みなさんの食卓とは切っても切り離せない食材の一つ魚、それを売っている魚屋さんや鮮魚コーナーは身近な存在でもあると思います。

じゃあどんなイメージがわくでしょうか。

朝が早い?きつい?

大変なイメージの方がわいてくる人の方が多いのではないでしょうか。

もちろんそれも正しいですが、それだけではありません。

魚屋にはいろいろな仕事があります。

どんな人が向いているのか、向き不向きがあるのか、やりがいはどのようなことがあるのか。

魚屋で働きたいと思っている人に、私自身の経験を踏まえて、それを解説したいと思います。

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魚屋の仕事の種類と大まかな仕事内容

まず、魚屋にはどんな仕事があると思いますか?

皆さんのイメージは朝早く仕入れに行く、包丁で魚をおろすなどがあると思いますが、仕事の種類は様々あります。

店の取り扱いによっても違ってきますが、代表的なものを紹介させていただきます。

鮮魚加工

みなさんが魚屋と聞いて一番イメージする仕事内容だと思います。

魚を、おろしたりさばいたり開いたり、切り身や刺身などに加工して店頭で売る形にしてい行きます。

一匹一匹時間がかかるので、朝早くから出勤してやり始めます。

仕入れてきた魚をトラックから冷凍庫に運んだりすることもあります。

魚の量や大きさによってはきつい場合もあります。

冬などは寒さがこたえます。

トレーに盛り付けしたり、パック詰めしたり、値付けをして店頭に並べたりすることもあります。

仕入れ

その日売る魚などを市場に行って仕入れます。

市場は朝早いので、それに合わせるので必然的に朝早くトラックなどで、市場に向かいます。

その場その場で魚の新鮮さやだったりを見たり、水揚げ量によって変わる値段で仕入れ量を調整したりと、臨機応変に対応しなければなりません。

高すぎれば売れ残ったり、安すぎれば売切れたりする可能性も考えないといけないので、そのうえできるかぎり種類も豊富にするなど、魚の知識を含め多くの経験を必要とすることでもあるので、ベテランの人や役職のある人が担当することが多く、新人がいきなりと担当することはあまりないと思います。

販売業務

レジを打つだけでなく、店頭でお客様に対応して、商品を売ります。

ただ売るだけでなく、お客様からの、旬な魚とか、おいしい食べ方とか、おいしい調理法などの、魚に対しての様々な質問に対して、答えることが多くあります。

魚屋はただ魚を売るだけではなく、魚のことを知ってもらうのも仕事の一つという人も多くいるくらい、お客様とのコミュニケーションは大事です。

店員の「いらっしゃいませ」の威勢のいい声が、活気があるなどのその店舗のイメージに直結することも多く、とても重要です。

寿司調理

会社、店舗によっては行われているところがあります。

百貨店などのテナントなどに入っている店舗などに多く見られます。

魚を寿司のネタに切ります。

シャリを焚いて握ります。

太巻きや軍艦巻きなどの巻物を巻き、トレーに盛り付けたり、パック詰めしたりします。

お客様からいただいた注文を受けて作ることもあります。

お正月やお盆など家族が帰郷して集まったりする時期などには注文が増える傾向もあります。

その時は前日に作り置きなどはできませんから、鮮魚加工同様朝早く出勤して作る場合もあります。

惣菜加工

会社、店舗によっては行っているところがあります。

煮る、焼く、揚げるなどをします。

煮魚や焼き魚、フライ、てんぷら、酢の物などが様々な物を取り扱うことがあります。

この分野に力を入れて名物として売り上げを伸ばしているところもあるようです。

寿司同様時代や環境に対応した販売努力によって様々な変化がされてきたようです。

配達

会社、店舗によっては行われています。

お客様や飲食店などに届けたりします。

その店舗のある環境、周辺状況、お客様の層などによって様々なニーズに答えることが目的です。

その他に事務などのデスクワークもあります。

ただ鮮魚を加工してお店に並べるだけではなく、お客様のニーズに柔軟に対応していろいろな仕事があります。

その根本には、もっとおいしい魚を食べてほしいとか、もっといろんな魚を食べてほしいとか、もっと魚のいろんなことを知ってほしいとか、そういう気持ちがあるのではないかと思います。

