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「精神保健福祉士は、将来AIに仕事を奪われない」そんな話を聞いたことがあります。
私も、実際そう思います。
近年よくテレビなどのニュースで、人口知能「AI」にとられる職業と、とられずに残る職業があると言われています。
では、「とられる職業」と「とられない職業」の違いは一体どこにあるのでしょうか。
その答えはいくつか考えられるかと思いますが、まずは、効率化できる職業はきっと「とられる職業」に分類されるでしょう。
逆に「とられない職業」とは、人間の温かみ、対人面でのコミュニケーション能力が必要な職業、と言えるのではないしょうか。
本当は将来のことなど、誰にも分からないのかもしれません。
明日のことは予想ができても、実際どうなるのかなんてわかりません。
激動の社会の中、ストレスを抱えてこころの病気になる方は年々増え続けています。
精神保健福祉士は、ストレスを抱えた人のこころと向き合い、患者様、そのご家族様に寄り添い、そして信頼関係を築いていくことがとても大切です。
信頼関係が構築されてから初めて、この精神保健福祉士の仕事がスタートすると言っても過言ではありません。
実はこの信頼関係を築くことがとても難しく、そして時間の要するものです。
これが「AI」にとられない職業と言われる理由の一つです。
今回は、精神保健福祉士求人の仕事について、現役の精神保健福祉士が書いてみたいと思います。
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目次
閉じる精神保健福祉士のおおまかな仕事内容
精神保健福祉士の仕事と言えば、まず最初にあげられるのが「相談支援」です。
これが精神保健福祉士の仕事の大半を占めます。
この相談支援は、患者様に限らずそのご家族様も対象となり、範囲は広いです。
患者様、ご家族様が何を望んでいるのか、また何に困っているのか、これからどうしていきたいのか、適切な環境で過ごすことができているのかなど、現在の状態のみならず、その方のこれまでの歴史、つまり生活歴にも目を向け、支援を行います。
次に、障害年金の申請や住宅の確保、日中活動の場、就労先など、日常生活や社会生活の場面において、障害福祉サービスの情報提供や利用申請を行います。
また、病院に勤務している場合は、医師、看護師、心理士、作業療法士、精神保健福祉士など多職種で連携して治療、リハビリを行いますが、その職種間のコーディネイトをはじめ、患者様の代弁者となる役割もあります。
あとは、病院のベッドコントロール、つまり入退院の調整などを行う場合もあります。
精神保健福祉士の仕事内容は、こちらの記事を参考に!
精神保健福祉士は会社でどういう役割を求められる?
勤務する場所によっても異なりますが、どこにおいても共通するのは、患者様、利用者様、ご家族様の代弁者、そしてサービスや制度の情報提供者という役割があります。
さらに、患者様ご本人のニーズを把握し、医師に治療上必要な情報を提供することも求められます。
精神保健福祉士にはコミュニケーション能力が必要とされることが多く、業務の半分は関係機関や職場のスタッフとの話し合いなどです。
また、制度やサービスなどの知識を持っていなければいけません。
精神保健福祉士の求人にはどんな種類があるの?
近年、精神疾患に罹患する方は増え続けています。
また、日本は世界第一位の超高齢社会です。
そのため、認知症の高齢者の方も増えています。
発達障害もよく耳にする機会が増えましたが、教育現場でも発達障害を抱えた子どもたちが多くいます。
時代背景と共に、精神保健福祉士に求められることや、活躍できる場所も広くなってきています。
精神保健福祉士が行うことは、相談援助、各種サービスの利用申請、関係機関との調整業務が主となっており、基本的には働く場所は多くありますが、行う業務はどこの職場でも基本的なことは同じです。
よって、求人の種類としては、病院ソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、生活支援員、事業所のサービス管理責任者などを多く目にします。
精神保健福祉士の募集でよくある施設や事業形態のパターン
病院
先にも述べましたが、病院で勤務している精神保福祉士が一番多く存在します。
精神科病院では、大きな病院にはもちろん、クリニックにも多くの精神保健福祉士が働いています。
また病棟での勤務にとどまらず、病院が行っている精神科デイにも勤務することや、患者様の自宅へ訪問する「訪問看護」の勤務もあります。
