2020年7月6日

大学職員の求人を見るとその内容は多岐にわたります。

一般的には事務職員として認識されていますが、その中には多くの分担があり、様々なことを経験することができるのです。

そこで、実は多数ある大学職員の職種についてや業務内容を詳しくご説明していきたいと思います。

また、大学職員のおすすめな求人のポイントもおさえていきますので必見ですよ。

この記事で気になる疑問を解決して「大学職員」にさらに興味を持っていただければと思います。

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大学職員のおおまかな仕事内容

大学職員の仕事は、法人運営業務、学務(教務)関連業務の二つに分けられます。

恐らく多くの方がイメージするのは、事務室で学生対応をする仕事でしょう。

実はそれ以外にも大変幅広い仕事が存在していますので、それらを詳しく紹介していきます。

法人運営業務

総務、人事、経理、広報、管財、情報システムなど、一般企業と同様の法人を運営していく上で必要な部署です。

他に大学特有のものとしては、校友課などの名前で卒業生のデータ管理やイベント時の対応を行う部署や、寄付金を募集するための企画から担当する部署があります。

ほとんどの部署では学生と関わることはありませんが、情報システム課などは、職員や教員以外に学生が使用するシステムの管理も任されていることがあり、直接学生とやり取りする場合があります。

法人としての大学を運営すること、全体の方向性を決定していくことに興味がある人にお勧めです。

学務関連業務

各学部事務室、キャリアセンター、図書館、入試課など、学生と直接関わる部署です。

学部事務室はそれぞれの学部に設置されていて、学生管理や定期試験、学生の生活そのものを支援します。

キャリアセンターは学生の将来について共に考え、より良い進路を選択できるようアドバイスやカウンセリングを行います。

とにかく学生と関わることが多いので、人と接することが好きな人、突発的なトラブルやそれらの対応についていける人にお勧めです。

大学職員はどういう役割を求められる?

まず、学生を第一に考えて行動することが求められます。

経営の観点からみれば学生は大学にとってのお客様ですが、これから学び社会へと出ていく若者を、心から支え応援していく立場にあるのが職員です。

は教員とは異なる役割であり、学生の日常生活の支援から、その保護者にも納得してもらえるような大学の運営を実現していくという重要な責務でもあります。

大学職員の求人にはどんな種類があるの?

基本的には事務職員として一括で採用し、各部署に配属されることが多いのですが、中には特定の職種や専門性のある技能別に求人を出すこともあります。

大学職員求人の募集でよくある職種のパターン

それでは、大学事務職員がどういう部署や仕事内容に分けられるのか、具体的にみていきましょう。

ここでは、事務職員とその他の専門的な求人について説明します。

事務職員

最も一般的な職員の募集です。

先にご説明した法人や学務関連業務を担当できる人を採用します。

特に必要な資格や経験はない場合が多いのですが、最近では年齢に上限が定められている求人も増えてきました。

これは採用後に長い期間働ける人材を求めていることが多いようです。

図書館司書(または学芸員)

