新聞屋の仕事内容を役割に分けてご紹介!この仕事の良いところは?経験者がお話しします!
少子高齢化に伴い働ける世代の人口が減少すると同時に、時代の変化によって多くの業界の仕事が姿を消しているのも事実です。
近年のあらゆる情報の電子化の流れを受けて、紙媒体の新聞を読む世帯も減少しています。
どの業界も人手不足で職業選択に不自由しない時代の中で、新聞配達員の仕事を新しく始めるという人は少ないです。
「新聞配達員って実際にどんな仕事なの?」
「新聞配達員ってやりがいはあるの?」
今回は新聞奨学生として、新聞屋で働いていた私が、仕事内容と実際に体験した失敗談などをまとめていきます。
「働き方のスタイルを変えたい」
「新聞奨学生で大学に通いたい」
そんな方の視野を、少しでも広げるきっかけになれば幸いです。
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新聞屋の大まかな仕事内容
新聞屋の一番大きな仕事は「配達業務」です。
もしかしたら「新聞配達のバイトをしていた」という人も多いかもしれません。
一概に配達と言っても、配達する区域、新聞社、働いているサービスセンターによって色合いは大きく変わります。
例えば朝日新聞や読売新聞は、購読者数が多い為に区域範囲は狭いですが、その中で多くの部数を配達することになります。
日経新聞・毎日新聞になれば、購読者数が朝日・読売よりも減る為に、より広い区域を受け持つことになります。
なので、一概に「どの新聞社が楽」というのはないと感じます。
次に、新しいお客様の契約を獲得する為に「拡張業務」があります。
これは、「営業」と意味合いは一緒です。
既存のお客様の継続契約を結んだり、新しいお客様と新規契約を結んだりと様々です。
最後に、お客様から新聞代を集める「集金業務」があります。
近年はクレジットカード払いや口座振替などが主流ですが、年配の世代にとっては実際に家まで来てくれる方が重宝されます。
ここでは、それぞれの業務について、より細かく説明して行きます。
新聞屋の仕事は大きく3個の業務に分けられる
配達業務
主に朝刊と夕刊の配達を行います。
しかし、配達をする為には多くの準備作業があります。
それぞれの作業については、次の項目でより詳しく説明をしていきます。
拡張業務
一般企業で言うところの「営業活動」です。
区域の配達部数を増やす為に社員の方が営業活動を行い、契約の種類によってポイント化されます。
ここは基本的に一般の営業と変わらないので、拡張でポイントを多く獲得すれば、その分給与に反映されます。
しかし、ポイントにおける実際の報酬は、お店によって大きな差があります。
沢山拡張をしても対価の報酬を渋るお店もあれば、実際の結果に応じて正当な報酬を与えるお店もあります。
集金業務
お客様から新聞代を集める仕事です。
楽な仕事のように思えますが、お客様は基本平日は仕事で捕まらない、家に居るはずなのに出てこないなどもあります。
時間を変えながら何度も訪問しないといけない大変さもあります。
しかし、実際にお客様とお話ができたりパンやお菓子などを貰えたりするので、接客が好きな人にはおすすめの仕事です。
集金業務は、主にその地域のパートさんがやっていることが多いです。
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配達業務の8個の作業
新聞の荷下ろし
新聞屋の1日の仕事は、店に届く新聞の荷下ろしから始まります。
地域によって新聞が届く時間は変動しますが、私が働いていた千葉県の新聞店には午前2時前後に新聞が届いていました。
新聞が届くと、店の人が総出で店内に運びます。
私が働いていたお店では5,000部を下ろしていました。
新聞へのチラシ入れ
届いた新聞にチラシを入れていきます。
私が働いていた店では、パートの方が日中チラシを作成していました。
土曜日、日曜日はチラシの数が増えます。
私は働き始めた当初、260部の朝刊にチラシ入れをしていましたが、それだけで1時間以上掛かっていました。
慣れてくると、全然関係ないことを考えながら30分ほどでできるようになります。
新聞の積み込み
