製薬会社でホワイトな会社の4個の特徴と求人や面接の時の見分け方とは?
病からの回復や健康の維持のための重要な要素の一つである薬剤を開発、販売、管理することが製薬会社の主な業務です。
薬剤は様々な苦痛を和らげたり、病を患う人が日常生活に戻れるようになるために重要なものです。
そのような薬剤を製造販売する製薬会社の社員にとっての「やりがい」にはどのようなものがあるのでしょうか。
また後半では、何をすればやりがいを感じられるようになるのかを解説していきます。
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目次
閉じる製薬会社の大まかな仕事内容について理解しておこう
ここでは、医療用医薬品を取り扱う製薬会社を取り上げています。
その他OTC医薬品のみを取り扱う会社やジェネリック医薬品のみを扱う会社など様々な会社がありますが、「医薬品」を製造または販売している点においては同様で、一般的には同じ製薬会社の括りに入っています。
ここでは、製薬会社の中でも医療用医薬品を取り扱う製薬会社で働くことのやりがいに関してご紹介していきます。
製薬会社の仕事のやりがいってどんなもの?
やはり「人に貢献できる仕事に携わっている」ことが挙げられます。
病に苦しんでいる方々に対して、役に立っている、役に立てるかもしれないという実感が持てることです。
筆者の場合、悪性腫瘍(癌)を患った家族がおり余命1年と宣告されていたのですが、各種化学療法や放射線治療でその余命を10年も延ばしたという経験があります。
それが自社の医薬品であったため、自社医薬品に対する信頼感が、自然と高かったように感じます。
実際に臨床現場で「あなたの所の薬で助かったわ」というような言葉を医療関係者から聞いた時には、喜びと共に非常にやりがいを感じました。
しかし、このようなことは日々の活動の中ではそれほど多くはありません。
次に、日々の活動の中で味わえるやりがいに関してご紹介していきます。
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経験者の私が製薬会社の仕事でやりがいを感じた瞬間
筆者が国内外の製薬会社に勤務した経験の中からやりがいを感じた瞬間を紹介したいと思います。
製薬会社は社内の各種部門によって異なった就業様式や勤務体系があります。
それぞれの部門に当てはまるかは分かりませんが、製薬会社を志望される皆さんの多くが就くであろうと思われる職種の「開発系」「営業系」について紹介したいと思います。
いくつか例を挙げておりますので、参考にしていただければ幸いです。
実験研究の成果が目の前で展開された瞬間(開発系・リサーチ)
研究職のやりがいは、やはり自身の携わった研究の成果が目の前で確認できた瞬間だと思います。
中には学会発表や論文投稿による雑誌への掲載などがやりがいだと言う人もいます。
しかし、日々繰り返し行っている研究の中で、やはり研究成果を実感できた時がやりがいを感じる瞬間です。
予測に基づく結果やそれに続く大きな成果を予測できた時などは、それにも増して喜びややりがいを感じる瞬間となるでしょう。
臨床医の医師から早くこの薬剤を世に出してくれと言われた瞬間(開発系・CRA)
臨床試験でも最終段階であるフェーズⅢにもなれば、実際の患者さんを対象とした試験を行います。
期待されている薬剤であれば、今まで「不治の病」だとされてきた疾患に対して劇的に効果を発揮する場合があります。
臨床医の先生から「早く保険適応を受けて発売してほしい」と言われた時は、社会的にもやりがいを感じる瞬間と言って良いでしょう。
自身のCRA活動のモチベーションにもなり、一日でも早く世の中に出したいという気持ちでいっぱいになる瞬間です。
添付文書に自身が記載した内容が載った瞬間(開発系・ファーマコビジランス)
ファーマコビジランス部門で安全性評価を担当する部門では、常に自社医薬品に関する安全性情報を収集しています。
そのような業務柄、開発段階では分からなかった未知の副作用や有害事象が発見されることがあります。
そうした場合、報告をして頂いた医師や薬剤師に詳細情報としてヒアリングを直接行いデータ収集をします。
情報収集が終わると厚生労働省に報告をしますが、社内でも安全性評価委員会等を通じて医薬品に関する「取説」とも言える「添付文書」の改定をします。
このように自身が書いた注意事項の内容が該当医薬品の添付文書に反映された時が、やりがいを感じる瞬間です。
有効性だけではなく安全性の側面で医薬品を見るという社会的使命のようなものを感じることで、真摯な態度で仕事に臨めるようになります。
医師から自社製品の劇的な薬効を聞いた瞬間(営業系・MR)
各医療機関を担当しているMRという職業は、医療の最前線で日夜戦っている医師や薬剤師と接触する機会が多いため、製薬会社にとってアンテナ的な存在の側面を持っています。
そうした業務の中で、稀に自社医薬品に関して「あれはよく効いたよ」という言葉を聞くことがあります。
自身が紹介した医薬品が患者さんの役に立ったということは、MRにとって最高の喜びになります。
「なかなか効かないね」とか「本当に効果があるのか分からない」といったネガティブな感想を耳にすることの方が多いので、前向きな言葉を頂けたときに本当にこの仕事をやっていて良かったと感じます。
自身が主催した研究会で討議の場となった瞬間(営業系・学術)
