みなさんは、「生活支援員」の仕事と聞いてどんな仕事を想像しますか?

もし、生活支援員がどういった仕事かを知らなければ、求人募集を見つけたとしても、また仕事内容が記載されていても、その職種がどういうことをするのか、いざ自分がその職種についても長く続けることができるのか、当然不安になると思います。

そこで、生活支援員になって「こんなはずじゃなかった」となることがないように、具体的にどんな方が向いているのかをズバリお伝えしたいと思います。

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生活支援員はどんな仕事?

身体・知的・精神障害者の方の、日常生活や就労に向けた訓練をする施設や入所施設において、その方のお手伝いをする仕事です。

このお手伝いは、入浴・食事・排泄などの介助、服薬管理、人間関係や他者との交流においてのスキル向上や悩みなどを聞くなど、とても幅広いものになっています。

しかし、これらすべてを行うのではなく、その利用者様それぞれに必要な部分だけをお手伝いし、後は見守りや持っている強みをさらに生かすことがお仕事となります。

生活支援員の大まかな仕事内容

  • 食事介助
  • 入浴、着替えの介助
  • 服薬、受診管理
  • 睡眠管理
  • 悩みの傾聴
  • 就労に向けたスキルの向上(障害者の方が将来、働くために必要なスキル)
  • 内職などの軽作業の提供(軽作業をすることにより、やりがいをもつ)

おおまかに分けるとこのような仕事があります。

すべては施設を利用する障害をお持ちの利用者様に対して行います。

仕事上の役割とは?

施設の利用者様の支援を行うことが役割です。

先に述べたようにお手伝いを行うのですが、それは言い換えると支援です。

あらゆること全てを手伝うのではなく、できないことをお手伝いします。

利用者様のできることは残存能力を残すためにも手伝うことはせず、見守ります。

支援とは、手伝うこともあれば、見守る支援もあります。

より自立した生活を送るために、そして自分らしく人生を過ごすための支えとなることが、一番大切な役割となります。

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生活支援員の仕事はどんな人に向いている?

みなさんは、これまでの話を踏まえてどんな方が向いていると思いますか。

最初は向いていないと思っても、仕事として行ううちに天職となる方もいるのがこの生活支援員です。

しかし、この生活支援員には向かない人もいるのが現状です。

では、その違いを「向いている人」に視点をおいて、説明します。

明るく、前向きな人

これは、とても重要なことです。

障害をお持ちの方は、私たちが想像できないほど、大きな壁を乗り越えてきている方がたくさんいます。

とくに中途障害の方は、元気だった時と現在の自分とを比較して、なかなか前を向くことができない方もいます。

また、長い時間をかけてその障害を受け入れることができた方もいます。

しかし、その方々の身近にいる支援者が暗く、後ろ向きな人であったならどうでしょうか。

いつも暗い顔をして、何かを失敗したら怒るような人が毎日自分のお手伝いをしてくれていると思うと、段々と心を開かなくなることもあります。

やはり、いつも「大丈夫」と背中を押してくれる、そして笑顔で接してくれる人と一緒にいる方が、利用者様は安心します。

誠実な人

施設では予期しないことが起こります。

また、利用者様の気分によっていつもしていることが「気に入らない」と言われることもあるでしょう。

しかし、それを受け止め、何があったのか、自分の支援の方法を誠実に見直せる人がこの仕事には向いています。

決して人のせいにしない、これがとても重要です。

何も生活支援員に限ってのことではないかと思いますが、誠実さはその人の人柄や支援方法にも現れます。

それを利用者様は敏感に感じ取ります。

相手の立場に立って物事を考えられる人

これは、利用者様の立場、家族の立場、そして現場スタッフの立場、どの人の立場にも立って物事を考えられるということです。

やはり、忙しい現場の中で、イライラして人にあたってしまう人もいるでしょう。

それは、自分本位になっているからです。

福祉施設は、非常に複雑です。

利用者様本人の思いも大切ですが、これまで一生懸命支えてきた家族の立場、そして時には理不尽だと思うこともあるかもしれないスタッフ側の立場、どの立場にも同時に立つということではなく、その時々で自分の今目の前にいる相手のことを考えて対応できる能力のある人が、とても向いていると思います。

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生活支援員のやりがいってどんなものがあるの?

感謝の言葉を頂くこと

やはり、自分を一生懸命支援してくれている姿を利用者様は見ています。

いつもしていることではあるけれど、突然として「いつもありがとう」「話を聞いてくれて、すっきりした」などと言われると、本当にやりがいを感じますし、自分が少しでも役に立つことができたと感じることができます。

また、正直、仕事としてその利用者様の対応をしているのですが、その方からすれば仕事というよりは「自分のために一生懸命してくれている」という気持ちになるので、そこから言葉を頂けることは、この福祉業界ならでは、だろうと思います。

利用者様がステップアップをする現場に立ち会えること

利用者様は障害があり、今まで自分で行えていたことが困難になり施設を利用されます。

しかし、永遠にできないことばかりではなく、練習や訓練などによって持っている能力を向上させることや、今までは経験したことがないことを経験することにより、新しくできることを修得することもあります。

とてもつらい時期を乗り越えて、そしてステップアップしていく現場に立ち会えることは、大きなやりがいになります。

また、自分自身も新しいことに気づかされることもとても多く、日々自分自身も利用者様と成長していくことができます。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

生活支援員をしていく中で、いろいろな職種の方と出会うことがあります。

今まで知らなかった職種の方と出会うことで、刺激になることや学ぶこともとても多いです。

また、生活支援員の経験を積むことにより、それが実務経験として認められ、資格試験の要件となることもあります。

まずは就労継続支援事業所やグループホームに必置とされている「サービス管理責任者」になることもステップアップのひとつです。

それ以外にも次のような、いわゆる福祉分野における国家資格を取得し、スキルの向上と同時にステップアップが可能となります。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 介護福祉士

これらの国家資格の中でも、社会福祉士や精神保健福祉士は、四年制大学を卒業、国家資格を受験するために必要な福祉分野の指定科目を修了していること、などの細かな要件がありますが、この生活支援員の実務経験を生かし、大学で必須とされている演習が免除されることもあります。

資格取得を目指し、その後ステップアップすることも十分可能なため、生活支援員は将来の選択肢は比較的多く、やる気次第ではこの福祉の3つの資格を全て取得して、施設経営に携わる方もいます。

他にもこの経験を活かせる?

