製薬会社でホワイトな会社の4個の特徴と求人や面接の時の見分け方とは?
製薬会社と言えば、バブル当時は非常に悪名をはせた「医師への接待」「厚生労働省幹部への饗応」等あまり良くないイメージがありました。
また、従業員へのパワハラ系業務命令、土日も関係なく働かなければならないイメージを持たれている人も未だに多いかもしれません。
最近ではホワイト企業として企業イメージをクリアにしている会社が多くなったとは言え、どの業界にも言えることではありますが、未だに製薬会社の中にはブラックかグレーな会社が存在することは確かです。
そこで、ホワイトである製薬会社の特徴を4個にまとめてみました。
更に、求人内容や面接時にホワイトと判断できる見分け方も併せて紹介しますので、会社選択を間違いないようにしてください。
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目次
閉じる製薬会社にブラックな職場はまだ多い?
製薬会社のほとんどが、ブラックだった時代は確かにあります。
筆者は、その時代のど真ん中で就労していた経験があります。
最近ではホワイトかブラックかは会社の従業員への処遇を中心に語られますが、その頃は極端な商習慣によるリベート攻勢、昼夜分たない営業姿勢等々…数えきれないほどありました。
しかし、そのような異常とも言うべき商習慣は外資系メーカーなどの参入により漸減し始め、業界全体としてクリーンなイメージの確立を目指すようになりました。
そのため、表立ってはホワイト企業が大半を占めるようになってきました。
そこで、以下に製薬会社の中で未だにブラックだと筆者が思う特徴をまとめましたので、参考にしてみてください。
製薬会社でブラックだと思う職場の特徴
まず初めに、製薬会社がブラックになる産業構造について知らなければなりません。
製薬会社を含めて製造業では「損益分岐点」があります。
製薬会社では薬剤に費やした開発費や製造コストを補うためには最低どれだけの数量を販売すれば利益が出るのかという目標が設定されます。
医療用医薬品の場合、公定価格である「薬価」は厚生労働省から指定されます。
その薬価以上の価格では販売できないのが実情です。
病院やクリニック、調剤薬局では、薬価分を患者負担(保険分含む)とし、その薬剤の仕入れ値(卸の納入価格)との差(薬価差)も儲けの一部となっています。
また対象疾患を患う患者数は全ての疾患で厚生労働省が調査し発表されているので、その薬剤が市場占有率100%になったとしても上限が見えています。
そこで、できる限り市場占有率を上げるために、製薬会社は容赦のない営業戦略を立てています。
結果として、そのノルマをクリアするためにあらゆる手法を凝らしていたため、ブラック業界になってしまうこともありました。
では、その特徴を以下に列挙しますので、参考にしてください。
製薬会社の体制全体が営業本意である会社は要注意
前項でもご紹介しましたが、医薬品製造産業における利潤の出し方はご理解いただけたかと思います。
そこで課題になってくることは、いかにして市場占有率(マーケットシェア)を高く保つかということです。
製薬会社が営利を追求するあまり営業本意になることはよくあることですが、あまりにその傾向が強すぎれば本来患者サイドに立脚すべき点も見過ごされがちになります。
結果的に夜討ち朝駆けの営業、過剰な接待、金銭の過剰使用等が蔓延するようになっていたのが実情です。
こうしたことから、当初は見分けにくいこともありますが、営業色を全面に押し出しているような会社は「製薬会社」に限っては要注意すべきだと言えます。
会社内が沈んでいる、汚い会社は要注意
製薬会社は、イメージ的にクリーンなイメージを重視するのが普通です。
しかし、一方「どんよりとした雰囲気」「社員に覇気・元気がない」「活き活きした雰囲気が無い」等の、その会社独自の雰囲気も見てみることが重要です。
当然、騒がしすぎるのも問題であると思いますが、活気という側面ではWeb上でも確認することができます。
最近では、その会社の福利厚生制度やSNSや募集サイトの内容などで同業他社比較ができるのです。
ホームページの作り方等の問題は別として、内容的に元気があるのか、快活なイメージがあるかによって異なります。
製薬会社は「沈んでいる」というイメージを持たれない場合が多いですが、そこを見極めることが大切です。
新薬がないにも関わらず、売り上げを維持又は増加している会社は要注意
この点は、①でも言及しましたように営業に過大な負荷がかかっているか、新薬以外の別部門の売り上げが好調のせいなのかということになります。
