最近インターネットや携帯電話が普及して、生活が便利になり、効率化される反面、人間関係の複雑化、希薄化が問題になっています。

また、災害や予期せぬ事件などが多く起こり、「心のケア」の大切さが新聞やニュースでもよく取り上げられることが多くなってきました。

「心の専門家」である臨床心理士は、心に関する様々な相談を聴き、そして向き合い、クライアントと主に一緒に考えていきます。

「臨床心理士」という名前は聞いたことがあるけれど、詳しく知らない人も多いため、今回は臨床心理士がどのような場所で仕事をして、一体どのような仕事をしているのかを詳しくまとめています。

意外と身近に「臨床心理士」はいることに、きっと驚かれる方もいるかもしれません。

臨床心理士の仕事はどんな仕事?

臨床心理士という資格は、簡単に言うと「心の専門家」です。

臨床心理士の仕事で代表的なものとして、カウンセリングや心理検査があります。

「カウンセリング」という言葉は、身近に聞いたことがある人も多いと思います。

カウンセリングと心理検査について、少し詳しく説明していきます。

カウンセリングは、ただ単に話を聞くことではありません。

カウンセリングとは、相手の立場や気持ちに寄り添いながら、ゆっくりとクライアントの話を傾聴していきます。

「心の専門家」として臨床心理学的なアプローチを取り入れながら、クライアント自身が自分の心と向き合い、気づきを得ていくための過程(プロセス)がカウンセリングです。

また、心理検査は用途に合わせて行います。

代表的な心理検査には、知能検査、発達検査、性格検査などがあります。

心理検査を実施するにあたり、専門的な知識や技術がもちろん必要不可欠です。

カウンセリングや心理検査がクライアントにとって有益であるように、臨床心理士は「人の心」に心理の専門家としてアプローチしていくのです。

ここ最近では、「スクールカウンセラー」や災害時の心のケアを行い活躍している臨床心理士も増えています。

臨床心理士の大まかな仕事内容

臨床心理士が活躍している職場は、多種多様です。

例えば、病院(精神科、診療内科、緩和ケア、小児科)、学校内相談室、児童相談所、裁判所、刑務所、少年院、警察関係、企業内相談室、高齢者施設など様々な分野で、数多くの臨床心理士が活躍しています。

「心の専門家」として、クライアントの心の内面や心理にアプローチしていきます。

クライアントとの信頼関係(ラポール)を築き、また多職種との連携も必要不可欠です。

臨床心理士は、目に見えない「人の心」をあつかう専門家であり、なおかつ多職種と連携していく職種と言えるでしょう。

カウンセリングや心理検査だけではなく、働く職場によって臨床心理士の働き方、仕事内容もガラッと変わります。

どの職場でも言えることですが、「心の専門家」として継続して知識や技術の向上に努め、積極的に多職種と情報交換、連携していくことが求められています。

仕事上の役割とは?

臨床心理士の活躍できる職場は、数えきれないほどあります。

「心の専門家」として、クライアントと信頼関係(ラポール)を築きながら、カウンセリングや心理検査を行います。

守秘義務を守ることはもちろん当然の事ですが、緊急性を要する場合(例えば、命に関わる場合など)は多職種や、他機関、他施設と情報交換して連携しながら問題解決に向けて働きかけることも重要な役割の一つです。

守秘義務といえども、どのタイミングでどの情報を多職種と共有していくかは、各臨床心理士の力量にもよります。

臨床心理士は、どのような状況であったとしても冷静に判断ができ、なおかつ柔軟に対応できるスキルが求められているでしょう。

そして、臨床心理士としてクライアントの心に寄り添って、多職種と共に連携してクライアントの有益になるようにしていくことが必要です。

臨床心理士の仕事はどんな人に向いている?

