老人保健施設でパートをやってて良かった3つのこと
老人保健施設の仕事内容ってご存知でしょうか?
介護業界で働きたい方はぜひ参考までにご一読いただけたらと思います。
リハビリを目的とした施設である老健の仕事はきついイメージもありますが、実際の業務を知ると、とてもやりがい持てる施設なんです。
ここでは、老健に向いてる人の特徴やメリットデメリットなどをご紹介しますので、私の経験を踏まえて、様々なことを皆さんにお伝えできればと思います。
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目次
閉じる老人保健施設ってどんなところ?他の施設とは何が違う?
老人保健施設(以下「老健」)は、基本的なコンセプトとしては「自立や復帰を目指す」ためのものなので、在宅生活に戻るには不安が残る、まだリハビリがしたいというときに入所する施設です。
「基本的な」とわざわざ書いた理由としては、上記のとおりリハビリをしっかり行い、状態がよくなれば在宅に戻る、入所期間の目安は三ヶ月、となっていますが、実際のところそう上手くもいかず、そのまま入所を続けている方が多いのが現実です。
施設によっては数年利用を可能としているところも。
しかしながらリハビリのための施設であることには変わりなく、理学療法士が常在していますし、日常動作でも他の老人ホームに比べて「残存能力の維持、向上」、つまり、今ある能力をなくさない、むしろできることを増やす、を目標に介護が行われています。
また、看護師が24時間滞在していることも大きな特徴のひとつです。
ですので、他の日勤帯しか看護師のいない施設に比べ、医療ニーズの高い利用者も多く入所されています。
老人保健施設求人の仕事内容とは?
医療ニーズの高い方やリハビリ目的の方の入所は多いですが、介護職は一般的な施設と仕事内容はほぼ変わりがありません。
早出、遅出、日勤、夜勤の交代制勤務のところがほとんどです。
移動・食事・入浴・排泄などの介助
移動について
歩ける人には手引きや見守り、車イスの方は介助するという点では他の施設と同じですが、日常生活のすべてがリハビリですので、できることはしてもらいます。
車イス等も他施設では職員が率先して押すことが多いですが、少しでもできるようであれば自走を促します。
食事について
フロアで利用者が集まって食事を取ります。
ここでも残存能力の向上という意味合いで、お箸を使うように促したり、できるだけ自分で食べてもらったりします。
もちろん自分で食べられない方には食事介助を行います。
食事のあとは必ず摂取量を記録し、一日分まとめてカルテに記載します。
入浴について
大浴場でいっせいに入浴する施設がほとんどです。
基本的には週二回の入浴となっていますが、男性、女性に分けたり、フロアごとに曜日が違ったりしますので、ほぼ毎日入浴業務があります。
脱衣場で着脱を介助する職員、浴室内で洗身や洗髪を手伝い、浴槽への誘導を行う職員に分かれて行います。
浴室内の担当ではかなり濡れますので、半そで、短パンに更衣して行います。
入浴時は全身状態を観察するよい機会ですので、あざはないか、皮膚状態はどうかなど注意深く見ておきましょう。
ほとんどの老健は洗濯は施設で行わず、家族が持ち帰ることを前提としています。
それができない方は洗濯してもらう契約をされていることもありますので、そのあたりをきちんと把握しておきましょう。
排泄について
トイレ誘導、おむつ交換などその利用者によって介助方法は違いますが、こちらもできるだけトイレでの排泄をめざし、少なくとも日中はトイレに座ってもらうことが多いです。
トイレ誘導する方は、失禁があれば、基本的にはおむつではなく紙パンツを使用します。
老健でのおむつ、パッド類は介護報酬に含まれていますので、本人の自己負担はありません。
排尿、排便の観察も大切な業務の一環です。
特に排便は形状や量も記録に残します。
その他の介助
口腔ケアや就寝・起床介助、更衣介助等、生活全般の介助を行います。
リハビリテーション
介護職員が行うリハビリというのはとくにはありませんが、上記のように「すべてにおいて出来ることはしてもらう」という点を守りましょう。
どうしても職員がするほうが早かったり楽だったりするのですが、リハビリを目的とする老健では、見守りや声かけを行うことが重要な仕事になります。
ショートステイ、入退所の対応
多くの老健ではショートステイも行っており、入所されたときには荷物の確認や書類の整理を行います。
また、他の施設に比べて老健は断トツに利用者の入れ代わりが激しく、入退所の業務も多いです。
その都度部屋の準備や荷物の確認、必要であれば施設の説明など行います。
入退所の送迎
入居の際の入退所は、家族が対応する事も多いですが、施設によっては施設送迎の所もあります。
その際には、相談員やケアマネージャー、専従の運転手が行く事が多いですが、ごくまれに介護職員が送迎を行う事もあります。
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老人保健施設で働くために必要な資格は?どんな人が働いているの?