特に大きな病院では配属先の異動などもあることから、病院勤務と言えども業務は多岐にわたることが多く、その配属先によっては行うこともさまざまですので、知識はもちろん相談支援に必要なスキル、面接技法などを身につけておくことが非常に重要になります。
介護施設
身体障害の方が多く入所している介護施設では、正直に言うと精神保健福祉士の募集はあまり多くはありません。
しかし、高齢者に関しては認知症に罹患するリスクも高いことから、精神保健福祉士の求人はあります。
精神保健福祉士は介護福祉士と違い、実際に身体介護や排せつ、食事の介護に携わることはほとんどありません。(人員が非常に少ない場合においては、手伝うという施設も存在します)
主に、認知症の方のレクレーションや行事に一緒に参加することにより、認知症のレベルを観察することや、認知症の疑いがある場合に医療機関につなぐ役割があります。
放課後等デイサービス
放課後デイサービスに勤務する場合も多くありますが、今の現状では正直に言うと社会福祉士の求人の方が多いかと思われます。
社会福祉士は児童についても専門分野となっており、児童に対する支援の知識も豊富です。
それに比べると、精神保健福祉士は「精神」に特化した精神専門の福祉職と言えます。
そのため求人数はそれほど多くはないのです。
では、精神保健福祉士の募集がなぜあるかというと、発達障害の子どもの利用が増えていることが考えられます。
発達障害は精神の分野になりますので、精神保健福祉士を雇用したいという事業主の方もいらっしゃいます。
ここでは、子どもと一緒に遊ぶことによって小さな変化を観察し、会話を通して必要な支援を考えていくと同時に、放課後等デイサービスでとても大切な家族支援も、重要な役割となっています。
家族はやはり子どもの様子は気になりますし、自宅でみていくのも家族の役割です。
特に発達障害のお子さんの養育は、家族の負担が大きく、家族の休養をとるためにもこの放課後デイサービスは存在しています。
そのため、本人はもちろん家族の困っていることを聞き、最適なサービスを提案することもあります。
ただ、放課後デイサービスのみを運営している事業所では、午後からの勤務になることが多いです。
なぜかというと、学校が終わる時間に学校にお迎えに行き、6時まで開所している場合が多数のため、派遣社員やパート勤務という働き方になる場合もあります。
福祉施設
現在日本には、障害者総合支援法という法律があり、その法律に準じて数多くの施設があります。
グループホーム、就労移行支援、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、生活訓練など、他にもありますが、こういった福祉施設で働く精神保健福祉士も数多く存在します。
グループホームに勤務した場合は、介護職でなくても早番、遅番、通常勤務、また、休日も決まった曜日ではなくシフト制になることもあります。
就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、生活訓練などの場合は、早番、遅番などはない勤務形態である場合が多いです。
勤務先にもよりますが、就労継続支援事業所はA型、B型に関わらず、請け負っている作業を利用者様が納期までにこなすことができなかった場合、スタッフで行うこともあるのが現状です。
そうした際は、残業になることもあります。
どういう事業形態が良いか決まっていますか?
基本的に、対人援助という職業柄、面談の時間が予定よりも長くなることや、突然の相談業務が入ったりすることは多々あります。
書類などの作成に関しては、空いた時間で計画的に進めることは可能ですが、上記のような突発的な業務が入ることは日常的にあり得るので、自分のペースですべての仕事をこなすことは難しい職種です。
グループホームや就労継続支援事業などの福祉施設に勤務の場合は、多少勤務は不規則になる可能性もありますが、利用者様は入院後、病状が比較的落ち着いており、日中活動も決まっていることもあり、ご家族の心配も、病院に入院している時よりは落ち着いています。
そういった面では、福祉施設で勤務する方が、精神保健福祉士のメンタル面での負担は少しは軽減されます。
ただ、初めて精神保健福祉士として働く場合は、多少大変かと思いますが、病院で働くことをお勧めします。
精神疾患とはどういった疾病で、どのような障害があるのか、知識を深めることができるためです。
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精神保健福祉士の求人でよくある募集内容とは?