チラシを入れた新聞を積み込んでいきます。
チラシが入った新聞をバイクの後ろに積むと、簡単にバイクの最大積載量を超える重さになります。
雨が降った場合には、新聞をビニールで梱包する為積み方を考える必要があります。
配達
新聞の配達を行います。
お店によって決められた配達区域があり、区域に1人が配達を行います。
配達する家の中には、「早入れ」指定の家もあります。
これは「午前4時までに新聞を入れてほしい」などの指定のことです。
配達が遅れてしまった場合は、「早入れ」の家を優先的に投入していきます。
また新聞は奥までしっかり落とし込まないと、お客様側から見たら「届いてない」ように見えることもあります。
私は過去に新聞をポストの奥まで入れずに、お客様からクレームを受けたことがあります。
細かなことではありますが、相手が見える場所に新聞を届けることが大切です。
不着対応
全ての配達が終わった頃に、「新聞が届いてない」とお客様から連絡が来ることがあります。
基本的には当番制で、当番の人が届いていない家に新聞を届けます。
届けなければいけないものが届いていないので、誠意を持って謝罪する必要があります。
お客様によっては物凄い剣幕で怒る人もいます。
自分のミスではないことを謝らないといけない為、ストレスが掛かりやすい仕事です。
ポスティング
自分が配達する順路を覚える為に、新聞購読を勧めるチラシを入れることもやっていました。
配達を始めた当初は順路帳と呼ばれる道順を示したものを見ながらの配達になるので、時間が掛かってしまいます。
その為、ポスティングなどを繰り返し行うことで、配達するルートを体に落とし込んでいきます。
私は仕事を始めた当初、自分の配達区域を覚える為に、朝刊の配達後にポスティングを行なっていました。
また、配達での届け忘れが何日か続いた時にも、復習のためにポスティングを行なっていました。
夕刊配達
新聞の契約には「朝刊のみ」と「朝夕刊セット」の契約があります。
基本的には「朝刊のみ」で契約する世帯も多いため、夕刊の配達は朝刊よりも少なくなります。
私は朝刊で1区域260部ほど配達していましたが、夕刊だと170部〜180部ほどでした。
夕刊配達の時間は、実際にお客様が家にいることが多い時間である為、直接顔を合わせて世間話をすることもあります。
また、地域の子供達が外で遊んでいるなどして挨拶をされることも多いので、とても楽しく配達できます。
順路帳更新
新聞契約は月単位で行われるので、月が変われば新しく新聞を購読する家、新聞を読むのをやめる家も出てきます。
せっかく覚えた順路も月ごとに新聞を入れる家が変わる為、対応が必要です。
また、自身が仕事を休む際に、代わりに自分の区域を配達する人の為に順路帳を更新していきます。
拡張業務の4個の作業
既存顧客の更新契約(縛り・半縛り)
契約の中で一番ハードルが低いです。
現在新聞を購読されている方の更新契約です。
契約があった状態での延長契約が「縛り」、2年以上契約をしている上での延長契約が「半縛り」と呼ばれます。
基本的にはお得意様なので契約に至りやすい傾向にありますが、経済的な変化によって新聞をやめる家庭も多いです。
新規顧客の契約対応(新歓・白地)
過去に新聞を購読していないお客様の契約のことです。
この契約はほとんど飛び込み営業と変わらないので、ハードルが物凄く高いです。
この記事を読んでいる方の中にも、急に家のチャイムを押されて、新聞契約の勧誘をされたという経験のある方もいると思います。
そこから契約が取れたものを新聞店側では「新歓」と呼ぶことが多く、「白地」という人もいます。
この契約は問題にもなりやすく、「持ってくると言った商品を持ってこない」
「認知症の母と契約した」
「断っても引き下がらない」
などの問題を引き起こしてしまいます。
未来の契約対応(起こし、先起こし)
お客様によっては「半年は朝日、半年は読売」という形で新聞を取る方も多いです。
今は他社の新聞を契約していても、その先に自社の新聞を契約する予定の場合は、先に未来の契約を行います。
今は自社契約がない場合の未来の契約は「起こし」、現在も自社契約があり、未来の契約を結ぶ契約を「先起こし」と呼びます。
紹介からの契約対応
