日本は世界の中でも教育を受ける機会に恵まれている国だと言われています。

文部科学省が発表した平成30年度学校基本調査を基にしたデータによると、中学校を卒業した後に高等学校へ進学する率は97%を超え、通信制の高等学校に進学する人を含めると実に98%もの子どもが高校へ進学しています。

同時に、高等学校卒業後に進学する生徒の割合も上昇を続けており、文部科学省が調査した平成30年度学校基本調査によると高等学校卒業者の70%以上が何かしらの種別の学校へ進学している事が明らかになりました。

今回は進学先の一つとして選ばれている「専門学校」で教育を施す立場となる事が多い、専門学校講師の求人について解説していきたいと思います。

専門学校講師ってどんな仕事?

まず初めに、専門学校とは何なのか?という説明をします。

専門学校は卒業と同時に即戦力となれるよう、その仕事に必要な知識や能力、資格を得るための専門課程を設置している学校の事を指します。

就業年数や年間の授業数なども決められており、一般教養科目などが多数開講されている大学などとは異なり、一つの分野に特化した教育を受ける事ができ、卒業と同時に即戦力として活躍できる人材の育成を目的としています。

専門学校講師はその学校に在籍する学生に、自分の経験をもとに知識や技術、またその先にある資格が取得に向けて指導する役割を担う、専門学校の中でも要となる仕事です。

専門学校講師求人でよくある募集内容とは? 

専門学校講師の求人は非常勤のものが多いです。

正規職員の場合は「専任教員」という職種で募集がかけられる事が多くみられます。

正規職員として採用されると、専門学校講師として授業を担当する事は勿論、その学校に学生を集めるため、オープンキャンパスなどの開催や就職指導、保護者への対応など様々な仕事が業務に含まれる事になります。

非常勤職員は科目単位で講師を担当する事となります。

1科目は前・後期制の学校では半年(半期)で15コマ、1年で30コマ程度が目安となります。

1コマは90分設定にしている学校が多いです。

給与相場

正規職員は月給制、非常勤講師は1コマに対していくら、という設定の給与体系が多いです。

役職がついていない専門学校講師の正規職員給与は約20万円程度が始まりになります。

仕事について年数がたち、役職が上がっていけば、役職手当等も付くようになります。

実際の給与は約20万円~40万円程度が平均となります。

その他、住宅手当や通勤手当、扶養手当などを設定している学校もあります。

手当の中でも時間外手当の支給に関しては、勤務先によって大きく異なるため注意が必要です。

時間外手当の支給は大きく分けて2つに分かれます。

一つは業務を行った時間に応じて時間外手当を支払う方法、もう一つは「調整手当」等の名称の手当を支払う事で時間外手当を一切支払わないという方法です。

後者の場合は、残業を行ってもそうでなくても基本給の4%を支払う事で、それ以上の時間外手当の支給が行われません。

これは小中学校教員に行われている時間外手当の支給方法にならった支払い方法となります。

名称は「調整手当」の他に「教員手当」や「業務手当」等がありますが、基本給の4%をみなし残業代のように支払っている勤務先は注意が必要です。

非常勤講師の給与は1コマあたり2千円~3千円程度が相場です。

大体週に1~2コマ程度の担当になるため、月に換算すると2~3万円程度となります。

それとは別に交通費が支給される事となります。

勤務時間や休日、残業

正規職員は学生が登校する1時間前位には出勤し、学校を開けなければなりません。

日中は授業を担当、その他雑務は学生が下校した後に行う事となります。

授業準備を行う時間は日中はほとんどとる事ができませんので、この時間に行う事となります。

毎日1~2時間程度の残業があり、校内の施錠当番等になると学生の最終下校までは付き合う事になりますので、3時間程残る事もあります。

休日は学校の休みに合わせて取得するので、土日祝日の休みが多くなりますが、オープンキャンパス等行事がある時は出勤になる事もあります。

夏休みや冬休みなどの長期休みは交代で出勤する事になります。

福利厚生

私立専門学校に勤める正規職員であれば、私立学校共済に加入する場合が多いです。

職員用の寮など専用の住宅は無い事が多いため、家を借りるための補助となる住宅手当等がつく場合があります。

通勤手当については上限を設け、その範囲内で保証してくれる場合が多いです。

運営している学校法人が保養所などの施設を持っていると、その施設の利用料金が優待または無料になる事もあります。

求められる人物像

専門学校に通う学生は、その学校で取得できる資格を将来生かして働く事を目的としている人が多くいます。

その資格を取得し、現場で長く働いていた人からの話は説得力や現実味があり、将来のイメージも付けやすくなります。

現場で資格を持ち長く働いていた人は、その資格が取得できる専門学校で講師としても重宝される事でしょう。

学生に対する指導に熱意があるかどうかも重要なポイントになります。

学生は高校を卒業し、その資格が生かせる職業に憧れて入学してきますが、職業に対する理解を深める中で、将来に不安を感じたり、進路に対して迷いを持ってしまう事も多くあります。

資格取得に関する悩みだけではなく、私生活や人間関係などに不安を感じる事もあります。

その時に親身になって相談にのり、悩みを解決できるように導いていく事が求められる事もあるため、学生をサポートする熱意が必要となります。

専門学校講師求人のおすすめポイント

専門学校講師の求人は増加してきており、募集条件はそれぞれの学校で異なります。

専門学校講師としてめでたく採用され、勤務を開始した後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、求人内容を見極める事が大切です。