一般的に求人が多いのは、病院でのソーシャルワーカーです。
相談援助、書類申請手続き、ベッドコントロールなどの業務が大半となります。
その次に多いのは福祉施設となっています。
基本的に精神保健福祉士は、相談援助と情報提供、書類申請手続きが主となるので、どのような場所で働いても業務内容は似ています。
また、求人のほとんどは正規雇用が多いのが現状です。
まれにパート勤務としてデイサービスなどの募集があります。
給与相場
これは勤務先によって大きな差があります。
国家資格とは言え「名称独占」であり「業務独占」ではないため、資格を取得するのは大変なのですが、給与面では看護師よりも低い相場となっています。
相場としては、年収300万~500万となっています。
500万というのは、大きな病院で勤務年数が10年以上、また役職がついている場合が多いようです。
平均は約400万弱とあまり高くはありません。
精神保健福祉士の歴史も浅く、平成10年に第一回目の資格試験が行われているため、精神保健福祉士が誕生してまだ20年あまりです。
そのため、比較的年齢層も若いということもこの給与面に影響していると思われます。
国をあげてメンタルヘルスについての改革も行われているため、これから給与面で優遇されることを期待しています。
勤務時間や休日、残業
勤務時間や休日は、勤務先によって大きく異なります。
例えば、看護師でも入院ができる病院と、外来のみのクリニックでは勤務形態や休日も大幅に異なるように、精神保健福祉士も勤務先によって異なるため、就職する際は、自身のライフサイクルにあった先を選ぶ必要があります。
病院であれば、基本的に病院の休日であれば、精神保健福祉士も休みになります。
看護師のように休日も関係なくシフトで働くといったことはありません。
公的機関、例えば県や市町村の職員として働く場合は、土日の勤務はほとんどありません。
残業に関しては、先ほども書いていますが、福祉施設の中でも就労継続継続事業所(A、B型)とも残業は多い傾向にあります。
反対にグループホームなどの入所施設の場合、交代制のため、申し送りさえできていれば次の勤務者がいるため、大幅な仕事の遅れはありません。
また、夜勤などは基本的に介護職員が行うことが多いのが現状です。
ひとつ注意しなければいけないのは、精神保健福祉士としてやるべき書類申請などの事務作業を勤務中にしっかりと行わなければ、残業は必然的にしなければいけません。
病院勤務では、家族や関係機関などの対応で残業になることが多いです。
残業という面で考えた場合、病院勤務が一番多いと思われます。
また、精神保健福祉士協会に所属するため、地域単位での現状報告会やミーティング、研修などもあり、これらは仕事が終わった後に参加することもあります。
これは、職場での促しにより参加するのではなく、自己研鑽として参加するため、もちろん給料は発生しません。
福利厚生
福利厚生に関しても、勤務先によって大きく異なります。
精神保健福祉士だからといって特別な待遇は特にありません。
福利厚生を考えるのであれば、医療法人社団や社会福祉法人などの母体がしっかりしたところが比較的に手厚いです。
給与面でも同じことが言えますが、大手民間企業の方が福利厚生は手厚いの現状です。
勤務場所
病院の規模にもよりますが、入院ができる病院で病床数が多ければ多いほど、精神保健福祉士もたくさんいます。
小さなクリニックや、施設であれば精神保健福祉士は1人ということもあります。
スタッフの数として考えると、福祉施設は利用者数に対して何人スタッフが必要、という人員配置がありますので、利用者様が多ければ多いほど、スタッフの数は多くなります。
しかしスタッフは必ずしも有資格者でなくてもよいので、あえて精神保健福祉士を多くとるという施設はあまり見たことがありません。
求められる人物像
今、目の前にとても困っている人がいたら、あなたはどうしますか?
- 1.声をかける
- 2.自分じゃなくても誰かが助けるだろう
- 3.声をかけたあと、自分で手伝えると思ったことを手伝う
2と答えた人以外は、みなさん福祉職に向いていると思います。
2と答えた方でも、福祉職につくことはできます。
なぜなら、福祉職に携わることで違う世界を知り、考え方も変わることがあるからです。
では、精神保健福祉士において求められるものは一体何でしょうか。
いくつか挙げてみます。
臨機応変に対応ができる
相談援助に来る方は、精神疾患を持った方、発達障害のある方、知的障害、精神障害どちらも持っている方、認知症の方、そのご家族の方がほとんどです。
いろいろな予想外の言動もあります。
自分の知識をはるかに超えた質問をされる場合や、対応を求められることもありますが、そうした時に慌てずに対応する必要があります。
また臨機応変に対応することに加えて、冷静さもとても大切なことです。
向上心がある
精神保健に関する法律や制度は、2000年以降、新しい法律や制度の改正があり、障害者の方を取り巻く環境は急速に変化しています。
その変化に敏感になり、また新しい制度を常に更新していかなければ、自分の知識は古いままで止まってしまいます。
