2020年10月20日

図書館司書になるには?そう思ってなり方を調べている方は必見です!

本を好きな人なら、図書館司書は憧れの職業でしょう。

図書館司書になるためには、どんな資格が必要になり、どういったことを勉強しておいたらいいのでしょうか?

今回はそんなご質問にお答えすべく、経験者の私が図書館司書に関して詳しくご紹介いたします。

図書館司書に就職したい方の参考になれば幸いです。

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図書館司書ってどんな仕事をするの?

図書館司書は、公共図書館や、小中高の学校にある図書室、大学の図書館など、書籍や雑誌などの資料が集められた施設で、その資料の管理をしています。

そして、利用者へ適切な資料を提供することが図書館司書の役割です。

購入する資料の選定に始まり、それらの資料の分類、配架準備を行い、館内を整え、施設の利用者に提供しています。

利用者が施設を快適に使用し、求める資料に出会えるように、図書館司書はその知識をもって応えていきます。

経験者が語る!私はこんなところで図書館司書をしていました

私の経験をお話ししましょう。

私は、短期大学で司書課程を履修しました。

その在学中の夏休みに、学校からの紹介で、地元の市立図書館へ短期のアルバイトとして採用されました。

夏休み期間ということで、小さな子供たちが数多く来館していました。

中には走り回る子供がいて、注意しなければならないというようなこともありました。

書籍のカバーには、専用のバーコードや透明な保護シートを貼っているのですが、その貼り方なども見せてもらいました。

月一回、閉館して棚卸しをしているのですが、本棚の整理が好きな人は、これは至福の時間だと思います。

学生だったためか、市内の分館や、移動図書館も、見学させてもらうことができました。

閉架書庫は、一般の利用者が入ることのできない場所ですが、利用者が閉架書庫の資料の閲覧を希望する場合には、その閉架書庫へ入ることもできました。

なかなかできない体験だと思います。

一方で、学生だからといって利用者が区別してくれるわけではなく、質問に答えられずに他の職員に助けを求めることも…。

しかし、自分が答えられることだった場合には、やはり嬉しく感じるものでした。

1~2ヶ月ほどの短い期間ではありましたが、実際に体験する図書館の仕事とは、とても興味深いものでした。

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図書館司書になるには?

さて、そんな憧れの図書館司書になるためには、どうしたらいいのでしょうか。

図書館司書には資格は必要?

図書館司書に関係する資格として、司書補、司書、という資格があるのですが、これらの資格は、図書館司書の募集では必須とされるものではありません。

特に資格がなくても、図書館司書にはなることができるのです。

しかし、司書資格を持っているということ、資格取得のために学んだことは、図書館司書として働く上で、きっと自分の自信になることでしょう。

司書資格があると、非正規雇用の場合などは時給や月給がややアップするということもあるようです。

図書館司書になるための勉強とは?

司書の資格を取得するためには、どういったことを学んでいくのか、主なものをいくつかご紹介したいと思います。

図書館分類法について学ぶ

膨大な数の資料を整理し、効率よく目当ての資料にたどり着けるようにするためには、定められた図書館分類法によって分類していく必要があります。

日本の図書館では、「日本十進分類法(NDC)」で定められた区分にしたがって、資料を分類しています。

図書館の資料には、背表紙にラベルが貼ってあり、数字とカタカナなどが書かれていますね。

その数字が、分類法の数字です。

3桁の数字が基本的な分類ですが、小数点をつけてさらに細かく分類していくこともできます。

これらの分類記号、細かいところまで覚える必要はありませんが、どういった分類があるのかを知っておくことで、利用者へのレファレンスサービスの質があがっていくことは間違いありません。

図書館の存在意義について学ぶ

図書館の歴史や、その役割などについて学ぶものです。

ただ、本が好き、本がたくさんある場所が好き、最初はそんな純粋な思いで図書館を好きな人も多いと思います。

しかし、ただ多くの資料が集められた場所、というだけではなく、図書館は大切な意義がある施設です。

歴史や成り立ちなどを学んでいくことで、図書館という場所、そして図書館司書という職業の重要さを実感することができ、ほこりを持って働くことができるようになるでしょう。

図書館経営について学ぶ

公共施設であっても、私立であっても、図書館が存続していくためには、利用者がいなければ成り立ちません。

図書館を利用してもらうために、図書館の在り方、今後の運営について考えていく必要があります。

利用者一人一人へのきめ細かいサービスはなによりも大切なことですが、図書館全体のことを学んでいくのも、図書館に携わる人間として必要となってきます。

情報サービスについて学ぶ

地域の公立図書館では、娯楽として小説などの読み物を借りて読む、という利用者も多いでしょうが、図書館は、利用者が知りたいこと、探したいことを調べるための情報を、体系的に資料を蓄積することにより提供している施設でもあります。

保管されているのは、一般の書店で購入できるような書籍にとどまらず、新聞やAVなどの映像資料、その地域に密着した郷土の資料などもあるでしょう。

年数が経つにつれ、それらの保管場所も課題となってきます。

いかにそうした情報を保管し、利用者に提供できるのか、サービスの問題点やあり方などを学んでいきます。

図書館司書になるために必要なスキルは?

