作業療法士の将来性とは?私が考えるこの仕事をずっとやっていたいと思う7個の理由
作業療法士へ転職を検討中の方は必見です。
作業療法士は高齢化社会が進む日本ではまだまだ需要が高い職業であり、活躍の分野も医療分野・保険分野・行政分野と多岐に渡ります。
作業療法士の方の中で、現在勤めている勤務先に対して待遇や職場環境、人間関係等様々な悩みで転職を考えている方も多いはず。
そこで今回は、作業療法士の転職のポイント、やるべきことや年収UPに繋がる方法等を皆様にお伝えしたいと思います。
作業療法士の仕事で転職する人は多い?
まず、作業療法士の転職に関しての情報を記載していきます。
作業療法士の離職・転職率は約60%と統計が出ています。
作業療法士は女性も比較的多く活躍している職種(男女比:約1:1)ですので、女性の育休や産休に伴う離職等も含みます。
次に私自身の経験から説明すると、勤務先で5年以上勤続している作業療法士は全体の約半数程度でした。
これは、勤務先により差異が出ますがおおよそ5割~6割程度になると思います。
また、10年以上勤続しているベテラン作業療法士は更に少なく、私は以前約20名程作業療法士が在籍していた総合病院に勤務していましたが、2人でした。
このように勤続年数は比較的短く、各々の理由により転職する作業療法士は多いです。
作業療法士の仕事で、転職を成功させるためにやるべき4個のこと
次に、実際に転職経験のある現役作業療法士が考える転職前後にやるべきことについてお伝えしたいと思います。
実際に私が行った事や、「もっとやっておけば良かった」と思う事のみ記載しますので、転職に対して不安がある作業療法士の方や転職先を悩んでいる作業療法士の方のヒントになればと思います。
転職先の分野を決める
転職を考えた際に、様々な求人情報があると思います。
その際に自分が考えている転職先がぶれてしまっていると、自分の希望とマッチする転職先が中々見つけられません。
そこで、まずは自分がどのような転職先を探したいのかを明確にする必要があります。
作業療法士は病院等の医療保険分野、または施設等の介護保険分野でのリハビリテーションを行う事が出来ます。
医療保険分野では病院やクリニックが主になります。
介護保険分野では訪問リハビリステーションや老人保健施設、デイケア・デイサービス、最近では特別養護老人ホームやリハビリ付きグループホーム、有料老人ホーム等があります。
また、リハビリテーション分野に関しても身体疾患の病院なのか、精神疾患の病院なのか、発達障碍等の小児病院・施設なのか、老年期医療等の施設なのか…等々、作業療法士として求められる場面は多種多様です。
さらに詳しく考えると、身体疾患においても脳疾患系や整形外科疾患系、呼吸器系、循環器系等々選択肢は多岐に渡ります。
このように作業療法士が活躍出来る場所はたくさんあります。
まずは自分がどの分野で働きたいのかを明確にし求人情報を探す事が転職を成功させる1つ目の条件です。
リサーチをする
次に希望する転職先が見つかったら転職先の情報をリサーチする必要があります。
現在は様々な転職サイトや作業療法士を対象とした転職エージェント等もあり、事前情報を集める事が比較的容易な時代になっています。
その中で、企業毎に差が大きいためしっかりとリサーチする事が大切な情報をお伝えしたいと思います。
まずは給与面です。
これは月々の給与に加え季節毎の賞与、また、休日出勤等の手当の有無、残業代をしっかりと付けることができるのか等です。
勤務先によっては、サービス残業が当たり前になっている事や、日曜・祝日だけでなく年末年始やお盆等の出勤に関しても手当がない企業も多いです。
反対に情報をリサーチすると各手当をしっかりと付けている企業も見つかると思います。
1回毎の手当は少額であっても長く勤務することを考えると後々大きな差になります。
次にワークライフバランスです。
ワークライフバランスとは休日の数や残業時間等にあたります。
休日に関しては月の休みの数や祝日が休みなのか、祝日出勤を振替で休みを取る事が出来るのか、その他特別休暇(年末年始、お盆、リフレッシュ休暇等)の制度があるのか等をリサーチすることで年間休日が算出できると思います。
実際に年間休日を算出すると年間休日100日以下の企業や130日以上の企業等かなりバラツキがあります。
もし貴方が転職時にワークライフバランスを重視しているのであれば必ずご自身でリサーチして算出することを強くおススメします。
最後に福利厚生面です。
福利厚生に関しても企業毎に差が大きい要因です。
基本的な健康保険や厚生年金等は当然として、住宅手当の有無や、各手当(通勤手当・住宅手当等)の限度額や算出方法、扶養手当の有無を最低でもリサーチするべきです。
家庭がある方に関しては扶養手当の有無は重要視する事になりますし、遠方から勤務先に通う方は交通費の支給額が重要視する事になると思います。
