2020年11月27日

ここでは、製薬会社の将来性について紹介したいと思います。

就職活動中の皆さんも、将来性が高く、また発展的な会社を望まれているはずです。

今勤めている会社さえ良ければ良いと思われる方がいないという大前提で話を進めさせていただきます。

筆者は、製薬業界はこの先大丈夫なの?どういう形で発展していくの?という質問を多く受けます。

結論から申し上げると、製薬会社の将来性は明るいです。

国内産業としてもそうですが、世界的な産業としても将来は明るいと考えられます。

2019年現在、世界人口は70億人、2050年には90億人、2100年までには110億人という国連の人口推計が発表されています。

この統計データはあくまでも推計であり、世界恐慌、大災害、世界大戦等がなく、今までの流れから見た世界人口推計になります。

しかし、どのような困難に遭遇しても、世界人口としては減少することは考えにくいとされています。

人は生物である限り疾病という課題が付いて回ります。

そうした中、医薬品が重要且つ必須のものとなるのは必定です。

上記で紹介した単純な理由以外にも製薬会社の将来は明るく、会社の選択を間違えなければ自身の自己実現にも大きく寄与してくれるでしょう。

この記事では、筆者がこの仕事を継続してやっていきたいと思う理由を紹介したいと思います。

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製薬会社の仕事内容は?

製薬会社における職務内容に関しては、配属される部署により大きく異なります。

医療用医薬品会社の場合、研究開発、製造、販売、薬事、マーケティング、学術等に分かれます。

もちろん会社組織ですので、間接部門として経理や人事の仕事もあります。

医療用医薬品会社での主要部署は、研究開発部門と営業部門です。

研究開発では新薬の開発、新しい物質の発見など、その名の通り研究し開発していくことが職務です。

研究開発にはいくつかの段階があります。

前臨床試験と呼ばれる動物実験段階、臨床試験と呼ばれるヒトを対象とした試験などがあります。

もう一つの花形は営業です。

営業は他業種とは異なり、医薬情報担当者と呼ばれるMRが担当します。

このMRは、自社医薬品のみならず他社の医薬品についての知識や医学関係の知識も身につけた者です。

こうしたMRの活動が新薬として上市された医薬品の成否を握ることになります。

一方で、薬剤が今後幅広く世界で受け入れられるかということに関しては、マーケティング部門が重要になってきます。

例えば、オーファンドラッグと呼ばれる薬剤があります。

日本語では希少疾病用医薬品と言います。

日本においては、対象患者数が5万人未満の疾患に対する治療薬がオーファンドラッグとして承認を受けます。

そのオーファンドラッグばかりを開発していても、マーケットが小さいため利益には繋がりません。

そのため日本では、薬価(薬の公定価格)を引き上げることでその弊害をなくすよう努力しています。

しかし、オーファンドラッグでは利益に繋がらないということで、開発に着手しない製薬メーカーも存在します。

癌・高血圧・心筋梗塞・脳卒中などの主要な疾患で勝負する製薬会社は、将来性が高いと言われています。

この仕事をずっとやっていたいと思う8個の理由

製薬会社には多岐にわたる仕事があります。

しかしどの部署に就こうとも、会社としての魅力があれば幸せに働くことができると思います。

筆者は製薬会社に長年勤めているため、各部署の内容を熟知しています。

経験からも、この仕事をずっとやっていきたいと思っています。

その理由を、例を交えながら八つ紹介したいと思います。

待遇が良い

製薬会社はそもそも待遇が他業種に比べて良いと言われています。

実感としてもそのように思います。

筆者の経験上、外資系は特に待遇が良いと思います。

しかし一方で、外資系の会社は能力主義的なところがあります。

給与が能力によって決められる

会社に対する貢献が給与に反映していると実感できるのが製薬会社だと思います。

特に営業職などはその実績が数値となって表れてきますので、そう思える瞬間は多いと思います。

自身の給与アップのためには努力して頑張れば報われるという達成感も大きく存在します。

「はたらき方改革」の先を進む

製薬会社では昔から専門職、総合職等の職制が敷かれている会社が多くありました。

「ノーベル賞」を受賞できそうな一人の優秀な研究者だけど部下の育成ができない人と、個人能力としては劣るけども1,000人の部下を育てることができる人をどう評価するのか?という問題に取り組んできた歴史があります。

