就職・転職活動をするときは、業界だけでなく、職種もあわせてリサーチすることが多いと思います。

会社は様々な職種ー例えば営業職、事務職、経理職、技術職ーの人が支えてなりたっているものです。

そのなかで事務職は、全ての働く人を分母にした場合、約20%が事務職といわれるほどメジャーな職種で、どんな企業にもいる存在といえるでしょう。

また20代の女性、女子大学生に根強く人気がある職種が、事務職とされています。

実際に事務職は女性が多く活躍する業界です。

勿論、男性の求人もありますし、男性で活躍している人も多いですが、割合としては女性が多い職種です。

何故、事務職が人気かというと「力仕事でない」「オフィスワーク」「ライフワークバランスがとりやすい」という理由が多く聞こえます。

一方で事務職と聞いて、その仕事を具体的にイメージできる人は少ないかもしれません。

実は事務職というのは、その業務範囲が広く、会社により、その仕事内容は多岐に渡ります。

例えば一般事務職であれば、書類作成、管理、電話対応、顧客対応、備品管理が主な仕事ですが、会社によっては営業的な業務を担うこともあります。

根強い人気を誇る事務職ですが、実は就職転職の際にはその人気ゆえ狭き門になります。

また最近は経費削減の観点から、事務職を非正規雇用化したり、アウトソーイング化する企業も増えていることから、さらに競争倍率は高まりつつあります。

その中で、事務職につくためには<専門性を高める>ということをお勧めします。

例えば、医療事務、経理事務、営業事務、総務事務などがありますが、今日はその中でも経理事務をおすすめしたいと思います。

何故なら、企業の活動によって生じる毎日のお金の流れを記録、管理するのが、経理事務で、経理のない企業は存在しないので求人の数も比較的多いです。

また経理事務は会社ごとに多少の違いはあれど、汎用的な考え方のため、経験者が優遇されやすいという特徴もあります。

専門性も高く潰しがきき、ニーズも高いといえる経理事務職。

今回は経理事務とはどんな仕事内容なのか、求められる役割などをご紹介いたします。

経理事務とはどんな仕事?

企業の日々の活動により生じるお金の流れを記録し管理するのが、経理事務職です。

その仕事には日常業務という日々のものから、月次業務、年次業務と1年を通じ様々な仕事があります。

しかし、その1つ1つの業務の目標は、決算書の作成のためといえます。

決算書はその企業の成績表ともいえ、税金申告だけでなく、銀行からの借入、株主への提示などに使われます。

また決算書は、時に会社の方針を決めるために経営陣が参考にします。

経理事務は、お金の面から企業の根幹、未来を支える仕事といえます。

経理事務の役割

会社のありのままの姿を数字で残す役割

経理事務の仕事は企業の真実を数字で適宜残すことといえます。

そのため、経理事務が日々まとめる帳簿類を精査すれば、企業の姿がみえるといえます。

経営を分析する役割

経理事務の仕事は日々の企業のお金の流れをまとめることといえます。

その中で、借入金が過大、現預金が手薄など、企業にとっての課題がみつかるケースもあります。

また試算表を作成するなかで、月次予算との乖離をまとめ、その乖離が売上に由来しているのか経費に由来しているのかを分析し、経営陣に報告します。

ありのままの姿を数字で残すという範疇を超え、企業の経営的視点をもつ役割も担うことがあります。

経理事務の具体的な仕事内容とは?

経理事務の仕事の流れを一年のサイクルで業務ごとに分類してみます。

日常業務

現預金、手形管理

企業は毎日振込みがあったり、手持手形が現金化されたりします。

それらを通帳などに記帳したり、会計ソフトに入力したりします。

経費精算

従業員が立て替えた交通費、接待費などを把握し、精算します。

売掛金買掛金の管理

受発注管理も含めて、売掛金買掛金を仕訳します。

月次業務

給与計算

その企業により毎月25日など特定の日に給与が支払えるように残業代、各種手当も含めて計算します。

売掛金の回収、買掛金の支払い

日常業務で管理している売掛金の入金日には入金を確認、買掛金の支払い日には振込、手形の発行を行います。

月次決算書の作成

月ごとの試算表の作成のほか、予算と実績の差異分析を行うこともあります。

年次業務

決算書作成

企業の成績表ともいえます。

対外資料にもなるため、正確性が求められます。

税金納付

決算日の2カ月以内に決算書の所得をもとに、申告を行い、税金を納付します。

経理事務としてのやりがいは?