新聞店では時期によって「紹介キャンペーン」と呼ばれるものがあります。
これは自分の周りの知り合いなどが新聞を契約した場合に、通常よりも多いインセンティブが入るというものです。
私も大学卒業と同時に新聞店を辞めてから、半年後に当時の社員の方から「新聞を契約してくれ」と言われたことがあります。
この記事を読んでいる方に、もしそのような経験がある場合は、新聞店での紹介キャンペーンの影響だと思われます。
集金業務の3個の作業
領収書の受け取り
新聞店から領収書を受け取ります。
この領収書を持って集金に出発します。
集金業務
集金の時間は特に決まっていません。
お客様によって家にいる時間は様々です。
朝・昼・夜のどれかであれば確実に居る人なら話は早いですが、「午後1時〜午後2時の間じゃないと無理」などの細かい指定がある所も多いです。
集金は月ごとに集金率を計算されます。
お店によっては「指定日までに集金率80%を超えている」などの条件で、プラスでインセンティブを支給する場所もあります。
集金を行なっている人は、主にその区域に住んでいるお話好きのパートさんが多いです。
集金する所帯の数は、配達数が300部ある地域であれば、200部ほどは集金するような割合になると思います。(残りの100部は口座振替、クレジットカード払いなど)
集金した額の納金
実際に集金を行なった金額を、新聞店に納金します。
もちろん1円でも違うとその分は自己負担になるお店が多いので、お金の管理にはシビアになる必要があります。
新聞屋の仕事の良いところ
「新聞屋の良いところってどこ?」
世の中に無数ある仕事の中でも「新聞屋が良い」と思うポイントはどこでしょうか。
実際に働いていた私の視点から、それを少し説明していこうと思います。
自分のペースで仕事ができる
結論としては、これに尽きると思います。
世の中にある仕事の大半は、誰かと一緒になってこなすことが多いです。
しかし、これはかなりストレスに繋がる要因でもあり、「あの人がいると仕事が進まない」などという軋轢も生じてしまいます。
新聞屋の仕事は一人で完結する部分が多いです。
配達に関しても、決して誰かに監視されるわけではなく、時間に余裕があれば途中で休憩することだってできます。
拡張や集金においても基本は個人の裁量なので、結果を出すことは前提で、休みたい時は自由に休めます。
「自分の仕事のペースを崩されるのが嫌い」
「誰かと一緒に仕事をするのが強烈なストレスだ」
そんな人にはとてもおすすめです。
結果が出た時の喜びが大きい
私は過去に営業職もやってきましたが、「営業するぞ」と言う空気感は、想像以上に相手に伝わるものです。
なかなか上手くいかなかったり、自分の意思と反することを言った時に相手に見透かされたりします。
そう言う意味でも、「いかに自然体で相手と向き合えるか」を突き詰めた時に、自分らしい営業ができた感覚があります。
勧誘と聞くとイメージは悪いですが、心から「これが良い!」と思い相手に伝えると、相手の心は動いたりします。
営業職に共通して言えることですが、結果が出るまでは長くても、試行錯誤して結果が出た時の喜びが大きいのが面白いポイントです。
「トラブルを起きないように対策をする仕事」は、見えないところで手を打つことばかりなのでなかなか褒められません。
自分のやってきたことが、数字として分かりやすく反映されるのが魅力だと感じます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は新聞屋で行われている業務について、経験を踏まえてお話をさせて頂きました。
職業を選ぶ際に、多くの人は「給与が高そう」「企業が安定していそう」など、会社に全ての要因を委ねると思います。
しかしそれ以上に、
「私はどちらかといえば営業よりだな」
「ずっと机に座る仕事はできないな」
というような自分の特性にフォーカスして職業選択をすることが大切だと感じます。
新聞屋は現代において決して多くの人に選ばれる職業ではありませんが、自分の適性を見定めながら選択をする際の参考になれば嬉しいです。
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