保育の業界というと保育士や給食の調理師さんの仕事がクローズアップされがちですが、保育園も法人ですので様々な事務作業があります。

今回は、保育園事務の仕事内容について迫っていきたいと思います。

この記事が理解を深めていただくための一助になれば幸いです。

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保育園事務の仕事は大きく3個の役割に分けられる

人事労務管理の役割

一つ目は人事労務管理としての役割です。

この業務は大きく二つに分けられます。

採用、勤怠管理です。

対外窓口としての役割

特に認可保育園における対外折衝の相手は、ほとんどが役所と保護者です。

この業務は大きく分けて役所関連の業務と保護者対応の業務とに分かれます。

総務経理としての役割

そして三つ目が総務経理としての役割です。

総務は主に備品の管理や購入、設備のチェック等です。

経理事務については、領収書の管理、集計などの業務があります。

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人事労務管理の2個の業務

採用業務

多くの保育園が抱える課題が保育士の確保、採用課題です。

保育士は資格を持っている人の約半数が、潜在保育士と呼ばれています。

つまり、資格を持っているにも関わらず保育士として働いていない人が多いということになります。

また、昨今は待機児童の問題もあり、どこの保育園でも保育士を継続的に募集しています。

そんな中、保育園の事務方にとっての重要なミッションが採用業務です。

具体的には、利用する求人広告の選定から原稿作成、応募者対応や面接の設定などが業務内容となります。

園長が採用業務を行う保育園も多いと思いますが、細かな作業も発生しますので、事務方の活躍が期待される分野であることは間違いありません。

勤怠管理

これは日々の現場をスムーズに運営していく上でも優先度と緊急度の高い業務となります。

一番大切な仕事は、シフト作成です。

多くの保育園では、朝の7時~夜7時頃まで開園している施設がほとんどです。

そうなると多くの保育園でシフト制が敷かれています。

早番・普通番・遅番と呼ばれるシフトです。

特に認可保育園の場合は先生の人数によってお預かりできる子どもの数が決まっていますので、必ず各時間帯に先生を確保しておく必要があります。

シフト作成とシフト通りの運用は、健全な保育園運営には不可欠の要素となります。

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対外窓口の2個の業務

役所関連の業務

認可保育園の場合、行政から委託費という形で売上を入金してもらう流れになります。

保育園の現場運営が健全にされているかどうかをチェックするのが行政の役割です。

行政は、保育園を正しく管理していくために膨大な量の書類を管理しています。

逆に言えば、保育園は多くの書類を作成して行政に提出する義務があります。

具体例を挙げていくと、園児に関する書類、保護者の勤務状況に関する書類、給食の献立、保育計画や経過記録と呼ばれる園児の記録、資格保有者が適切に配置されているかを確認する書類等々…実は数え切れないくらいの書類があり、これらを保育園側は行政に都度提出していかないといけないわけです。

保護者対応

電話の窓口業務を行うのも事務方の仕事です。

主に保護者からの電話連絡になりますが、中には一時保育を新規で依頼したい親御さんからの連絡や、新規取引先からの営業の連絡なども入ってきます。

総務経理の3個の業務

総務

実際に保育園に行くと分かるのが、その消耗品の多さです。

手洗いせっけん、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、台所洗剤、洗濯用洗剤、画用紙やのり、マジックなどの文房具などなど。

消費する日用品の数は膨大な量になります。

これらの備品の在庫状況などを常にチェックして、必要があれば適宜調達するのも事務の仕事になります。

経理事務

この業務は園長自ら行っている保育園も多いと思いますが、備品の購入が多い保育園では、小口現金の決済が多数発生します。

保育園と言えども法人の運営ですから、決算のタイミングで適切な会計処理を行います。

その準備として、毎月何にいくら使ったのかを勘定科目ごとに仕訳を行えるよう、領収書の整理などが必要になります。

経理事務の役割を担うこともあるのです。

園長業務との仕事内容の違い

園長業務と呼ばれるものも多くは施設や職員の管理にあたるものですので、事務方の仕事と混同しやすい部分があります。

しかし大きく異なることは、園長の仕事は決裁し経営判断をすることである一方、事務方の仕事は書類準備やお膳立てをし決裁を仰げる状態を作ることにあります。

そういう意味で、責任者である園長と比較するとより実務的な要素が強い可能性があります。

これは、会社組織における社長と管理部門の役割の違いに似ているかもしれません。

保育園事務の仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

簡単なパソコンスキル

事務方は人と物を管理するのが仕事ですから、パソコンスキルが不可欠です。

Word、Excel、Powerpointなど一連のオフィスソフトは利用できたほうが良いです。

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保育園事務についてよくある疑問

保育園の事務職として働く上で疑問に感じやすい部分について

解説をしていきます。

パソコンスキルは必要?

保育士の場合はまだまだペーパーレスが進んでいるとは言えないのでパソコンスキルはなくても務まりますが、事務方の場合は最低限のパソコンスキルがないと仕事になりません。

給料は安い?

パートとして職務に就く場合は、時給1,000円に満たない保育園も多数あると思います。

保育園の事務職というのは保育士ほど期待される役割が決まっておらず、与えられるミッションは保育園によって様々なので、自分は事務方としてどんなことができるのか具体的に整理しておいたほうが面接の際などに交渉を有利に進め、給料アップなどの話もしやすいかもしれません。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

多くの人にとって保育園の事務職の仕事というのは縁がなく、想定していないものだったのではないでしょうか。

保育園においてもICT化が叫ばれる中、事務方の役割は今後ますます高まっていくと思います。

保育士を後方支援するバックオフィスとして、また運営を厳格に管理し行政との良好な関係を維持していく経営部門として大きな役割を果たしていることは、知っておいて損はないと思います。

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