広告代理店は大小様々ありますが、全国展開している広告代理店の小さな地方都市支局での業務の実際を紹介します。

事務所は地方都市駅前にある街中心部のビルの一室。

支局長1名、事務員1名、営業1名の3人体制です。

制作業務などは近隣別の都市の大きな支店にあり連絡も密にとることができ、少人数といっても仕事内容は充実したものとなっています。

月に数回会議などで基幹の支店に出向くことがあります。

この記事では、広告代理店営業の仕事内容についてご紹介していきます。

広告代理店の営業の大まかな仕事内容

お客さん探し、テレビ局、新聞社など媒体各社とのつきあい(情報交換)、お得意先まわりが大切です。

別の言い方をすれば、営業で広告主を探すこと・広告を載せてもらう媒体各社との良好な関係・得意先のフォローといったところです。

広告代理店の営業の仕事は大きく3個の役割に分けられる

お客さん探し(営業活動)

テレビ、ラジオ、新聞、折込チラシなど様々な媒体をスポンサーの要望に合う形で提案します。

まずテレビ・ラジオCMのスポンサー探しならば、大まかに言うとタイムCMとスポットCMに大別されます。

タイムCM は、決まった番組内でCMが流れて提供クレジットが出ます(「提供はご覧のスポンサーで・・・」というもの)。

スポットCMは、決まった番組ではなくターゲットとなる視聴層(例えば、主婦など)の生活スタイルにあった時間帯にCMを流すといったスタイルのものです。

新聞社など媒体各社とのつきあい

民放テレビ局各社・新聞社など、頻繁に会いに行きます。

情報を得たり、良好な関係を保つ顔つなぎであったり訪問理由は様々です。

お得意先まわり(得意先のフォロー)

得意先との信頼関係を築く上で大切な業務です。

定期的に広告を出してくれるところばかりでなく、しばらく広告を出していない休眠中の得意先も重要なフォロー先と考えます。

情報を持っていったり、広告出稿されている所ならではの特典を持っていったりと、その後の広告出稿がスムーズに進むようにする根回し的な部分でもあります。

お客さん探し(営業活動)の3個の業務

自分の知識や見識の向上を図る

スポンサーと話をして広告を出してもらうためには、広告を出してくれるスポンサーの業界、その周辺の業界、世の中の動きなどを把握しておく必要があります。

広告業界はあらゆる場面にその糸口があるといっても過言ではない業界なので、世の中に関する研究・勉強は欠かせません。

このことは、この仕事をする上で欠かせないものですので、立派な業務のひとつと言えると思います。

広告を作ることは「人の欲望を喚起する」ものを作り出すことですので、人の持つ欲望をスポンサーの商品にどう結びつけるかを考える洞察力が必要不可欠なのです。

テレビ番組のスポンサー探し

特定のテレビ番組に対しての広告出稿の形態でタイム広告があります(前述)。

その営業の一例として、ローカル編成(全国放送でない)のひとつのミニ番組(5分)での営業の実例を紹介します。

この番組企画は広告代理店側から提案した企画で、医療機関に関するものでした。

医療機関の信頼性が上がるとされているある認定制度があるのですが、この認定制度の良さや信頼性を紹介する番組です。

スポンサーのターゲットは認定を取っている医療機関です。

アポ取りをして担当者の方に会い広告枠を販売していきます。

ちなみに、一つスポンサーが決まれば、「あそこが出すならうちもやらないと・・・」といった感じでスポンサーが決まっていくこともありました。

また、番組に広告を出すのではなく、時間帯で広告出稿枠を決めるスポット広告があります。

スポット広告の一例として、食品製造をする会社に対してのものを挙げてみます。

メインに売り出し中の商品に対して昼の時間帯、夕方(夕食時時間)あたりをメインとして主婦層にアピールするように広告を出す提案をして、広告のフィルム制作(広告自体を作る制作も料金が発生します)とともに依頼をもらうことができました。

