まず、法律事務所の事務と聞いて一般の方にはイメージしづらい面があるかもしれません。

法律知識に詳しくなければ業務ができないのでは?といった疑問も聞きます。

この記事では、そのような疑問を抱いている人のために、法律事務所の事務スタッフがどんな仕事をしているのかといった基本的なところから、法律事務所のスタッフとしてどんなスキルが必要なのか、勤務する上で必要なことなどの疑問に答えていきます。

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法律事務所事務の大まかな仕事内容

大まかな仕事内容

第一に、クライアントとの電話やメール対応が何より重要視されます。

第二に、資料作成・コピー等の事務作業能力が求められます。

また、これらの業務を円滑にこなすため、他のスタッフと連携する必要があります。

法律事務所事務は会社でどういう役割を求められる?

基本的には弁護士とクライアント、弁護士と他のスタッフの両者の間を取り持ちサポート業務を行うのが主な役割です。

担当する弁護士の資料作成といった作業はもちろん、担当弁護士以外のスタッフと協力して作業を進めることもあります。

事務スタッフの仕事は、ある程度の効率性は求められるものの、何より正確性が重要視されます。

弁護士同士やクライアントとの連絡については、スケジュールを正確に調整することが必要となります。

その際、裁判期日との兼ね合いもあるため、弁護士とのコミュニケーションは欠かせません。

法律事務所事務にはどんな種類があるの?

地域に密着した小規模の事務所、国内の企業向けの事務所、国外のクライアント向けの渉外事務所が大きく分けてあります。

また、大企業向けではありますが、法曹界では「4大法律事務所」という4つの大手事務所があります。

法律事務所事務の募集でよくある施設や事業形態のパターン

地域に密着した法律事務所では、比較的小さなビルの一室を間借りして事務所を開いていることが多いです。

この形態の事務所ならば、弁護士の在籍数が数名というところが多いです。

国内の企業向けの事務所では、一般企業と同じようにワンフロアを借りて業務を行っています。

弁護士の在籍数が数十名以上というところが多く、その分弁護士以外のスタッフも多く働いています。

国外のクライアント向けの渉外事務所は、同じビルの中でもフロアを2~3借りているところもあります。

弁護士の在籍数も100名を超え、規模としては比較的大きい事務所となります。

また、夜間スタッフとして勤務している人もいます。

法律事務所事務の募集でよくある職種

秘書、パラリーガル(弁護士業務を補助する人)、夜間スタッフの募集が多いです。

どういう事業形態や職種が良いか決まっていますか?

事業形態としては個人向け、国内企業向け、国外企業向けと様々な形態があります。

しかし、事業形態によってどの事務所が楽かなどの差はありません。

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法律事務所事務でよくある募集内容とは?

法律事務所の規模により、募集内容も異なってきます。

その中でも一例を挙げるとすると、以下のような募集が多いと考えられます。

仕事の内容としては、弁護士サポートや問い合わせ対応など相談者のお悩みとお困りごとを解決に導く仕事です。

具体的に紹介していきます。

相談者の電話応対

交通事故などに関わってしまった方で、弁護士を必要としている方や「どうしたら良いのか分からないので相談したい」という方から問い合わせがあります。

相談内容を親身にヒアリングし、法律相談の予約日を決め、担当弁護士に連絡し、各スタッフにも引き継ぎをします。

弁護士とスタッフのチームワークが重要です。

分からないことは弁護士や先輩スタッフにすぐに聞けるので、安心してください。

弁護士のサポート

相談者との電話・メールのやりとりや裁判所に提出する書類作成、関連法令・判例の調査などを行います。

データをExcelや事務所内のシステムに入力する作業もあります。

所定のフォーマットがあることが多く、分からない箇所は弁護士や先輩スタッフに教えてもらえるのでご安心ください。

弁護士から案件について、必要な情報が指示されます。

その際は電話やメールなどで相談者から正確にヒアリングしましょう。

弁護士会館や図書館などに行って類似の事件例を調査することもあります。

一般事務

裁判資料や判例などのファイリングや備品の管理など、一般事務を行ないます。

給与水準

月額18万円~35万円が平均的な水準となっています。

勤務時間や休日、残業

勤務時間:午前9:00~午後6:00(昼休み1時間)

