IRの採用はどんな会社がしている?4個の会社のタイプや、会社から求められていること
IRの仕事と聞いて、それがどのような仕事かをすぐに即答できる人はそんなに多くはないと思います。
非常に限られた人たちが情報を扱う仕事である上に、上場企業に勤めている人並びに投資家、及び投資に興味のある人以外にはあまり関わる機会がない仕事でもあるからです。
そんなIRとは、一体どんな仕事なのでしょうか。
具体的な仕事の内容とは?IRの採用はどのような会社がしているのか?
ここではそれを見ていきたいと思います。
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目次
閉じるIRの採用をしている会社ではどんな求人が募集されているの?
では実際に、IRの採用をしている会社ではどのような募集がされているのかを見てみましょう。
HP等で募集を行っている会社を見てみると、具体的な業務として主に以下のような内容が挙げられます。
決算発表ストーリーおよび決算コンテンツ作成業務、開示資料の作成/IR戦略の立案、機関投資家対応、各種資料・報告書作成、証券会社や投資顧問会社対応、株主通信の作成、決算説明会や株主総会などの運営等が求人のメインとなっています。
また必要な経験やスキルとして以下のような内容が求められます。
IR業務の経験 、WEBページ作成等のITスキル、財務諸表分析等の基礎的知識(監査法人勤務経験者、事業法人のIR経験者等)、企業の財務諸表分析等。
年収に関しては500万円前後から、役職付きになると1200万円程までの求人があるようです。
IRの大まかな仕事内容
上記にもあるように、IRの大まかな仕事内容としてまずは決算発表があります。
この決算発表を中心にIRの仕事は回っていきますので、IRの繁忙期は決算が3月の会社であれば、その3ヶ月後の6月頃が多くなると考えられます。
実際6月1日は大手上場企業の決算発表が集中する日としても有名で、広報業務等の担当者はその日は新聞社との連絡等を敢えてしないようにすることもあります(各社の決済発表が続き新聞社も同時に多忙となるため)。
この決算発表を中心に、決算資料の作成や決算発表会の告知・実施、個人・期間投資家対応等の業務が発生してきます。
また上場企業では、昨今は株式に関連のある事柄をHP上で一定期間開示するなどの義務も発生します。
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IRを採用している会社の4つのタイプ
それでは、IRを採用している会社にはどのようなタイプがあるのでしょうか?
簡単に見ていきたいと思います。
上場前の会社
最近では、個人でも若い内から株式市場への上場を視野に入れて会社を起業する起業家が多くなってきました。
事業を拡大し会社を大きく成長させるために投資家(株主)からまとまった資金を調達できることは、経営する上で大きな追い風になるからです。
しかし上場するということは、その会社が公人としてより責任ある経営を求められる存在になるということでもあります。
そのため上場をするには最低ラインの必要要件があり、それらをクリアしていくことで財務体質的にも社内体質的にも健全化することを求められています。
そうした会社が上場を目指して進んでいく中でその舵取りの役割を担うのが財務部、また財務部と連携してIRを実施していくIRセクションであったりする場合が多くあります。
そうゆう意味で上場前のIRセクションの業務は、財務知識に加えて財務部や経営企画部などとの連携が非常に重要です。
上場後の会社
上場を果たした会社には、上場企業としての責務が生じます。
金融商品取引法(金商法)と呼ばれる法律があり、会社はここに示されている法律的義務を上場と同時に課せられることとなるのです。
上場企業は財務の健全性及び経営情報の的確な開示を求められるため、会社の具体的な事業活動や財務状況などをステークホルダーに対して発信することが義務づけられます。
上場後の会社内においてこうした業務を行うことも、IRの役割の一つです。
上場後他の市場への上場を検討している会社
上場後、現在の市場から他の市場への上場を検討する会社もあります。
例えば、東証二部の企業が東証一部に上場し直す場合などがこれにあたります。
それでは、東証一部と二部の違いとは何でしょうか?
東証二部は東証一部に比べると時価総額が小さく流動性もそれほど大きくない中小企業の株式を取引する市場とされています。
そのため東証一部に上場する企業にはより厳しい管理が求められますが、それは同時にその企業の信頼性の証でもあるのです。
したがって、より多くの資金を調達し事業の拡大を目指す会社は、東証一部などへの上場を検討します。
この時に必要になってくるのもIRの業務です。
この場合も前段でお伝えした通り上場時と同じように財務や社長室、経営企画室などとの連携を取りながら、厳しい上場審査をクリアしていくというミッションが発生します。
上場後、株取引がなかなか進まない会社
上場して十年ちかく経ってもあまり株価が上がらず、いわゆる塩漬け株と言われる株の流動化が進まない状態が続いている企業が稀に存在します。
そうした企業にはIR担当や広報がいない、もしくはその業種・業態故になかなか世の中に知られる存在になりにくく株の塩漬け状態が長引いてしまったというケースもあります。
この状態をテコ入れするためにIR専任の担当を雇い、内外に広く自分たちの事業価値や財務の健全性、今後のビジョンなどを発信していくことがあります。
このような場合には、広報部との連携を取り互いにシナジーが上がるようなIRプランの企画と実施、運営が必要です。
IRが会社から求められることとは?
IR担当が会社から求められていることには、どのようなものが挙げられるでしょうか?
時に株価を上げることと答える方がいますが、これは会社にもコントロールできないことです。
詳しくは下記で述べますが、このような会社には気を付けたほうが良いかもしれません。
株価を上げること
IRの専任が来た!これで株価が上がるだろう!という考え方をする企業や経営者が結構な割合で存在します。
しかし株価の上昇は、その会社の実際の業績に左右されるものです。
業績が伸びている、もしくは業績が伸びる要因が多数あるにも関わらず株価が上がらないのはIRの業務が上手くいっていないことが考えられますが、業績が不振に陥っているのに株価が上がっている時は何か別の要因や思惑が市場にあると言えるでしょう。
しかし、市場をコントロールするようなことをしてはいけないのがIRの業務です。
IRの業務の本質は健全な発行株の流通促進及び運営、並びに会社の健全性の主張であり、株価をコントロールすることではありません。
IRに求められることとは企業の体質が健全であり、且つ業績が伸びている時にそれを的確にPRすることにあると言えるのではないでしょうか。
IRの募集で良い求人を探すための方法
IR担当を目指す人に、IRの求人で見たほうが良いポイントについてお伝えしたいと思います。
「IR」「担当募集」で探すのがポイントとなるでしょう。
IRの担当に応募したいのであれば「IR」、「担当」というキーワードで検索をかければ多くの求人情報が出てくると思います。
その中で会社としてどこまでをIRに求めているかに注目し、それを吟味・判断して応募すれば問題はありません。
企業の中にはIRに「決算説明会」への対応のみを求めてくる会社もあれば、「株主総会」への対応も求めてくる会社もあります。
これはその会社の職務分掌などにもよります。
株主総会の運営は総務部が主幹となって行う会社もあります。
また「決算説明会」においても財務部が財務的部分に関しては資料を作成するケースもありますので、募集内容をよく読みIR担当者がその企業で何を求められているのかを判断し、それを実施していくことが大事だと言えるでしょう。
まとめ
ここまでIRに関しての求人内容や業務内容について見てきましたが、いかがでしたか。
詳細が見えにくいIRの業務を少しでも伝えることができたのなら幸いです。
この記事が少しでも、IR担当として転職を検討している方々の参考になればと思います。
実際にIR求人を探す時は、こちらの記事を参考に!
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