看護師のイメージとしては、病院にいる看護師をイメージする方が多く、苦痛な治療に寄り添い、辛い場面に優しく励まされ、一緒に乗り越えてくれた人とイメージするでしょう。

しかし実際には、看護師は一概に一括りは出来ず、その環境によって役割は大きく違ってくると思います。

今回はその環境の一つである、介護施設看護師の仕事内容について書いていきます。

介護施設看護師の仕事は大きく7個の役割に分けられる

健康管理

これがまず第一です。

身体面だけでなく精神面も含め、利用者が毎日安心して過ごしていけるようにするにはどうしたらいいのか、毎日考える必要があります。

何も起こらない普通の生活を毎日送ることは、介護施設を利用している方にとっては容易なことではありません。

もし、何かが起こってしまった場合には看護師として何をしてあげられるのか、常日頃から利用者の状態を見て考える必要があると思います。

外傷処置

外用薬を用いて処置の内容を検討したり、評価考察を行い治癒を目指します。

内服管理

施設だと薬剤師さんがいない施設が多いので、看護師が行なっている施設が多いです。

家族への連絡

相談員が対応することがほとんどですが、身体的なことが絡んでくると相談員だけでは対応出来ないため、看護師の出番となります。

介護職者への介護介入指示

利用者全員に統一した介護介入は出来ません。

利用者の既往歴やその時の状態などでも介護介入の方法は変わってきます。

事故報告対応

事故が起こってしまったときに、処置や診断の予測を瞬時に行い、対応することが必要になります。

退所指導

それぞれの部署から、退所後の生活において注意する点などが上がります。

その書面を使用して、退所後の生活指導を行います。

健康管理

普段の健康状態の把握

異常の早期発見をするためには、普段の利用者の状態を把握しておかなければなりません。

例えば、血圧が150あったとしても、普段血圧が90の人と普段血圧が130の人では対応が変わります。

そのため基本的なバイタルチェックは欠かせません。

また、排泄状況や夜の睡眠状況、苦痛症状の有無などの確認は重要項目と考えられます。

病院受診の付き添い

かかりつけの医師を施設外に置いている利用者もいます。

最近の利用者の状態の報告を行い、内服の変更や必要な検査があるかどうかの確認を行います。

生活を維持していくために、気をつけていかなければならないことの有無も確認する必要があります。

また、緊急の際も病院受診の付き添いは必須です。

付き添い、受け入れ先の医師や看護師に利用者の情報を伝えることで早期治療となります。

早期治療は利用者、家族にとっても重要なことであり、特に緊急のときは命を救うための手段となります。

医師への報告

看護師から医師への情報は治療方針を決定するための1つの要素になります。

看護師は、治療方針を決定することは出来ません。

しかし、経験からあの治療をした方がいいのではないかと考えた時に、その治療が出来るような報告の仕方が必要になってきます。

医師から内服や処置指示があった場合、それらの開始となります。

治療が開始される際、何処で評価をするのかを医師から指示をもらっておくと良いと思います。

外傷処置

軟膏や湿布、包帯を使用して行います。

外傷の発見

まず発見した際には原因を追求します。

取り除けたり改善出来る原因であれば、原因の除去に努めます。

治療方法

外傷の程度でどのように治療を行っていくか検討します。

外用薬の使用の有無や処置時間・回数を決定します。

また、どのくらいの期間、処置を施行するのかを決定します。

評価・考察

処置を施行したことでの改善や悪化を評価します。

改善が見られなかった場合は、どうして改善が見られなかったのか原因を追求します。

そして、処置内容の変更を検討します。

また、病院受診の検討も視野に入れる場合があります。

内服管理

利用者ごとに内容を確認

まずは利用者ごとに仕分けし、医師の出した処方箋と薬局側が出しているドラッグインフォメーションが一致しているかの確認が必要になります。

また、定期薬に関しては前回の処方箋と同様かを確認します。

定期薬の増減がある場合には、増減しなくてはならないような利用者の体調の変化や検査データがあるかどうかの確認が必要です。

医師も間違えてしまうこともあると思うので、増減の理由が見つからない場合には、必ず医師への確認が必要です。

利用者ごとの服薬方法で仕分け・確認

利用者によって内服管理方法は変わります。

1日分毎に渡す利用者もいますし、1週間分毎、1か月毎など様々です。

1食毎に渡す利用者や、確実に服薬しているかを看護師が確認する必要がある利用者もいると思います。

利用者の服薬忘れや看護師の配薬ミスをなくすために、わかりやすくマーキングしたり、ボックスを使用することで事故防止となります。

それぞれの施設で、仕分けや保管方法は異なると思いますが、服薬毎に仕分けや保管してある内服管理の確認が必要になります。

内服投与

主に各食事前、食事後の投与が大半だと思います。

その他に、食間薬や就寝前などがあると思います。

内服の内容確認は次の5つのタイミングで行います。

  • ①利用者ごとに仕分けするとき
  • ②服薬方法で仕分けするとき
  • ③薬袋を開けるとき
  • ④利用者に投与する前
  • ⑤利用者に投与した後

また施設によっては、全てにおいてダブルチェックを徹底している施設もあり、他にも誤薬を防ぐ対策を取っているところもあります。

また、用紙を使用してチェックを行い、事故を防ぐように対策をしている施設も多いと思います。

家族への連絡

主に利用者の体調が悪く受診の必要がある場合に、看護師側が連絡しなければいけないことが多いです。

いつからどのような状態で施設側でどのような対応を行ってきたかを説明し、それでも体調が改善しないため、病院受診をお願いするという形を取ることがほとんどだと思います。