臨床心理士は、人と関わる事がとても多い職種です。

そのため、人とのコミュニケーションが好きであり、なおかつ人と関わる事が好きな人に向いているでしょう。

また、クライアントとの信頼関係を築き、守秘義務を守れる人でなければ到底務まりません。

どの職場においても多職種と情報交換、そして連携し、協力していけるコミュニケーション能力の高い人が向いています。

そして、予想外の事が起きたとしても、冷静に対応できる柔軟さも持ち合わせている人が「臨床心理士」に向いていると言えるでしょう。

そして、「心の専門家」としての自覚をしっかりと持ち、臨床心理士自身の心身の健康管理をしていく必要性があります。

人と関わることが好きな人

日常生活の中で、人の悩みや相談に乗ることが多く、誰かのために役立ちたいと思う気持ちが強い人。

そして、上手に気分転換をしながらリフレッシュできる人。

人と関わることが好きである人が、臨床心理士として向いているでしょう。

また、クライアントの気持ちや思いを傾聴することはもちろん、その言葉の背後にある気持ちを汲み取っていくことが必要なので、情緒豊かな人が向いていると言えるでしょう。

相手の気持ちに立って物事を考えたり、判断できる人の方が臨床心理士としての資質はあります。

感情の起伏が激しい方は、臨床心理士になるために自分の気持ちを冷静にコントロールできるスキルが必要になるでしょう。

柔軟に物事を考え判断できる人

固定された価値観や考えに捉われず、予想外の出来事が起きた場合でも臨機応変、そして柔軟に対応できるフットワークの軽い人。

クライアントの数だけ様々な価値観や考えがあることはもちろん当然です。

臨床心理士は、自分の価値観や考えを押し付けたりせず、クライアントの立場や気持ちに立って柔軟に対応できる人が向いています。

臨床心理士は、いつでもどんな時でも冷静でいて、さらにフットワークの軽い人の方が向いていると言えます。

臨床心理士として働くにあたって大事な事

クライアントの気持ちを理解しようと努力していくことが大切です。

そして、何よりも臨床心理士自身が心身ともに健康であることが大事な事ではないでしょうか。

臨床心理士も人間なので、時には悩んだり落ち込んだりするのは当然です。

しかし、仕事に差し障る状態になるとカウンセリングや心理検査を実施するのは難しくなります。

そのため、何よりも臨床心理士自身の心身の健康、そして安定が大切なのです。

臨床心理士の心身の健康、安定は、結果としてクライアントの心身の健康、安定に繋がっていくでしょう。

臨床心理士の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

人と関わる仕事で長年働いていた人は、これまでの経験やキャリアを臨床心理士の資格取得後に活かすことが出来るでしょう。

例えば、会社の人事で働いていたという人は、会社の中での人間関係の問題や、仕事上のストレスの問題などに対応してきたことでしょう。

また、教育現場で勤務していたという経験も、きっとカウンセリングなどに役立つはずです。

どの職場においても、これまでの経験や体験はきっと臨床心理士の仕事をするために役立ちます。

何よりも、これまでの人生で経験してきたことは、役立つでしょう。

会社や企業で勤務経験

会社の人事などで働いていたという人は、社内での人間関係の問題や、仕事上のストレスの問題などに柔軟に随時対応してきたことでしょう。

このような経験は、臨床心理士となった後でもカウンセリングなどにきっと役立つでしょう。

最近、うつ病や適応障害などで仕事を休んだり、また自殺の件数も増加しています。

そういった事から、会社や企業で勤務していた経験は臨床心理士としても役立つでしょう。

最近では、「産業カウンセラー」という名前もよく聞かれるようになってきました。

今後も、働く人の心のケアは重要になってくるはずです。

「スクールカウンセラー」・「キンダーカウンセラー」の経験

幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学等で教師、講師として勤務した経験は、臨床心理士として勤務してからもきっと活かせるでしょう。

最近では、子育て支援、児童虐待などの様々な問題が取り上げられています。

そのため、教育現場で培った経験やキャリアは役立つはずです。

「キンダーカウンセラー」、「スクールカウンセラー」も、各園や各学校に配置されるようになり、今後も教育現場では臨床心理士の活躍は増えていくことでしょう。

そして、今後は各学校に常勤の臨床心理士が配置される日も、そう遠くないような気がします。

臨床心理士として働くメリットとは?

