2020年12月8日

臨床心理士求人が気になっている方はぜひ参考までにご一読いただければと思います。

傷ついた人の心にそっと寄り添う臨床心理士。

最近はドラマや映画などでも扱われるようになり、臨床心理士は人気でとても注目されている職業の一つです。

でも、臨床心理士って実際、現場では具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

今回は臨床心理士に転職・就職してみたいあなたの疑問にお答えします。

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臨床心理士のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

臨床心理士の仕事は多岐に渡ります。

医療、教育、産業、福祉など分野によって対象が違いますので、やることがそれぞれ違います。

ただ、基本的な部分は同じになります。

まず共通しているのがアセスメントです。

クライエントの心理検査を実施し、そこからどのような心理状態なのかを探ります。

今そのクライエントがどういう心理状態にあり、どういったサポートが必要か、どういった言葉かけが有効かを考えます。

その結果を、本人にわかりやすくフィードバックしたり、連携している多職種に伝えるコンサルテーション業務も仕事の一環です。

次にカウンセリングです。

これはクライエントの話を共感的な姿勢で聞き、クライエントの抱える問題が何かを共に整理していく仕事です。

カウンセリングと言うと、何かアドバイスをして相手を救うというようなイメージを持ちがちですが、実際は違います。

クライエントの出来る部分を見出し、強化してクライエント自身が自分で立ち上がっていくのを見守る仕事なのです。

また研究も臨床心理士の仕事に入ってきます。

ひとつの事例を詳しく分析しながら追いかける事例研究や、たくさんの人を対象として、ある事柄の影響を調べる量的研究などがあります。

働く分野によって仕事内容は様々ですが、どこの分野でもこの三つは臨床心理士の仕事の柱として存在しています。

臨床心理士はどういう役割を求められる?

臨床心理士は、まずクライエントの心の状態を言葉にすることを求められます。

「この人はこういう人です」という説明です。

これまで臨床心理士というとカウンセリングルームにこもってクライエントとだけ向き合っているようなイメージがありました。

でも今は、色々な職種の人と連携しながら、一人のクライエントを支えるというチームでの活動が求められます。

そういった時、臨床心理士は、まず他職種に対し、クライエントがどういった人で、どういう関わり方を好み、何を望んでいるのかを説明しなければなりません。

そこを見極め、伝わるように言語化することが求められます。

またクライエントの心的なサポートは一番重要な役割です。

臨床心理士は、話を聞くプロです。

話しにくいことや、言葉にしづらことをじっくりと時間をかけて聞いていくことで、少しずつクライエントがひっかかっている部分をほぐしていきます。

出てきた言葉がどんな言葉であっても静かに受け入れることで、クライエントの心をサポートします。

そういったじっくり話を聞くというのは臨床心理士ならではです。

クライエントが本当に困っていること、辛いと感じていることを聞き出し、共に解消していくことが臨床心理士に求められている役割です。

臨床心理士求人にはどんな種類があるの?

臨床心理士の求人にはどのような種類があるのでしょうか?

臨床心理士と言っても、分野によって仕事内容が大きく変化します。

具体的に見ていきましょう。

臨床心理士求人の募集でよくある施設や事業形態のパターン

臨床心理士の求人を出す施設や事業形態はどういったものがあるのでしょうか?

また、どういったところが臨床心理士を求めているのでしょうか?

精神科・心療内科のクリニック

一番よく見かけるのが、個人経営の精神科もしくは心療内科のクリニックです。

こういった個人経営のクリニックには、精神科医の他、臨床心理士が入り、アセスメントやカウンセリング業務を担います。

精神科医の中には、自分でアセスメントもカウンセリングも出来る人もいますが、患者数が多いため、そこを臨床心理士に任せている場合が多いのです。

総合病院

総合病院も時々募集があります。

総合病院の場合、精神科があればそこに所属となりますが、活動範囲は精神科のみならず小児科やNICU、緩和ケア、整形外科など非常に多岐に渡ります。

総合病院では医者だけでなく看護師、薬剤師、MSW、リハビリ、栄養士など様々な職種と連携し、チーム医療を行うことを求められます。

学校

私立・公立問わず学校のスクールカウンセラーの募集もあります。

小学校から大学まで様々な募集が出ています。

公立学校は各県の臨床心理士会の求人などに出ます。

私立学校はハローワークなど一般的な求人に募集が出ることが多いです。

週に1~3日程度学校へ訪問し、生徒や保護者のサポートをしたり、教員に心理面から助言を行ったりすることを求められます。

市役所や子育て支援センター

市役所や子育て支援センターも募集を出しています。

これは主に乳幼児健診において発達相談を受けたり、保育園や幼稚園を回って巡回相談を行なったりということを求められます。

発達検査を実施することも条件に入ってきます。

母親からの育児相談や療育的なグループカウンセリングを行う場合もあります。

企業

ストレスチェックを担っている会社からの募集もあります。

今、各企業に社員のストレスチェックを適宜実施するということが法律で定められています。

それを担う会社が臨床心理士を求めています。

カウンセリングや上司への助言、予防プログラムの作成や心理的な研修など様々な活躍が求められます。

または、企業自体が行っているリワークプログラム、就労支援業務の募集もあります。

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臨床心理士求人でよくある募集内容とは?

