2020年11月30日

昨今の日本では進学率が高まっており、専門学校への進学者も増加しています。

また社会人になってから勉強をしたいと考えている人も多く存在しており、専門学校の存在価値は高まっていると言えます。

そんな専門学校で学生を指導する立場に置かれている職種として専門学校講師がいますが、仕事内容の詳細については知られていないことも多いと思います。

今回は、専門学校講師バイトの仕事内容と仕事の面白さについて解説していきます。

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専門学校講師ってどんな仕事をするの?

まずは、専門学校講師の仕事内容について簡単に述べていきます。

専門学校講師は専門学校に通う学生に、専門知識や技術を教えること、学期末の試験対応などが主な仕事となります。

その他にも学校行事の企画や次年度の学生確保のための広報活動、クラス運営制の専門学校であればクラス担任業務なども担当します。

学生の保護者対応も、主にそのクラスの担任が担うことになります。

資格を取得するために外部に実習に出る場合などの外部企業とのやりとりも専門学校講師の仕事です。

総じて学生が学校内で必要な知識・技術を得られるよう、また卒業してから学生が希望する職業に就けるようサポートすることが専門学校講師の仕事と言えます。

専門学校講師の仕事の面白さ、醍醐味とは?

専門学校講師は学生の授業を担当するだけではなく様々な仕事を担当しており、多忙な職業と言えます。

あらゆる仕事を担う専門学校講師ですが、その中でも仕事の面白さや醍醐味が存在します。

ここでは、専門学校講師の仕事の面白さや醍醐味について述べていきたいと思います。

学生の成長を間近で見られる

まず第一に挙げられるのは、学生の成長を間近で見られることです。

専門学校に入学してくる学生は、その専門学校で取得できる資格や得られる知識・技術を活かした職業に就きたいと思って入学してきます。

しかし入学した当初は学生はその分野の仕事に憧れは持っていても、知識・技術は全く持っていない状態です。

そんなまっさらの状態から、少しずつ知識・技術を身につけて学生は成長していきます。

時には挫折したり迷ったりする学生をサポートし、学生が目指す仕事に就くことができた時には自分のことのように嬉しくなります。

学生の成長を間近で見られることは、専門学校講師の仕事の醍醐味と言えるでしょう。

自分の後進を育てることができる

次に挙げられるのは、自分の後進を育てることができるという点です。

小学校や中学校の教員になるためには四年制大学や短期大学等で教員免許を取得するためのカリキュラムを履修する必要がありますが、専門学校講師になれる要件は指導する教科や資格によって異なります。

専門学校講師に必要な要件としては、「その資格を活かして働いた実務経験が規定年数以上ある事」というものが多く見られます。

そのため、専門学校講師となる方は学生が目指す資格を持っているのみならず、業界で働き続ける熱意を持つ方が多いと言えます。

当然その仕事への熱意が強い方も多いため、その想いを直接伝え、またその想いを受け継いでくれる後進を育てられることも、仕事の醍醐味と言えるでしょう。

学生の変化を間近で見られる

学生の変化を間近で見られることも、専門学校講師の仕事の醍醐味・面白さと言えます。

専門学校に入学してきた学生の多くは自分が将来就きたい職業を高校時代に決め、それを目指して頑張っています。

しかし中には学力不足で大学に行けなかった学生や経済的な理由で進学できなかった学生、特にやりたいことはなかったが周囲の勧めで入学してきた学生など、様々な事情を抱えて入学してくる学生もいます。

そのような学生は周囲とは熱意が異なり、目指す職業に憧れを持つことができずに違和感を抱えたまま日々を過ごしていることも少なくありません。

そのような学生に専門学校講師が寄り添い不安を解消したり、やる気を持てるように動機づけを行っていくなど、学生が目指す職業に向けて歩んでいけるようにサポートすることも仕事の一つとなります。