前者の場合は、グレーからブラックに陥りがちな会社となります。
後者の場合は、本業である医療用医薬品分野以外で利益維持ということで、相当その分野で力を入れない限り維持できないのが普通なので、これも問題があります。
せっかく製薬会社に勤めたのですから、薬の分野で活躍できるホワイトな企業を選べるようにしたいものです。
オーナー会社は要注意
現時点での中小零細の製薬会社を対象にした話です。
日本を代表する製薬会社の多くでは、創業した時には全てオーナー企業だったと言って良いでしょう。
武田薬品、塩野義製薬等もそのオーナーの名前を取って社名にしたほどですから、ここではそうした昔の場合は除きます。
ここで言う現代での「オーナー企業」というのは、全決裁権、経営戦略、営業戦略を全て「鶴の一声」で変更できるオーナーという意味です。
筆者が経験した例を挙げてみましょう。
とある小規模製薬会社の持つパテント(特許)を借りる交渉に行った時のことです。
何をするにしても、全てオーナーの意向を聞かなければどんな些細な判断もできない会社に直面した経験があります。
そのような会社で働く人々というのは、全ての従業員がオーナー社長と1対1で結びつき、指揮系統も一応は組織上作られてはいるものの社長命令が至上命令であったように感じました。
その会社の従業員の就業状態がブラックかホワイトかは分かりません。
しかし、オーナー社長の声一つで全てが変わるようなイメージはやはりブラックに近い会社と意識しておいた方が無難でしょう。
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製薬会社でホワイトな職場の4個の特徴
それでは、逆にホワイトな製薬会社のの特徴とはどのようなものなのでしょうか。
上述の「ブラック企業の特徴」の真反対と捉えて頂ければ良いのですが、それ以外の部分を紹介したいと思います。
どれも一見してそうと分かる内容ではありませんが、応募する際に質問事項の一つとして訊いてみる価値のある内容かもしれません。
ヒポクラテスの誓いを理解している会社はホワイト
現代社会でも今なお受け継がれている「ヒポクラテスの誓い」を医療用医薬品のメーカーでも通用する精神として受け継がれている所はホワイトな可能性が高いです。
「ヒポクラテスの誓い」とは、医学の父と呼ばれるヒポクラテスが残したとされる医学を志す人間が行う誓いのことです。
内容は、「金銭的報酬だけを目的に医療活動を行ったり医学を教えたりすることを戒め、人命を尊重し、患者のための医療を施す」ことについて述べています。
これを医薬業に置き換えることは容易であり、自身もその基本的姿勢を尊重すべきでしょう。
医師・薬剤師の直接購入者より患者本位にもの考える会社はホワイト
製薬会社でよく陥りがちな過ちとして、自社医薬品の購入対象者が医師・薬剤師だけであるとしてしまうことです。
医薬品の最終消費者はあくまでも患者さんであり、その疾患を克服するための一助として自社の医薬品があるというスタンスを忘れてしまっているわけです。
常に患者さんの健康回復を念頭に置いた企業姿勢であればホワイト企業の可能性が高いと思います。
インセンティブのない会社はホワイト
これも売上至上主義を取らない製薬会社ということで、営業職に対してインセンティブを設けていない会社はホワイトと言えるでしょう。
目標売上があってのインセンティブ等は、製薬会社にとって本末転倒とも言える制度であると思います。
つまり、売れる薬剤は自然と売れますが、売れない薬剤は人気がないだけではなく何等かの問題があるから売れない場合が多く、ノルマを課すことで売上増を狙う姿勢はまさしくブラックに近いものになります。
ホワイト企業ではそうしたインセンティブではなく、真の意味でその薬剤がどういう患者さんに効果があったのか、なかったのかを分析し、常に正確で公正な情報を医療機関に伝達していると言えます。
その活動の為に、MRが活用されていると言えるでしょう。
社会貢献活動を積極的に行っている会社はホワイト
一般的に、企業の社会的責任(CSR:corporate social responsibility)を十二分に果たしている会社はホワイトであると言えるでしょう。
世界の緑化運動や地球温暖化対策への貢献、発展途上国への支援等がそれにあたります。
大規模な製薬会社では専門部署があり、それに従事している方々が日夜活躍している所もあります。
製薬会社でホワイトな職場を求人で見分けるには?
