IRの採用はどんな会社がしている?4個の会社のタイプや、会社から求められていること
IRの仕事について、憧れを持つ人はどんな人でしょうか?
社内広報を担当していて、IRの業務を見ていて、それに憧れを持って是非にやってみたい!と思う人が多いのでは無いでしょうか?
IRの業務は企業の資金調達に関わる仕事でもあります。
数字で自分の活動の結果が見える仕事とも言えますので、広報業務で結果の費用対効果が見えにくいと感じている広報部員にとっては数値で活動の結果が出てくるIRの業務はやりがいがあるように見えるのでは無いでしょうか?
そのほかにも財務部などに在籍していて、IR業務に興味を持つなど経理畑からIRの業務に興味を持つ人も多いのでは無いかと思います。
そこでここではそんなIRの転職について見て行きたいと思います。
目次
閉じるIRで転職する人は多い?
IRの転職を希望する人は多いとは言えないといえるのでは無いでしょうか?
IRの業務事体が米国で根付いて来たのが、1990年代といわれています。
まだIRとは非常に歴史の浅い仕事でもあります。
故に仕事として、形がなかなか定まらず社内業務分掌においてもどのセクションでどのようなIR活動を支援するのかという事が企業によって異なるというのが現状です。
そうしたなかIRの転職を希望する人というのは、身近でIRを見るなど、IRの活動について良く分かっている人という事になるかと思います。
そうした状況の人は正直多いとは言えないのが現在の状況では無いでしょうか?
よくある転職理由とは?
それではIRへの転職のきっかけとはどのような理由からでしょうか?
IRの業務に特化して転職を希望する人はどのような心持ちの人が多いのでしょう?
また未経験からのIR転職希望者などはいるのでしょうか?
ここではそうした事を見て行きたいと思います。
広報からの転職
広報部門において、IR業務を兼任で行っている企業というのがあります。
勿論広報のステークスホルターにはインベスターも含まれますので、当然といえば当然ではあります。
しかしIR業務は広報と兼任で行うには荷重が非情に重い業務とも言えます。
ので、広報とIRを兼任でやっている方やそうした組織組みをしている企業でのIRは「広報寄り」のIRと言えると言えます。
有価証券報告書や短信などの制作については、企業内部門の他の部署に頼っている状態であり、IRのメインとなる「投資家とのコミュニケーション」が中心となる業務を実施していると言えるでしょう。
こうした形で広報とIRを兼任で実施している方の中にはIRの業務をより深く自分で行ってみたいという人がいるのが事実です。
正直IRの業務には向き不向きがある業務と言えます。
広報業務の中でやはり数字に強い、自身で株式投資などを行っている人にとっては他社のIRの活動やIRの活動の中に出てくる色々な物事を見知っている人が多くいますので、自身でそれに携わりたいと思う人が出てくるのも自然な流れと言えます。
広報職にありそうした素質を持っている人は、より深く専任としてIRに関わり自身でその発信を担って行きたいと考えIR専任のセクションがある、よりIR活動に力を入れている企業に転職して行こうとする傾向があると言えるでしょう。
IR支援コンサルからの転職
世の中にはIRコンサルという会社があります。
IRコンサルは企業のIRの支援を社外からしてくれる専門家と言えるでしょう。
こうしたIRコンサルに勤めている人達が企業内IRに関わりたいと考え転職をするケースがあります。
IRコンサルではやはり専門性を追求される中、一人の人がいくつかのクライアントを担当していますので、日々そうしたクライアントにいくつも出向いてその企業のフェーズに合わせた問題などの解決を行っている事が多くあります。
しかし、これが一つの企業内に入り一つの企業の問題を解決する立場になりたいと考える人がいた場合、コンサルタント起業からIR専任として起業内に就業するというケースにあたると言えるでしょう。
財務部からの転職
財務部などで、今までIRに関わる資料などの作成をしていた担当がより深くIR業務に携わりたいと考えるケースがこのケースと言えます。
有価証券報告書などを作成していたが、これらについてより広くインベスターにもPRして行きたいと思った場合転職という方法でIRセクションに関わる事により自分のキャリアパスを広げる事が可能になります。
企業側も数値や市場の仕組みに強く財務経験のあるIRの担当者を正直求めている人材と言えます。
その業務内容が直接今まで携わって来た職務内容である報告書作成などを必用としないとしても、やはり財務の仕組みを知っている人材のIRへの転職は企業側としては力強い部員の補充となる事になりますので、財務部での経験を活かしたIRへの転職は珍しい例ではあるかもしれませんが、全く可能性が無いとはいえないと思われます。
経営企画室からの転職
前段で財務部からIRへの転職について書いて来ましたが、経営企画室からIR担当への転職も非情にパワフルな転職の一つと言えるでしょう。
経営企画室では企業内におけるキャッシュ・フローを全て見渡す事が可能になります。
企業によっては経営企画室配下にIRセクションを置いている企業もある位です。
そうした企業の財務体質を理解して仕事をする上での経験が身についている人がIRに転職するというのは非情に良い転職と言えると思います。
経営企画室での経験を元にIRというスペシャリズムを身に付ける事であらためてよりよい職位での経営企画室及び社長室への転職が可能になると言えるでしょう。
経営企画室の人材はなかなかそれ以外の職に流出する事は珍しいのですが、IRという分野でも十分バリューを発揮出来る教養や企業のキャッシュの流れや仕組みを理解出来る立場にいますので、そうした人材がIRの仕事をするという事は非情にポテンシャルの高い転職といえるでしょう。
IRで狙い目な会社の3個の特徴とは?
