経理事務とはどんな仕事?仕事内容や経理においての役割、なり方など詳しく解説します!
経理事務の求人をこれから探してみようとお考えの方は必見です!
事務求人の中でも、会社のお金を扱う部署「経理事務」は大変責任のある仕事です。
この記事では、そんな経理事務の求人によくある業務内容や、この職業に向いてる人、向いていない人の特徴についても紹介します。
自分に合う職業なのかをしっかり見極めてから求人探しをすることをおすすめします。
経理事務の仕事をお探しの方へ
経理事務の仕事は会社の収入と支出の処理を行う、ミスが許されない仕事です。
そのため慎重に取り組まなくてはいけない、大きな責任を伴う仕事です。
会社のお金の収支を管理しているので、従業員でありながら経営者や役員に最も近い立場となります。
従業員であるという立場を自覚しながら、経営者や役員の視点で会社を見るというバランスの良さが必要となります。
簿記などの資格が就職の際に必要となる会社もありますが、資格よりも経験を重視して即戦力を求める会社も多数あります。
責任感が強く真面目で、数字や計算が苦にならない人は、ぜひ経理職に就いて経験を磨いてほしいと思います。
経理事務のよくある仕事とは?
会社によって業務範囲が異なりますが、絶対に外せない業務は「財務管理」です。
会社の収支、資産などを取り扱う仕事です。
他には勤怠管理を行う「労務管理」や、「書類管理」「社用車管理」「備品管理」「健康診断の手配」などの総務関連業務などを行うこともあります。
給与計算
給与計算は、会社に勤める人たちの生活を支えるものです。
社員の時間外労働の計算やパート・アルバイトの時給計算、出勤簿やタイムカードの作成や勤怠管理を就業規則や給与規定により行います。
また、社会保険、雇用保険、所得税、住民税など控除すべき項目がありますので、その分を差し引いた金額をそれぞれ計算し給与台帳を作成して、給料日にそれぞれ個人の口座に振り込まれるように銀行への手続きを行います。
給与計算は、会社によっては給与計算ソフトがあったり、労務士と顧問契約をしていて給与計算を含む労務関係は労務士に依頼しているところもありますが、社内での勤怠管理の取りまとめを元に給与計算はされますし、給与計算が終わった後の振り込みや納付の処理は経理の仕事になります。
時間外労働計算
1日8時間週40時間を超えた法定労働時間、いわゆる残業手当と呼ばれるものは25%の割増賃金となり、22:00~5:00までの深夜手当は25%の割増賃金となります。
残業が22:00を超えたものに関しては25%+25%で50%の割増賃金となります。
休日出勤の場合は35%の割増賃金です。
時間外労働の金額は給料の金額や時間数などによって個人個人金額が変わってくるので、慎重な計算が必要になります。
控除項目
社会保険、雇用保険、40歳以上65歳未満の人の介護保険料は、会社と従業員がそれぞれ半分ずつ負担します。
給与から差し引くのは半分ですので、手続きの際には個人から徴収した金額と会社負担分とを合わせて納付します。
所得税と住民税は従業員に代わって納付します。
有給休暇管理
6ヶ月継続で勤務しており、全労働日の8割以上出勤している従業員には有給休暇が認められています。
届出がされていて許可が下りている休暇に関しては有給休暇の処理も必要です。
有給休暇の日数は、個人個人入社日や入社年数によって違うので注意が必要です。
特に新しく入社してきた人が有給休暇を取得できるようになる時期には注意が必要です。
勤怠管理で有給休暇管理をする必要があります。
年末調整
所得税は1年間の所得に対して支払う税金ですが、月々支払う所得税は概算で支払金額を徴収して納付しています。
なので、年末に所得税の精算をします。
そのために「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を従業員に記入してもらい「保険料控除証明書」を添付して提出してもらい、確定所得税を計算します。
概算で月々支払っていた所得税が確定した所得税より多い場合は還付を、不足していた場合は徴収をしますが、基本的には給料で調整します。
その後で給与所得の源泉徴収票や支払調書などの種類を税務署に提出し、給与支払報告書を市区町村に提出します。
請求書発行
現金収入のみのところは必要ありませんが、売掛で取引を行っている会社の場合は請求書を発行して、売掛金を回収します。
請求書は営業の担当者が作成する場合もありますが、基本的には営業が発行した見積書を元に経理が作成し、郵送(もしくは手渡し)します。
通常1ケ月で締めて発行しますが、締め日は会社によって違います。
請求書のひな型は、会社によって違いますが、経理ソフトやエクセルで作って使用することが多いです。
請求書は会社の収入の元になる書類です。
丁寧に間違いのないように発行しなくてはいけません。
振り込み