そのように時間をかけて学生を教育することで学生が変化する様子を間近で見られることも専門学校講師の仕事の醍醐味であり、やりがいとも言えます。

学生に憧れを持ってもらえる

学生自身に憧れを持ってもらえることも、専門学校講師の仕事の醍醐味です。

高校卒業後の進路として進学を選ぶ人は増えていますが、それに伴い専門学校の数も増加しています。

また四年制大学や短期大学への進学率も増加しているため、少子化である現代日本では学生の確保も専門学校としては重要な課題です。

学生を確保するためにはオープンキャンパスの開催を含めた広報活動も大切になりますが、広報専門の職員がいる学校ばかりではありません。

広報担当職員がいない学校では専門学校講師自らがオープンキャンパスや出前授業などを行うことがあります。

そこで出会った高校生に講師が自身の経験や職業について話をしたり、実際専門学校で行っている授業を実施することで、その職業や専門学校に興味を持ってもらえることも多いです。

広報活動を通して担当した専門学校講師への憧れやその講師に教えてもらいたいと思ってもらえることも、専門学校講師としての仕事の醍醐味と言えます。

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専門学校講師の仕事のあるある5選

専門学校講師の仕事は多岐にわたり、授業以外にも行う業務は沢山あります。

学生と過ごす時間も四年制大学や短期大学の教授などと比較すると多くあるため、学生のプライベートについても知る機会が多い仕事と言えます。

今回は、専門学校講師として働いている中でよくある出来事や応対する機会が多いことを、この項目で紹介していきたいと思います。

一般常識の教育が必要な学生に会う事が多い

まず初めに挙げられるのが、一般常識の教育が必要な学生に会うことが多いという点です。

一般常識を教える役割を担うのは保護者ですが、保護者にあまり目を向けてもらえず、それを教えてもらう機会を逸してきている学生が多く存在します。

一般的な知識の不足も問題ですが、目上の人間に対しての接し方なども学んでおらず失礼な態度を取っていることもあり、それが問題となる場合もあります。

学生の多くは専門学校を卒業した後に社会に出て働き始めます。

いくら資格や知識を持って就職したとしても、普段の振る舞いや言葉遣い等が一般社会に適応できないレベルであれば、職場に居続けることが困難となってしまいます。

専門学校講師として自分が担当する学生が目指す職場で働き続けられるように、一般常識の教育を施した上で社会に出られるよう支援することが求められます。

プライベートの相談を受ける機会が多い

次に挙げられるのは、学生のプライベートについて相談を受ける機会が多いという点です。

専門学校に進学してくる学生の多くは高等学校を卒業し、そのまま進学してきます。

そのため学生の年齢は18歳~20歳と若く、精神的に不安定な部分を持っている学生も少なくありません。

学校生活の悩み事だけではなく、友人関係や保護者との関係など様々なことに対しての相談を専門学校講師にする学生も多いです。

中でも多い相談は恋愛相談です。

彼氏・彼女と上手くいかないといった悩み相談は日常茶飯事でありました。

しかし、学生の相談は決してバカにできません。

学生は些細なことでも傷付き、学校に来られなくなってしまうこともあります。

学生が学校生活を継続できるように支援することが専門学校講師の大切な仕事となりますので、一つ一つ親身になって対応することが重要です。

友達同士で解決できない相談事や友達に相談できないようなプライベートな相談を受けることは、専門学校講師の仕事の中ではよくあることだと考えます。

保護者の対応をすることが多い

保護者対応が多いのも、専門学校講師の仕事でよくあることです。

現代日本は少子化しており、兄弟姉妹のいない子どもが珍しい時代ではなくなりました。

保護者の方が子どもにかける想いは昔と比べて強くなっている傾向にあります。

学校生活は保護者の方の目が届きにくい場所であり、自分の子どもの様子を家で見て少しでも異変を感じると学校に電話をしてきたり学校に訪問する保護者もいます。

反面、学生に関心が非常に薄い保護者の方がいることも事実です。

学生が学校生活で悩みを抱えていたり学校に出席してこず進学が危ぶまれる時などは、学校側から保護者に連絡を取ることもあります。

しかし、「子どもの人生は子どもの人生。退学もやむなし」と話し合いのテーブルについてもらえない保護者の方も若干ながら存在します。

学生自身の指導もさることながら子どもに対して様々な価値観を持つ保護者の対応は、専門学校講師であれば必ずぶつかる壁であり、それは避けて通れない仕事であると言えます。