臨床心理士はどういった求人内容が多いのでしょうか?

また、待遇はどのようなパターンが多いのでしょうか?

給与相場

臨床心理士の給与相場は非常に幅があります。

未だ非常勤が多いので、時給制となっているところが多いですが、時給も1000円~5000円くらいまでの幅があります。

また、常勤ですと、初任で22万円程度~あたりが相場になりますが、こちらも19万円くらいから35万円くらいまでの幅があります。

勤務時間や休日、残業

多いのは週に2~3日の非常勤勤務です。

1日8時間が多く、残業は業種にもよりますが、ややあります。

常勤ですと、休日は週に2日と祝祭日、長期休暇などもあります。

概ね日勤で夜勤があるところは稀です。

福利厚生

常勤であれば福利厚生は手厚くなっています。

ただ、非常勤ですと週当たりの時間により福利厚生が雇用保険以外全くつかないなんてこともあります。

交通費は、出る場合が多いですが、交通費なしの求人も割と見かけます。

勤務場所

臨床心理士の仕事は、栄えている街中ほど多くなります。

田舎の方へ行くと臨床心理士自体の求人が少なくなる傾向にあります。

ただし、田舎の方が臨床心理士自体の数が少ないため、意外と近所で勤めることが可能だったりもします。

逆に街中ですと、採用が激戦となり、希望通りにはいかない可能性もあります。

求められる人物像

他の人とのコミュニケーションがきちんととれることが大前提です。

クライエントはもちろんのこと、心理の専門用語を使わない他職種とのコミュニケーションも取れなければ仕事になりません。

そのため色々な人に対して開けている人物が求められます。

また、自分自身の精神面の健康状態をしっかりと保つことが出来ることも求められます。

臨床心理士は心が傷ついた人と常に接する仕事ですので、精神面に強く負荷がかかります。

自分で自分の心の状態をしっかりと把握し、適宜発散が出来る人が求められます。

必要なスキルや資格、経験

臨床心理士として働くには、臨床心理士の資格が必要になります。

また、新しく誕生した心理職の国家資格、公認心理師も持っていると病院に勤める場合などは安心です。

現在は、臨床心理士の資格でも公認心理師と同等の扱いをするということになっていますが、いずれ病院で心理職として働くには、公認心理師の資格が必須となる可能性があります。

臨床心理士として採用される場合、経験として求められるのは、発達検査や心理検査を一通りとれることや、就労支援のプログラムを組んだことがある、など技術的な部分の経験を求められることが多いです。

とはいえ、臨床心理士の仕事は分野によって非常に多岐に渡るため、大学院の勉強では網羅できていない部分が多いのも事実です。

そのため多くの臨床心理士は採用された分野で、その分野に関しての知識を深めながら働いていく人が多いです。

臨床心理士のおすすめ求人のポイント

臨床心理士として働く上で、どのように応募するところを選べばいいのでしょうか?

おすすめできる求人のポイントを知っておくと、採用されてから失敗した…ということがなくなります。

常勤

常勤職が少ない職種ですので、もしやりたい分野の仕事で常勤があれば、かなりおすすめです。

非常勤の仕事が多く、なかなか安定した生活が出来づらいのが臨床心理士です。

常勤職であれば、そういった不安からは解放されます。

ただし、子育てもしたい、それほどがっつり働かなくていいという人は、あえて非常勤を選ぶという手もあります。

複数の臨床心理士がいること

また、初任の頃は、給与の額ではなく、複数の臨床心理士がいる職場を選ぶことがおすすめです。

その分野で、臨床心理士として働いていくうえで、必要な知識や技術を教えてもらうことが出来るからです。

時給が高いに越したことはないですが、時給が高いところというのは、たいてい一人しか臨床心理士を雇っておらず、責任や仕事量が一人に大きくかかってくる場合が多いです。

臨床心理士を初めて雇うため、居場所の確保から連携体制の構築まで、仕事の開拓から始まるなんてこともあります。

それは初任の頃にやるには荷が重すぎます。

出来るだけ複数の臨床心理士が働いている職場を選ぶのがおすすめポイントです。

何度も求人を出すところは要注意

求人を見ていて、これまでに何度も求人が出ているところは避けたほうがいいでしょう。

臨床心理士が落ち着いて仕事が出来ず、すぐにやめてしまう職場環境であることが多いです。

例えば残業が多すぎる、仕事が全くない、職場関係が悪すぎるなどストレスが強い職場環境である場合があるのです。

求人情報は適宜チェックし、しょっちゅう求人を出すところは気を付けておいた方がいいでしょう。

臨床心理士求人についてよくある疑問

臨床心理士求人についてよくある疑問についてまとめてみました。

未経験者でも採用があるか?