仕入れ、注文の業務

開店前

早朝に市場に行って、仕入れをします。

役割も所でもあげましたが、市場の時間にあわせて行かなくてはならないので、魚屋はただでさえ朝が早いのに、もっと早くなります。

私が働いていた店舗でも朝の4時くらいには出発していました。

市場につくと魚の状態や値段などを見て、当日の店の売れ筋などをはじめ、いろいろな予測をして、数や種類を考えながら買っていきます。

買ったものをトラックの荷台などに積み込む作業もあります。

開店中

開店中は状況に応じて注文を入れることがあります。

市場ですべてがそろうわけではないのでその分を注文したり、日中であまりにも早く売り切れてしまった場合はほかの店舗からまわしてもらうこともありました。

閉店後

今日の売り上げの状況から、明日の売れ筋などを予測したりして、明日の仕入れの時に必要な種類や数をまとめておいたりすることもあります。

必要ならば注文も入れます。

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加工、調理の業務

開店前

前日からの作り置きなどはできないのがほとんどなので、開店の数時間前の朝早くから出勤することが多いです。

私が働いていた店舗では、まず出勤してやることは掃除です。

とにかく生の鮮魚を扱うわけですから、何よりも衛生面は大事ですし気を使わなくてはいけない部分で、やりすぎということはないです。

基本的には、仕入れのトラックが帰ってくるまでやっていました。

トラックが帰ってきたらまずは荷下ろしを手伝っていました。

なかには魚の大きさや入っている量などで重いものもありますので、結構きつい時もあります。

その後はそれぞれ開店のための準備です。

鮮魚加工なら、魚を売る状態にして行きます。

寿司調理なら、寿司ネタを切り始めます。

惣菜加工も下ごしらえを始めます。

1匹1匹、1つ1つ時間がかかります。

パック詰めやトレイへの盛り付けなどをして、値札をはったりします。

また店頭に出す品物だけでなく、寿司などの注文が多い場合この段階から作り始めることもあります。

繁忙期などは出勤はさらに早くなることが多いです。

開店中

店頭で品物の売れ行きを見ながら、少なくなったものをどんどん補充します。

夕方になるとどんどん補充してしまうと売れ残ってしまう可能性も出てきますので、そこは調整していきます。

来店されたお客様に直接注文を受ける場合もあります。

希望する切り方とか、大きさなどや、寿司の詰め合わせる希望のネタの種類とか、その場その場で臨機応変に対応していきます。

仕事がない場合はその他の役割で必要ならヘルプをします。

それも必要ない場合は掃除をしてました。

閉店後

残った魚などの後始末や後片付けをやります。

冷凍庫にしまったり、その日のでもう駄目な場合は、私が働いていた店舗では従業員がもらって帰ることができました。

その後は掃除します。

開店前もやりますが閉店後も入念にやります。

とにかく時間があれば掃除はやってたと思います。

店頭販売の業務

開店前

出勤してまずは他と同様掃除をします。

店の床を磨いたり、商品を並べるところも入念にふきます。

加工、調理が終わったパック詰めされた商品を店頭に並べていきます。

こちらで値札をはる場合もあります。

あとはポップを作ります。

チラシの売り出しの品物などやおすすめの品などにお客様の目を引くようにするためにとても重要です。

開店中

開店中は店頭で「いらっしゃいませ」と威勢のいい声で客引きをします。

お客様に商品をお勧めします。

お客様からの質問に対して答えるのも重要な仕事です。

旬な魚をお勧めしたり、魚のおいしい食べ方やその魚のおいしい調理法などを紹介したり、とても重要な仕事です。

あとはお客様からの注文を受けることもあります。

その場合は担当の部署にそれを伝えに行きます。

あとはレジを売ったり、ない場合は暗算で対応したりします。

店全体を見て商品が少なくなっていたらそれを補充するように担当部署に伝えます。

出来上がったものを店頭に並べます。

閉店後

残った品物の撤去をします。

こちらも私が働いていた店舗では廃棄になる品物は従業員がもらって帰ることができました。

その後は他同様に店内を入念に掃除します。

魚屋の仕事はどんな人に向いている?

