が多いですが、事前に専門的な知識がなくても問題ない職種もあります。
研究職
専門的な知識が必要とされる仕事なので、募集のほとんどの条件として薬学系、理学系の大学院卒業レベルが求められます。
共同研究をしている大学の研究所からそのまま製薬会社に就職するというケースもあります。
業界内での転職者が多いため、他業種からの転職は相当ハードルが高くなります。
一つのプロジェクトに何年もかかるので、我慢強くコツコツと仕事を進められる人に向いています。
また、チームでの仕事となるので協調性も必要です。
開発職
研究職と同様に応募条件として薬学系、理学系の大学院卒業レベルを求められます。
治験を行うには病院との連携が不可欠なので、専門知識の他にコミュニケーション力も必要となります。
また国への申請書類の作成も開発職の仕事なのでデスクワークも多いです。
フィールドワークとデスクワークをバランス良くこなせるアクティブな人に向いています。
品質管理職
専門知識が必要なので理学系、薬学系出身者の募集が多いですが、未経験でも応募できる場合もあります。
薬に関する様々な知識が必要なほか、基準を満たしていない原料や製剤があった場合は原因を見つけて各部署への報告などを行うので、コミュニケーション力も求められます。
工場スタッフ
募集要項はマネージャークラスでない限り、未経験でも大丈夫な場合が多いです。
主に検品、ピッキング、梱包のライン作業の募集が多く、どのラインに配属されるかによって仕事内容はかなり変わってきます。
雇用形態もアルバイト、パート、契約社員、正社員と様々です。
工場内は常に清潔に保たなければならないので、体調が悪い場合には工場に入ることも許可されませんし、昼夜交代のシフト制を取り入れている工場が多いのでしっかりとした体調管理が求められる仕事です。
MR
専門的な知識が必要な仕事ですが、入社後に研修があるため全学部卒業者を対象に募集していることが多く、文系出身者で医薬品業界で働きたい人に人気の職種です。
MRとして採用されると、社内での研修が半年ほどあります。
そして、毎年12月に行われる「MR認定試験」を受験することになります。
試験に合格し尚且つ6ヶ月の実務経験を積むと「MR認定証」を取得することができます。
認定証を取得していなくてもMRとして営業活動はできますが、多くの病院が認定証を持っていないMRに対して病院内での営業活動を禁止しているので、事実上「MR認定証」はMRとしての必須事項となっています。
基本的に相手に合わせて行動することになるので、常にフレキシブルに対応できる柔軟性と体力が求められます。
また、自社製品だけでなく競合他社の医薬品や医療業界についての知識が必要なので、勉強し続ける必要があります。
給与相場
給与は職種によってかなり変わってきます。
研究職や開発職の場合年収300万円~、中には1000万円を超える人もいます。
結果を出せれば30代でも年収1000万円を超えることもあるようです。
品質管理の場合、年収300万円~500万円程です。
成果が見えにくい部署なので、勤続年数によって年収が上がることが多いようです。
工場スタッフであれば年収300万円~500万円程で、夜勤や残業の量によって差が出てきます。
アルバイトや派遣社員であれば時給900円~1,500円程です。
営業職は成績に応じてインセンティブやボーナスが貰えることが多く、優秀なMRであれば年収1000万円以上ということもあります。
もちろん会社の規模によって給与相場は違ってきますが、製薬業界は実力主義であることが多いので、結果を出せばその分給与に反映されることが多いです。
外資系企業は実力主義の傾向が強く、若手でも優秀なMRは実力に見合った給料を貰うことができます。
ただ実力主義であるがゆえに結果を出せない場合は評価が下がり、子会社や関連会社への出向という形で年収が下がることもあるので注意が必要です。
勤務時間や休日、残業
会社によって異なりますが、業界全体として残業時間は多めです。
研究開発職は特許申請に間に合わせるため、品質管理職、工場スタッフは納期に間に合わせるためにどうしても残業になってしまうことがあります。
MRは朝早く卸業者へ出向いてミーティングを行い、昼から夕方までは医療機関を訪問することになるので、夜に資料作りや自社製品の勉強などをする人が多いです。
多くの製薬会社はMRに見なし残業代をつけているので、残業をするのが通常の状態となっています。
福利厚生
会社によって異なりますが、製薬会社の福利厚生は他業種と比較すると充実していると言われています。
特に住宅手当に関しては会社が5割~9割程度負担してくれることもあります。
求められる人物像
各職種において求められる資質は上で述べましたが、製薬会社の全ての職種に求められるのは責任感と高い倫理観です。
医薬品は人の命に関わるものなので様々なルールがあります。