自分の知識を更新しなければ、この仕事を続けることはできません。
昨日まであった制度がなくなっている、その反対に新しい制度ができているなどどいうことは頻回にあります。
そうしたアップグレードされた情報を得て、勉強することで、自分の知識の引き出しの数を増やしていく必要があるのです。
嘘をつかない
これは何も精神保健福祉士に限ったことではありません。
しかし、対人援助の仕事である以上、「間違った情報を伝えてしまった」「思った以上に手続きが長引いてしまった」などということもあります。
そんな時はまず、相手のせいにせず素直に謝ることができる人こそ、患者様、ご家族様、職場の人とも信頼関係を構築できます。
また、嘘をつく人であれば、自分のミスを精神疾患を患っている患者様の幻聴だと言い換えてしまう可能性もあります。
この「嘘をつかない」は非常に大切なことなのです。
コミュニケ―ション能力が高い
人と接する仕事であるため、数多くの方と出会い、仕事を進めていきます。
顔も知らない人との電話でのやりとりを始め、患者様の面談などでは、コミュニケーション能力が高いスタッフほど信頼関係も築きやすく、また関連先との会議の打ち合わせなどもスムーズに行うことができます。
入院や施設入所に関しても説明することが多い精神保健福祉士ですが、その印象が病院全体の印象にもなり得るため、コミュニケーション能力は常に求められるスキルです。
必要な資格、経験
相談援助は、資格を持たなくてもできます。
また、経験はなくても、向上心があれば相談援助はできます。
ただし、資格がなくても勤務できるのは、主に福祉施設での生活支援員としての場合が多く、そちらも資格の有無により、その待遇も異なるのが現状です。
専門的な知識を持っているのは精神保健の専門家という証でもありますので、やはり「精神保健福祉士」の資格が強い味方になります。
最短で資格を取得するには、高校を卒業した後、福祉系の大学に入学し、精神保健福祉士の受験資格に必要な単位を取得し、卒業することです。
しかし、社会人になってからでも、この受験資格を得ることができます。
看護師、作業療法士、理学療法士などは専門学校もしくは専攻科のある大学に入学し通学する必要がありますが、この精神保健福祉士は、今している仕事を継続しながら受験資格を取得することができます。
その方法をお伝えします。
- 福祉大学の通信学科に入学する
- 福祉大学を卒業しているが、受験資格に必要な単位を修得していない場合、短期養成学校に入学する
通信であるため、仕事と学業の両立は大変な面もありますが、仕事を継続しながら学習できるというのは、社会人にとってはとても魅力的ではないでしょうか。
また、福祉施設などでの勤務経験がある場合は、入学する大学によっても多少違いはあるのかもしれませんが、要件を満たせば実習が免除になることもあります。
この要件については、入学したい大学の資料を取り寄せると、詳細に記載されています。
精神保健福祉士のおすすめ求人のポイント
精神保健福祉士として働こうと思った時に、まずハローワークに行く方も多いと思います。
福祉職の求人は、ハローワーク以外にも福祉人材センターでも仕事を見つけることができます。
幅広く求人票を見た後に、どういった点を確認すべきか、重要ポイントをお伝えします。
精神保健福祉士がその職場に何人いるのか
これは重要なポイントです。
自分で判断が難しいと思われるケースに遭遇した際、同じ精神保健福祉士がいれば、アドバイスをもらうことができたり、同じ悩みを共有することもできます。
精神保健福祉士の仕事は対人援助なので、計算のように「正解」というものは存在しません。
いつも、試行錯誤しながら、日々自分のスキルを高めていかなければいけないので、困ったときに相談するのはもちろん、自身の対応に間違いがあってもひとりでは気づくことができず、知らない間に独りよがりな支援になることがあります。
そうしたことを防ぐ意味でも、職場にとっても、働く側にとっても精神保健福祉士が複数いる職場の方が、環境面では優れています。
訪問業務の有無
患者様、利用者様の自宅へ訪問する業務があります。
これはどこの職場でも必ず行われているものではないのですが、報酬単価が高いことから、率先して業務に取り入れている場合もあります。
もちろん、患者様ご本人が希望した場合に訪問を行うのですが、この訪問はとても大変です。
大変な理由としては、以下のようなものがあげられます。
- 独居の男性患者様の自宅へ行かなければいけない(複数のスタッフで訪問を徹底しているかも重要)
- 就業時間内に、職場へ戻ってこれない(通常業務にプラスされるため、残業にならないかもチェック)
- 車を運転する機会が増えるため、事故の危険性が増す
訪問は時間の制約もあるため、うまくスケジュールを組む必要があります。
できれば、訪問業務がない方が、精神的に身体的にも負担は軽いと考えられます。
精神保健福祉士の仕事がおすすめな理由
今、日本では精神疾患を患う方がとても増えてきています。
それは何も他人事ではありません。
もしかしたら、家族が、友人が、そして自分が精神疾患になっても、何もおかしなことではありません。