IRで狙い目な会社の特徴とはどんなものでしょう?
特にIR初心者としてはどのような求人の企業に行くのが狙い目なのでしょうか?
ここではそれを見て行きたいと思います。
広報業務とIR業務を兼務で募集している会社
IRの経験のない人の場合には広報と兼務でIRを募集している企業は狙い目だと言えるでしょう。
広報の業務を中心にIR担当を募集している企業の場合その担当に有価証券報告書の作成や短信の作成などを業務としてになわせるケースは非情に稀であるからです。
ボリューム的にも難しいですし、部門的にも非効率でしょう。
そうした企業内でIRをしながらOJTで企業がIRとしてどのようなメッセージングをインベスターに向けて行っているかを肌で学ぶ事により次の企業でのIR業務に対応して行けるようになると言えるでしょう。
経営企画室内にIRセクションがある会社
経営企画室内にIRセクションがある企業の場合には、経営企画室には基本的に財務情報が集まって来やすいと言えますので、IR業務はやりやすいと言えます。
また基本的に財務で作成する開示義務のある書類作成などについては財務が行う事が多くありますので、財務知識や証券用語に詳しくなくても、次第にOJTを学ぶ中でスキルが身について行けると言えるでしょう。
しかし経営企画室の業務も兼任するとなると相当経営並びに財務知識を必用とされますので、そうした業務を自ら学んで行く責める姿勢で日々仕事にあたる事が重要になってくるでしょう。
すでに上場済みでIR部門の組織が成熟している会社
基本的にIRの業務は大きく職務内容の幅を広げられる業務ではありません。
しかし特に上場している企業にとっては必須の業務であると言えます。
そうした側面もありIR担当者は基本的に1名もしくは2名体制で行っている事が多いのですが、中にはIRセクションに非情に力を割いて株価の上昇を下支えしている企業もわずかながらあります。
そうした企業ではすでにIRセクションが存在しており、数名で運営しています。
また募集背景も欠員であったり現在行えていない業務部分の拡張であったりと就業してからの職務内容が明確に決定している場合が多いと言えます。
そうした企業への転職の場合、IR初心者でも周囲に業務に明るい人がおり同じ部員として働きますので、分からない事があった場合には聞きやすいですし、業務が明確化している分だけ、仕事事体もやりやすいと言えるでしょう。
IRの転職で注意したほうが良いこと
財務部にてのIR担当者募集の場合
財務部でIRの担当を募集している場合には企業側でも勿論詳しく募集要項を出してくれていると思いますが、財務知識が相当必要とされている場合がほとんどと言えるでしょう。
ですのでこうしたIRへの応募を行う場合には自分のスキルのバックグラウンドに財務、経理経験が必須となって来ます。
未経験者などの場合には、財務スキルがマストになりますので、気をつけて応募しましょう。
IRで転職を成功させるためには何をすれば良い?
証券用語の習得と実際の投資経験
IRの基本的な業務はインベスターとのリレーションの構築にあります。
投資家は投資全般に詳しい人が多いですし、応対する人の中にはアナリストと呼ばれる企業の財務体質や企業の状況をアナリスト・レポートとして発表している人たちなどがいます。
そうした人たちが質問してくる内容がわからないと大変に困りますが、分からない場合わかったようなふりをして嘘などを伝えてしまってもそれは大問題となります。
人は分からない時分かった振りをするように出来ています。
広報やIRではそうした姿勢を何度も強くセミナーなどで理解させられ、訓練されます。
分からない事を分からないと伝え持ち帰り自身で調べるか、社内の詳しい人に聞くという事を強いられるケースがあります。
しかし出来るだけこうした事は業務前に事前にIR担当者として知らない事をできるだけなくして行く方向で学ぶ姿勢も大切です。
そのためには自らが投資家となり株式投資をしてみる。
など前向きに株式投資に対する知識を学ぶ事が重要です。
IRで転職するにあたっての必要な心構え
広報姿勢を維持する
IRで転職するにあたり必用な要素の一つは前段でも書いたとおり広報としての姿勢を持つ事です。
広報の目的は「企業価値の創造と向上」です。
企業価値を創造するのに不可欠な事は正直である事です。
正直であるという事は、自分がそれを分からない事を理解しているという事、そしてそれを相手に恥ずかしく思わずはっきりと伝え、それにたいする対応も加えて伝えられる事を指します。
「申し訳ありません。その部分については勉強不足で今お答えが出来かねますので、こちらで調査して折返しさせて頂いてもよろしいでしょうか?」という事を普通に言えるメンタリティーが必用になります。
広報は常にこうした訓練を積んでいるのです。
そうした姿勢は勿論IRには特に必要になってきます。
なぜこの情報で、◯◯への投資が前年度よりも下方修正されているのですか?
