板前とはどんな仕事?仕事内容や向いてる人の特徴・働き先についてもご紹介します!
板前になるにはどうすればいいのか気になっている方は必見です。
この職業に就きたいという方は、何かきっかけがあっての事だと思います。
板前とは普通の飲食店とは異なり、日本料理を専門的に扱う職業です。
その中で板前は職人という立場であり、調理師とは違う格式ある部類に当たります。
そんな板前になるにはどうしたらいいのかを今回は詳しくご紹介したいと思います。
板前の資格事情や勉強すべきことを知る機会となれば幸いです。
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板前になるには?
板前になるには、実は資格などは一切必要がありません。
なので、未経験の方や無資格の方でも板前を目指すことができます。
もしも自分のお店を持つ板前になりたい場合は、調理師免許を持っている事で有利になります。
お店の営業に必要な許可の申請の際に、調理師免許保有者は既に衛生管理の資格を有しているとみなされるため、開業までの手順が楽になります。
また、テレビで見るような格式のある料亭で、一流の板前になりたいと思ったときは、それなりの場所へ就職しないといけません。
どんな環境で働く板前になりたいのか、まずは自分の理想とする板前像を考える必要があります。
調理の専門学校に通う
若いうちに板前を目指したいと思ったら、まず基本知識を学べる専門学校へ通いましょう。
卒業する頃になると調理師免許が取得できたり、学校で専門的な求人を探すことも出来るので、将来的なことを考えると調理の専門学校は通っていた方が得策です。
花板を目指すなら就職先を吟味すること
花板と呼ばれるいわゆる料理長の位置を目指す場合は、最低でも5年~10年の修行が必要です。
1,2年でなれるものではないので、長い目で仕事をしていかなくてはなりません。
いちから教わり、学びながら働くという環境にいなければ確かな道が確保されません。
自分が選んだ就職先にそういった制度があるのかどうか、まずはよく確かめましょう。
包丁握れば誰でも板前だ!という場所に就職した場合は、名ばかり板前にはなれても一流にはなれないからです。
自分の店を持ちたいなら免許を取得しよう
自分の店を構える板前になりたい場合は、まずどこかのお店で経験を積む必要があります。
普通は5年~10年と言われていますが、本格的な板前を目指すのでなければ3年ほどで自分の店を開く方もいます。
専門学校に通わなくても、調理師免許は実務経験2年以上で受ける事ができます。
多人数に対して料理を提供する施設調理または飲食店などでの調理経験が2年以上であれば、資格試験に挑戦できます。
各都道府県ごとの試験や交付となるので、調理師免許については各自のお住まいの都道府県の情報を確認しましょう。
板前の就職先や募集状況は?
板前として働きたい場合、まずは就業先の選び方を考えましょう。
実際に求人を検索してみると、板前、調理師、見習い、など書き方が様々あります。
その中でも、すし職人だったりチェーン店の和食屋だったりと、思っていた板前像とかけ離れた会社が紛れている場合があります。
どの職場を選ぶかで、自分のなりたい板前像に近づけるのかどうかが変わります。
板前の主な就職先
板前の就職先は大まかに書くと三ヶ所くらいに絞られます。
細かく見れば他にも就職先はありますが、ここでは板前として働くための大まかに分けた枠組みをご紹介します。
料亭
料亭は職人が複数人在籍しており、教育などの環境も整っています。