主に学内の図書館に勤務する司書資格を持った職員の募集です。

それぞれの図書館の規模にもよりますが、大学図書館には一人から数名程度の司書が勤務しています。

一般の事務職員の中から司書資格を持っている人が配属されることもありますが、退職や産休などのタイミングで専任、もしくは契約職員として募集が出ることが多いです。

司書も人数が少ないので狭き門ですが、博物館を持っている大学の学芸員も頻繁に募集はしていないので、どちらも見つけたら逃さず応募することをお勧めします。

仕事の内容は、図書館であればほぼ学生対応となりますが、教員が研究のために図書館に通う場合もあるので、司書としての経験があると心強いです。

他にも司書資格を持った職員がいる場合には、数年でジョブローテーションに組み込まれて異動となり他の業務を経験することもあります。

看護師

看護系の大学以外では、保健室や医務室に勤務する養護教諭のような立場の職員を募集することがあります。

看護師の資格が必須ではありますが、フルタイム勤務の専任職員や、午前中のみ、または交代制のパート職員としてなど、採用のパターンが複数あります。

実際に勤務する場合には、学生はもちろん教職員への対応も必要となりますので、専門性を十分に発揮しつつ、学内でも非常に多くの人と関わることができる仕事です。

管財関連

職員数の少ない大学では事務職員が担当していることもある管財課での仕事ですが、経験者採用を行っている大学もあります。

学内にある様々な施設の保守・管理を担当し、トラブルなどがあった際にすぐ対応していく仕事です。

大抵の場合には外部の専門業者と連携して動くので、学内での専門家でありつつ、外部との折衝担当者でもあると考えて下さい。

中には、長い目で見た全体の修繕に関する計画や、それに伴う予算の管理も任される大学もありますので、やりがいはとても大きなものです。

情報システム

こちらも管財と同様、経験者採用を行っている場合があります。

特に経験のない事務職員では堅固なシステムを管理運営することには不安がありますので、最近では情報システムの管理会社からの転職者を求めるような募集が出ています。

仕事の内容は、職員が使用するパソコンや全体のシステムの管理、学生が履修登録や情報収集に使用するポータルサイトの管理・運営、更には大学の顔とも言えるホームページの作成や管理などです。

大きなシステムの運用については、大抵の場合には外部の業者と連携して行っていきますが、業者の対応外のトラブルやメンテナンスなどは職員が担当することになります。

十分な経験のある人には、力を発揮して大きく人の役に立てる仕事ですので、ぜひ挑戦してみて下さい。

広報課

大学の広報は、実は想像以上に幅広い仕事をしています。

学外からの問い合わせ全般を担当するのはもちろん、大学そのものを宣伝するホームページや広告の企画、マスコットキャラクターを作って学祭などの学内イベントや高校での入学案内イベントに出演させる、学内施設をテレビや映画などの撮影に使用する際の窓口となるなど、非常に忙しい部署です。

こちらでも一般企業や他大学での広報実務を経験した人を募集することがあり、担当業務をスムーズにこなすことのできる人材が求められています。

広報は資格職ではありませんが、経験が物を言う面もあるために長く経験を積んでいける仕事です。

大学では在学生以外にこれから進学を考えている高校生に向けての情報発信もありますので、ちょっとしたアイデアを生かしていけるシーンもあるでしょう。

高校生に向けての仕事では、入試課や教員と連携して動くことも多くなります。

とにかく学内学外問わず、様々な場所で多くの人と仕事をしたい人にお勧めです。

キャリアセンター

学生の進路についてのアドバイスや、適性についての相談を行う部署です。

仕事で主に関わるのは学生ですが、それぞれの学生を研究室などで受け持つ教員とのやり取りが発生することもありますので、とにかく人と関わることが苦にならない人が求められます。

また、こちらではまれにカウンセラー経験を持つ人や、他のキャリアセンターでの実績を持つ人を募集することがあります。

学内のジョブローテーションで経験のない職員が配属されるのが一般的ですが、学生にできるだけ効果的なアドバイスをしたい、または進路に悩む学生のメンタル面をサポートしたいというニーズがありますので、経験を生かして活躍したいという人には大変お勧めです。

キャリアセンターに勤めていたことのある人に聞いた話では、やはり自分に合った進路を見つけて巣立って行く学生の姿を見られる仕事は、非常にやりがいのあるものだといいます。

経理・財務関連

経理や財務関連の仕事も、基本的には一般企業と大差はありません。

しかし、大学では一般企業とは異なるお金の扱いも発生します。

その最も有名なものが科学研究費(科研費)と呼ばれるもので、各分野の研究にあたって支給されるお金です。

大学教員は同時に研究者でもありますので、教員の獲得した科研費の経理処理を大学の方で行うことになります。

それほど煩雑な処理ではありませんが、経験があると理解がスムーズになるので、専任職員以外に契約や派遣職員でも経験者を募集していることがあります。

大学で経理関連の仕事をしたいと考えている場合は、科研費の概要だけでも勉強しておくと強みになるでしょう。

また、学校会計や法人運営に関わる財務業務の経験者採用も時々求人が出てくるので、希望する人はチェックしておく価値があります。

管理職

これは職種ではないのですが、最近よく目にすることの増えた求人です。

これまでに何らかのマネジメント経験を持つ人を対象としています。

内容としては、マネジメント経験の年数、管理してきた人数や業務内容を応募資格として設定しているものが多いです。

経験の有無のみを求める大学もあれば、指定された年数以上のマネジメント経験を求める大学もありますので、自身の経験を生かせそうなものを根気よく探してみて下さい。

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大学職員求人でよくある募集内容とは?

