予備校講師になろうとする動機は様々で、予備校には色々な経歴を持つ人が講師として勤務しています。

塾講師や高校教師から転職した人もいれば、社会人として営業や接客など異業種の会社に勤務後に講師になった人もいます。

予備校講師で求められることは<生徒を合格させること>で、必要なスキルは生徒を魅了させる講義を行うことのできる伝える力です。

講師の仕事は完全実力主義の競争社会で、講師同士も限られた授業枠を狙い、しのぎを削っています。

その中で生徒から指示をうけた講師のみが、授業枠を確保し、報酬が高くなることで、高収入を得ることができます。

反対に経験が浅かったり、生徒が集まらなかったりする講師は、授業コマ数が少なく、他のアルバイトや予備校と掛け持ちしている状況です。

予備校講師は、多くの場合、非正規雇用での勤務という珍しい職種です。

それならば、求人のポイントは関係ないかと思うかもしれませんが、そうではありません。

本日は予備校講師として実際に勤務した経験をもつ筆者が、予備校講師の生活実態を踏まえながら、求人で見てほしいポイントを解説します。

予備校講師のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

予備校講師の仕事は<講義>に尽きるといっても過言ではありません。

勿論、執筆や講演などを行うこともありますが、それらは講義で実力をだした講師のみが行う副業的な位置づけです。

予備校には大学受験生を対象にしたもの、国家試験受験生を対象にしたものに大きく分けることができます。

例えば大学受験生を対象にしたものには、高校生・浪人生が通い、皆志望校に合格するために通学します。

そのため、予備校講師に求められることは、受験を意識した講義です。

大学別の試験の分析を行い、重要箇所を中心に講義を行います。

生徒の合格実績、生徒からの人気で、自分の年収も決まるというシステムのため、よりよい講義とするための研究を日夜行っています。

そのため、塾講師、高校教師よりも、受験知識に関しては優れていると期待し、予備校に通学する生徒もいます。

なお、講師は多くの場合が非常勤で、営業や事務などをすることはなく、分業されています。

一部、正社員採用の講師などは、キャリアアップの中で他の職種を経験することもあります。

塾講師との違い

予備校講師の仕事とよく似ているものとして、塾講師があげられます。

塾にも受験を意識した生徒は通いますが、塾に通う生徒の中には学校の宿題フォローなどのために通う生徒もいます。

予備校講師に比べれば、受験以外の日々の学習フォローも行うことがあるといえます。

また多くの塾では入塾や講習オプションの営業も、講師が行います。

予備校講師は塾講師に比べて、より目的を絞った講義展開を行うことが可能で、講義に専念できる環境ともいえます。

高校教師との違い

高校生に学習を教えるという点では、高校教師も似ている職種といえます。

高校教師が行うのが授業であり、予備校講師が行うのは講義です。

授業は教師と生徒の応答かけあいを基本としていますが、講義は講師から生徒への一方通行です。

そのため生徒と予備校講師の距離感は、一般的に高校教師と生徒の距離感に比べて遠いといえます。

また高校教師は生活指導や部活動の指導も行いますが、講師は基本的に講義のみの関係で、多くの場合進路指導も行いません。

なお予備校によっては、予備校講師の仕事を補う目的で担任・チューターをおく所もあります。

予備校担任は生徒の学習進捗をサポートし、面談などを通じ、進路指導も行います。

予備校のチューターは、分からない部分の質問をうけるためチューター室や自習室に常駐しています。

このように予備校講師は、講義に使うことができる時間が多いため、より多くの受験テクニックを生徒に教えることが可能です。

予備校講師の仕事は会社でどういう役割を求められる?

予備校講師は、企業(=予備校)内で、授業を行うことが仕事です。

その授業を通じ、予備校の広告塔の役割を担うこともあります。

カリスマ講師といわれる講師の授業には生徒が殺到し、その講師目当てに予備校を決める生徒や保護者も存在します。

講師の講義しだいで、合格実績が伸びます。

予備校にとっては、それがなによりの集客の武器となります。

講師は影の営業マンともいえるでしょう。

予備校講師の働き先の種類にはどんなところがあるの?

