図書館で働く司書になることへ憧れる人は多いと思います。

憧れの職業でありながら、どうすればなれるかはわからないことも多いのではないでしょうか。

今回は司書を目指す人のために司書の仕事内容や役割、求人や図書館ごとの違いなどの気になる疑問を解説いたします。

司書(図書館司書)のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

司書の仕事は、利用者に「直接サービスをする仕事」、直接サービスする仕事をよりよく行うための「間接サービスをする仕事」、そして、直接と間接の両方のサービスを含む図書館全体のサービスがうまく運営されるための「その他の業務」の3つに分けることができます。

直接サービス

利用者が図書館を利用する際にサービスを提供する業務で、貸し出しに関する業務を行うカウンター業務と利用者の求める資料や情報を検索するのを援助したり提供したりするレファレンス・サービス、この2つが主要なサービスです。

間接サービス

利用者に直接サービスを行うためには、図書館にあらかじめ資料が収集され、どのような資料が図書館のどの場所にあるのかがわかっていなければなりません。

資料を収集する業務は選書と呼ばれ、資料の有無や配置場所がわかるようにする業務を整理と呼びます。

その他の業務

直接・間接サービスがうまく運営されるようにする業務で、予算・会計・総務・人員配置などの管理的業務とサービスをよりよくするための企画業務があります。

3つのサービスのいずれにおいても利用者と図書館資料について知り、利用者と図書館資料を結びつける能力を発揮することが司書に求められます。

図書館で働いていると紹介すると「本や雑誌がいつでも読めていいですね」と言われることが多く、多くの人が図書館は暇な職場で本を読む時間があると思っていますが、実際は逆で勤務中に本を読む暇はなく利用者に対応することの方が重要な仕事になるのです。

司書(図書館司書)はどういう役割を求められる?

現在の図書館では、図書館資料(本や雑誌・新聞や視聴覚資料など)を保管するのではなく利用してもらうことが主目的であり、その目的の達成するために、人と本をつなぐことが司書の重要な役割で、以下の3つの役割が求められます。

利用者について知る

どのような人が図書館利用者であるかを知り、利用者の指向・傾向を把握することが求められます。

図書館資料について知る

自分が務めている図書館が所属している資料を把握するだけでなく、他の図書館の蔵書や特徴についても知ること、また本全般についての知識や新刊図書の出版状況についての知識を持つことも求められます。

図書館資料と利用者を結びつける

利用者の利用要求がありそうな資料や利用要求のあった資料を図書館で受け入れ、目録・分類作業を行い、利用者が自力で資料を探し出せるようにしておくことが求められます。

司書(図書館司書)求人にはどんな種類があるの?

司書の求人については、どのようなものがあるのでしょうか。

よくある施設や事業形態のパターン別に見ていきたいと思います。

司書(図書館司書)求人の募集でよくある施設や事業形態のパターン

以下の3つの形態が代表的です。

公共図書館

公共図書館は、1950年に制定された図書館法により設置された図書館で、誰にでも開かれた図書館であるという特徴があります。

公共図書館のほとんどが地方自治体が設置する公立図書館で、全国で3200館以上設置されています。

そのため、求人数も一番多いのは公立図書館に関する求人です。

大学図書館

大学図書館は、大学に設置された図書館のことです。

短期大学・高等専門学校も含まれるため全国で約1700館設置されています。

各大学の研究と教育を支援することを目的に設置されており、サービスの対象は主に教職員と学生ですが、卒業生を含め一般公開している大学図書館もあり、開館時間も長いため、多くの人員を必要としています。

国立図書館

日本の唯一の国立図書館は国立国会図書館です。

1948年に制定された国立国会図書館法で規定され、国会議員の立法調査活動のための図書館であり、かつ国民のための図書館として機能しています。

国会議員と18歳以上の国民をサービスの対象としており、東京本館、関西館、国会分館以外に25の支部図書館があります。

国立の図書館として、納本制度に基づいて日本国内で出版された全ての出版物を収集・保存する納本図書館としての機能も持っているため、多くの出版物を扱っています。

司書(図書館司書)求人でよくある募集内容とは?