また、転職先が遠方であり賃貸住宅に住むと決めた際には住宅手当の有無を重要視する事になります。
これらが複合する事も大いにありますので、まずは自分が福利厚生面で重要視したい部分を考えリサーチする必要があります。
入職時条件交渉をする
転職される作業療法士の方は以前までの経歴がありますので、自分の強みや前勤務先での年収等の情報がありますので、入職時に条件交渉が可能です。
企業側は出来るだけ安く雇いたいので、求人情報等は低く設定されている場合がほとんどです。
そのため入職時に交渉をすることで賃上げを行う事が大切です。
入職時に「給料をもう少し上げてください。」と伝えるのは中々難しいと思いますが、採用されたという事は企業側は貴方を人財として評価しています。
ですので、多少賃金を上乗せしても採用したいと思っているはずです。
私自身、入職時に前職場の給与明細等を持参し交渉した所、提示された金額より年収で30万程賃上げに成功しました。
入職時に条件交渉をするということは大切である理由はもう1つあります。
それは「入職後の昇給は難しい!」ということです。
入職後は昇給の機会はありますが、そこまで多くありません。
具体的には勤続年数に応じた昇給や企業に利益をもたらした実績、または人事考課シート等による人事評価による昇給等があります。
これらは大きな昇給は中々望めず数百円~数千円程度というのが実情だと思います。
例えば1000円昇給したとしても年換算で12000円+賞与分の上り幅です。
このことを考慮すると入職時に例えば10000円の賃上げの交渉をする方が遥かに簡単であり、即時性があります。
入職時に条件交渉をするというのは一見ハードルが高く躊躇う事もあると思いますが、企業側は人財が必要で求人票を出しており、その中で貴方に興味を持って採用したいと思っているはずです。
自分のためにも勇気を出して条件交渉をする事が転職で成功するには必要不可欠です。
将来のビジョンを明確にする
最後に、自分自身のビジョンを明確にすることが大切です。
これは、「今後自分は何を目指すのか」「どんなことに取り組みたいのか」を明確にするということです。
人間は目標がないと仕事へのモチベーションが低下しパフォーマンスが低下してしまいます。
また、仕事に対してもこなすだけになってしまい、マンネリ化を引き起こし仕事への楽しみが薄れてしまいます。
転職した際は今までと環境が一変することで戸惑う事もありますが、まずは転職先でやりたいことや、強みを生かして取り組んでいく事が何より大切になります。
取り組んでいることが実を結んでいくことで企業にとっても強みになり、自分自身の価値を上げる事に繋がります。
また、最終的には何を目指すのかという事も大切になります。
転職先が自分にマッチし不満が全くないのであればそこで勤続し昇給・昇格を目指すのも大切ですし、反対に違う目標等が出来た時には更に転職を考えるという選択肢もあります。
転職をゴールにするのではなく、転職を1つの転機として捉えることで転職に対しての不安や躊躇う気持ちが減ることに繋がります。
転職するにあたっての必要な心構え
新人の気持ちで転職する
作業療法士として転職する際には以前の経験があるため仕事に対しての「慣れ」が出てしまいます。
しかし、転職先では紛れもなく「新人」ですので新鮮な気持ちで入職した方が円滑に仕事に取り組む事ができます。
自分自身より年下の職員でも転職先では先輩ですので、尊敬の気持ちを持って関係を築く事が重要になります。
相手にもその気持ちが伝わりお互いが尊敬しあえる関係になることで働きやすい環境を作ることができます。
以前私も、自分より経験年数の長い作業療法士の方が転職してきたことで職場では後輩になる事がありました。
その方は経験年数が上だからといって偉ぶらず、非常に腰が低い方だったため、お互いに尊敬し合う良い関係を築く事ができ、頼りになる作業療法士の先輩であり職場での後輩という良い関係を築けました。
何を求められているのかを把握する
転職する際には【新社会人】ではありません。
企業は新人作業療法士の方が安く雇う事が出来ます。
それでも経験のある作業療法士を雇うということは企業側は新社会人とは違う何かを求めているということです。
そのため転職先では、ただ与えられた業務に取り組むだけではなく、自分自身で業務の効率化や患者様・利用者様満足度向上、転職先の利益アップに繋がる事を考え行う事が大切です。
変化をもたらす
同じ勤務先に長く勤めていると、日常の業務や患者様・利用者様への対応等が習慣化してしまい疑問を持たず業務に取り組んでしまう事が多くなります。
そこで、転職後には新鮮な気持ちに加え以前の経験を活かして、自ら積極的に転職先で取り組める事を探し、実際に行動する事が大切です。
変化をもたらすことで実績を認められ、転職先にとっても重宝される人財になる近道になります。
作業療法士の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?