また既往歴などにもよりますが、急に体調を崩される利用者も少なくありません。

小さくても変化がある場合は早めに家族への連絡を行い、急な病院受診をお願いする可能性があるかもしれないということを家族にも伝えておくと、家族も心構えをしてくれて、いざという時にスムーズに病院受診が行えると思います。

またこのようなスムーズな対応になるよう、普段の面会時から家族ともコミュニケーションを図ることも重要です。

違う件で家族と連絡を取ったときに、それだけで終わらせるのではなく、最近の利用者の状態を情報提供するなどしておくと良いでしょう。

介護職者への介護介入指示

施設は基本的に、身体面的には落ち着いた利用者が生活をしていく場所です。

しかし、年齢、性別、現病歴、既往歴などによって、介護の量や内容は様々であり、完全統一の介護はありません。

介護をする際に、利用者の生活動作の自立の把握や病歴をふまえた上で、その利用者のゴールや維持していく部分などを常に介護職と共有していかなければ、利用者の混乱を引き起こしてしまうことになります。

また、体調が優れないときには、介護の量や内容を変更する必要があります。

特に体調が優れず、やむ終えず介護量を増やすときには、看護師が介護職側に、どのように体調が優れず、どのように介護量や内容を変更するかを的確に指示することが必要になります。

また、その期間がおおよそいつまでなのかについても伝える必要があるでしょう。

事故報告対応

転倒や誤飲、誤薬など、事故の種類は様々です。

その際に医師や相談員への報告、病院受診の必要性の有無などを判断することが必要になります。

事故の内容にもよりますが、処置が必要なこともあると思います。

転倒した際には必ず全身チェックを行い、外傷の有無を確認することが必要です。

骨折などの重傷がある可能性が考えられる場合には、病院受診や搬送、擦り傷などの軽傷でも処置を行わなければならないことが多くあります。

また軽傷でも、後から症状が出てくる場合も多いので、数日間は全身チェック管理が必要となってきます。

退所指導

医師・看護師・介護担当・リハビリ担当・栄養士から、退所後にどのような点に注意をして生活していけばいいのか、書面で上がります。

その書面を利用して退所後の生活指導を行います。

またトラブルが起きてしまった場合にどのように対処すればいいのかなども一緒に説明します。

退所後に不安なく安心して生活が出来るように声かけしていくことが重要となると思います。

病棟看護師との仕事内容の違い

病棟看護師は辛い治療をスムーズに行えるように、患者の身体面や精神面を支えていくことが1番だと思います。

施設は、その辛い治療を終え、生活していくために身体面や精神面をこれからどうしていくのか、というところを支えていくことが1番だと思います。

治療も生活していくことも最終的には利用者本人が決めることにはなりますが、治療する部分は患者にはわからないことが多く、医師や看護師に任せる患者も多くいます。

しかし、生活は利用者自身が想像しやすく希望も具体的なことが多くあるため、一緒に考えていくということが病棟看護師より多いと思います。

また、治療を行うという部分では、病棟看護師には看護技術が必要になり、その看護技術は時にはレベルの高さを求められます。

一方施設では看護技術もその看護技術のレベルの高さも求められることは少ないと思います。

また病院に比べて、利用者中心に時間が動くので比較的、病院よりゆったりと仕事が行えるでしょう。

介護施設看護師の仕事の良いところ

利用者の目標が細かく立てやすい

目標を細かく設定できることで、利用者と一緒に頑張っていけるところが良いと思います。

目標の期限を設定しやすく、達成した場合には次のステップへ、達成出来なかった場合には評価考察を行うことで、目標を具体化させていくことや新たな視点で目標の再設定を行うことが必要になります。

気持ちの共有ができる

目標を細かく設定することで、喜怒哀楽の部分が多いと思います。

しかし、その気持ちを共有してあげられることで、自分が看護師として次はどのように関わっていくことがベストなのかを考えることが出来ます。

気持ちを共有しようとする思いは利用者に伝わることが多く、また実際に気持ちを共有していくことで信用や信頼につながっていくはずです。

また、同じ目標を目指すことで一体感が生まれ、その一体感は生活をしていく上で利用者の支えとなることがあると思います。

家庭や他のこととの両立がしやすい

時間に追われることが少ない分、仕事に余裕が生まれ、両立しやすいと思います。

残業がない施設も多くあります。

何事もそうですが、両立させるためにはどこかで気持ちの余裕がないと両立は出来ません。

病院と比べるとゆったりと仕事が出来るため気持ちにも余裕を持ちやすく、両立もしやすいと思います。

両立が出来ていることで、自己満足感は強く得られるはずです。

自己満足を得ることが出来ていると、人生全体がプラスに向くため精神的にもかなり落ち着きます。

看護師も人です。

中には精神的に参ってしまい、病気を発症しやすくしてしまったりする看護師も少なくはないですから、やはり仕事も楽しく行えることがベストでしょう。

看護師は専門職なので、なりたかったという夢を叶えてなった方も少なくないはずです。

せっかく叶った夢を人生最後まで貫き通すことも大変ですが、貫き通すためには気持ちの余裕があっても良いと思います。

まとめ

いかがでしたか?

病院は治療が終われば、看護師としての関わりは大半が終了になります。

しかし、施設看護師は「利用者が生きていくための力をつけるにはどうしたら良いのか」から始まり、人生の終わりまで看護師として支えることになります。

利用者の生活する環境は変わっていくことも考えられ、環境の変化の度に看護師として生きていくための力を継続させてあげられるよう、一緒に考えていかなければなりません。

つまり、それぞれの利用者の人生を一緒に背負うぐらいの気持ちを持たなければならないと思います。

一緒に過ごす時間は一瞬であっても、人間の生きていく時間はとっても長いです。

その長い人生に一瞬でも携われたことに感謝し、利用者に影響を与えたことに看護師として責任を持つ、そんな介護施設の看護師という仕事について紹介しました。


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