司書の業務内容・役割、働く施設やが大体わかったところで気になるのは就業形態ですよね。

給与や勤務状況、福利厚生など解説していきましょう。

給与相場

国立国会図書館・国立大学図書館の場合

国立のため、国会図書館は国家公務員、大学図書館は非公務員型の法人職員となり、給与は国会の議決で決定します。

人事院が勧告するのですが、その際に民間の給与を参考にするので、日本の勤労者の平均的水準となることが多いです。

国家公務員行政職俸給表(一)によると国会図書館職員の年収の平均は657万円です。

国立大学法人職員全体の平均年収は、文部科学省「文部科学省所管独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(平成29年度)」によるも約586万円です。

公立関係の場合(図書館・学校図書館・大学図書館)

司書は地方公務員に該当する場合が多いです。

地方公務員の給与は国家公務員に準じて決定されますが、多くの地方自治体で国家公務員よりも若干高い給与とする傾向があります。

総務省の平成29年4月1日地方公務員給与実態調査では一般行政職の地方公務員は、平均年収が約633万となっています。

私立の場合(大学図書館・学校図書館)

その大学や学校を経営する学校法人によって決定するものです。

職員の給与は法人によって異なりますが、国家公務員の給与を参考にして決定する学校法人は多いです。

平成20年度の日本私立学校振興・共済事業団の発表では、大学職員の平均年収を741万円としています。

有名大学になると45歳で1000万円を超えることも珍しくないため、大学によってかなり違いがあります。

その他

臨時・非常勤・派遣などの非正規職員の場合は、正職員に比べれば給与はかなり低く、賞与もない場合が多く、時給1,000円~1,500円前後が相場です。

週5回、8時間勤務すると月15万円弱で年収にすると約180万円となります。

勤務時間や休日、残業

司書の勤務で特徴的なのは、不規則な勤務になることと、本に対する知識や好奇心を持つ生活になる点が他の仕事と異なります。

図書館の仕事は夜間や土日の勤務はもちろん、祝日の開館にも対応をしなければなりません。

一定期間内で勤務をシフト制で交代することもあるし、連休が撮りにくかったり、希望する日にちで休みが取れないことも考えられます。

福利厚生

福利厚生は勤める自治体や大学によって異なりますが、公務員であれば一般行政職ですし、大学でも大学の事務職員として扱われます。

そのため他の職員と同様に有給休暇の取得などが可能です。

勤務場所

勤務場所は、地方自治体であれば地域内となり、大学であれば図書館を設置しているキャンパスのいずれかとなります。

求められる人物像

以下の6点に該当している人物が望ましいとされています。

  • 本が好きで、常に本に関する興味を抱いていること
  • 人に対する関心と愛情を持っていること
  • 新しい仕事に創造性と実行力を持っていること
  • 物事に対する探究心と持続性を持っていること
  • 組織的な行動ができること
  • 利用者と資料の基盤である社会、地域、自治体、市民生活を理解するように努めること

人と本をつなぐ仕事ですので、より良いものを利用者に提供していく視点が大切であることがわかりますね。

必要なスキルや資格、経験

専門職の色合いが強いので、司書資格を持っていることが望ましいですが、役割でも紹介があったように、利用者との対応も多く、間接サービスに配属されても書店や業者等のやり取りは頻繁に発生します。