逆に、買掛で取引を行っている場合は取引先から請求書が来ますので、個数や金額など内容が間違っていないかをチェックして取引先の銀行や郵便局に振り込みの手続きを支払日に行います。
振込手数料を自社が持つのか相手先が持つのかは取引の際の取り決めによりますので、確認をします。
支払期日を守って正しい支払金額で支払いを行うことは会社の一番の信用となります。
信用が売り上げを生み、会社の利益を生むことに繋がります。
経費精算
現金仕入れや営業先を訪問した時の駐車料金など会社の経費として処理すべきものを従業員が立て替えた場合や、出張の際の宿泊費、旅費などを稟議書にて会社が仮払いしておいた場合などに、領収書や経費精算書を確認して経費の精算を行います。
会社の経費として認めて良いかをしっかり見極めて処理をしなくてはいけません。
来客や電話対応
銀行業務などで出ることもありますが、ほとんどの場合経理は社内で仕事をしていますので、来客や会社にかかってきた電話の対応をすることがあります。
来客応対は、「来客者の方の社名や名前」「どのような用件」で「誰に会いに来たのか」を確認し、対応すべき担当者に連絡を入れて、応接室などにお通しします。
必要があればお茶などをお出しすることになりますが、そこは会社の慣習によります。
電話の応対の場合は明るくはきはきとした声で社名、部署、名前を名乗り、相手の方の社名、名前、用件を必ず確認します。
担当者に電話を回すか、担当者不在の場合はメモを残すようにします。
特に自分宛ではない電話の場合は、相手の方の社名、名前、用件、折り返しの連絡先などに間違いのないように、メモを取りながら応対をします。
来客応対も電話応対も会社の代表として対応していることを忘れずに、丁寧に間違いのないように対応します。
資金繰り表の作成
資金繰り表は会社の家計簿のようなもので、通常ひと月単位で作成します。
何日にいくらの入金があって、何日にいくらの支払いがあるのか、支払日に必要な支払金額が不足しないか、資金にいくら余裕があるかなどを確認するための資料です。
作成した資金繰り表は経営者や役員とも共有して、会社の経営に役立ててもらいます。
特に資金が不足するような場合は、銀行借入なども含めて経営者や役員には資金を調達してもらう必要がありますので、できるだけ早めに資金繰り表を作成し報告をしなくてはいけません。
企業によって業務範囲が違う
大きな会社であれば人事(労務管理)と経理(財務管理)と総務、広報、法務など様々な部署に業務範囲が分かれますが、小さな会社ですとこれら全てを経理(もしくは総務という名称で経理業務を含む)が行うことになりますので、幅広い知識が必要となります。
一般事務のつもりで入社したら、事務職は自分しかいなくて、事務関係の仕事は全部一人でやらなくてはいけなかったというのはよくある話です。
経理担当者の困ったときの切り札
大きな会社であれば業務範囲が細かく分かれていますし、先輩や上司が業務の内容を指導しフォローしてくれます。
しかし、自分しか事務職がいない会社の場合は担当する仕事の量も内容も多岐にわたります。
指導してくれる人もフォローしてくれる人もいないときは、税理士や労務士、弁護士など顧問契約を結んでいる先生方に相談すると良いと思います。
先生方の欲しい資料を言われた通りまとめていれば、失敗も少なく早く仕事を覚えることができると思います。
ただし先生方に頼るだけではなく、前任者が作った資料や書類や帳票などを確認して、自分で分かる範囲は自分で処理をすることも大切です。
また、相談する場合は、事前に社長などの許可をもらうのを忘れないように。
向き不向きの見極め方
経理業務には向き不向きがあります。
計画性、協調性があり、集中力と慎重性、数字に対して細かく向き合い、頭を使って業務にあたるタイプの人は経理に向いていると思います。
自己の能力や得手不得手を分析し、自分が経理に向いているかどうかを見極めましょう。
集中力がある人には向いている
締め日や支払日など経理は期日が決められていて、必ずその日までにしなくてはならない仕事があります。
期日に間に合わせるように書類を作成したり手続きをしたりチェックをしたりしなくてはいけないので、計画性があって集中力がある人には向いています。
慎重な人には向いている
基本的にエクセルが使えれば、コンピュータが間違いなく計算をしてくれます。
が、間違いなく計算ができるようにするためには、正しい計算式と正しい値を入力しなくてはいけません。
よって、慎重に丁寧な作業ができる人は経理に向いていると思います。
「ダブルチェック」は経理に携わる人には絶対必要です。
デスクワークが苦じゃ無い人には向いている
最近では、振込業務や給与支払いなど銀行に行かなくても、ネットバンキングを使用し社内で済ませる会社が増えてきました。
専用の振込用紙での支払いや通帳記帳のときくらいしか社外に出る必要がないので、ほとんどがデスクワークです。
「じっと座っての作業が苦にならない」「パソコン操作が得意」「面倒で細かい作業が好き」という人は経理に向いていると思います。