老人保健施設は医療やリハビリ関係職も多く勤務していますが、介護職の場合は特に定められた資格はありません。
ただし、無資格でも大丈夫な求人が多い中、老人保健施設では比較的「初任者研修以上」とされているところが多いように思います。
医療職としては24時間看護師が在住し、医師も配置されています。
リハビリ職としての各セラピスト(PT、OT、ST)も常勤で働いています。
老人保健施設の仕事のメリット・デメリットとは?
では、数ある施設の中で老人保健施設で働くと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
簡単にまとめてみましょう。
老人保健施設の仕事のメリットとは?
医療職が多いので、一緒に仕事をしていくなかで専門的な知識が身に付きます。
介護職ばかりの環境で働くよりも勉強になることは多いです。
残存能力を生かすことを前提とした施設ですので、そういった介護方法も学べるでしょう。
老人保健施設の仕事のデメリット・大変なこととは?
この施設で一番つらいことは上記で記したように医療関係職が多いこと。
勉強にもなりますが、介護職の立場はどうしても低くなりがちで、そのあたりで多少やりにくいことは人によってあるかもしれません。
あとはとにかく入退所が多いので、施設の中でも顔ぶれが変わりやすく、その都度入所者を覚えることが大変です。
老人保健施設仕事の向き不向き
ではどういった方が向いていて、どういう方は避けたほうがいいのでしょうか。
前述した点をふまえてまとめてみました。
こんな人は老人保健施設の仕事が向いている?!
医療関係の知識も得たい方にはぴったりです。
本当に勉強になることがたくさんあります。
ここまでの他職種が常在している介護施設はありませんので、いろいろと学ぶことが多いです。
老人保健施設の仕事に向かないタイプとは?
老健は終身対応ではありませんので、入院すれば即退所、この施設でターミナルを行う方は少ないです。
ですので、入所者を最後まで看取ってあげたい方は特養等を選ぶことをおすすめします。
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老人保健施設の仕事の良いところ
やりがいを感じるポイント
では実際に老人保健施設で働いて、これはやりがいがあるな、と思う事を挙げてみました。
たくさんの入居者と出会える
入退所の多い施設ですので、とにかくたくさんの入所者と出会うことができ、色々な病状や介護の状態を知る事ができます。
私が働いていた老人保健施設は入所定員が100名でしたが、4年働いた間に出会った入所者の数は300人を優に超えます。
皆さん数ヶ月は入所されていますので、その間に名前は勿論、今までの生活歴や要介護状態になったきっかけ等、しっかりと知る事ができます。
この人数の出会いというのは老人保健施設ならではで、他に特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームの勤務経験もありますが、出会いの数は老人保健施設がピカイチです。
入退所が頻繁だと大変ではありますが、その分やりがいも大きいです。
ADLが向上していくお手伝いができる
何らかの病気や怪我をきっかけに要介護状態になった方が、在宅復帰を目指してリハビリを行う為の施設である老人保健施設では、出来ることは全て自分で行ってもらい、生活を全てをリハビリとしてとらえます。
専門職のリハビリ以外にも、日常生活で残存能力の維持、向上を図る為には、介護職員もどうすればリハビリになるか考えながら仕事をしなくてはなりません。
高齢であっても、リハビリの成果でADLが向上する方は少なくないですし、数は多くないですが本来の目的通りに在宅復帰をかなえる方もおられます。
よくなっていく過程のお手伝いができる事が、老人保健施設で働く上でのやりがいの一つです。
面白いポイント
私が老人保健施設で働く上で、面白いなと思った点を二つご説明致します。
医療職と仕事ができる
老人保健施設は24時間看護師が常在しており、その他にも医師やリハビリ職(PT、OT、ST)が常勤で働いています。
看護用語が飛び交うような所もあり、付いていくのが大変な事もありますが、医療関係の知識はものすごく付きますし、色々教えてもらう事ができます。
医療職との壁も少なく、一緒に働く事ができてとても面白かったです。
リハビリのコツが分かる
常にどうすればリハビリになるか考えなくてはいけないので、声かけの仕方や介助の方法など、みんなで工夫を凝らします。
PT等に意見を求め、アドバイスを受ける事も少なくありません。
こういった麻痺の人にはこうすればいいんだな、等、介護職からリハビリのアプローチをする事ができるのが面白い点だと思います。
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老人保健施設のお仕事を考えている皆様へ
老人保健施設の仕事は、忙しくて大変ではあると思いますが、これほど知識を深められる施設もありません。
今後の仕事には必ず生かすことができますので、ぜひ挑戦してみてほしい施設のひとつです。