このことは、現政権で提唱されている「働き方改革」のずっと以前からの課題として取り組んでいます。

製薬会社では人材が育つ要素が非常に多く、これもずっとやっていきたい理由になります。

夫婦で働ける程度の仕事量

あまりに忙しすぎて、共働きができない企業は多くあります。

働き方改革でも提唱されている内容ですが、夫婦揃って就労できる環境が製薬会社にはあります。

従業員の環境に応じて、その能力をしっかりと発揮させるための組織・制度作りが進んでいるということです。

海外への赴任なども魅力

筆者の場合、外資系メーカーに在籍していた頃にアメリカ、ドイツに赴任したこともありました。

どちらも母国語は英語とドイツ語ですが、仕事は英語で充分足りました。

夏季休暇では1ヶ月ちかく休むことも認められましたので、各地の観光地などを十二分に楽しむこともできました。

高付加価値な物を取り扱っていると言う自負

やはり何百人何千人の命を救うことのできる医薬品を製造販売しているのは、非常に大きな価値があります。

究極の付加価値を生む医薬品に携わっているという自負心が芽生えるようになります。

そんな自負心のため、まだまだこの仕事を続けていきたいと思えるわけです。

知的好奇心の欲求を満たされる

製薬会社の中には、単調で知的作業ではない仕事も中にはあるでしょう。

しかし筆者の経験上、製薬会社においてはそのような作業に従事している人をあまり知りません。

その部署であれ、多くの従業員は知的好奇心を満たせるだけの仕事内容があります。

社会的ステータスが高い

製薬会社に勤めていることで社会的ステータスが向上します。

仕事相手が医師や薬剤師であることが関係していると思います。

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けど、製薬会社には大変なところも・・・。

製薬会社の良いところばかりをご紹介しましたが、もちろんそればかりではありません。

大変なところも多く存在します。

ここからは、大変だと思われることを順に紹介したいと思います。

勉強を怠ると・・・

日進月歩という言葉があります。

まさしく医学・薬学の世界ではこの言葉が当てはまります。

少し専門用語が入りますが、詳しく紹介していきます。

自社が製造開発している薬剤の薬効があります。

その同一薬効を示す薬剤が他社から新しく発売された場合、その薬剤の作用機序は?副作用は?相互作用は?等の知識がなければ、医師や薬剤師に正しく紹介できません。

結果として、自社製品が処方されなくなるわけです。

医薬品の場合、薬剤間で全ての部分で負けているということはありません。

そこで、自社製品のメリット・デメリットを把握しておくことが重要です。

この場合、会社の言っていることが全て正しければ誰でもできますが、自己学習でより客観的な知識を持っていることが大変な部分になります。

専門家からの叱責を受けることも・・・

例えば高血圧治療の専門家に高血圧治療薬の説明をしつこく言ってしまった場合、「釈迦に説法」というような事態になります。

医学・薬学に関しての知識は、臨床現場にいる人には敵いません。

そうした方々から、単に薬剤の紹介をしている製薬会社に対して大きな叱責を受けることがあります。

精神的に大きなストレスになります。

既存品ばかりで新薬が出ない・・・

多くの医療用医薬品メーカーで経験することですが、新薬を継続的に発売し続けることは至難の業です。

他社からの導入品を入れても難しい問題が付いて回ります。

すでに陳腐化した医薬品しか情報提供ができない場合のストレスは大変なものになります。

既存の薬剤がその薬効で唯一無二の薬剤であれば比較的このストレスは和らぎますが、そうでない場合には多大なストレスが待っています。

自己管理が大変

営業職の場合は直行直帰が定番化することが多く自己管理能力が求められます。

誰も見ていないから何をしても良いということは当然なく、何らかの仕事を行うようにしなければなりません。

人生の価値観が変わってしまう

二つの意味で、人生の価値観が変わってしまうことがあります。

第一に、医薬品に対する価値感です。

冒頭に触れましたが、需要の少ない薬剤開発は消極的で、需要の大きな薬剤開発が積極的であるということです。

全ての疾患に対して平等に開発がされていると思っていたことが、経済原理に左右されて開発されているということです。

第二に、ステータスの高い人たちが渉外対象であることからその生活感が一般とは異なり、価値観が変わってしまうことが挙げられます。

企業利益との板挟み

例えば処方薬の場合、10mgで充分に効果が発揮されていても、容量を増やすことを目的に20mgまで増量して処方するように勧めてしまうということです。

製薬会社の将来性とは?

製薬会社の将来性に関して紹介したいと思います。

どのような職に就くにせよ、将来性のない会社を選びたくないものですよね。

製薬会社の将来性について様々な観点から紹介していきたいと思います。

総合的な将来性

まず、総合的な将来性に関して紹介したいと思います。

製薬会社は人の健康回復・維持・増進に役立つ医薬品を供給している点で必要不可欠な存在です。

その点を踏まえると、将来性は大いに明るいと言えます。

生活改善薬という、病気とまでは言えないけれど一般生活をより良く過ごせるようにする医薬品も出ています。

そういう現状からも将来性は豊かだと言えます。

医薬品製造の一極化

医薬品製造は、そのほとんどが化学合成による創薬になります。

したがって、同じ工場生産ラインでの製造が効率的です。

世界中に数多くの製造ラインがありますが、この集約化が進むのは明らかです。

そのため、吸収合併といった企業再編が将来ますます進むことになると考えられます。

人口爆発による感染症・疾患の蔓延

高度成長を遂げた日本ではあまり感じられないことになりますが、世界的に人口は爆発的に増加しています。

特に発展途上国における人口増加は、その一途を辿っています。

衛生環境の悪化、ケア体制の不備などにより感染症や疾患の絶対数も増加しています。

そのため、治療薬の需要は飛躍的に上昇することになります。

製薬会社にとっての発展の一助となることは明らかでしょう。

景気に左右されない

昔から言われていることですが、一般産業では社会の景気状況に大きく左右される産業がほとんどです。

しかし、製薬会社の場合は景気に左右されることはほとんどありません。

病気になった時に薬が必要になることに違いはありません。

そのため、製薬会社の売上については景気に左右されないという利点があります。

一方、好景気でもその影響はあまり受けないことを考えなければなりません。

他産業を巻き込んだ将来像

製薬会社の場合、その進出する領域に関しても充分に理解しておかなければなりません。

医療用医薬品のみではなく医療器具、バイオサイエンス等の他産業も巻き込んだ状況を考えるべきだと言えます。

将来的には、一つの製薬会社が多くの部門を抱えることになっていくことでしょう。

まとめ

この記事では、筆者自身の経験を踏まえて、この仕事をずっとやっていきたいと思う理由をいくつか挙げました。

一方では楽なことばかりではなく大変だと思うことも多くあります。

製薬会社に就職希望の皆さんは、総合的に比較してみてどうなのかということで判断して下さい。

製薬会社全体の将来性がどのようなものなのかについてもいくつか紹介しました。

雨、曇り、晴れの区分で言うと、晴れていることには間違いなさそうですね。

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