出席状況の確認が必要

意外と多く行う仕事の一つに、学生の出席状況確認があります。

専門学校は四年制大学や短期大学と異なり、その資格を取得することに特化した学校となります。

四年制大学や短期大学とは違い専門学校のカリキュラムには一般教養科目と呼ばれる科目がほとんどなく、資格取得に必要な科目が詰め込まれているような状態です。

それらの単位を認定するためには、試験に合格することもさることながら最低限出席していなければならない出席数というものが存在します。

既定の出席数を満たしていなければ、単位認定はおろか期末の試験を受けることすらできない場合もあります。

学生自身には入学した当初にその説明をしてありますが、話をきちんと聞いていなかったり、四年制大学や短期大学等に通っている友人と情報交換をする中でそちらのルールと同じであると勝手に判断してしまう学生も少数ながら存在するのです。

その勘違いを放置してしまうと出席日数が足りなくなってしまい、必要な試験が受けられなかったり科目履修が認められない場合が出てきてしまいます。

専門学校で組まれているカリキュラムは資格取得のために必須であることがほとんどであるため、一科目履修できなかっただけでも資格取得ができなくなってしまうことも少なくありません。

また、専門学校の多くは1年~3年程度の修業年数が定められていますが、その年数内で履修できるギリギリの授業設定をしているため、進級した後に一年後輩の学生と一緒にその科目を再履修することは非常に困難です。

そのため、学生は一科目でも履修できなかった場合は留年を余儀なくされてしまう状態になるのです。

本来、出欠席の管理については原則自己責任となりますが、出席数が足りなくなる可能性があった場合に学生や保護者へその事実を通達しなかったとすれば、学校に対する責任の追及が発生してしまう場合が考えられます。

また専門学校で行われる授業は外部講師に依頼している場合も多いため、出席状況を定期的に確認しなければ欠席回数が多い学生に気付くことができない場合もあるのです。

学生・保護者からのクレームを避け学生が無事資格取得できるように支援するためには、授業の出席状況についてこまめに確認することは専門学校講師の大切な仕事の一つであると言えます。

卒業生同士の結婚・出産報告

卒業生同士の結婚・出産の報告は、専門学校講師が受ける報告あるあるです。

結婚のきっかけとして学生時代に同級生だったという人は多いと思います。

専門学校では特に同じ資格を取得し同じ業界に就職することが多いため、社会人になっても繋がりを持っている卒業生も多く存在します。

そのため、卒業してから交際を始めたり、学生時代から交際し比較的長く続くことも多く、そのまま結婚に至るケースも少なくありません。

卒業生同士が結婚したり子どもを授かったタイミングで「幸せのおすそ分け」とばかりに出会うきっかけとなった専門学校にその報告に来てくれることも多いです。

卒業生同士の結婚・出産報告を聞くことは、専門学校講師の仕事を行っていると比較的よくある話であると言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

専門学校講師はただ勉強を教えるだけでなく学生が夢を叶えられるよう過ごしやすい環境を作ることも仕事となるため、業務は非常に多岐にわたり忙しい仕事と言えます。

しかし、学生が卒業した後に活躍する姿を見た時には喜びを感じることができ、次の学生を育てる意欲に繋がっていきます。

人を育成することは、苦労と同時に大きなやりがいを感じられます。

そんな専門学校講師の仕事に少しでも興味を持ち、専門学校講師を目指して頂ける方が少しでも増えたら幸いです。

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