大学病院のメリットってどんな事だと思いますか?

実際、大学病院と言えば、看護師の方だったら一度は憧れる職場かもしれませんね。

そこで、大学病院で働いていた経験がある私が、「大学病院で働くメリット」というタイトルで、大学病院のいいところ、学ぶことができた所を具体的に紹介していきます。

病院で勤務する看護師の働き先は多岐に渡る為、あなたに合う職場を見極める参考にしていただければと思います。

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私はこんな大学病院で働いていました

埼玉県の東部に位置する大学病院で、整形外科病棟に所属していました。

そこの整形外科は全国を代表するような先生が沢山勤務していて、時には有名人も入院していました。

その当時病院自体は古い病院でしたが、ここ最近で新しくなったみたいです。

大学病院とは言っても系列の病院で、同じ敷地に大学があるわけではなかったので、大学病院とはほど遠い感じでした。

大学病院での働き方はこんな感じでした

大学病院を退職して結構経っていますが、実際に自分が大学病院で働いていた状況を紹介します。

1日の平均勤務時間や休日

自分が働いていた大学病院は、変則2交代制を採用していました。

日勤帯は8:30~17:30の勤務と8:30~20:30の12時間制と2パターンあり、12時間制で働いた方は翌日の夜勤になるのが通例でした。

中番は12:30~20:30までの勤務でした。

夜勤帯は20:30~翌8:30までの勤務となるため、通常の2交代制である16時間勤務よりは少なく、夜勤は楽なように感じました。

夜勤明けの次の日は大抵休みとなっています。

希望の休みももちろん取れましたし、休みも年間120日だったので、病院にしては多かったように思えます。

残業は?

自分が働いている病棟は、残業はあっても1時間でした。

中には全く残業のない科もあったり、残業が非常に多い科もありましたが、自分が働いていた病棟の師長が残業を嫌っていたので、遅くまで残っていると「早く帰りなさい」と怒られてしまいます。

お給料事情

1年目から3年目なので給与はあまり多くありませんでしたが、手取りで月23万円~24万円程だったと思います。

賞与が年に3回あり、賞与だけで100万円以上は貰えていました。

職場の人間関係

職場の人間関係は、悪くはありませんでした。

自分は男性なのであまり深く関わらなかったからかもしれませんが、人間関係で悩んだことはありませんでした。

もちろん厳しい先輩もいたので嫌な想いをしたこともありましたが、それも1年目だけです。

恵まれた人間関係でした。

男性が他に2人いたのも、今思えば男性としては良かったのかなと思います。

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大学病院で働いてやりがいを感じたこと

自分が大学病院で働いていた頃、また退職した後に思い返してみてのやりがいをここでは伝えていきたいと思います。

患者さんや家族を精神的に支えることができた

疾患の治療を行うのは医師ですが、「元気になって退院したい」「リハビリが辛いけど頑張ろう」という前向きな気持ちになれるかどうかは、関わる時間が多い看護師に左右されるものです。

また、病状だったり治療法や現在に至る経過、患者さんの精神的な状態を理解した上で、患者さんの想いや気持ちを尊重しながらそれを医師に伝えていくことは看護師の大きな役割です。

治療に臨む患者さんや家族の精神的な面を大きく支えていると実感できた時はとてもやりがいを感じました。

患者さんのできることが増えていくことに対してのやりがい

股関節や膝関節の痛みの進行により、歩行が困難になったり、自分でトイレに行けなくなるなど、これまで当たり前のようにできていたこともできなくなり、大変な想いをされている患者さんが沢山いました。