それらを遵守することはもちろんですし、自分が医療の一端を担っているという責任感を持って働くことが求められます。
製薬会社のおすすめ求人のポイント
多くの製薬会社がある中で、どのように自分に合った求人を選べば良いのか解説していきます。
雇用形態から探す
今後どのようなキャリアを積みたいのかによって選びましょう。
腰を据えて長期で働きたいなら正社員の募集を探しましょう。
正社員であれば比較的安定した給与を得られることができます。
ただし職種によっては転勤があったり部署移動があったりと自分の希望通りにはならないこともあります。
経験を積みたいのなら派遣社員、契約社員でも良いでしょう。
派遣社員であれば基本的に休みはきちんと取れますし、残業も少ないです。
正社員として就職することが難しい企業で、派遣社員として業務に携われる可能性もあります。
また、契約社員であれば契約期間中に経験を積んで、そのまま社員登用を目指すこともできます。
しかし、派遣社員も契約社員も基本的には期間限定の雇用であるということは念頭に置いておいた方が良いでしょう。
アルバイトは責任の重い仕事を任されることはあまりなく休みも取りやすいですが、その分給与は低く設定されていることが多いです。
会社の雰囲気で選ぶ
退職理由に「人間関係」を挙げる人は多いです。
募集条件が良い会社でもギスギスした人間関係の職場であれば長くは続きません。
長く続いたとしても、ストレスで体調を崩してしまうこともあるでしょう。
また、アットホームな職場が良い人にとっては体育会系の雰囲気は息苦しいですし、逆に実力主義の会社で結果を出したい人にとってはのんびりした雰囲気の会社ではモチベーションが下がってしまいます。
自分がどんな働き方を望むのかを明確にして、説明会や面接で自分に合った雰囲気の会社なのか確認すると良いでしょう。
可能であれば職場を見学させてもらったり、実際に働いている人に話を聞いてみるのも良いと思います。
会社の規模で選ぶ
どんな組織で働きたいかを考えたときに、会社の規模は一つの目安になります。
大企業であれば社内規定やルールが整備されていてすでに働く環境が整っていますし、研修制度や勉強会も充実しています。
一方で今あるルールを変えるのはとても難しかったり、何か新しいことを始めるのに沢山の人の承認が要るので時間がかかるということもあります。
中小規模の企業であれば早い段階で責任のある仕事を任せてもらえたり、若手でも新しいプロジェクトを立ち上げたりすることもあります。
社員同士の距離が近いのでアットホームな雰囲気の職場であることが多いです。
その反面、待遇面で大企業と差があったり、社員一人一人の負担が大きくなってしまうこともあります。
ただし大企業でもベンチャー気質であったり、中小企業でも完全にトップダウンな組織であったりすることもあるので、あくまでも目安として考えて下さい。
製薬会社についてよくある疑問
ここで、製薬会社に関する様々な疑問について回答していきます。
どうやって応募するの?
就職・転職サイトで応募できます。
製薬業界に特化したエージェントもあるので、自分に合った求人を見つけることも可能です。
アルバイトであればアルバイト情報誌にも求人が載っています。
理系学部出身者ではないけど、応募できる?
研究開発職に関しては理学系、または薬学系出身者でなければ募集がありません。
しかし、工場スタッフやMRには文系出身者でも募集があります。
未経験でもコミュニケーション能力や営業経験によっては採用されることもあります。
製薬会社はどんな雰囲気?
会社や部署によって様々です。
ただ、営業に関して言えば体育会系の雰囲気であることが多いです。
これはどの業種に関しても言えることかもしれません。
雇用形態はどうなっている?
新卒であればほとんど全ての募集が正社員です。
転職では正社員としての募集も多くありますが、契約社員として何年か働いた後に正社員として登用されることもあります。
そのほか繁忙期のみの派遣社員やアルバイトもあります。
必要なスキルまたは資格はあるの?
職種によって異なります。
MRは、新卒ですと未経験でも応募できますが、転職の場合はMR認定証を持っている方が有利です。
研究開発職であれば今までどんな研究をしてきたのかが重要になります。
品質管理であれば、新卒でない場合どの程度品質管理の経験があるのかが重要です。
海外部門のある会社や取引先に海外の会社がある場合には、英語を話せることはアピールポイントになります。
まとめ
製薬会社について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
製薬会社への就職を検討するにあたり、この記事を参考にしていただけると幸いです。
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