休日:週休2日・祝祭日

長期休暇:夏季休暇・年末年始休暇

残業:原則、時間外・休日勤務なし

福利厚生

  • 昇給年1回
  • 賞与年2回(6月・12月)
  • 交通費全額支給
  • 各種社会保険完備
  • 医療・入院保険
  • 生命保険
  • 産業医相談制度
  • 時間外手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 所内行事(お花見、クルージングディナー等)

勤務場所

法律事務所の場所は、裁判所から近いエリア若しくは裁判所からのアクセスしやすいエリアが多いです。

また大手の法律事務所以外では、本社の他に支社がある法律事務所は少ないです。

そのため、転勤などの可能性はほとんどありません。

求められる人物像

事務スタッフの場合、法律に関する知識が必須とされることはありませんが、知識がある方は優遇される傾向があります。

基本的に、電話対応の丁寧さや事務スキルが要求されます。

また、企業相手の仕事がメインの法律事務所の場合、特に株主総会前には必要とされる資料も多くなり普段以上に他のスタッフとの連携が欠かせないため、コミュニケーション能力や協調性も必要とされます。

総合的には、クライアントのことを親身に考え、正確且つ効率的に業務を処理できる人物が求められると言えます。

必要なスキルや資格、経験

WordやExcelに関するパソコンスキルが要求されます。

もっとも、基本的には電話やメール対応や弁護士のサポート業務がメインの仕事であるため、きちんとした言葉遣いや立ち振る舞い、弁護士や他のスタッフに報告・連絡・相談ができるといった社会人にとって当然に必要とされる能力を、しっかりと備えていることの方が重要であると考えられます。

注意点ではありますが、渉外事務所の場合、英語での電話やメールの対応スキルが求められます。

そのため、一般的な会話には困らない程度の英語能力を身につけなければなりません。

渉外系の法律事務所に入所する際、筆記試験や面接試験で一定の英語能力が問われるため、この点は気をつけましょう。

法律事務所事務のおすすめ求人のポイント

求人を探す際は、自分に合ったタイプの事務所を探すことが何より大事です。

その中で小規模・中規模・大規模の事務所迷った場合は、大規模の事務所を選択する方がおすすめです。

大規模事務所の場合、福利厚生に関する充実度がやはり小規模・中規模に比べるとかなり高い水準と言えます。

また、日頃の業務に関してもスタッフが多い分仕事も細分化され、より効率的に処理することが可能になります。

法律事務所事務の雇用形態による違い

派遣契約と直接契約では、給料に関する部分で違いがある事務所がほとんどです。

一定期間の研修を兼ねて直接契約となるケースが多い傾向です。

また直接契約になると有給休暇が付与されるため、その点でも大きく異なると言えます。

法律事務所事務についてよくある疑問

応募方法は?

第一に、弁護士会のホームページに募集要項が掲載されているため、自分で求人情報を確認する方法があります。

弁護士会は、弁護士業務を行う以上強制加入制で地方裁判所ごとに一つあることが原則となっています。

そのため、地方の人が法律事務所に勤務する際は、まず弁護士会のホームページを確認することが大事です。

もっとも、この弁護士会は都道府県別に言うと北海道に4つ、東京に3つ、それ以外の府県には1つずつあります。

北海道に4つあるのは、北海道は面積が広いので地方裁判所も他の件に比べて多いのが理由で、札幌地裁、旭川地裁、釧路地裁、函館地裁と4つあります。

それに応じて札幌弁護士会、旭川弁護士会、釧路弁護士会、函館弁護士会があります。

東京には地方裁判所は東京地裁1つしかないものの、東京には東京弁護士会(略称:東弁)、第一東京弁護士会(略称:一弁)、第二東京弁護士会(略称:二弁)の3つの弁護士会があります。

法的な意味での違いは全くありませんが3つ併存しているので、それぞれの弁護士会の募集を見てみたほうがスタッフとして働く際に選択肢の幅が広がります。

第二に、派遣会社を利用するという方法もあります。

この応募については、一般企業についての応募と基本的に変わりありません。

第三に、事務所に勤務している人などからの紹介もあります。

ただ、この方法はそれほどメジャーな方法とは言えません。

そのため、上記第一および第二の方法が、応募方法としては一般的と言えます。

面接でよく訊かれることは?面接合格の秘訣!

