介護・福祉の仕事は近年ますます需要が増しています。

これからどのような仕事に就こうかと考えている学生さんの中には「理学療法士」の仕事に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

理学療法士は怪我や病気などでリハビリテーションを必要とする方だけでなく、超高齢化社会の現代においては、介護施設や訪問介護などでも需要が高まっています。

そこで今回は理学療法士の仕事内容と業務について経験者がその内容をしっかりとご説明していきます!

理学療法士の大まかな仕事内容

理学療法士の仕事内容は、おおまかに言うとリハビリテーションを必要とする人々に対し、日常生活をおくることができるように作業療法・理学療法により、それぞれの状態にあったリハビリテーションを行いながら、身体の機能を回復させます。

身体の機能だけでなく、精神的なケアや日常生活や自立生活、社会復帰や職場復帰などに必要なコミュニケーションや考え方などの対人能力のロールプレイングなどを行うこともあります。

理学療法士の仕事は大きく4個の役割に分けられる

役割①:身体機能を向上させる

最も多いのは身体機能を向上させるための仕事です。

病院などでリハビリテーション室を見たことがあればイメージしやすいかもしれません。

器具やリハビリのための道具などを使って、関節の動きをなめらかにしたり、筋力つけて身体の機能を回復させます。

こういったリハビリを続けていくことで、徐々に筋力や運動能力を回復させ、事故や病気などの手術のあとに弱まっている歩行能力や運動能力、手足の動きなどを回復させていきます。

役割②:感情表現の発達に働きかける

特に高齢者の方の場合は、周囲の状況を認識する能力が年齢とともに落ちている場合があります。

また、日常生活を送る上で必要な動作や、時間やさまざまなモノへの認識力を高める訓練も行います。

さらに、知的障害を持っている患者さんに対してはレクリエーションや会話などを通じて感情表現の発達に働きかけることもあります。

役割③:日常生活の動作訓練を行う

患者さんは病院にいる間は看護師さんにサポートしてもらうことができますが、最終的に退院したあとには自力で日常生活をおくることができるようにならなければなりません。

そのため、日常生活で必要な動作を行なうための訓練を行います。

そのために、ひとりひとりの家の環境や仕事などに合わせて動作訓練のプランを考え、機能向上をはかるための内容を考えます。

役割④:その人が持つ能力を最大限に引き出す

事故や病気の直後には精神的にショックを受けてしまっている患者さんも多くいます。

そんな患者さんのための精神的サポートも理学療法士の仕事のひとつです。

仕事や社会生活を送るために必要な対人能力やコミュニケーション能力を、事故や病気の前、あるいはそもそもその人が持っている能力を最大限に引き出すための訓練を行い、職場復帰や自立して生活ができることを目指します。

役割①:身体機能を向上させるための2個の業務

リハビリテーション(筋力トレーニング)

身体機能を向上させるための業務のひとつめは、筋力トレーニングをメインとしたリハビリテーションです。

天井からぶら下がった太いゴムや、ボールなどを使って、筋力を回復させるためのトレーニングを行います。

また、道具を使用せずに理学療法士が足や手などを支えながら動きをつけて関節の動きなどを慣れさせていきます。

リハビリテーション(歩行訓練等)

身体機能を向上させるための業務のふたつめは、歩行訓練等をメインとしたリハビリテーションです。

ポールなどにつかまりながら、あるいは理学療法士の手で支えながら自力で歩行訓練を行います。

これは主に足に怪我や手術などをした患者さんや、脳や神経などに病気があり、歩行が自力で行えない患者さんに行います。

役割②:感情表現の発達に働きかけるの2個の業務

レクリエーション

感情表現の発達に働きかけるための業務のひとつめは、レクリエーションです。

知的障害を持っている患者さんに対してはレクリエーションを通じて感情表現の発達に働きかけます。

一般的な会話をすることが難しい場合でも、ゲームなどのレクリエーションを通じてであれば、少しずつ人とのかかわりを持つ訓練となる場合もあるためです。

コミュニケーション

感情表現の発達に働きかけるための業務のふたつめは、コミュニケーションです。

レクリエーションで人とのかかわりを持つことに慣れてきたり、意思疎通をすることができるようになってきた場合には、会話やコミュニケーションなどを通じて情緒面に働きかけることで感情表現の発達をうながします。

役割③:日常生活の動作訓練を行うの2個の業務

食事や着替え、入浴などの練習

日常生活の動作訓練を行うための業務のひとつめは、食事や着替え、入浴などの練習です。

患者さんは筋力の回復や歩行訓練だけでなく、やはり自立した日常生活を送ることができるようにならなければなりません。

そのため、日々の食事や着替え、入浴といったことを自分ひとりでできるように、サポートをしながらじょじょに自分ひとりでできるようになるための練習を行います。

粘土や工作・楽器演奏などの作業

日常生活の動作訓練を行うための業務のふたつめは、粘土や工作・楽器演奏などの作業です。

食事や入浴などの日常生活に加え、よりその動きや脳の回復を高めるためにも、手先を使った作業はとても良い効果をもたらします。

そこで、粘土や工作といった楽しみながらできる手先の訓練や、楽器演奏などを通じて、身体全体の機能向上を目指します。

役割④:その人が持つ能力を最大限に引き出すの1個の業務

ロールプレイング

その人が持つ能力を最大限に引き出す業務はロールプレイングです。

精神的な回復に欠かせないのは実際に近い状態を練習してみることです。

そこで、相手の仕事や日常に近い状況でのロールプレイングを行ない、精神的な負担や恐怖心をやわらげていきます。

理学療法士の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

理学療法士は、事故や病気などで怪我を負った患者さんのリハビリという、心身共に傷ついた方の相手をしなければならない大変さだけでなく、その人それぞれによってどこまで日常生活に近い状況に戻れるかわからないと中でサポートしなければならないという辛い立場でもあります。