予備校講師の働き先は、ざっくというと予備校です。

しかし、予備校にも様々な種類があります。

また予備校の規模も全国展開の大手予備校から、地場中堅クラス、個人経営の予備校まで幅があります。

大学受験向け一般予備校

一般的な大学入試試験に向けた対策講義を主とする予備校で、対象は高校生・浪人生が多いです。

科目は英語、数学、国語(現代文、古文漢文、小論文)、日本史、世界史、地理、物理、化学、生物など、センター試験や2次試験の科目に準拠しています。

なかには講師陣を全員東大卒で揃え最難関大学を志望する生徒をターゲットにするところもあり、予備校によりそのカラーは異なります。

美大・芸大、音大受験向け予備校

美術大学、芸術大学、音楽大学を志望する高校生、浪人生をターゲットにする予備校です。

これらは入試に実技試験があり、講師は実技試験の対策を行います。

具体的にはデッサンやピアノの個人レッスンなどがあげられます。

特徴としては、講師も美大、芸大、音大など専門性の高い大学を卒業している点です。

国家試験受験向け予備校

国家試験合格を目指す大学生、社会人をターゲットにする予備校です。

各種資格ごとにクラスが編成されます。

講師はその資格取得経験者または上位資格保有者が多いという特徴があります。

予備校講師求人でよくある募集内容とは?