また、発達障害をもった方も多くなっており、これから精神保健福祉士の活躍の場が増えていくと言われています。
こうした時代の中で必要とされている、この精神保健福祉士のおすすめポイントをお伝えします。
精神障害福祉分野でのプロである
家族、知人など大切な人が精神疾患を患っているかもしれない…
受診させてよいのか迷っている、受診させたいが本人が拒否している、誰かに相談したい。
でも、誰に相談したらよいのか。
精神疾患にかかると、本人は本当につらいのですが、自分が精神疾患にかかっていると自覚し、自分で受診をすることは少ないのです。
受診をする際、拒否をする方を受診につなげるために、とても苦労するご家族の方、どこに相談したらよいのかわからなかったという方も、たくさんいらっしゃいます。
受診するまでに非常に時間がかかり、家族との関係が悪化していくことはよくあります。
家族に対する暴言なども、病気のせいで起こり得る可能性があります。
そうした時、家族も精神的に疲弊します。
そして関係性が悪化していくということが残念ながらあります。
しかし「もしかして精神疾患にかかっているのではないか」と思った時に、どう対応すべきか、どこに相談にいけばよいのか、精神保健福祉士はわかっています。
そのため、関係性が悪化する前に、そして病状が悪化する前に、受診につなげることができます。
病気を発症してから受診までに時間を要すると、予後がよくないこともあるため、早めの受診が大切になります。
この精神保健福祉士の資格や経験は、大切な人を守ることができるのです。
自分の家族、友達を救うためにも、身につけておくといいスキルだと思います。
人の人生の支えやお手伝いができる
この仕事は、精神疾患や精神障害を抱えて生きていく方の人生のお手伝いができます。
信頼関係がとても大切な職種ですが、なかなか身内や友人以外の人生に、真剣に向き合いお手伝いをする機会はないのではないでしょうか。
この仕事は、そうした障害を抱えながら地域で生活し、社会復帰を志す患者様のお手伝いをする仕事です。
病気でとても苦しんでいた方が、社会復帰していくその過程に携わることができるのは、このお仕事ならではだと感じています。
自分も成長できる
精神疾患や精神障害を抱えて生きていく方の、社会復帰をお手伝いする過程で、患者様から教えて頂くことも、実は非常に多いのです。
そうした方に関わることによって、自分自身が成長させてもらえる仕事です。
正直、大変なこともあります。
しかし、それ以上にやりがいのある仕事です。
精神保健福祉士のお仕事で知っておくべきこと
どの仕事も楽なものはありません。
最初から即戦力として働くことは非常に難しく、やはり経験が自分を成長させてくれます。
慣れない仕事、これまで経験したことのない世界に最初は戸惑うことは多いと思います。
しかし、少しでもこの仕事に興味がある方は、ぜひ下記のポイントを読んでください。
精神疾患、精神障害を持っていても、自分と何も変わらない
悲しいことに、障害に対する偏見は今現在もあります。
それは、何も精神障害を持っていない人が、障害のある人を見下しているという場合だけではないのです。
実際、精神障害を持った人も、「自分は精神障害者なんだ、みんなとは違うんだ」と、自分自身にスティグマ(烙印)を抱いているのです。
常にそのことを忘れずに、患者様に接してほしいと思います。
偏見のない世界を望みますが、それは非常に難しいことです。
障害もその方の個性としてとらえる姿勢で仕事に就くことの重要性を、最初に知っておいてほしいのです。
まとめ
「精神保健福祉士」という言葉やそうした職種、国家資格があることを知らない方の方が実は多いのではないかと思います。
人生の中で知らずに過ごす方もいらっしゃると思います。
派手な職種でもありません。
どちらかと言えば、地味な仕事ですし、あまり表舞台に立つこともありません。
ある人の人生の縁の下の力持ちのような存在です。
そしてもしかしたら、この知識が大切な人へ生かされることがない方が、幸せかもしれません。
しかし、もし必要となった時は、とても力になることができます。
精神保健福祉士って何だろうと感じて、この記事を読んでくださったことに感謝します。
こうして興味を持ってくれた方は、きっとこの職種に向いているのではないかと思います。
資格取得には勉強が必要です。
そしてこの資格を生かして働くときは、きっと、ずっと勉強の日々です。
これといった正しい答えがなく、いつも自分の言動を振り返り、アドバイスをもらい、時には後輩にアドバイスをする側にまわります。
一方で、いろんな人と出会い、そして自分を高めることができる仕事です。
そして、社会人になってからでも、何歳からでもチャレンジできるこの資格、職種です。
2018年には、社会人が通信大学などの教育機関に、資格取得やスキル向上のために入学した人数が、過去最高になったとの報道がありました。
きっとこの精神保健福祉士を目指す方もその中に多く含まれていると思います。
興味を持たれた方は、きっと素敵な精神保健福祉士になられるのではないかと思います。