広告主にあった媒体の提案

広告代理店というとテレビなど、派手な印象のメディアを想像することが多いと思います。

しかし、地方(ローカル局)のテレビCMを見ると、これをテレビでコマーシャルする必要があるのかな?と疑問に思うものがあるのも事実です。

たとえば、地方都市の僻地にある小規模な店のCMなどです。

その県全体にCMが流れても費用対効果を考えると、本当に最適な選択か疑問に思う場合もあるからです。

スポンサーが自己満足でテレビに広告を出したいのであれば仕方ありませんが、実際はその地域での新聞折り込みチラシのほうが宣伝効果がピンポイントで広まり効果的ということも考えられます。

スポンサーの利益のために広告を売るというスタンスから言えば、どの媒体がスポンサーにとってベストなのか常に考える必要があります。

新聞社など媒体各社とのつきあい2個の業務

媒体企業(テレビ・ラジオ局や新聞社など)との良好な関係を築いていく

大体の場合、テレビ・ラジオ新聞の広告は代理店を通すことが通例となっていますので、媒体社(メジャーなところはそう多くはない。地方なら特に)に対する広告代理店の数からいっても良好な関係は大変重要なものとなります。

企画を持ち込んだりした場合も通りやすさに影響があると考えられます。

特に用事がなくても話を聞きに行ったり、何かしら情報を持って話しにいくなどして担当者と、さらにその上席者ともスムーズな関係を構築するべきです。

企画の持ち込み

広告代理店の業務はいといろな媒体に広告を出してくれるスポンサー探しがメインではありますが、テレビ局などに番組の企画を出し、協議・審査して番組枠を確保してその番組のスポンサーを探すこともあります。

(番外編)おつきあい

お酒の席も重要な仕事と考えられます。

夜遅くから始まるものもありますし、連日ということもあるので体力的にきついこともしばしばあります。

ただ、前に挙げた良好な関係を築くことに一役買っていることは確かでしょう。

人によってはゴルフだったりとか。

体育会系な側面があることは確かだと思います。

お得意先まわり(得意先のフォロー)の2個の業務

御用聞き的な業務

お得意様や休眠中(以前は広告を出してくれていたが、最近出していない)のスポンサーに対して広告の企画を持っていったり、最近の動向や景気などについて話にいったり、聞きに行きます。

テレビ・ラジオスポット広告は各媒体社がスポット広告の企画を出しているのでそれを提案したり、小売業などに対しては、季節のイベントに絡めて新聞広告や折込チラシを提案するなどします。

パブリシティーの提案

スポンサーのフォローとして捉えない場合もありますが、スポンサーにとって嬉しい自社のアピールの場としてパブリシティーがあげられます。

「パブリシティー」とは「広告」ではなく、媒体側(テレビ局や新聞社など)が情報発信するスタンスで行われるPR活動で、基本的にお金がかかりません。

その形式は例えば、情報番組やニュース番組の1コーナーで、あるいは新聞紙面で、フリーペーパーの紙面で記事として商品や会社などが紹介されるというもので、PR効果が大きいとされています。

ただ、パブリシティーはあくまで媒体側の主体的に情報発信したいモノやコトを発信するスタンスなので、広告代理店の営業の一存で決められるものではありません。

媒体側との良好な関係ができていれば、出稿量が多いスポンサーに対して有利に働きかけもらって、パブリシティーとして取り上げてもらいやすくなる一面があります。

広告代理店の営業の良いところ

やりがいを感じるポイント

いろいろな業種や商売に触れることができたり、テレビ・ラジオ、新聞社などの媒体各社の中に入り勉強できること。

広告出稿が決まり、制作し、広告として露出したときの達成感などです。

いろいろな業種に触れることができる

小さい地方都市でも、街の中は広告に溢れていますし、各種小売店や、スーパー、保険会社の支店や旅行代理店、各種メーカーの支店など、様々な業種が混在しています。

この全てがスポンサー候補の企業であり、実際何らかの広告に関わっていることがほとんどでしょう。

これら様々な種類の職業とかかることができるのは広告代理店のやりがいのひとつと言えるでしょう。

もちろん、大変さでもありますが・・・。

媒体について理解が深まる

一般的にテレビ・ラジオ広告や新聞・雑誌、折り込み広告などを見聞きしている場合は、消費者としての自分対目の前の広告という関係でしかありませんが、広告代理店で働くということは、その広告がのっているもの(媒体)との関係を始めることです。