どのような人が魚に向いているのか、自分の経験をもとに解説させていただきます。

ここで上げるのはあくまで向いていると思うだけであって該当しないから働くべきではないということではありません。

魚が好きな人

当たり前のことではありますが、ずっと魚に囲まれる職場です。

好きに越したことはありません。

魚に関する知識や、おいしい食べ方や調理法などいろいろなことを勉強できます。

家庭の食卓のレパートリーも増えます。

ただ魚には独特のにおいや生臭さなどがあったりする種類もありますし、ぬめりなどがある種類もあります。

嫌いな人は克服するのに大変な職場ではあると思います。

そういう面でも魚が好きな人が向いていると思います。

コミュニケーション能力の高い人

仕事内容のところでも触れましたが、お客様からの魚に対するする質問は多くあります。

旬の魚は?

おいしい食べ方は?

おいしい料理法は?

など、それだけでなく直接苦情を言われることもあります、ほしい魚がないとか、違う切り方をしてなど、そういった時の対応はとても重要です。

お客様を不快に思わせてしわまないよう、臨機応変の対応が求められます。

何よりこれがうまい人はお客様との距離がぐっと近づきます。

魚を介したお客様とのやり取りが魚屋を醍醐味でもあると思います。

ただ売るだけではなく、お客様に魚のことを知ってもらう、そのために必要なことなので、コミュニケーション能力の高い人は向いていると思います。

また包丁の技術を一から教えてもらうにも先輩とのコミュニケーションがよくとれることは重要で、確実な上達につながると思います。

明るい人、明るくふるまえる人

店員の「いらっしゃませ」の威勢のいい声が響く店舗は、活気があるといいイメージになり、店員がぼそぼそと「いらっしゃいませ」と言ってたらそれだけで悪いイメージを受けかねない、それくらい魚屋にとっては重要なポイントではないかと思います。

コミュニケーション能力の高さと直結する話でもあるかもしれませんが、店員のてきぱきとした対応、はきはきとした対応はとても重要で、明るい人、明るくふるまえる人は魚屋に向いていると思います。

逆に魚屋の仕事に向いていない人とは?

内気な人

内気な人や、コミュニケーションをとることが苦手な人は、お客様とのコミュニケーションがとても重要な職場ですので、苦労することがあると思います。

店頭に立つ店員だけでなく、鮮魚加工であっても、こういう切り方がほしいとか、寿司調理であっても、直接ほしいネタの注文を受けたりと、部署に限らず必要なことです。

私自身最初は大変でしたが、先輩などに助けてもらいながら時間をかけて、ゆっくりとでもなれていきました。

それによって人間的にも成長できたのではないかと、思っています。

朝が苦手な人

何度も書かせていただいてますが、とにかく基本的に朝が早いです。

仕入れなどに行く場合は、もっと早いです。

さらに実家に家族が集まることが多いお正月やお盆の時期は、繁忙期になり、さらに早くなることもあります。

出勤時間が長ければさらに早く起きなくてはいけなくなり、朝が苦手な人にとっては大変だと思います。

私自身も繁忙期に朝5時出勤などを経験したことがあります。

朝が苦手な人は、店舗の場所を含めて、通勤時間など熟慮する必要があります。

魚屋の仕事のやりがいとは?

魚屋で働くことによるやりがいはどのようなことがあるのでしょうか、私の経験をもとにあげさせていただきます。

やりがいとは、仕事に対する充足感や、手ごたえ、張り合いといった意味で使っています。

お客様に褒められた時

何といってもこれは外せません。

何度も書かせていただいてますが、部署問わずお客様からはいろいろな魚に対する質問だったり、切り方などに対する要望がくる職場です。

最初は私一人ではだめで先輩に助けてもらっていましたが、私一人で、お客様からのこの魚はどんなふうに食べたらおいしいの?