そんな患者さんが手術をしてリハビリを頑張って行うことで、できることも増えていく時、それをサポートする看護師自身も「できることが増えた」と嬉しい瞬間でもあります。

こんな風に患者さんと痛みや苦しさ、嬉しさを分かり合えるのも、整形外科や手術が多い大学病院ならではのやりがいではないかと思います。

多くのスタッフとの連携で患者さんを救ったり、治療をフォローしていくこと

大学病院に限ったことではないかもしれませんが、看護師以外にも医療専門職が存在します。

その医療専門職がチームとして治療を行っています。

医師・看護師・理学療法士・作業療法士・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士など多くのスタッフがそれぞれの専門性を発揮しながら「患者さんの命を救う」「患者さんの治癒を目的とする」という共通のゴールを目指しています。

自分もその一員として「いったい自分には何ができるのか」と自問自答しながら、看護知識や技術、疾患などを追及していきます。

今振り返ると、自分は様々な人間と関わりを持つことで人間的にも成長できたのではないかと思っています。

1人ではできないことでも、チームとしてやれば達成できる。

そこにやりがいを感じていました。

患者さんの笑顔や感謝の言葉

余裕がなかった1年目には感じられなかったけれど、2年目〜3年目になって感じられたやりがいです。

患者さんが回復して退院する場面での「ありがとう」ケアや処置を行った後の「ありがとう」

患者さんから笑顔で言ってくれるこの言葉が何よりも嬉しい瞬間です。

職業柄、言われ慣れてしまう言葉かもしれませんが、自分はこの言葉を聞けるだけで看護師になって良かったなと思えるようになりました。

大学病院勤務で身についたこんなスキル

新人の頃なのであまり参考にならないかもしれませんが、私が大学病院で働いていた時に身につけられたと思うスキルをいくつか紹介します。

観察力

大学病院は一般病院に比べて手術の頻度も高いですし、高度な医療を提供している分、重症な患者さんが多い傾向にあります。

重症な患者さんは、いつ状態が急変するか分かりません。

自分が看ていた時までは安定していたのに、突然血圧や脈拍が低下したり、不整脈を引き起こすことがあります。

そのため、重症な患者さんをしっかりと観察しておくことで「少し尿量が減ってきているな」「浮腫みが酷くなってきているな」「冷や汗が出ているから血糖値を観察していかないとだめかな」などと気づくことができます。

もちろん、大学病院で働き始めた時は新人だったのでそこまで気づくことはできませんでしたが、そういった経験を多く積むことでしっかり観察できるようになり、患者さんの変化にいち早く気づくことができるようになり、急変を未然に防ぐために医師に報告できるようになったのです。

また、急変した場合でも「この患者さん急変するなら、どういう状態になるだろう」「急変したらどういう治療を行って、どんな薬剤を使用するだろう」など予想できるようになったことで、いざ急変した場合でも慌てずに対処できるようになりました。

コミュニケーションスキル

これは大学病院に限らず身につけなくてはいけないスキルですが、大学病院では特に必要なスキルだと感じましたし、それを身につけることができたと今は思います。

なぜなら、大学病院の看護師は調整役に回ることが多いからです。

大学病院には沢山の診療科や部署が存在しており、それぞれの役割分担が明確に決められています。

それが良いところでもありますが、悪いところでもあり、調整役がいないとまとまりません。

その役割を看護師が担います。

複数の診療科や部署にまたがって治療をする場合はその連絡や調整をしなければいけませんし、多職種とのチーム医療を行う場合も看護師が調整役になることが多いものです。

ですから、大学病院の看護師は、患者さんやご家族とのコミュニケーション以外にも、病院内での調整役として様々な診療科や部署、職種とのコミュニケーションを取る必要があり、高いコミュニケーションスキルが求められます。