達成感を感じられる

毎日の仕事は、決算書という年次業務につながる一連のものです。

その一連の作業を通じて、期日までに決算書が出来上がった時、仕事をやり終えたという達成感を感じられます。

企業の経営を支えていると感じられる

自分の作成した月次資料、決算書をもとに経営陣は、経営課題を改善すべく企業方針を決めます。

またそれらは、経営資料といい、銀行などの利害関係人にも提出されます。

自分の毎日の仕事が会社を支えているという自負が経理事務職のやりがいです。

実際に、経理事務職の中には、職務の中で発見した企業の課題を資料にまとめ、経営陣に報告するベテランも存在します。

経理事務職は、経営陣の右手ともいえる存在です。

経理事務の仕事で大変なこと

数字とにらめっこで、集中力が求められる

経理事務の仕事は、数字とは切り離せません。

毎日会計ソフトや帳簿に、ミスなくコツコツと記載していかなくてはなりません。

集中力が求められる仕事です。

毎日座りっぱなしのため、腰痛や肩こりに苦しむという声もよく聞きます。

ミスは許されないというプレッシャー

決算書などは対外資料にもなる重要書類です。

仮に経理事務の日々の業務にミスがあり、決算書に事実との相違があれば、大問題になります。

時にそれは会社の信頼を失墜させるだけでなく、追徴金など会社に経済的損失を与えることもあります。

そのため、ミスは許されないという強いプレッシャーを感じることになり、辛いと感じます。

また、決算業務は税金申告にも関わるため、期日に間に合わせる必要があります。

繁忙期前は連日の残業、休日出勤などもあり、精神的プレッシャーだけでなく、肉体的にもハードで大変です。

他社員から疎まれることも

経費精算などの場面で、経費と認めてほしい従業員と、認められないと話す経理事務職が衝突することがあります。

また、給料計算などで従業員の給与などを知る機会もあり、他の従業員から距離を置かれていると感じる経理事務職もいます。

経理事務になるためにはどうしたらいい?

経理事務職は、即戦力重視の採用といわれます。

経理事務になるためにという観点で、資格、応募方法をまとめます。

経理事務の仕事に就くために

経理事務の仕事に就くために、特定の学部や学歴は必要ありません。

ただし、大手企業や新卒採用の場合は、大卒などの学歴が求められることもあります。

新卒の場合

新卒で経理事務につきたい場合、求人をだしている企業は、長期的に雇用したうえで、将来的には経理の面から企業を支える存在まで育成することを視野にいれています。

新卒で経理事務職に就きたい場合、自分のキャリアパスをより思い描くといいでしょう。

志望動機では経理事務の仕事から、将来的には経理の面から企業に貢献したいということを伝えましょう。

経験者転職の場合

基本的に経理職は即戦力重視のため、経験者が採用において優遇されます。

日々の経理事務だけでなく、決算事務が出来る、連結会計事務が出来るなどがあれば更に有利に働くでしょう。

最近は経理事務のアウトソーシングが進んでいることから、経理代行サービス会社も増加しています。

一時的にブランクがあったとしても、登録スタッフや派遣社員として徐々に勘を戻す方法もあります。

最近は在宅で経理事務を行える企業もあり、その働き方も様々といえます。

未経験者転職の場合

即戦力を重視する求人の場合、育成のコストがかかるため、採用されにくくなるのが現実です。

経理職は一般的には資格などは求められませんが、未経験転職の場合、やる気をPRするためにも簿記2級程度はもっていたいものです。

最近は英語やPCなどを使う機会が多いことから、これらに強みがあると有利になるでしょう。

また一般事務などでも、経理補助につく企業もあります。

そのような企業で、少しでも経験を積むのもよいでしょう。

必要なスキルや資格、経験は?