臨床心理士は人と出会い、クライアントと共に成長できる!

どの職場においてもそうですが、「心の専門家」として様々な人と出会い、そして深く関わっていくことが出来ます。

そして、カウンセリング(心理療法)や心理検査がクライアントの役に立っていると実感できた時、臨床心理士としてのやりがいを感じるでしょう。

臨床心理士は、目に見えない心を扱う職種です。

だからこそ、信頼関係を築いていくことが非常に大切なのです。

クライアントとの信頼関係を築いていく中で、臨床心理士も人として成長していくことは最大のメリットなのではないでしょうか?

臨床心理士は、人の人生に深く関われる仕事!

臨床心理士として働くメリットは、クライアントの人生に寄り添い、人の心をサポートを出来ることではないでしょうか。

臨床心理士は医師のようにお薬を処方することは出来ませんが、クライアントの思いや気持ちを傾聴していく中で、様々な良い効果をもたらすことも多くあります。

実際、カウンセリングではクライアントから「話をゆっくり聴いてもらえてほっとした。心が少し軽くなったような気がする」という言葉もよく聞かれます。

クライアントが、少しでもそのような気持ちになってもらえると、臨床心理士として働いていて良かったなぁと感じます。

臨床心理士は、「心の専門家」であり、心が見えないからこそ、大切な職種ではないかと改めて思います。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

様々な分野、職場で経験したことは、臨床心理士としてキャリアアップ出来ます。

例えば、臨床心理士としてカウンセリングルームを個人開業されている人もいますし、大学等でこれまで経験、体験してきたことを学生に指導するということも出来るでしょう。

カウンセリングや心理検査の技術の向上だけではなく、それをどうクライアントに伝え、有益になるのかを考えるスキルも向上していくでしょう。

臨床心理士が活躍できる場は、どんどん広がっています。

それ故に、臨床心理士として、専門的な知識や技術の取得に努めなければなりません。

子育て支援、高齢者支援、緩和ケア、遺族ケア、これからもっと活躍できる場が広がっていくでしょう。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

臨床心理士として勤務した経験、キャリアは今後どのような職場でも積極的に活かすことは出来るでしょう。

最近では、物が溢れて情報社会になっています。

生活が便利になってきたのと同時に、人と向き合い話をする機会が減り、人間関係の希薄さが問題になっています。

このようなご時世だからこそ、「心の専門家」としての経験は、今度どのような分野の職場、仕事であったとしても必ず役に立つはずです。

今後はさらに、活躍できる場が増えていくでしょう。

また、臨床心理士は、カウンセリングや心理検査だけではなく、高いコミュニケーション能力やスキル、PCスキルなども幅広く必要です。

これらの経験は、他の仕事に転職したとしても、さらには自分のこれからの人生においても重要であり、役立つはずです。

臨床心理士は男性が多いの?女性が多いの?

臨床心理士として働いている人は、男性と比べて女性の方が多いように思います。

女性の方が、感情を汲み取ったり、コミュニケーション能力が高いという事も関係しているのかもしれません。

ただ、臨床心理士は常勤が少なく、非常勤勤務が多いように思います。

今後は、臨床心理士の活躍の場が増えていくため、常勤も少しづつ増えていくかもしれません。

まとめ

臨床心理士は「心の専門家」です。

最近、テレビやニュースなどで児童虐待、災害時や悲惨な事件後などの心のケアの大切さも取り上げられることが多くなりました。

そして、「臨床心理士」という資格も以前より世間で知られるようになり、今後も活躍出来る場はさらに増えていくでしょう。

「臨床心理士」になるためには、指定大学院、専門職大学院で学ぶことで受験資格が得られます。

その後、日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格する必要があります。

一次試験(筆記)と二次試験(面接)の合格後、資格交付、登録になります。

これまでの様々な経験を活かして、臨床心理士になる人は増えてきているようです。

臨床心理士の資格取得後は、5年に一度の更新があり15ポイント必要ですので、継続して研修会や学会に参加し、自己研鑽していくことが求められています。

今回は、臨床心理士の仕事について、まとめてみました。


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