製薬会社が開催する研究会や製品説明会などで、自社製品に関する説明を行う機会があります。
そのような場合、事前に最新の医学情報や医薬品情報を勉強し、学会の話題も織り交ぜながら準備しておくことが必要です。
説明会の時には、ふとしたきっかけで医師同士や薬剤師同士で意見の交換などが行われる場合があり、それが過熱して討議会のような場になることがあります。
このように自身の説明した内容がネタ元となり進展していく状況を見る時は非常に満足感が得られ、やりがいを感じる瞬間となります。
家族・親戚の病状や身体の不具合を相談された瞬間(全職)
医師や薬剤師ではない自分が製薬会社に就職することで医学・薬学系の基本知識が身につき、ある程度疾患等に詳しくなります。
その知識を頼って、家族や親戚が相談に来ることがあります。
そのような相談に乗ってあげることができるようになった時は、この職業を選んで良かったと思える瞬間です。
また製薬会社に勤めることで医療関係の裏事情を知る機会も増えるので、相談された場合には医学・薬学の専門知識だけでなく、あらゆる方面からアドバイスができることも自信の源になります。
社会的地位が高いと認識した瞬間(全職)
製薬会社に就職することで、この業種の社会的地位の高さに驚かされます。
仕事にマンネリ感を持っていたとしても、第三者から、「良い会社にお勤めですね」とか「立派な会社におられますね」と言われた時には、この会社を選んで良かったと思える瞬間です。
普通の食品加工会社、証券会社、金属加工会社等と比べてみても、社会的貢献度が高いことから、そのような社会的地位が得られているのだと思います。
製薬会社の仕事でやりがいを感じるために私がやったこと
上記のようなやりがいを感じる瞬間がありましたが、これは漫然と仕事をこなしているだけでは味わえないことが多いです。
次に、やりがいを感じるために私自身が行っていた「ルーティーン」とも言うべき内容を紹介します。
これは開発系、営業系関わらず製薬会社では一般的にやるべき内容を含んでいますので、皆さんも是非参考にしてみてください。
一つのことに熱中すること
営業系でも開発系でも同じですが、与えられた仕事に対して一点集中することが大切です。
全ての仕事に対して漫然と仕事をこなしているだけでは何も感動は生まれません。
一つの業務に徹底して集中することが大切です。
全てに集中することは難しいですが、一点集中することはそんなに難しいことではありません。
営業系では自身の得意とする製品を作り、その製品のオーソリティになる努力をすること。
更には、得意な医師や薬剤師を作り、自分へのファン作りをすることも大切です。
開発系ですと、自身の行っている実験系やカテゴリーに関して周辺知識を取り込みながら常にスケジュール管理を行うことも大切です。
日々同じことの繰り返しの業務が多くなりますので、常に新鮮な気持ちを維持することも一点集中というカテゴリーになります。
社会的使命を持ち続けること
製薬会社の社会的使命を思い起こし、常にその気持ちを自身の活動の根底に持ち続けることが大切です。
自社の利益のみを考えるのではなく、疾病に苦しむ方々の一助となるべく行動していると考えなければなりません。
そうすることで自身の活動原則が自然に出来上がり、一貫した活動が可能となります。
多忙な日常の中では忘れがちになりますが、週に1回程は自身の活動がそうした基本に則しているかを考えてみるのも良いかもしれません。
私の場合は、月1回の月次報告でそれらを見直すようにしていました。
科学の世界でも人間味を忘れないこと
製薬会社では各製剤に関するデータが山のようにあります。
そうしたデータのサマリーも併せて考えると、全てが科学的実証に基づいたデータになります。
会社に勤め始めた時には、このデータが全てであると思い込みがちになります。
医師や薬剤師にもこうした内容を紹介することだけを考えてしまいます。
医療用医薬品メーカーが扱う薬剤の多くの購入者は医師、薬剤師です。
しかし、最終消費者は患者さんです。
心を持った患者さんがその医薬品の価値を高めたり低くしたりする存在であることを忘れてはいけません。
実例として、自社の高血圧の治療薬(降圧剤)の降圧効果のデータを頼りに、医師へのアプローチをした時のことをお話します。
その降圧剤を使うよりも食事制限した方が降圧効果が良かったということがありました。
詳細は省略しますが、この場合その製品のプレディクタビリティ(predictability:予測性)に関わる問題として愕然としました。
その患者さんの場合はとある食品を制限することで劇的に血圧が下がったということで、医師によれば心因性によるものだということでした。
薬剤の効果が否定されたわけではないのですが、やはり最終使用者である患者さんの心にも訴えかけることが重要だと感じた瞬間でした。
こうした心配りをすることで感動ややりがいが生じて来るものだと感じます。
まとめ
製薬会社で働くことのやりがいと、そのために行うべき活動を紹介しました。
扱うものが「薬」という特殊性から、やりがいを感じる機会は多くあるように思います。
しかし、就労している自身が常に真剣に取り組まなければそうした感動ややりがいは感じられないということを忘れないでください。
職務責任が増せば増すほど、そうしたやりがいも大きくなることは間違いないでしょう。
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