それでは、先に挙げた学内での様々な職種について、給与や勤務時間等の具体的な募集内容をご紹介しましょう。

給与相場

年収で見た場合、平均で約400~800万円と幅があります。

大抵の求人には新卒採用者の給与が記載されていますが、それは意外と低く感じるかもしれません。

ただ、年数を経れば問題なく昇給していくパターンがほとんどです。

特に心配になる時には、直接確認してみて下さい。

経験者採用については前職での給与を聞かれることがあり、それをベースに給与を決定することもあります。

勤務時間や休日、残業

勤務時間

8時30分から17時くらいまでのところがほとんどです。

授業が始まる前から準備を始め、学生が登校する頃には事務室等を開けられるようにします。

入学試験の時期には学内全体で動くことが多いので、入試課などの担当部署以外でも試験開始よりかなり早く出勤して準備をすることがあります。

休日

基本的にはどの大学も日曜日は休日となっています。

大学や部署によっては、土曜日にも勤務がある場合があり、午前中のみの勤務や、隔週で土曜日に出勤というパターンなど様々ですので、自分の生活ペースとよく相談して選択するようにして下さい。

他には創立記念日のような大学ごとに異なる特殊な休日や、ミッションスクールではクリスマスが休日として設定されているなど、一般企業とは様子の違った休日が存在します。

残業

普段はトラブルなどが起こらなければ、それほど忙しい印象はありません。

学務系の部署では定期試験の時期には準備も含めて大変忙しくなります。

また、入試の時期には部署によらず人手が必要となりますので、入試日程次第では残業や休日出勤が増えることがあります。

更に、入試課など学外へ出張しての仕事が多い部署では、通常の勤務時間を超えての業務が多くなる傾向にあります。

福利厚生

どの部署に所属していても、有給休暇はきちんと消化できます。

ただ、部署によっては繁忙期にはなかなか休みと取れない場合があるので、周囲とよく相談しておきましょう。

その他には財形貯蓄も含めて私学共済などが充実しているので、きちんと働いて貯蓄を増やしたいという人には向いている仕事です。

勤務場所

基本的には、大学の各キャンパスが勤務場所となります。

学部事務室に配属となった場合には、各学部の所属するキャンパスに勤めることになりますので、複数のキャンパスを持っている大学では通える範囲にあるか、引っ越しは可能かなども確認しておきましょう。