また、なかなかすぐには結果がでない中で励ましながら回復を目指すことは決して楽なことではありません。

さらに、高齢者の方の場合には精神的にも問題を抱えている方も多く、心を開いてもらうまでに苦労することもあります。

そんな大変な仕事ではありますが、理学療法士の仕事にもやりがいを感じるポイントがあります。

患者さんが回復とともに笑顔を取り戻してくれるのが嬉しい

最初は事故や病気のショックで精神的にもふさぎこんでいたり、心を閉ざしていた患者さんが、身体の回復と共に、少しずつ前向きな姿勢をみせてくれたり、病気やケガを受け入れることができるようになっていったり、あるいは笑顔を見せてくれることがあります。

また、高齢者の方の場合には、年齢が離れていることもあり、なかなか信用してもらえなかったりリハビリテーション自体を拒否されてしまうこともありますが、だんだん心を開いてくれるようになり、最終的に自分を指名してくれることもあります。

このように、理学療法士として身体の機能の回復をサポートしているなかで、だんだんその患者さんや利用者さんが自分を信頼してくれたり、笑顔になっていったり、人生を前向きに生きようとしてくれる様子に立ち会うことができるのは大きな喜びです。

長いお付き合いになるので、仲良くなれると嬉しい

リハビリテーションや日常生活を送るための機能回復は決して短い期間では叶いません。

必然的に、理学療法士はそれぞれの患者さんや利用者さんとは長いお付き合いになります。

そのなかで、毎週決まった曜日や毎日決まった時間にリハビリテーションのために会っていると、だんだん仲良くなることができます。

そして、近況を報告しあったり、ときには自分の恋愛話にダメだしをされたりと、「ヒト対ヒト」の関わり合いができるようになってくることは楽しみでもあり、嬉しく感じることもあります。

もちろん、全員とそういった関係になれるわけではありませんが、それぞれの患者さんや利用者さんとの関係性が深まっていくことは実感できます。

日常生活に戻れるくらい回復をしたときに「あなたのおかげ」と言ってもらえる

最も嬉しいのは、その患者さんや利用者さんが回復し、リハビリテーションを終了するときです。

初めて会ったときよりも顔が晴れ晴れとしているのも嬉しいことではありますが、「あなたのおかげで日常生活を取り戻すことができました」「社会復帰なんてできないと思っていたけど一緒にがんばってくれたおかげで希望が持てました」といった言葉を頂くことができたときには、本当に理学療法士という仕事をやっていてよかったと感じることができます。

面白いポイント

理学療法士ならではの面白いポイントもあります。

いくつかご紹介しましょう。

訪問介護などでは家族のように接してもらえる

訪問介護では、毎週決まった曜日にその方のご自宅まで伺います。

特に高齢者の場合には、一人暮らしで寂しさを抱えていることも多く、まるで家族のように出迎えてもらえることもあります。

また、「待っていたんだよ~」と顔を見せるだけでも喜んでもらえることは嬉しいポイントの一つかもしれません。

ごく稀に食事やお酒を一緒にと誘われることもあります。

規則上そういったことはお断りしなければならないのですが、そこまで信頼してもらえていると思うととても嬉しい気持ちでいっぱいになります。

医師や看護師、介護士や作業療法士とのチームである

「●●士」とつくと、なんとなくひとりで行う仕事をするようなイメージがありますが、基本的に理学療法士はひとりでなにか仕事を行なうことはほとんどありません。

病院の場合には、医師や看護師とともにその患者さんの状態や様子、手術や病状をみながらリハビリテーションプランを相談し決めていきます。

また、リハビリ中の様子や回復度合いを担当医師に報告します。

場合によっては作業療法士に引き継ぎます。

訪問介護や介護老人保健施設の場合には、介護士や看護師などと一緒にチームで施設全体を回していくことが重要になります。

通所リハなどの場合であっても、他の理学療法士や介護士などと一緒にその日の動きを考えていきます。

どのような職場環境であれ、チームで仕事をしていくということは、意外に思われることもありますが、実際の仕事の現場では絶対に理学療法士だけでは、その患者さんの回復をサポートすることができないのが現状です。

医療や専門知識だけでは勤まらない

医療や福祉の現場でそれまでに学んできた知識や医療の専門知識を駆使して機能回復をするイメージの強い理学療法士ですが、必ずしもその患者さんや利用者さんに自分の考えたリハビリテーションプランが合致するとは限りません。

そのため、試行錯誤したり、PDCAをまわしながらその方ひとりひとりに最適なプランを考えるなどの「思考力」が必要とされる仕事です。

さらに、長きにわたるリハビリテーションの中で、ときに苛立ち治療を投げ出しそうになる患者様を支え、励ましながら粘り強く患者さんや利用者さんと向き合っていく根気強さや穏やかさも必要とされる仕事です。

もちろん、精神的なケアを行う際には専門知識だけでは太刀打ちできないことも多くあります。

ゆっくりとその方の状況や考え、価値観やこれからの未来に対し、まるで自分のことのように向き合っていく「寄り添い力」が必要です。

これはなかなか勉強や専門学校で資格取得するなかでは身につくものではないため、自分の適性などを見極めることも重要です。

まとめ

今回は理学療法士の仕事内容と業務について、その内容をご紹介しました。

理学療法士は病院、介護老人保健施設、通所リハ、訪問介護などのさまざまな場所で必要とされている存在です。

また、患者さんや利用者さんに対して1度きりではなく長いお付き合いになり、互いに回復を目指して一緒に頑張っていくところにやりがいがあります。


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