なんて質問にこの魚はこうしたらおいしいですよ、と答えて、後日そのお客様からおいしかったと言われたら、最高にうれしかったです。

もっと魚について知ってもらいたい、おいしい食べ方を知ってもらいたい、おいしい調理法を知ってもらいたいと、積極的に自分で調べたりするようになりました。

とても大きなやりがいを感じました。

包丁が一通り使えるようになって一人で任せてもらえるようになった時

ただでさえ大変技術なんですが、家事をほとんどやったことがなく、包丁の経験がほとんどなかった私には、出刃包丁や刺身包丁などを使って、魚をさばいたり、開いたり、おろしたりといった作業は、本当に苦戦しました。

ベテランの先輩に何度も見本を見せてもらいながら練習もしましたが、何度も失敗しましたし、ちょこっとですが、指先を切ってしまったこともあります。

だからこそ、時間はかかりましたが、一人で任せてもらえるようになった時は、本当にうれしく大きなやりがいを感じました。

さらにお客様の要望に応えた切り方でうまくできた時のうれしさは、さらなるやりがいになりました。

そして、家で料理をするようになったり、そのレパートリーが増えたりした時の喜びが、さらにやりがいへとつながったと思います。

仕入れを任された時

仕事内容のところでも触れましたが、仕入れというのは様々な魚の知識や、水揚げ量によって変わる値段などへの臨機応変な対応、店での売れ筋の予測など、経験がとても必要で、それを任されるようになるというのは、会社やお店に自分の経験が認められたことでもあるので、その仕事に対するやりがいはとても大きいと思います。

ただそれに伴うプレッシャーも相当なものです。

判断を失敗するとその日の売り上げに直結する可能性もあります。

そのプレッシャーも含めて、うまくいったときの充足感や、手ごたえと言ったやりがいは相当のものだと思います。

魚屋で働いた経験をどんな仕事に活かせる?

魚屋で働いたことで何をどのような仕事に活かせるでしょうか。

独立して自分の店を持つ

魚屋で働いた後に、日本料理店や、寿司屋など、身に着けた包丁の技術を活かして開く人がいます。

魚屋で得た技術だけでなく、関係者との人脈や魚の知識も含めて活かすことができるようです。

スーパーなどの鮮魚コーナー

魚屋で働いた後に、スーパーの鮮魚コーナーなどで働く人もいます。

魚屋で培った包丁の技術は、即戦力としてとても重宝されるようです。

また未経験者や若いアルバイト、パートに指導してもらうといった面でも魚屋で長年培った包丁の技術や魚の知識は重要で、ベテランのシニアの人でも採用されるところも少なくないようです。

料亭などの厨房

転職して、料亭や日本料理店などの厨房で働く人もいるようです。

こちらも、魚屋で身に着けた包丁の技術を活かすことができるようです。

やはり、身に着けた包丁の技術や魚の知識を活かしたその後というのが多いようです。

魚のうまさと包丁の技術の高さは直結するという人がいるくらいとても重要で、その後の仕事にも大きな影響があるようです。

魚だけに限らず多くの料理に応用できるので、いわゆる手に職をつけるといった意味でも、あらかじめそういった先を考えて魚屋で働く人もいます。

難しい包丁の技術を必要とする場所にとって、その経験は年齢を問わず、大きな価値を持っています。

まとめ

以上、魚屋についてまとめさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。

魚屋の仕事は朝早く、きついし、とてつもない量の魚についての知識を覚えなくてはいけない、包丁の技術を覚えるのが大変なのは確かです。

ただそれらのことは、その後の生活において、仕事はもちろん家庭でも活かす場所はたくさんあります。

もし職を変えることになっても、年齢問わず必要としてくれる場所もあります。

時間はかかっても、仕事や家庭を含めて、一生の技術として磨いていけるものだと思います。

皆さんそれぞれのやりがいを見つかることを、願っています。

この解説がちょっとでも皆さんの参考になっていれば幸いです。

実際に魚屋の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!

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