仕事の働き方次第で徐々にステップアップしていくので、仕事もしっかりと先輩から教わることが出来ます。
また、後輩が入った時の指導なども出来るようになります。
ヒエラルキーが整った環境であるといえます。
最初は見習いとして求人を出しているケースもあり、場所によっては最初から分業調理を提示しているところもあります。
教育環境が整っている場合は求人情報にその内容がしっかりと掲示されてるので、板前になりたい場合は料亭から探すのが無難です。
旅館・ホテル
旅館やホテルなどの宿泊施設の板前になると、就職先の業務形態により仕事の内容が変わります。
厨房だけ担当する、バイキングで目の前で調理をする、施設内のラウンジやお食事処で調理をするなど、様々な働き方があります。
実際に募集内容に仕事内容が記載されていることが多いです。
多くの場合は盛り付け等の仕事から始める場合が多いです。
また、板長候補などを求人募集していることがありますが、基本的には経験者向けの募集となっています。
未経験から入る場合はまず見習い等の求人から探しましょう。
個人経営のお店
個人経営や、従業員数が少ない場所の場合、上記とは違い仕事を即戦力として頼られることが多いです。
専門学校で学んできた人にとっては腕試しのチャンスでもあります。
また、敷居の高い料亭とは違い目に見えたステップアップが出来ない難しさもあります。
会社という形態を取っていないため、働き先によっては雲泥の差が出ます。
良いお店に就職できた場合は、板長がマンツーマンで指導してくれるので、料亭で働くよりもはやく技術が身につく場合もあります。
また、買い付けや買い出しなどを教わり、将来的に自分が店を開いた際に業者を紹介してもらえるという利点もあります。
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仕事のおすすめの探し方
板前の仕事を探す際に、いろいろな就業場所が出てきます。
自分が目指す板前像に合った就職先を選ぶにはどうしたらいいか。
今度は仕事の探し方をご紹介します。
地元または働きたい地域の職業安定所
職業安定所の場合は、まず情報を多く持っています。
そして、自分だけでは判断できない内容の場合、職業安定所の職員に相談し詳細を知ることも出来ます。
離職率なども把握しているため、聞きたくても聞けない会社の事などを相談できる安心感があります。
インターネット求人サイト
職業を絞り込んで検索できるので、手軽に捜すことが出来ます。
職業安定所を通していない企業も複数存在するので、インターネット上で探すのも有効です。
全国の求人を探すことが出来るという利点もあります。
見出しの確認
板前と探した場合に、寿司職人だったりチェーン店の調理師だったりと、思っていた職業と違う場合があります。
もしも修行をして一流の板前になりたい場合は、募集要項の欄をよく確認してみてください。
担当調理など仕事が分業であったり、板長候補と書かれていた場合は板前の修業が出来る環境であるといえます。
教育が整っている会社は、求人情報に書いている場合が多いです。
逆に調理補助などの仕事内容しか書いていない場合は、板前としての修行の場の見込みは薄くなります。
また、将来独立を目指す方を応援と書いている会社もあります。
もし自分でお店を持ちたい方はそういった場所を選ぶのもオススメです。
板前の仕事を探す際の注意点
板前の仕事の中にも、情報が限られたものがあったり、情報と違う内容の業務だったという例があります。
実際に働いてから違うと感じてしまうともったいないですよね?
仕事を探す際の注意点をいくつかご紹介します。
板前になれるのか?