社内コミュニケーション能力がある人には向いている
経理の仕事は他の社員さんから書類を提出してもらって自分の仕事を進めなくてはいけなかったり、事務処理で他の社員さんの仕事をフォローしたりする業務ですので、社員間のコミュニケーションを円滑に進める必要があります。
常に事務所にいる経理の担当者のコミュニケーション能力が高いと社内の雰囲気も良く、働きやすい環境になります。
落ち着いた性格の人には向いている
給料計算も支払いも会社のお金を動かす仕事です。
そして、請求書などの書類の作成など丁寧に慎重に行わなければならない業務が多いので、落ち着いた性格の人が向いています。
また、電話応対や来客応対などをする機会もあるので、落ち着いた応対ができると、会社の印象が良くなり、会社の信用に繋がることもあります。
効率的に仕事をできる人には向いている
経理の仕事はスケジュールに沿って行わなければなりません。
しかし、仕事の量は多く、しかも間違いがあってはいけないので確認をしながら慎重に進めなくてはいけません。
そのため、仕事も会社の業務もスケジュール通りに進めるためには、効率良く仕事を進めていく必要があります。
簿記や秘書検定などの資格がある人には向いている
簿記や秘書検定などの資格がなくても、経理職に就くことはできます。
しかし、資格があると自分自身にとっても自信と安心になりますし、会社側もある程度その人の能力が計れるので、資格がある人の方が有利ではあります。
とは言え、会社や顧問税理士などによって勘定科目の振り分け方や使う勘定科目が少し違ったり、オフィス環境が異なりますので、資格に頼りすぎることなく、就職してからその会社のやり方に合わせて資格を活かす柔軟性を持っておくことが大切です。
自分にも厳しい人は向いている
重箱の隅をつついて経費のチェックを行い、期日を守っていない、規定を守っていない経費精算は突っぱね、「ちょっとぐらい、良いか」という甘えを許さず、会社の規定に乗っ取って厳しい管理を行わなくてはいけない業務です。
時にはその融通の利かない部分で嫌われたりすることもあるかもしれません。
しかし、他の従業員に対するのと同じように自分自身も厳しく律して業務にあたれる人は、それが必ず従業員や経営者、税理士や労務士や弁護士などの顧問からも信頼を得られることになります。
良い意味で会社のブレーキ役になれる経理担当者を目指してもらいたいと思います。
社外に出るのが好きな人には向いていない
出勤から退勤までずっと社内で、ずっと机に座っての業務がほとんどです。
また、大きな会社で複数の経理担当者がいると、ひたすらパソコンにデータ入力や伝票入力といった単純作業の仕事の繰り返し・・・ということもあります。
多くの人と会話したり、体を動かしたり、フットワークが軽く社外に出るのが好きな人には向いていないと思います。
協調性がない人には向いていない
経理の仕事はデスクワークの多い仕事なので、一人で黙々と仕事をし、協調性は必要ないと思っている人もいるかかもしれません。
しかし、常時会社にいて、電話応対や来客応対、請求書作成や経費精算など会社の要となる仕事をしている経理のお仕事は、実は協調性が大切です。
会社の運営や仕事を潤滑に進めるためには会社の経営者、従業員同士、同じ経理担当者同士と協調性をもって仕事ができる人が望まれます。
自分の仕事に成果ややりがいを強く求める人には向いていない
間違えないように、失敗しないように、が当たり前で、「失敗しても良いから、とにかくやってみよう!」というような業務内容でも職種でもありません。
どちらかというと、小さなことコツコツと真面目に正確に積み重ねていくことが多く、地味で縁の下の力持ち的な仕事です。
華やかで派手でハイリスクハイリターンで大きな成果や大きなやりがいを強く求める人には向いていません。
仕事や経費の無駄をできるだけ抑え、効率良く、リターンは小さいけれどリスクも小さく、小さな喜びを前向きにとらえることができる人に向いているお仕事なのです。
数字や計算が苦手な人には向いていない
世の中には「数字を見ると頭が痛くなる」人や計算をするときに「電卓を使ったから」「エクセルの表に数字を入れたから」間違っているはずがないと考える人がいますが、そういう人は経理には向きません。
「数字は合うのが当たり前」「計算はダブルチェックで確かめ算をするのが当たり前」でなくてはならないのです。
他人の作った資料や数字や計算はもちろん、自分が作った資料や数字や計算でさえも「間違っている」のを前提に再チェックができる人でないと向いていません。
皆さんには向いている人の特徴は、当てはまりましたか?
向いている人の特徴は、皆さんにもありましたでしょうか?
もし少しでも気になるようでしたら、一度キャリアアドバイザーの人に相談してみると良いでしょう。
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