以上のようなホワイト製薬会社を求人内容で見分ける方法についてご紹介したいと思います。
募集要項だけでは難しいと思いますが、その会社の持つホームページ等の内容も参考にすればある程度判断できます。
募集広告が更新されていることは募集に真剣に取り組んでいる証拠
企業ホームページの採用募集の頁が、日々更新されていることは重要です。
様々なコンテンツがありますが、その内でいづれかのコンテンツに常に手が加わっている会社は採用に真剣で、真面目に募集活動を行っている証拠になります。
インセンティブ系の給与体系になっていないこと
既に募集要項でインセンティブを謳っている会社があります。
製薬会社で「実力本位」だとかボーナスインセンティブ等を前面に打ち出しているような会社は、辞めておいた方が良いでしょう。
詳細な募集内容になっていること
募集要項でも、「委細面談」というような曖昧な記載しかない場合があります。
こうした場合は「あやしい」と思わざるを得ません。
委細面談は「応募者によって様々ですよ」と言っているようなもので、確固たる基準がないということになりますので、注意しましょう。
製薬会社でホワイトな職場を面接で見分けるための質問とは?
製薬会社に応募して、面接担当者との面接でホワイト企業だと見分ける方法についてご紹介したいと思います。
そもそも人事担当者というのは、「社内の人事系職の担当者」と「採用担当者」では異なった人物が行います。
採用専門の担当者は社内事情を多く知らない場合もあり、新薬の開発計画であったり現段階での営業系情報に疎い場合もあります。
採用担当者は会社案内に書いてある内容の深堀はしている場合が多いですが、それ以外の内容は熟知していないのが現状です。
そこで、その採用担当者との面談を通じてだけでは。その会社がホワイトだと判断することは難しいことだと思います。
一方、これだけ訊けばホワイトだと決め打ちできることがあります。
面談時には、100社あれば100社同じことを言う内容ですが、面談最後に「何か他に質問はないですか?」という決まり文句です。
緊張した面談がいよいよ終盤を迎えホッとしている最後にこのフレーズを聞くと、面接慣れしている人は安心してしまうフレーズかもしれません。
しかし、ここで踏ん張りましょう。
以下に示す質問を行い、その返答により見極めることが重要なキーポイントになります。
「御社の経営方針が具体化された活動はどのようなことでしょうか?」(全職種)
会社ホームページ掲載されている経営方針が具体的な活動としてどのようなことを行っているのかを訊くことは何ら問題もなく、かえってその会社に対して深い興味を持っているというアピールにもなります。
「御社での働き方改革は具体的にどういった内容で取り組んでおられますか?」(全職種)
最近の話題にもなっている政府主導の「働き方改革」と掛け合わせて、時流に乗って従業員処遇の改善をどの程度真剣に取り組んでいるかの質問になります。
時世についての感覚が優れているというアピールにも繋がります。
「御社では開発系と営業系の連携は具体的にどのようにしておられますか?」(全職種)
多くの会社では、この部分がウィークポイントになっている場合が多いようです。
そこで、この質問は的を射た質問になっていると思われますので、全体的な仕組みを知りたいという姿勢が見せられるポイントとなります。
まとめ
以上のように、製薬会社にもホワイト企業、ブラック企業があります。
今回は、その見分け方を中心に紹介しました。
最後には、面談時で見分けるためのテクニックも紹介しました。
ブラック企業に就職してしまった場合はいち早く転職を考えるべきですが、就職前に検討できることは充分に検討しておくことが良い結果に繋がるでしょう。
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