そのため高いコミュニケーション能力を備えていると円滑に業務を遂行できると思います。

司書(図書館司書)のおすすめ求人のポイント

実際に司書の求人に応募する際は、以下の2点を中心に見ることをおすすめします。

各自治体や大学が募集する求人

国立国会図書館と国立大学法人の採用試験を受ける

意外に思うかもしれませんが、どちらも司書資格がなくても受験が可能です。

国立国会図書館の採用試験では、同館の業務で調査や一般行政事務の業務があるためです。

国立大学法人等職員採用事務系(図書)では、図書館学の専門試験が必須であるが、広く人材を集めるために有資格者に限定はしていません。

どちらも例年20名前後の募集を行っています。

地方自治体の一般行政職、大学職員の採用試験を受ける

地方自治体の一般行政職では、合格者の中から図書館に配属されることもあり、私立大学の職員にもその傾向があります。

合格後、図書館を希望し配属されれば、司書としての脳力を発揮することができます。

図書館からの受託が多い企業の求人に応募する

近年、各図書館では、業務の委託が進んでおり、かなりの数の求人募集があります。

公共図書館で受託が多いのは、図書館流通センター(TRC)やヴィアックスで、大学図書館で受託が多いのは丸善、紀伊國屋書店です。

通常のアルバイトと比較して、研修制度の充実や福利厚生なども充実しています。

これから司書資格を取得する方向けの支援も行っていますので、働きながら司書を目指す方は、受託の多い企業の求人に応募を検討してみても良いかもしれません。

司書(図書館司書)求人についてよくある疑問

司書の求人についてのよくある疑問にお答えします。

どんなページを見れば募集の内容がわかるの?

日本図書館協会の管理している図書館職員求人情報のページで情報が随時更新されていますので、参考にしてください。

https://www.jla.or.jp/tabid/334/Default.aspx

すでに希望する自治体や大学があれば、当該組織のホームページを定期的に見ることをおすすめします。

図書館での業務が未経験でも仕事ができるの?

仕事をすることは可能です。

個々人の能力に応じて配属が決定され、配属時に研修を受けることでフォローしている図書館も多いので、経験の有無のみで判断されることは少ないです。

司書の資格は必要なの?

国立国会図書館と国立大学法人の採用試験のように司書資格を取得していなくても合格することができるように、司書資格を取得していなくても、仕事をすることは可能です。

広く人材を募集することから、求人の段階で司書資格を求めないケースは増えています。

しかし、採用試験の段階で図書館情報学に関する知識を身につける事を推奨していたり、実際の試験科目になっている場合もありますので、注意は必要です。

図書館によってどんな違いがあるの?

公立図書館であれば、乳幼児から高齢者まで幅広い利用者がいるため、児童サービスや医療情報など利用者のニーズや地域の特性に合わせた支援が必要になってきます。

大学図書館では、所属する教員や学生等の研究、開講されている授業教材のを支援することも役割に含まれるため、より専門的な分野に関する知識が必要になります。

そのため希望する図書館の情報を整理しておく事をおすすめします。

採用試験に不合格だったら、諦めた方がいいの?

不合格だからといって諦める必要はありません。

図書館の現場に立つのは、図書館が受託をしている企業に就職すれば可能です。

非正規でキャリアを積み、採用試験の合格を目指す方も多くいますので、現場での知識を積むことで合格に近づけることは可能です。

仕事以外でどんなことを心がけると良いの?

本に対する知識や好奇心を持つことが大切で、勤務時間以外にも本や本に関する情報に対応が必要です。

新刊本について情報は常にチェックし、どの本を図書館の蔵書にしていくか、新聞や雑誌の書評欄で取り上げられた際は蔵書の有無を把握し、今後の利用状況の変化にも対応をしていかなければなりません。

常に図書に関する情報に注意を払っておくことで、より良いサービスが提供できるようになります。

司書になった後は、どんな研修があるの?

専門職として認められるために、日常的に絶え間ない研修が必要です。

図書館協会や各種の研究会・学会への加入、図書館関係の雑誌の購読や出版動向の把握、図書館情報学をより詳しく学ぶために社会人大学院に進学する司書もいます。

また、情報科学技術協会の検索技術者検定を受験したり、日本図書館協会の認定司書制度などもスキルアップに有効です。

システム関係の資格取得も業務の効率化に有効です

年齢の制限はあるの?

各自治体等によって異なりますが、専任での採用の場合は若年層の長期キャリア形成のために30歳や35歳までと一定の年齢まででを対象にしている場合が多いです。

求人の段階で明示されていますので、しっかりと確認をしましょう。

まとめ

以上、司書の求人についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。

司書の業務は専門職です。

司書として就職したからといって、そこはゴールなのではなく、常にスキルアップを続けることが大切です。

人と本をつなぐことで、社会をよりよくしていく司書の仕事。

このお仕事で成功することができる方が多く出てくる事を心から願っています。


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