人脈を形成しておく
作業療法士が年収を最も早く・確実に上げる方法としては転職ですが、良い条件の転職先を探すのは大変です。
作業療法士として外部活動や講習会などに積極的に参加することで、他病院や施設の方からスカウト・引き抜きされるという事も珍しくありません。
しかし、ただ待っているだけでは残念ながらスカウトされる可能性は低いのが現状です。
もしスカウトによる転職を望むのであれば外部との深い人脈形成をする努力が大切です。
強み・長所を明確にし伸ばす
作業療法士の有資格者は2019年現在で約9万人以上います。
その中で自分の価値を高めるセルフブランディングも必要になってきます。
他の作業療法士と比較して自分の強みや長所を確立することで、転職先に対してのアピールや「企業から重宝される=年収が上がる」ことに繋がります。
最近は作業療法士の活躍出来る場は広がっており、行政機関等での介護予防事業や、地域包括支援センターでの地域に根付いたケア、就労センターなどでの就労支援等の役割も持っているため、需要が高まっており、興味のある分野へ特化することで専門性や個別性が出るため年収アップにつながります。
関連する+αの資格取得を行う
作業療法士として活躍する方の中には、ケアマネージャーや介護福祉士、認知症ケア専門士、住環境コーディネーター、看護師等の資格を取っている方もいます。
このように他職種の領域を勉強し資格取得することで幅広く多角的な視点が形成され、リハビリや患者様・利用者様に対しての助言や接し方にも厚みが出ます。
特に退院支援等の業務に当たる中で介護保険を勉強することが多く、ケアマネージャーの資格を取っている方が多い印象があります。
しかし、多いと言ってもケアマネージャーや住環境コーディネーターの資格取得している作業療法士はまだまだ少なく自分自身の強みになる事は間違いありません。
まとめ
今回は、作業療法士の転職について実体験を元に皆様にお伝えしました。
この記事に記載されている項目全てに一斉に取り組む事は難しいと思います。
その中で「自分でも出来そう!」「ここからやってみよう!」と思う項目から取り組む事をおススメします。
実際に行動することで様々な情報が入ってき、次にするべき行動も明確化します。
転職というのは勇気がいることであり、新しい環境に飛び込むのは強い疲労感やストレスを感じます。
しかし、数年後に「あの時転職して良かった!」と思える事が何より大切です。
これから転職を考えている作業療法士の方々が、この記事を読んで少しでも役立てば幸いです。
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作業療法士の将来性とは?私が考えるこの仕事をずっとやっていたいと思う7個の理由
リハビリテーション職の中でも、クライエントの大切な作業を支援し、その人らしい生活へのサポートを行うことを専門としている作業療法士は、現在、病院では医療、居宅では訪問などの保健・福祉、および社会復帰施設などでは就労支援関係など、様々な領域で活躍されています。今後もますます活躍が期待されている職種でもあり、今回はそんな作業療法士の将来性や様々な特徴について、現役作業療法士が解説いたします。作業療法士の仕事内容は?作業療法士はクライエントにとって大切にされている作業、つまりクライエントの日常生活上で「したいと思っている」、「する必要がある」、「することを期待されている」生活行為を支援する専門職となり
作業療法士の仕事がつらい…と感じる7個の瞬間とその乗り越え方とは?
病気や怪我で苦しんでいる人に直接、医療というサービスを提供する医療職、そんな医療職になりたいと思った人はきっと多いのではないでしょうか。そんな医療職の中でも作業療法士は、様々な専門的知識を使って、クライエントの生活を支えることができる専門職であり、地域からのニーズもますます高まっている貴重な存在であると感じます。しかし、現役作業療法士である私自身も順調なキャリアライフを踏んでいたわけではなく、理想と現実のギャップや転職活動の現実で何度も挫折を経験し、時には自分の仕事を辞めたくなるほどの経験もしました。ですが、つらい経験をした後も、私は今も作業療法士を続けており、それだけ作業療法士の仕事に魅力が
作業療法士の仕事内容をご紹介!活かせる経験や向いてる人の特徴も教えます!
リハビリテーションという仕事を想像すると、どんな場面をイメージするでしょうか?ベッドの上に寝た患者様の手足を徒手的にストレッチ、マッサージするといった理学療法の徒手療法をメインに想像するでしょうか?しかし、リハビリテーションという職種には理学療法士の他に、作業療法士、言語聴覚士が存在し、様々な職種が互いに連携を取りながら、医師の処方に基づいて患者様にリハビリテーションというサービスを提供します。そんなリハビリテーション職の中でも、今回は作業療法士の仕事内容や向いている人の特徴など解説いたします。作業療法士の仕事はどんな仕事?ここで作業療法士の定義を述べます。(日本作業療法士協会のホームページか