2020年7月6日

皆さんはIRの業務というとどのようなイメージを持たれるでしょうか?

またIRの仕事とPRの仕事の違いなどについてはご理解をお持ちでしょうか?

現在企業に勤めていらっしゃる方は自社にIRセクションはありますか?

そして彼らがどんな仕事をしているのか具体的にご存知でしょうか?

意外と分かりづらいのがIRの業務です。

今回はそんな謎のベールに包まれたIR求人の仕事についてみなさんに業務内容などをご紹介しながら、簡単に見て行きたいと思います。

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IRのおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

IRの大まかな仕事内容を一言で表すとインベスターリレーションとなります。

インベスターとは「投資家」の事を差しますので、IRの業務とは投資家とのコミュニケーションの構築と言えます。

現在では投資家が多様化して来ました。

昔は投資家とは一部の特別な人しかなれないものでした。

リアルタイムで株式市場の動きを見る手段が無かったからです。

しかし現在においては、インターネットの進化に伴い誰でも簡単に株式市場の変化や値動きをリアルタイムで見る事が可能になり、個人投資家が国内においても増加しました。

こうした事から企業の投資に必用な情報を提供し法を遵守する事がIRの大まかな仕事の内容といえるでしょう。

またIRの特設サイトを持つ企業も増えており、株主がHP上のどこに企業のIR情報があるのか分かりやすく整理されている企業HPも多くなりました。

こうした企業の発信するIR情報全般を管理するのもIR担当の仕事となります。

IRの仕事は会社でどういう役割を求められる?

IRの業務は企業によって異なります。

これはどんな企業でもそうですが、営業の仕事の範疇やIRの仕事の範疇というのは業務分掌にて企業ごとに決められていますが、その内容は企業によってさまざまなのが現実です。

IRの業務は財務全般と関わりがあり、財務部とIR部の分掌によって企業内で求められるものが異なってくるのが現状です。

IRの働き先の種類にはどんなところがあるの?

それでは、IRの仕事を必用としている企業にはどのような所があるのでしょうか?

ここではそれを簡単にまとめながら見て行きたいと思います。

少しでもIRという業務の分かりづらい点がここで明らかになればと思います。

上場企業

日本には東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQなどの株式市場があります。

証券市場とは、金融市場の中で有価証券の発行が行われる発行市場とそれが流通する流通市場の総称を指します。

そうした所に上場する事で企業は資金の調達を行います。

株式を発行し、売買する事で、資金を調達する訳です。

この上場には非常に厳しい一定の規定があり、その規定に達している企業が証券市場に参入して資金調達をする事が可能となるわけです。

逆にこの一定の条件は上場後も続いており、上場していても一定の規定を満たさない企業は「管理ポスト」といわれる一時的に株式の流通を証券市場で行えない状態となり、業績やその他の問題が解決しない場合には上場廃止となる場合もあります。

こうした状況を防ぐ為に公正かつ分かりやすく法を遵守した株式運用を行う活動をIRが担う場合もあります。

上場を予定している企業

上場を予定しており、証券市場の定める一定の規定をクリアする為に社内の財務の健全化や雇用の健全化を推進している企業にもIRのニーズがあります。

上場の意思が固まったら、一般的には監査法人によるショートレビューを受けます。

これは「企業の現状」「上場達成するための解決すべき課題」「上場スケジュール」などを調査し、報告書を作る作業を指します。

上場準備作業はこのレビューを元に行われます。

主幹事証券会社の決定、監査法人及びその他のサポート企業の選定、社内の管理体制の見直しや必用情報開示のための体制づくり、申請書類の作成、上場審査への対応など、これらの業務をIRが主幹となって実施する企業もあります。

非上場の企業

国内には非上場にもかかわらず株主がいる会社が沢山あります。

こうした株の事を未公開株と呼びます。

未公開株は創業者やその親族、取引先などが保有している事が多く、株式市場での取引は出来ません。

しかし譲渡価格などで合意があれば当事者間での売買が出来る株となりますが発行会社によっては譲渡に制限をかけている場合もあります。

こうした株を保有する株主に対して財務状況を説明するのもIRの業務となりますが、ほとんどの場合未公開株は流通しない事が多く、その管理は総務もしくは財務部が分担している事が多いです。

しかしこうした企業でもIRセクションを持つ会社はあり、未公開株でもIRセクションにより健全に運用されている会社もあります。

IR求人でよくある募集内容とは?

今までIRの仕事をざっくりとここ迄見て来ました。

IRの業務について少しはご理解いただけたでしょうか?

それではこれからは、IR求人でよくある募集内容について、どのようなものがあるのかを見ていきたいと思います。

給与相場

給与相場に関しては新人から、マネージャークラスまで幅があるのが現状です。

新人で有る場合には320万程度からのスタートとなると思われますが、基本IRの求人で新人、全くの未経験者の採用はほとんどありません。

基本的にはスタッフレベルで400万から600万円程度、海外IR担当となると600万から800万程度というところが中心になってくるようです。

IRのマネージャークラスの求人になると900万から1100万位の年俸が見込めるようです。

勤務時間や休日、残業

基本的にIRの業務は、企業の雇用形態に合わせての業務となります。

繁忙期(決算説明会や株主総会前など)にはやはり残業などの業務が出て来る事もあるでしょう。

また上場企業の場合には個人投資家説明会などで土日に個人投資家向けの説明会を実施する場合には土日出勤などがあるケースもあります。

また株式関連イベントなどを証券会社が開催する時にブース出展などをする場合にも土日などを挟む事がある場合もあります。

福利厚生

福利厚生に関しても基本的には、その企業のありかたにそぐっているのが普通となりますので、同じ会社に勤務する社員と同じ福利厚生を受ける事が可能となります。

求められる人物像

求められる人物像としては、企業によりますが、基本的な経理財務の知識、高いコミュニケーション能力、ビジネスレベルの英語力、PowerPointでのプレゼン資料作成スキル、IR開示書類(適時開示、決算短信など)作成経験、などが求められるケースが多いです。