こういった能力を身につけられるのも大学病院ならではですね。

仕事の優先順位を考えられるようになった

大学病院で働いている時は仕事量が多くて、一つの仕事をしている時にでも次から次へと新しい仕事が入ってきます。

新人の頃は、この優先順位を全て理解できていなかったので、先輩や上司によく怒られていました。

一つの仕事を与えられると、そこに全神経がいってしまい周囲が全く見えなくなっていたのです。

仕事をこなしていていく内に病態や知識なども身についてきて、自然に優先順位も分かってくるようになりました。

また、看護師は全て1人で仕事を円滑にはできません。

普段は常に教えてもらいながらやることも必要ですし、時には自分が新しい仕事を覚えることよりも仕事を片付ける事を優先する必要があるとも学びました。

新人の指導のポイント

新人看護師は業務に慣れていないので、先輩は新人看護師のミスを指摘してあげなければなりません。

ただ、指摘しているばかりだと新人看護師も萎縮してしまい、焦ってしまってミスを増やしてしまったり、仕事への意欲をそいでしまいます。

そんなときに私が気づいたことは、意識的に褒める機会を増やしてあげることでした。

人は誰でも褒められるとうれしいですし、仕事への意欲も高まります。

自分が学んだことは二つあります。

一つ目は、よく観察して成長している点を見つけることです。

失敗ばかりしている看護師だと褒めるポイントがなかなか見つからないものですが、自分なりに努力した点や工夫した点があるはずなので、行動をしっかりと観察して、成長している点を意識的に探すようにしました。

もう一つは、新人看護師が褒められたときには共に分かち合うことです。

他の看護師や患者さんから褒められたときは、自分自身もそれを分かち合うことにしていました。

やはり自分が新人だった頃、一緒に喜んでくれる先輩を見てとても嬉しかった経験があったからです。

叱ることはできても、なかなか褒めることはできないですからね。

それを大学病院で教育係をやっている時に学びました。

大学病院の勤務経験がある人のよくある転職先は?

ここでは、大学病院から他の所へ転職した経験談と転職先についてご紹介していきます。

大学病院勤務から中規模病院へ転職した看護師

その人の転職は結婚が一番の理由でしたが、その他にも職場環境を変えたいと強く思っていたことがきっかけでした。

大学病院の勤務はハードでバタバタとしている病棟での勤務に加えて、業務が終了した場合でもしていない場合でも研修会や勉強会に出席しなければなりません。

ワークライフバランスを掲げながらも、大学病院という医療と教育を行うということに疲れてしまったと言っていました。

その人は、中規模の病院でゆっくりと穏やかな時間で仕事ができればと転職していきました。

転職した後、穏やかな時間の中で看護の実践をすることで本当に患者さん中心の看護ができることと、科の特殊性に合わせた看護ができて広い視野で看護ができるようになったと言っていました。

忙しくがっつりと働きたいのか、穏やかにのびのびと働きたいのか、自分のやりたい看護と合わせて考えてそれに合った病院を見つけることも大切なのかなと私は思いました。

大学病院から地方の総合病院(急性期)に転職した看護師

その人が転職したのは、地方都市にある総合病院です。

転職先の病院はその町で一番大きな公立の総合病院です。

大学病院では点滴の針を刺すのは研修医が行っていました。

大学病院は研修機関の役割も果たしているので、研修医も数多くいます。

採血やインスリンの皮下注射などは看護師が行っていましたが、実際に点滴の針を刺す機会はなかったので、大学病院に3年いたものの最初はとても戸惑いました。

スタッフからしてみると4年目の看護師として見られるので、点滴のコツなど誰も教えてくれませんし、こちらからも訊きづらかったりします。

患者さんからも新人看護師としては見られないので、最初の頃は平静を装いながらも、ドキドキしていたことを思い返します。

確かに大学病院では基本的な知識の方は身につきますが、看護技術の方は、まだまだ学ぶことがあったなとそう思わせる転職でした。

まとめ

最後の方の内容は大学病院のデメリットを紹介してしまった形となりましたが、これらの経験も大学病院で働いてみないと分からない経験なのではないかと私は思います。

大学病院勤務は忙しく、大変なところです。

しかしながら、看護師として学ぶことは沢山ありますし、やりがいを感じることができる瞬間も多くあります。

これから大学病院で働いてみたいと思っている方や迷っている方に少しでも参考になればと思います。

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