必要な経験

経理事務職としての経験があると即戦力として、採用の確率が高まります。

必要な資格

経理事務職は特に資格がないと出来ない資格ではなく、実際に資格がなくとも、経験次第で十分に転職も可能です。

とはいえ、簿記2級程度の資格は保有しておくと、客観的に自分の力を示せるでしょう。

合格率は年により異なりますが、独学でも取得可能なので未経験者、新卒は取得して損はないはずです。

また最近の経理事務にパソコンスキルは必須です。

日商PC検定2級やMOSなどをもっているとよいでしょう。

更に最近は海外法人を持つ企業も多く、語学力もあれば他の志望者との差異をPRできます。

応募方法は?

求人サイト、転職エージェンシーなどの形態に求人情報が掲載されます。

最近は事務職の外注化が進んでおり、派遣社員、契約社員で働く経理事務職も多いです。

経理事務専門の派遣会社もあるため、企業に応募するのではなく、人材派遣会社に登録して企業の面接に臨む人も多いです。

私の先輩はかつて大手商社で経理事務職としてパートで働いていましたが、得意先の社員の独立に伴い、ベンチャー企業に社員として雇用されたこともあります。

経理事務職は経験もいるほか、会社の数字を知ることにもなるため、このように社長自らヘッドハンティングという話もよく聞きます。

チェックすべき求人内容のポイントは?

経理事務職として働きたい人に求人のチェックしてほしい内容をまとめます。

企業規模

企業規模によって経理事務の仕事は様々です。

例えば中小企業の場合、経理事務が経理事務として独立していることより、一般事務と兼任していることもあります。

家族経営の企業の場合は、経営者的な立場の人が自ら経理事務を行うことすらあります。

経理事務の仕事と思って入社しても、企業規模によっては、一般事務のほか雑用を行うなど、仕事範囲が多いこともあります。

逆に大企業は分業化も進んでいるため、日々の経理事務と決算事務は別部門ということもあります。

さらに大企業の場合、連結決算業務、有価証券開示報告書作成レベルの業務水準が求められることもあります。

企業規模で求められる仕事範囲、スキルが違いますので、求人情報を見る際は上場の有無、子会社の有無、従業員数などをチェックしましょう。

経理、財務の違い

求人情報に「財務担当募集」または「経理・財務担当募集」として掲載されることがあります。

経理事務と財務、何となく似たようなものとしてイメージされますが、実際には大きく違うということもあります。

財務業務は銀行や市場などから資金調達を行い、資金運用、予実管理などを行います。

経理事務に比較し、より経営的な位置にいると考えられます。

中小企業では、財務業務は経営陣が行い、経理事務のみ経理事務担当が行う場合もあります。

この場合は、求められるスキルは経理事務をはじめとする事務全般といえるでしょう。

しかし中には、経営陣が技術職などの場合、財務もベテランの経理事務担当社員に一任する目的で「経理・財務担当募集」と求人をだすこともあります。

この場合、求められるスキルは経理事務のスキルだけでなく、それをどう経営的な視点でみるかという分析力、対外利害関係者との交渉力です。

なお大企業では、経理と財務は明確に区分されているため、経理事務職が財務職を兼任することはなく、その逆もないといえます。

このように求められるスキルも異なる為、企業が何をもとめているかは求人から読み取りましょう。

まとめ

いかがでしたか。

経理事務職は、事務職の中でも専門性が高く、転職市場の中でも評価の高い職種といえます。

日々のお金の管理から、経験を積めば試算表、予算分析などを行い、経営者に進言を行うこともあります。

企業を根幹から支えるというやりがいがあるのも魅力でしょう。

経理事務の仕事は、毎日コツコツ正確に行うことが求められるため、単調な仕事でもスピーディかつ正確にこなせるタイプに向いているでしょう。

経験者が優遇されるため、出産や育児で現場を離れても復帰しやすく、女性に人気があるのも納得です。

未経験の場合は、即戦力になりにくいため、資格を取得するなど、やる気をPRして、まずはアルバイトなどからでも経験を積んでいくとよいでしょう。


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