ここでは予備校講師求人で一般的にみられる募集内容を中心にまとめます。

給与相場

新卒の予備校講師の給料相場は、18万~20万で一般企業の会社員と同レベルです。

しかし講師全体の平均年収は362万円前後で、全業界平均の420万円前後に比べると低いでしょう。

予備校講師は稼ぐ人と稼げない人の差が激しい業界です。

1,000万円以上をすぐに稼ぐ講師もいれば、年収300万円と稼げない講師もいます。

予備校講師は、正社員での採用もありますが、毎年更新の契約型採用が多く、給料は基本報酬額×担当コマ数で決まるとされています。

基本報酬額は、新人で数千円、人気予備校講師となれば数万~数十万といわれています。

新人や人気のない講師は報酬額が少ないうえに、任せられるコマ数も少ないため、給料は伸びません。

正社員ではないため、他の予備校との掛け持ち、家庭教師などのアルバイトをしながら、生計をたてる講師も多いです。

勤務時間や休日、残業

基本的に予備校講師は忙しいと考えて間違いなく、ハードワークの仕事です。

まず常勤の講師であれば、朝から浪人生対象の講義を行い、夕方以降は高校生向けの講義を行います。

そして人気講師であれば、担当コマ数も多く、複数の予備校や校舎を移動するため、その移動時間も含めると勤務時間は長くなりがちです。

また予備校は一年中、繁忙期といわれ、受験前の年末年始ですら講義を行う予備校もあります。

休日や帰宅後も講義の準備を行うこともあり、公私の別がつきにくいと感じる人もいます。

福利厚生

講師職は多くの場合、非常勤採用のため、福利厚生は一般企業に比べ充実していないのが一般的です。

求められる人物像

継続した努力が出来る

講師として成功するためには、自分の講義をよりよいものにブラッシュアップする必要があります。

また生徒の合格実績をあげるべく、過去の問題を分析し、傾向と対策をつかむ取組みを昼夜しなくてはなりません。

説明上手

講師である以上、自分の担当科目を分かることは最低条件で、生徒に分かりやすく説明する能力が求められます。

生徒目線になり、分からない部分、間違えやすい部分を中心に解説するなどが必要です。

そのため、高学歴の人が全員講師に向いているかというとそうではありません。

人が喜ぶ姿にやりがいが感じられる

講師は多くが非常勤で、その雇用や給料の安定性は他の職種に比べ劣ります。

更に、講義準備や過去問題研究に時間を取られることもあり、年収に比べて負担が多いこともあります。

しかし、そのなかでも、講義により苦手がなくなり、合格に喜ぶ生徒の姿を自分のことのように喜べる人こそ向いている職種です。

必要なスキルや資格、経験

高校教師と違い、予備校講師は教員免許は必要としません。

むしろ予備校講師に必要なのは、実績です。

そのため、何か人に教えた経験があるというのは、ポイントが高くなります。

予備校の講義は多くの場合、100人程度の生徒を相手にします。

これだけ多くの生徒に講義をいきなり行うのは、なかなか難しく、まずは塾や小規模な予備校などで経験をつんでおくといいでしょう。

なお採用試験では、筆記試験のほか、試験管を生徒役にした模擬講義もあります。

板書の使い方、目線、声の通り方などが評価されます。

予備校講師求人のおすすめ求人のポイント

大手予備校を選ぶ

福利厚生や給料面で大手予備校のほうが優れていることが多いです。

大手予備校は人気のため、倍率も高くなります。

まずは小規模予備校などで実績をあげて、その実績をもとに転職という人が多いです。

都会の予備校を選ぶ

都会と地方では一般的に都会のほうが講師の年収が高いです。

概算ですが東京と沖縄では年収にして、200万円程度の違いがあります。

手当がある予備校を選ぶ

生徒の合格実績に応じてインセンティブを支給する予備校もあります。

また年末年始や受験前の追加講義には特別手当を支給する予備校があるので、そのような所を選ぶと年収アップにつながりやすいです。

自分に合う予備校をみつける

予備校は教員免許も必要としないほか、講師の学歴は特に問わないというところもあります。

しかし、中には難関国立大学、有名私大卒の講師に限って採用を行う予備校もあります。

特に大手予備校に多い傾向にあります。

求人情報に学歴が記載されなくても、社内で暗黙の了解で決まっているところもあります。

既存講師の紹介に卒業大学などを明記する予備校の場合は、学歴重視とみて間違いないです。

もし、難関国立大学、有名私大を卒業している場合、これらの予備校を狙うのもいいでしょう。

また美術大学、音楽大学卒業などの場合は専門性の高い予備校を選ぶほうが有利になるでしょう。

予備校講師求人についてよくある疑問

非常勤採用から正社員採用はあるの?

多くの場合、スタートは非常勤講師です。

講師は非常勤が多い世界なので、非常勤だからといって講師のキャリア形成に問題はありません。

しかし、福利厚生や雇用の安定性を考えると、正社員になりたいという講師も一定数以上います。

正社員枠は数が少ないため、厳しい枠になります。

まずは非常勤で実績をつみ、担任やチューターとの兼任など準職員的な扱いになることが多いです。

その後、講師職でなくとも正社員枠があいた場合は、転換試験をうけ正社員になる人が多いです。

正社員になった場合、講師職だけでなく、営業、事務などの職種につくこともあります。

女性の働く環境としてどう?

講師職にも女性はいます。

男性のほうが多い職場で、その割合は3割くらいでしょうか。

女性でも男性と同じくらい活躍をすることは可能で、むしろ親しみやすさなどを売りにする講師もいます。

しかしハードワークで体力がいる仕事であり、男性に比べて体力がない女性には厳しい局面もあります。

また非常勤のため育休や時短制度がなく、ライフスタイルの変化によっては、働き続けることが難しいこともあるでしょう。

逆に非常勤のため、自分でコマ数を調整することも実績があれば可能になるといえます。

まとめ

いかがでしたか?

予備校講師の求人のポイントは、非常勤という雇用形態にあります。

そのため、給料などは求人情報時点では未知数といえます。

完全実力主義のため、予備校側に求めるのはなく、自分で生徒を集めるという経営者的視点をもつことが必要です。

受験に焦点をあてた講義に専念できるため、営業や生徒指導の負担がないという点で楽という人もいます。

しかし、その労働環境は長時間勤務になりがちで、過酷ともいえます。

向き不向きの大きい職業なので、自分の特性からみて、給料とのバランスがとれそうかを考えてみるとよいでしょう。