この経験は、親の介護、身内が障害を負ってしまった場合、どのような福祉サービスがあり、どこに相談にいけばよいのかなどが分かります。

また、こうした状況ではなかなか冷静になることができず、言われるままのサービスを利用することが多いのですが、知識があればサービスを選択することができます。

もちろん家族ではなく自分自身であったり、友人であっても、アドバイスができます。

自分が健常者として生活をしている時はなかなか、このような制度やサービスがあることすら知らないことが多いため、生活支援員の経験は今後においてもとても役に立ちます。

自分にあった生活支援員の求人の選び方や注意点

生活支援員について、どのようなことをするのか、基本的なことはお分かり頂けたのではないかと思います。

しかし、生活支援員の求人を見ていても、いろんな施設があってどこで働くのがよいのか迷ってしまうこともあります。

そこで、生活支援員の仕事を選ぶ際に必要なことをお伝えしたいと思います。

【選び方①】雇用形態から探す

生活支援員になるときは、特に法律で定められた資格などはありません。

経験がなくても誰でも、福祉に興味のある方であればなることができます。

そのため、雇用形態も様々です。

  • 正社員
  • 派遣社員
  • パート

上記3つが比較的多く求人が出ている雇用形態となります。

正社員はもちろん、派遣社員やパートの方よりも責任が重くかかります。

しかし、支援については自身の判断で利用者様と話し合い進めていくことができます。

派遣社員は、自分に向いていないと思った場合は派遣会社を通して契約をスムーズに打ち切ることができます。

しかし、正社員よりは給料は低いでしょう。

パートの方は、基本的には正社員の補助として支援に関わることが多いため、あまり大きな責任といったことを任されることは少ないです。

【選び方②】会社の業態から考える

施設には、いろいろ種類があります。

施設がどういった法人により運営されているかも、求人を選ぶ参考になります。

医療法人社団、社会福祉法人、NPOなど幅広くあるため、その施設の経営主体となっている会社を調べてみることもお勧めします。

また施設の種類では、主に入所施設であるグループホーム、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、就労移行支援事業所、生活訓練などがあります。

【選び方③】給与や雇用条件から考える

仕事をするにあたり、この給与や雇用条件はとても大切だと思います。

まずは自分のライフサイクルに合うものかどうかを見極めることが必要です。

生活支援員とひとまとめにしても、勤務する施設の種類により、雇用条件は大きく異なります。

まずはグループホームのような入所系施設では、その施設によっても異なるのですが、早番、日勤、遅番、夜勤などが細かく分かれていることも多いです。

また、入所施設は365日営業しているため、カレンダー通り休日をもらえることはほとんどありません。

年末年始、お盆など関係なく仕事があり、すべてシフト制になっています。

次に、就労継続支援事業所、就労移行支援事業所などの通所系施設であれば、シフトはほとんどなく、一般企業のように全員が同じ時間に出社し、同じ時間に退社します。

もちろん残業などがある場合も考えられます。

そして、休日に関しては土日、祝日がお休みとなっていることが多く、ほぼカレンダー通りといった感じです。

給与に関しては、勤務形態が不規則なグループホームの方が手当がつくため、その分高く設定されていることが多いのが現状です。

【選び方④】エリアから考える

日本全国に障害者施設はあります。

しかし、どの都道府県をみても県庁所在地となっている市に施設は多くあります。

しかし、経営主体が小さなものが多いのも現状です。

山間部や過疎地であれば、障害者施設の数は少ないのですが、それだけ大きな土地が用意できるということを強みにして、大きな施設を有している場所もあります。

過疎地に施設を有している場合は、経営母体が割と大きな施設が多いように感じます。

その分、雇用条件や給与などは安定しています。

注意点

生活支援員についてこれまでお伝えしてきましたが、ひとつとても大切なことがあります。

「障害を持った方も、障害を持たない方も同じ人で、人にはそれぞれ尊厳や意志がある」ということです。

近年、差別や虐待についても法整備がなされています。

そうした基本的なこと、人として当たり前のことを理解していないと、この仕事には就かない方が良いでしょう。

差別、偏見の目で障害のある方を見ている方には、この仕事はお勧めしません。

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まとめ

日本はストレス社会と言われており、精神障害を有する方がとても増えてきています。

そのため、障害者施設は増えており、生活支援員の求人も多く見られます。

生活支援員という仕事は、あまり華やかなものではありません。

しかし、縁の下の力持ちであり、ある人の大切な人生の一部に深く関わる非常に重要な職種です。

この仕事をすることにより、新しい知識や自分自身の成長につながることが多く、もし興味をもった方は経験してみることをお勧めします。

決して、給与は高くないかもしれません。

しかし、お金で得るものとは違った経験をすることができます。

また、自分の意識次第では、スキルアップも可能です。

これからの社会、この生活支援員はもっと活躍できるのではないかと感じます。

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