面接でよく訊かれること

  • ①当該法律事務所を志望した動機
  • ②これまでの法律事務所における業務経験
  • ③法律事務所に入所後の業務に関する理解
  • ④渉外系の法律事務所であれば、海外留学の経験の有無と体験談、語学力など

上記で挙げた質問の内、重要なのは①と③です。

①の志望動機は、クライアントと弁護士の橋渡し役としての役割を全うできるかという点で信頼性を試しています。

③の業務に関する理解は、入所後に考えていた業務と異なるという理由で、退職することを防止するための質問です。

②や④は、入所後にどの程度の指導期間が必要かを測るものですが、あればプラスで評価されることが多いです。

面接合格の秘訣

上記①~④の全体に関しての秘訣ですが、訊かれたことに対して即座に応える必要はありません。

それよりも、訊かれたことをきちんと理解し、それに対する返答を的確且つ分かりやすく採用担当者へ伝えることが大切です。

曖昧な返答は印象が悪いだけでなく、入所後にクライアントから聞いたことをきっちり弁護士に伝えられるかという点で、不安を抱かせてしまう可能性があるため厳禁です。

不意打ちのような質問がされることもあるかもしれませんが、安易に返答はせず、しっかりと考えて返答できる人物であることを面接官に印象付けられれば内容に関しては大きな問題にはなりません。

未経験でも応募できる?

経験者が多少有利であることは確かですが、その経験の差はそこまで大きなものではありません。

法律事務所は事務所ごとに雰囲気や仕事内容が異なるため、「前の法律事務所ではこうしていた」という先入観によって仕事をされると、かえって現場を混乱させることが懸念されます。

そのため、採用において未経験者だからという理由で極端に不利になることはありませんし、もちろん応募もできます。

法律事務所の雰囲気は?

法律事務所の雰囲気は弁護士によって左右されると言えます。

厳格な法律事務所では「和気あいあいとできるような仕事ではない」ことから、業務中に笑うことを禁止しているという事務所も聞いたことがあります。

ただ、一般的には企業と同じで、そこまで厳格な雰囲気で業務を行っていることは少ないです。

正社員、派遣社員、アルバイトの募集があるの?

正社員・派遣社員の募集が一般的です。

アルバイトは、法律事務所という業務形態のためか募集自体は少ない傾向です。

他に、イレギュラーではあるものの、派遣社員で一定期間働いた経験があれば事務所内限定の募集もあるため、一度事務所に入所してしまうというのも有りだと思います。

雇用形態によって給与体系はどう違う?

給与は多い順に正社員、派遣社員、アルバイトとなっています。

派遣社員・アルバイトと正社員は、業務内容として印鑑の取扱いの有無等で差異があります。

ただ、全般的な業務に関しての差はそこまで無いので、前述のように派遣社員の方は一定期間働くことにより、正社員に登用されるケースもあります。

残業って多いの?

基本的には、法律を扱う職場である以上、過度な残業を強いられるということはほとんどありません。

ただし、繁忙期には残業が増えることがあります。

それは、5月の中旬あたりが企業の株主総会の準備で忙しくなるためです。

また年末や、年度末など一般企業同様、多少の残業はあります。

シフトの自由度ってどうなの?

アルバイトの募集が極端に少なく、シフト制によって業務を行う事務所は少ない傾向です。

そのため、固定の曜日・時間帯で働くことが前提であると言えます。

資格って必要なの?

法律事務所の事務職員として、必須の資格というものはありません。

ただし、持っていれば採用に有利とされる資格はあります。

秘書技能検定

これまで述べてきたように、事務としての仕事の大半は秘書業務と類似しています。

そのため、秘書技能検定が履歴書に書けると法律の知識があるよりも有利に働きます。

簿記検定

経理に関する知識も法律事務所の業務として必要とされますので、有利な資格と言えます。

但し、事務の仕事とは多少異なるため+αの業務として求められるものです。

ビジネス実務法務検定

法律事務所である以上、法的知識があるに越したことはありません。

但し、事務職員が法的知識を求められる機会は少ないため、上記二つの資格に比べると必要性は劣ります。

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まとめ

法律事務所のスタッフに一番要求されるのは、業務の正確性です。

この正確性には、クライアントの方に失礼のないよう親身になって話を聞くことができるかという点、弁護士に正確にクライアントの方から聞いた情報を伝えることができるかという点も含まれます。

そして、法律事務所と言ってもスタッフである以上、法律知識の量によって業務がスムーズにできるようになることはありません。

そのため、募集している事務所に自分が合っているかを考え、真摯に働けることを面接で話すことができれば、スタッフとして勤務することができるでしょう。



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