中には経験者であることを採用条件としているところもありますが、臨床心理士の資格がある、もしくは取得見込みがあるということで採用してくれるところはたくさんあります。

そもそも大学院を卒業した時点では、臨床心理士の資格を持っていない状態です。

つまり多くの臨床心理士は資格の取得見込みの状態で職に就いているのです。

資格がないと少しお給料が下がることがありますが、臨床心理士の資格を取る上で心理の仕事をしていることが重要になって来たりもしますので、出来るだけ心理系の職についておくことが望ましいです。

非常勤でどうやって生活するのか?

多くの臨床心理士は、非常勤を掛け持ちして生活を成り立たせています。

例えば、児童相談所で2日、病院で2日、スクールカウンセラーで1日といった感じで働いています。

時給にもよりますが、そのくらい掛け持ちすると、ひとり暮らしなら十分可能な程度の稼ぎにはなります。

ただ、臨床心理士は資格を維持するために学会へ加入し、研修に出かけたり高い書籍を買って勉強したりする必要があります。

出費もかなりかさみますので、初任の頃は生活が楽ではない状況になる人は多いのが現状です。

面接でよく聞かれることは何か?

なぜその分野を選んだのか、なぜ臨床心理士になったのか、などはどこの分野に応募しても、よく聞かれる質問です。

自分自身がどうして臨床心理士を目指したのかなどは、わかりやすい言葉でまとめておくことをお勧めします。

また得意とする技法なども聞かれますので、自分自身が得意とする技法を持っておくことが有効です。

公認心理師もとったほうがいいのか?

公認心理師の資格はとったほうがいいでしょう。

臨床心理士の資格試験への受験資格があるのであれば、たいてい公認心理師の受験資格もあります。

今はまだ臨床心理士の方が知名度も高く需要もありますが、少しずつ公認心理師にとって代わっていく部分があります。

特に医療系に勤めたいと考えている人は確実に両方を取っておくことをお勧めします。

仕事内容も細かく言えば少し違う部分がありますので、やはりどちらも持っているに越したことはないでしょう。

臨床心理士になるにはどうしたらいいのか?

臨床心理士になりたいと考えているのであれば、まずは指定大学院に進学することが必要です。

日本臨床心理士会が指定している大学院が全国にあります。

指定大学院の中でも第一種指定大学院と第二種指定大学院があります。

第一種指定大学院は卒業した年の秋に臨床心理士資格試験を受験することができます。

第二種指定大学院は、卒業後1年間の実務経験が受験資格の要件となります。

毎年秋に行われる臨床心理士資格試験を受験し、合格することで晴れて臨床心理士と名乗ることが出来るのです。

ちなみに試験は一次試験がマークシートと小論文、二次試験が面接となります。

やりがいを感じるのはどういう時?

臨床心理士をしていてやりがいを一番感じるのは、実際にクライエントが元気になった時だと思います。

長らく経過を見守ってきたクライエントが、立ち上がりカウンセリングから卒業していくとき、寂しいですが非常に強いやりがいを感じます。

また、クライエントと関わっていて、「そうか、こういうことで悩んでいたんだ!」と一緒に発見することが時折あります。

そういう時、とても、臨床心理士として関われた喜びを感じます。

どこの求人を見るのがいい?

臨床心理士の求人情報は、実は一般的な求人情報よりも、各県の臨床心理士会が出している求人情報の方が豊富な情報を持っていたりします。

また日本臨床心理士会に加入すると、全国の求人情報を見ることができます。

一般的な求人情報で検索すると、「心理カウンセラー募集」と銘打って、特に資格は必要ない、専門性が曖昧な仕事の募集もまぎれています。

出来るだけ専門的に仕事をしたいと考えるなら、そういった心理士会から出ている求人情報が参考になると思います。

また、臨床心理士はつてで就職していることも多いです。

よく臨床心理士として働いていると「臨床心理士仲間で仕事探している人いない?」と聞かれたりします。

広く募集せず、内内に採用をしているところも多いのです。

ですので、色々な研修に出かけて、臨床心理士の横のつながりをしっかりと作っておくことが大切だったりもします。

まとめ

臨床心理士は、まだ歴史の浅い仕事です。

最近ようやく一般の人にも臨床心理士がどういった存在なのかが認知されてきましたが、まだまだ知らない人の方が多い現状です。

でもストレス社会と言われ、不登校や自殺、引きこもりなど心理面の問題を抱えた人がどんどん増えている世の中で、心の問題に取り組む職種は需要が高まる一方です。

もし人の心に興味が持てるのであれば、臨床心理士は非常にやりがいあるおすすめの仕事です。

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