また、歓迎スキルとしては、経理、財務、広報、IRでの実務経験、証券用語に関する知識、上級ビジネスレベルの英語力などがあげられます。

必要なスキルや資格、経験

求められる人物像でもご紹介しましたが、やはり財務知識がある事が求められるようです。

企業の形態によって職務分掌が異なるお話はした通りですが、IRの業務に就く以上はやはり財務知識並びに、証券用語には精通しているという事は強力なスキルとなりますので、こうした事はIR担当者としては日々勉強していくべきでしょう。

また金融証券取引法などの法的知識があるとよりよいでしょう。

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IR求人のおすすめ求人のポイント

ここまでIRに求められるスキルなどを覗いてきました。

大体IRの業務にどのような知識や経験が必用なのかなどについては分かって来たと思います。

それではIR求人に応募する際のオススメポイントについてここでは見て行きたいと思います。

IR・広報兼務での求人

IRの求人で兼務として広報を探している企業が時々あります。

こうした企業はこのIR業務が広報寄りであるケースが多いです。

財務部が機能しており、財務関連の情報は財務部で作成していますので、財務部と連携して情報を出してもらう事が出来ます。

またこうした起業では総務部で株主総会を取り仕切っている場合が多く、総務部が株主通達などを主業務として行っており、その補佐的な役割で完全なるIR(株主関連者への対応)が中心の業務となってくる事が多い状況と察する事が出来ますので、IRの深い知識がなくても広報経験で転職する事でOJTでIR経験を伸ばして行けると言えるでしょう。

IR求人についてよくある疑問

IRの求人というのは見えにくいというのが事実です。

最近では日本でも個人株主が増え若い人の、株式投資への知識も高まって来ましたが、かつては株式取引をしている人というのはほんの一部の人たちでした。

なぜならインターネットが無かった時代には逐次株式市場の値動きを観察出来るだけの時間を持っている人は少なかったからです。

しかしインターネットの普及により自分の持っている株の動きを逐次リアルタイムでみれるようになりました。

そうした人にはIRの業務というのは確かに身近な存在と感じる事が出来ると思われますが、実際に株式取引の経験の無い人にとってはIRの業務というのは想像しにくいのでは無いでしょうか?

ここではそうしたIR求人に関しての疑問などを簡単にまとめてみます。

具体的にIRとは何?

企業が、株主、もしくは株主になりうる人に企業の財務状況を中心とした投資の判断に必用な情報を提供する業務の事です。

IR活動を積極的に行っていると投資家は信用出来る企業だという認識を当然持ちます。

その結果、IR活動を積極的に行っていない企業に比べると株価が高く推移する傾向があると言われています。

IR活動を通じて、法令を遵守し適切な開示作業を積極的に行い株主とのリレーション活動を続けている企業は、その姿勢を株主から評価されやすくなると言えるでしょう。

そうした活動全般を担うのがIRの業務です。

広報とはどこが違うの?

広報は投資家や株主以外に顧客や社員など企業にとってのステークスホルターになりうる全ての人に対して情報発信活動を行う事により「企業価値の創造と向上」を目的に活動しています。

しかしIRの対象は基本的には投資家や株主が対象となります。

また広報は基本的に企業にとって、ポジティブな情報を発信する事を行います。

自ら進んでネガティブな情報を流す事は製品に致命的な欠陥が見つかった場合など以外ではほとんどありません。

しかしIR業務に関しては財務情報においてネガティブな情報も積極的に開示する事が規定で求められています。

投資家の判断材料として必用な情報を提供するのが仕事となりますので、ネガティブな情報を提供する事には重要な意味があると言えるでしょう。

IRの業務っていつ頃からあるの?

IRの業務は比較的職種事体が新しいと言えるでしょう。

IRという言葉を最初に使用したのは1953年にIRの部署を発足したゼネラル・エレクトリック社と言われています。

しかし米国でIRが企業に本格的に実施されるようになったのは1990年代に入ってからと言われています。

日本の場合はそれより後という事になりますので、IRの職務内容がまだ固まっておらず求められる能力も企業によって、さまざまな状況であるのはIR業務が比較的新しい職務である事が関係していると言えるでしょう。

なぜIRという職種が注目され始めたの?

日本の企業は長いあいだ間接金融で資金を調達していました。

間接金融というのは「お金を借りる人」と「お金を貸す人」の間に第三者が存在する貸し借りの事を指します。

この間にはいる第三者とは主に「銀行」でした。

銀行が貸出を行う場合には審査が入ります。

また貸したお金が返済されない場合に備えた担保や第三者保証などを取る事もあります。

しかし、グローバル化が進み、日本も直接金融に移行が進んで来ました。

直接金融とは、「お金を借りる人」と「お金を貸す人」が直接結びついている形態をさします。

これが株や社債などを発行し資金を調達する事を指します。

この資金調達の場合投資家がリスクやリターンを自分自身の采配で判断する事になり自己責任となります。

グローバリゼーションが進み、企業が間接金融での資金調達を直接金融の資金調達に移行を進めて来た事により、IRの業務が発生したと言えるでしょう。

まとめ

ここ迄IRの業務について見てきました。

皆さんの中にあった疑問や問題点は解消されましたでしょうか?

これを読んでいただきIRの業務に興味を持った、以前から持っていたが、業務内容がわからず転職へといまひとつ踏み切れなかった。

そんな方々がおられましたら、あらためてIR業務の面白さ醍醐味を理解し、IRへの転職のステップアップの一つの参考としていただければ幸いです。

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