求人や募集内容の中に、板前になれそうなものと、逆に板前になれない気配を感じるものがあります。
板前修業が出来る職場は、求人の内容で何かしらそれについて触れています。
しかし、ステップアップについて触れていない場合はよく確認しましょう。
実際はただの調理補助だけだったり、雑務要員だったという例もあります。
悪徳個人経営店には注意
個人経営店の場合、正式な書類が存在しなかったり、管理がきちんとされていないお店があります。
給料詐欺に遭うケースもあるので、細かく質問した際にきちんとした数字や書類を提示できないお店はやめましょう。
実際に私も給料詐欺の被害に遭い、悲惨な思いをしたことがあります。
給料明細が存在しない、契約書などが存在しない、保険関係の加入をしぶるのに正社員を求めているお店は、安い固定給で働かせようという悪徳な考えを持っています。
時給計算をした際に、私の場合は400円でした。
労働時間と給料額が見合っていない、尚且つ保険等に加入させない悪徳なお店を見つけた場合は避けるのが無難です。
離職率が高い職場は注意
離職率が高い職場には、なにかしらいわくがついています。
たまたま定年退職などが重なり、退職者がたまたま多い場合もありますが、常に人を募集しているところには注意してください。
実際に教育が行き届いておらず、先輩が新人を虐めていたというケースも報告されています。
上の人間が下の人間を教育できていないのがよくわかる現場です。
あまりにも人が定着していない職場は、少し警戒が必要です。
経験者が語る!できる板前はこんな人
板前の中でも、技術だけで仕事を判断できる場面はごく一部です。
実際に一人で全ての料理を調理しているわけではなく、それを支える見習いや後輩がいるからこそ一流のものを提供できます。
また、お客様からの評価があって初めて人から認められるのです。
調理技術だけではわからない、実際にいた仕事の出来る一流の板前の人に共通した部分をご紹介します。
周りの人にも目を向けれる人
仕事をしていると、目の前に集中しすぎて自分の手元や仕事しか見ることができないことがあります。
しかし、一人前の人は、周りの仕事状況もしっかりと確認できます。
誰かが少し遅れている、それにより次の工程に進めないなど、誰がどれくらい仕事がこなせているかを見ています。
それにより、手のあいた人を補助に回したり、段取りを少し変えたりという職場の連係プレイが出来ます。
独りよがりな人は、出来ない人を見て怒るだけですが、人をしっかり見てその人がどれくらい出来る人かを見極めている人は、それなりの人員配置や進め方が出来、人を嫌な思いにさせません。
教育的部分でも、出来る人は普通の人よりも目配りが多くしっかりと見極めが出来る人です。
臨機応変な人
食材の不足や、予期せぬ食材が大量に発生したりなど、時にはトラブルもあります。
また、体調不良などで人員の不足が生じた場合など、予定通りに仕事が出来ない場面も出てきます。
いつ、どんなことがあってもそれに対応できる力がある人は、一人前の板前です。
酷い職場の場合は、下の人間に何かを押し付ける人がいます。
自分以外の誰かに責任を負わせるような料理長や板前など、誰もついて行こうとは思いません。
どっしりと構えて、トラブルに対応できる人はトップとして非常に責任感のある人だと言えます。
意識が高い人
やはり何と言っても、料理やお客様に対する意識が高い人が板前として出来る人です。
お客様を喜ばせる事を第一に考え、常に最善の仕事ができることは職人としてのプライドがある人です。
普通の飲食店とは違い、板前は技量が試される仕事です。
なので、ただ料理を作るではなく一人ひとりのお客様を満足させたいと常に思っている、いわば「終わりの無い向上心を持ち続ける人」こそ一流の板前と呼べます。
器用な人
技術的な器用さと、人間的な器用さが大切になります。
技術面で言えば経験を重ねることで器用さが身につくこともありますが、人間性で器用な人は天性の才能です。
仕事を一緒にしている人間が一緒に働いていると心地よいと思える人は才能があります。
実際上に立つと、憎まれ役になることも多いですが、中には凄く慕われるタイプの方もいます。
そういった器用さがある人は、職場の環境をよくしてくれる存在ですので、一緒に働いている人の向上心を引き立てることが出来ます。
板前の仕事に興味がある方へ
板前の世界は、傍から見たら敷居の高い世界に見えます。
実際、修行を積んで来られた方々は本当に職人と呼べる方達です。
しかし、そんな一流の板前でも自分の忍耐と努力と経験があったからこそ今の位置にいます。
生まれ持った才能があるのはごく一部で、ほとんどの方は自分で学び、努力を続けて登りつめてきた証です。
不安などもあると思いますが、まずはその世界の門を叩いて見なければ始まりません。
普通の飲食店では経験できない日本食の奥深さを学び、自分の技術として身につけることが出来る素晴らしい職業です。
現在は海外の方々が日本食に興味を持ち、学びに来ていることもあるようです。
世界が注目する日本料理の素晴らしさを伝える役割を担う存在になることを応援しています。
職人という人が徐々に失われていく昨今、ぜひその伝統を受け継いで欲しいと思います。
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