職種紹介の中で取り上げた司書や看護師は、図書館や保健室のあるキャンパス間では異動となることがあります。

また、特定のキャンパスに事務所はあるものの、広報や入試課などでは学外に出て行って仕事をする時間が長くなる人もいます。

あちこちを飛び回ることが苦痛ではない人の方が向いている職種もありますので、得意な方は検討してみて下さい。

求められる人物像

学生を一番に考え、相手の立場になって物を考えられる人が求められます。

情報を求めている人に適切な対応を考え、問題を解決していける積極性が必要です。

また、先にも書いた通り、フットワークの軽い人も重宝される職場ですので、多くのアイデアを持ってあちこち飛び回れる人にもお勧めです。

必要なスキルや資格、経験

それぞれの職種に必要な資格や経験以外で特に求められるのは、コミュニケーション能力と、物事を期日通りにきちんと管理していけるマネジメント能力です。

職員同士のやり取り以外に、学生、教員、保護者、近隣住民、受験生など、実に様々な人たちとコミュニケーションをとっていく必要があります。

また、学外の業者と一緒に仕事を進めていくことも多くありますので、外との窓口になって遅滞なく業務にあたることが求められます。

小さなミスが多くの学生の生活を乱すことにもつながりますので、大きな責任を負っている自覚を持って仕事に取り組める能力が不可欠です。

大学職員のおすすめ求人のポイント

特定の職種に応募したい時、どんな求人がおすすめかご紹介していきます。

職員の中にも、専任職員(いわゆる正社員)、契約職員、派遣職員など、様々な形態の求人があります。

働きたい期間や仕事の負荷、資格を生かせるかといった点を基準にして選択して下さい。

専任職員

いわゆる正社員と同じ扱いになるのが専任職員です。

事務職として一括で採用され、様々な部署を経験します。

数年ごとに部署間を異動するジョブローテーション制度をとっている大学が多く、だいたい2~5年で異動となり、大学全体の業務を把握できるよう経験を積んでいきます。

職員内での立場としては非常に安定していますが、遠くのキャンパスへの異動となる可能性もあるため、引っ越しや単身赴任なども必要となる場合があるので注意して下さい。

先に紹介したような専門性の高い職種の場合にはその限りではなく、ほとんど同じ部署やキャンパスで勤務を続けることになります。

仕事は本人の希望や適性、経験等を考慮して配属されることが多いです。

法人運営から学務関連まで幅広い業務を経験できるため、ジェネラリストを目指したい人には大変やりがいのある仕事です。

現在はどの大学も新しい方向性を模索していることもあり、面白い発想やアイデアを持って業務を提案していくことも可能でしょう。

契約職員

大学では、いわゆる正社員と同じ職責を持つ人を専任職員と呼んでいます。

契約職員は専任職員とは異なり、雇用の期間やその部署などが制限されています。

一般的にみると長く勤めることもできないし、責任も持たせてもらえないという印象があるかもしれませんが、資格や経験を生かして活躍し、その職能を伸ばしたい人にはその限りではありません。

大学はそれほど多くの採用をしているものでもありませんから、まず自分に合うかどうかを契約職員として入職してから見極め、そこから専任職員への登用を目指すという形が一つの近道となります。

もちろん専任職員への登用制度があるかどうかも確認が必要ですが、特定の能力を生かして仕事をしたい場合にはお勧めの雇用形態です。

派遣職員

実は同じ大学に意外と長く勤めることができるのが、派遣職員です。

最初に派遣された部署で学内の大まかなことを学び、働いていくことに支障がなさそうとなれば、更新のタイミングで他の部署を紹介してもらえることがあります。

最近では派遣に関わる制度も大きく変わってきましたが、勤務先の環境をあちこち変わることなく勤め続けたい人にはお勧めです。

中には派遣で入って複数の部署を経験していくうちに、能力を認められて専任職員として登用されたというケースもあります。

タイミングが重要なので、長くしっかり仕事を続けていたことがよかったのかもしれません。

大学職員の求人についてよくある疑問

大学職員として働きたい、できれば自分の経験を生かして職種別採用に挑戦したいという時にはどうすればいいのでしょうか?

よく耳にする疑問を解説してみます。

職種別採用に応募するにはどうしたらいいですか?

各転職サイトを「学校法人」などのキーワード検索でチェックすることと、希望の大学のホームページをチェックすることをお勧めします。

定期的に出される大学職員全体の求人は探しやすいのですが、職種ごとの募集は規模が小さいので短期間の掲載で終わってしまうことがあります。

働いてみたい大学や通いやすい大学があれば、こまめにチェックして求人情報を入手できるようにしてみて下さい。

面接では何を重点的に聞かれますか?

職種ごとの経験者採用では、当然ですが業務経験の内容について聞かれます。

多くの経験があればいいというわけではなく、これまでの経験を大学での業務にどう生かせるかが重要です。

自分が何をしてきたか、それを大学で具体的にどのような形で生かせるかなど、はっきり説明できるように準備しておきましょう。

役員面接などでは緊張するものと思いますが、自信を持って明るく臨んでみましょう。

大学での勤務は未経験ですが、採用の可能性はありますか?

多くの大学で、新卒採用以外にも定期的な既卒採用を行っています。

職員全体での募集であれば、未経験でも問題ありません。

ただし、今回職種別に紹介したような求人内容の場合には、大学または一般企業で特定の業務を経験した人のみが対象となります。

資格職採用の場合も同様ですので、応募資格や求められる業務内容をよくチェックして応募して下さい。

卒業生以外でも採用されますか?

一般的な大学では卒業生のみを採用するということはありません。

ただ、一部の大学では卒業生を優先して採用しているところもあります。

大学のカラーや校風を重要視し、大学内部の職員からその気質を保つことが目的のようです。

ほとんどの大学ではそういったことはなく、様々な考え方の人を採用して広がりのある大学運営を望んでいるので、安心して応募して下さい。

採用後には、時々その大学を卒業して職員になった人に会うことがありますが、大学について話を聞くとやはり大変詳しいので、働いていく上での勉強になるかもしれません。

まとめ

大学職員といわれる中でも、職種ごとに詳しく紹介してきました。

それぞれの職種で生かせる資格や経験を持つ人には、ぜひ採用試験に挑戦してより良い大学運営に携わって頂ければと思います。

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