ここでは専門学校講師求人のおすすめポイントや、チェックした方が良い項目について挙げていきます。

雇用形態の変更があるかどうか

専門学校講師求人では、最初は非常勤職員や嘱託職員という立場で雇用が開始される事があります。

最初は非常勤や嘱託職員であったとしても、将来的に正規職員への登用があるかどうかをチェックする事をおすすめします。

非常勤や嘱託職員でも正規職員と業務内容や給与は変わらないという求人も存在しており、条件が変わらないのであればそのままでも良いと考える方もいるかもしれません。

しかし、万が一業績の悪化等があり、教員を減らす必要が出た時に、まず雇用契約を打ち切られるのは非常勤や嘱託職員の人達です。

なるべく正規職員への登用がある求人に応募する事をおすすめします。

仕事の内容が複数あるかどうか

専門学校によって、講師に求める仕事の内容は様々です。

専門学校講師としてだけではなく、勤務する専門学校について様々な業務に携わりたいと考えている方は「○○としてステップアップ可能」等の文言が入っている求人を選ぶ事をおすすめします。

専門学校には講師の仕事以外にも様々な仕事がありますが、完全分業制で専門学校講師には学生指導のみを任せている学校もあります。

広報等の業務を担当し、より幅広い人と関わりたいと考えている方は仕事の内容を確認し、学生指導以外の担当も任せてもらえるかどうかをチェックするようにしましょう。

逆に学生指導のみに集中したいという方は、仕事内容を確認して学生指導のみに専念できる物を探す事をおすすめします。

専門学校講師求人についてよくある疑問

専門学校講師として働いている方が周りにたくさんいるという方ばかりではありません。

専門学校講師の求人について疑問を持たれても、解決できずに困っているという方も少なくないかと思います。

ここでは専門学校求人についてよくある疑問についてお答えしていきたいと思います。

経験が無くても専門学校講師として働けるでしょうか?

講師の経験が無くても専門学校講師として働く事は不可能ではありません。

現に出されている求人の内容でも「講師未経験可能」とうたっている求人も少なくないです。

ただし、専門学校の学生に対する指導は、プロの職人が職人見習いに教えるような「自分で見て学ぶ」というスタイルではありません。

学生に分かりやすく知識や技術等を伝えるために教材作成をしたり、学生に伝わりやすいような話の仕方、授業の進め方などを学んでいく必要が出てきます。

専門学校講師として生かせる経験や役立つ経験はありますか?

過去に教育経験がある方は経験が活かせると思います。

これは学校の教育に限らず、学生時代に家庭教師や塾講師として働いていた人や、企業内で新人教育や部下の育成・指導に携わっていた方はその経験を役立てる事ができるでしょう。

専門学校に通う学生は、同じ目標に向かって歩んでいますが、持っている能力はそれぞれ異なります。

学生の持つ能力を見極め、それぞれに適した指導方法で知識や技術を得られるように指導する事ができれば、多くの学生の育成を行う事ができるため、重宝される事と思います。

どんな方が専門学校講師に向いていますか?

学生一人一人に寄り添い、相手のペースを尊重してゆっくり関わる事ができる方は、専門学校講師に向いていると思います。

専門学校に通う学生は、資格を取得するために日々知識や技術を身につけようと努力を重ねています。

しかし、成長のペースは人それぞれです。

周りの学生よりも成長が遅い学生も当然出てくる事でしょう。

その学生が周りの学生のペースに合わせられない事で自信を無くしてしまう事もあります。

そんな時に相手の学生に寄り添い、相手のペースを尊重して関わる事ができれば、その学生は安心して夢に向かって少しずつ進んでいく事ができるでしょう。

専門学校講師の求人に応募しようと考えていますが、その学校の事でチェックしておくべき情報はありますか?

希望している専門学校の情報をホームページや学生募集要項で確認する事と併せて、その専門学校のクチコミなどをインターネットでチェックしてみる事もおすすめします。

インターネット上に出ている情報は匿名性が高く、信憑性に欠けるという欠点がありますが、複数のインターネット上のクチコミをチェックする事で信憑性が増します。

また近年は、「カイシャの評判」や「転職会議」など会社のクチコミを集めているインターネットサイトも多数存在しています。

過去に勤務していた方からのクチコミを確認する事で、その専門学校での仕事内容が見えてくる可能性があります。

可能であればその学校に通っている、または通っていたという学生のクチコミ等も探してみて下さい。

悪いクチコミばかりであればその求人への応募は慎重になった方が良いと思います。

連休が取得可能と書かれていますが、本当に取得できますか?

時期が限定されてしまう可能性は高いですが、連休の取得は可能であると思います。

勤務する専門学校のカリキュラムにもよりますが、専門学校講師の多くは土日祝日が公休になります。

3連休程であれば年に数回は取得する事が十分可能です。

また、学校によって期間はまちまちですが、学生は春休みや夏休み、冬休み等の長期休暇があります。

学生が長期休暇の間も専門学校講師は交代で出勤する必要がありますので、学生と全て同じ期間の休みを取得する事はできませんが、長期休暇の間に公休と有給を合わせた連休を取得する事ができる可能性が高いです。

専門学校講師も専門学校を運営する学校法人等に雇用されている会社員ですので、有給休暇は労働基準法の規定通りに取得させる義務があります。

2018年6月に労働基準法が改正され、一年に10日以上の有給休暇を与えられる労働者は、年5日は有給休暇を取得する事が義務付けられる事となりました。

改正労働基準法の適用は2019年4月1日からとなりますので、それ以降は今以上に連休の取得が可能になると考えられます。

まとめ

今回は専門学校講師の募集内容の特徴や、おすすめポイントを挙げてみました。

人に何かを教えるのが好きだったり、自分が就いていた職業に就く事を志している、熱意を持った学生を自分の手で育てていきたいという方は是非、専門学校講師の道を目指してみて下さい。

今回あげた記事の内容が皆様のお役に立てたら幸いです。

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