というような質問が来た時に明確に企業の経営方針が分からなければ答える事は難しい場合があります。
そうした時にも勝手に理解した事を話すのではなく、分からない事を分からないと伝え、相手に不快さを与えない受け答えが出来る言葉遣いや姿勢、心構えが重要になってくると言えるでしょう。
IRの転職で年収を上げるためにやるべきこととは?
上場企業でのIR経験を活かし上場準備のためのIRへと転職する
今まで上場企業でIR部門の活動を行っていた人がIR部門の立ち上げや上場準備を自分で手がけたいと思う時に、こうした企業に転職する事が多いと言えるでしょう。
IRの業務の幅には実際には企業分掌にもよりますが、自分自身で広げていける限界があるのも事実と言えるでしょう。
それはやはり上場規程や金融商品取引法などの法で縛られている部分が多くあるからです。
それらの法的決まりを遵守せずにIR活動を行う事は違法となりますので、IRの活動は上場済の企業で軌道にある程度乗っている会社では業務のボリュームを拡大していくというのはなかなか難しい事となります。
そうしたIRセクションに勤めており、自分の可能性をより広げたいと思っている人が経験したいと思う事の一つに「上場準備」からの「上場」があります。
上場の業務は非情に荷重のかかる業務とも言えます。
そうした業務に携われるならと大手の上場企業から、IR準備予定の企業へと転職するケースがあります。
こうした経験に係わったという事実はその後の転職時にIRとして高く評価され、年収がアップする事があると言えるでしょう。
広報経験
広報経験があり、自分のキャリアパスをより広げたいと思う人がIR担当もしくはIR兼任の募集をしている企業に転職するケースがあります。
広報職のマネージャーレベルを目指す人にとってこのキャリアパスは有益なものといえるでしょう。
広報でのステークスホルターへの発信を知っている。
身につけている人ならば、勉強しながら、IRのステークスホルターとなりうる個人投資家や機関投資家並びにアナリストなどからの質問に答える姿勢などについては学んでいる事となります。
そうした経験をもってこれらの専門家と渡り合えるだけの知識を学習し、証券用語などにも明るくなり市場の動きや、自社マーケットの動きなどにも敏感になれ、それらに興味を持つ事の出来る人なら、IRの部門の業務も実施していて面白みや喜びを感じられるでしょう。
そうした広報での経験を持って、より自身の守備範囲をキャリアパスとして広げるために広報からIR兼任、もしくはIR担当者としての経験を積むために転職する人がいるケースもあります。
広報とIRという業務を歴任したという経験から、転職する場合には、給与部分でのアップが期待出来ると言えるでしょう。
財務経験
財務部に所属していて、広報の手伝いをしている人たちがいます。
例えば企業の短信、下方修正情報、有価証券報告書などを作っている人達がそうといえます。
実際IRセクションを財務下に置いている企業もあります。
またIRセクションを経営企画直下においている企業もあるのが事実です。
そうした人たちがIRを間近で見ており、自分が報告書などを作成するだけでなく、自分自身でIR業務を担って行くというキャリアパスを選ぶ事もあります。
元々数値に強く市場の原理を理解している人たちになりますので、このキャリアパスは大変相応しいものと言えるでしょう。
経理、財務経験者は逆にコミュニケーションを他者や他社と取るという所で得意で無いもしくは経験を積んでいないというケースもありますが、IRの根幹に関わる下地は今まで経験した業務で深く理解している事になりますので、そうした人たちがIRとして転職をしてIRのキャリアを持つ事でその後のキャリアパスに非情に大きな変化と可能性を帯びてくるのは事実です。
そうした人がIR担当として、転職する時には非情に大きく評価されると共に給与の部分でも企業側から配慮される事が多くなってくるでしょう。
まとめ
IR経験について転職を中心にした活動をここまで見て来ました。
IRの業務や転職について少しはご理解いただけたでしょうか?
IRの業務というのはステークスホルターがインベスター(投資家)に限定される事が理由で非情に難しい業務と言えます。
また金融商品取引法や上場規程などにも活動が縛られて来ますので、難しい業務とも言えるのが事実でしょう。
そうした業務ではありますが、専門性も高く、転職にも有利な業務とも言えるのは間違いありません。
この記事が貴方にとってが少しでもIRに興味を持つ事につながり、次のアクションを起こすのに有益な情報となれれば幸いです。
そして、IR業務への転職のきっかけになってもらえたら嬉しく思います。
実際にIR求人を探す時は、こちらの記事を参考に!