図書館になくてはならない図書館司書には、どういったスキルが求められるのでしょうか。

人とのコミュニケーション能力

図書館司書は、利用者へのレファレンスサービスが、業務のうちの多くを占めています。

利用者がなにを求めているのかを、図書館司書はコミュニケーションから読み取って、サービスを提供していく必要があります。

なにを求めているのか、はっきりと伝えられる利用者ばかりではありません。

図書館司書は、利用者が伝えた求める内容の、さらにその先を汲んだ情報を提供していける存在になりたいですね。

そのためには、聞き上手であること、人とのコミュニケーション能力が求められます。

地道で細かい作業が好き

膨大な数の資料を管理するお仕事です。

資料を配架用に準備をする作業に携わることもあるかもしれません。

端末への入力や本の整備など、地道な作業を数多くこなさなければならないでしょう。

資料を配架する時も、細かく分類された資料を棚に戻すのは、地道な作業です。

こうした地道で細かい作業を厭わず続けられることが、図書館司書には求められます。

根気強さ

図書館司書の仕事に、完成や終わりはありません。

日々、資料は増え続けていきます。

整えた本棚は、日々乱され、整理して…の繰り返しです。

また、利用者が求める資料が、すぐに見つかるものであるとは限りません。

さまざまな角度から、粘り強く資料を探し続けることが必要になることもあるでしょう。

個人の知識だけではたどり着けない情報も、資料の中から探し出してたどり着けることもあります。

それは、根気強く、数多くの資料をあたることから見つかったりするのです。

さまざまなことへの好奇心

情報サービスにおいて、無駄な知識というものはありません。

世間で流行っていることに詳しければ、今はこの作家が人気であるとか、このジャンルが話題になっているとか、ということを把握でき、利用者に尋ねられた時にすぐに対応することができます。

また、さまざまことへ好奇心を持つと、ジャンルをまたいで情報をつなぐことができるようになります。

たとえば、生物学の発見が工業製品に生かされたりというように、利用者の求める情報が、探しているジャンルばかりではなく、違ったジャンルから見つかるということもあるでしょう。

レファレンスサービスには、ちょっとした好奇心から生まれる、そうした知識や発見が活きてきます。

情報システム

図書館の膨大な資料を管理するには、コンピュータは欠かせません。

図書館業務における基本的な操作は、誰でもできるようなシステムになっていますが、そこからさらに踏み込んだスキルを持った人は、どこの図書館でも重宝されること間違いありません。

基本情報技術者、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)などの資格を取ると役立つかもしれません。

図書館司書の就職先や募集状況は?

司書資格を取ったとしても、就職先が見つからなければ図書館司書として働くことができませんね。

どういった就職先が考えられるのか、そしてどれくらい募集されているのでしょうか?

図書館司書の主な就職先

図書館司書として働くことのできる主な就職先をいくつかご紹介します。

公共図書館

一般的に思い浮かぶ図書館司書の就職先は、この公共図書館でしょう。

市立、もしくは県立といった、地域の図書館です。

こういった図書館で働く図書館司書は、パートやアルバイトなどの非正規雇用として採用されていることが多いようです。

年齢制限もなく、年収にこだわらない本好きな人には、憧れの職場と言えるかもしれません。

正規雇用の場合は、地方公務員です。

図書館司書として採用を募集していることは少なく、一般事務の公務員として採用され、図書館に配属されるものです。

大学図書館

それぞれの大学に付属している図書館です。

こちらも、パートやアルバイトなどの非正規雇用として採用されている場合が多いようです。

大学図書館は、大学生だけでなく、教員も利用します。

大学生ならば、レポートや卒論のため、頻繁に図書館を利用することになります。

それぞれの大学の専門性にあわせた資料が多くなるため、そこで働く図書館司書にも、それに応じた専門性が必要となってくるでしょう。

学校図書館

小・中・高等学校に付属している図書館にも司書が存在しますが、学校司書と司書教諭の2種類があります。

学校司書は、学校図書館担当の事務職員を指しており、学校に制度上の設置根拠はありません。

資格の規定もないため、必要な資格や経験などの募集要項は、それぞれの勤務先によって違ってきます。

非常勤での募集が多いようです。

司書教諭は、決められた司書教諭の講座を修了している、教諭の免状を有する、といった資格が必要となってきます。

また、学校図書館法により、12学級以上の学校には必ず置かなければならないといったことが定められています。

国立国会図書館

東京、京都にある国立国会図書館に勤務する職員は、国家公務員です。

調査業務、司書業務、一般事務といった、国立国会図書館に関わる業務を行っています。

図書館司書の働き口はどの程度あるの?

図書館司書になりたい人、図書館司書の資格を実際に取得する人の数にくらべ、正規職員として図書館司書に採用される人の数は、極めて少ないと言えます。

しかも、地方公務員として採用されて図書館に配属される、ということが多く、最初から図書館司書としての募集となると数えるほどとなるため、倍率は非常に高くなり、採用されることは困難です。

パートやアルバイトの場合は、正規雇用にくらべると給与面で大幅にダウンしますが、ある程度の募集があります。

勤務地を限定しなければ、大学図書館などの募集を見つけることができると思います。

図書館司書の転職事情

図書館司書になるには、資格が必要ないため、採用先が見つかるのならばすぐにでも転職が可能です。

司書資格を取得しておきたいという場合も、短期での講習履修や、通信制での取得も可能なため、働きながらでも図書館司書を目指すことができます。

しかし、そもそもの働き口が非常に少ないため、採用先を見つけるというのは、かなり困難なことです。

また、図書館司書は正規雇用であっても、全体的に給与面では低く抑えられています。

非正規雇用の採用ならば、図書館司書の採用先を見つけることができるかもしれませんが、給与面では正規雇用よりもさらに大幅に低くなっているのが現状です。

もしも現在正社員で働いている場合は、図書館司書への転職により、年収がダウンしてしまうことが予想されます。

転職する場合は、それらを覚悟した上での決断が必要となります。

まとめ

図書館司書になるために学ぶこと、就職、転職事情などをご紹介しました。

図書館を利用する人ならば、身近な存在である図書館司書。

図書館司書になってみたいと思ったことのある人も多いと思います。

実際に図書館司書を職業とするには、ご紹介した内容を踏まえて、目指してみてくださいね。

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