テレビ局、新聞社の内側や各媒体のルールや形などに関わることができます。

スポンサーが決まったとき、広告が出たとき

リサーチし、足を使ってスポンサーを探して、何度も交渉した末に広告を出してもらえるようになったときは苦労が報われたような嬉しさがあります。

このあと媒体社側、スポンサー側との様々な折衝があり広告が完成していきます。

そして、広告が完成し、それが出た(テレビ・ラジオなら放送、新聞なら掲載、チラシなら配布)ときは自分の提案したものが形となって多くの人間に向け発信され、社会に働きかけができているという喜びがあると思います。

意外な面白み

思いがけない人に会える驚きがあります。

また、業界用語が身につく、広告として学び、評価しようとする目になるなどが挙げられます。

著名人に合う機会がある

スポンサーの広告に起用されている女優さんに会う機会がありました。

あるメーカーのパブリシティーで、イメージキャラクターの女優さんが製造現場を訪れるという企画でお会いしました。

少し会話を交わす程度ですが画面で見るときとの違い、背丈や声、画面以外のときの振る舞いといったものを身近で感じることができ感銘を受けました。

広告業界の用語が面白い

テレビCMではステーションブレーク(番組同士の間の時間)、カウキャッチャー(番組直前に流れるCM)、ヒッチハイク(番組終了直後に流れるCM)、GRP(合計でどの程度の視聴率があったかの指標)など、面白いと思える表現が普通に飛び交います。

新聞では段数で1広告面積を決めていて、縦下記の文字が横に長く伸びているひとつのかたまりを1段と呼びます。

普通のサイズの新聞は12段や15段で1ページが構成されています。

これに呼応して5段分の広告なら全5段、略してゼンゴ、高さ5段分で紙面横半分なら半5段略してハンゴ、三段で横半分なら半3段、新聞1面の下によくある書籍紹介広告の3段分が6個に分割されているものをサンムツなどといったりします。

どの業界にも、専門に特化した用語があるものですが、広告の用語は世間に広く浸透している割にその呼び名が全く世間に知られていないようなものが多いのでとても面白く感じると思います。

また、業界に関わる前は意識していなかった、印刷物のカラー(4色という)、単色、2色、モノクロに対してもその費用や効果的かなどについて考えるようになり見方がかわりました。

広告に関わる人間の目になる

また、テレビにしても新聞・雑誌、折り込み広告や電車の中吊り広告に対しても、その広告が示す意図(ターゲーットや重要なメッセージ)について批評的に、あるいは学習教材的な目でみる態度が自然とついてきます。

その広告の写真のとり方や、メインのコピーやボディコピー(商品についての具体的良さなどが記された文)を自分ならどうするか、同じ内容で全く別の広告にするならどうしようかなど考えが膨らむ楽しさがあります。

また、逆に言えば常に仕事に関係する考えが浮かび疲れてしまう部分もあるので、オン・オフを意識して分ける必要もありますが。

まとめ

今回広告代理店の業務に関する一例として書いてきましたが、実際、広告代理店営業の守備範囲は単純にこれだと線引きできるものではありません。

一番大切なことは広告代理店の営業はスポンサーと媒体社の間にあって、その2者をとりもつ重要な位置にあるということです。

会社内外の各部門の担当者およびスポンサーと協力し合って、うまく広告が出せるように多方面で立ち回る役目といってもいいと思います。

もちろん、一人で行うのではなく各部門の人たちにうまく動いてもらうことが必要ですので、他人の意見を聞く能力や伝える能力、統率力を持つことが重要です。

その他、広告代理店内部での業務である営業の会議や、内部及び外部の研修、スポンサーによっては集金などの業務を伴う場合もあります。

この仕事に興味を持っていただいた方が一人でも多くいらっしゃったら嬉しいです。


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