大変そうなイメージを持たれやすい精神科の看護師ですが、どんな仕事をしていて、どれくらいの給料をもらっているか気になりませんか?

ここではそんな精神科看護師の給料について紹介します。

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精神科看護師の仕事内容は?

そもそも精神科看護師はどのような仕事をしているかを紹介します。

患者さんの症状や精神状態、身体症状の把握

バイタルサインはもちろんですが、精神科ではそれ以上に精神状態の把握が重要です。

精神疾患の患者さんは、自分の状態を把握したり他人にうまく伝えたりすることができないことも少なくありません。

また興奮や暴言・暴力と言った手段で自分の気持ちを表現することもあります。

患者さんの行動や言動などから精神状態を把握することが必要です。

さらに、身体的な症状、腹痛や頭痛があるときに「お腹の中に誰かがいる」「頭を誰かが殴ってくる」などとまるで幻覚や妄想のような訴えをする場合もあります。

そういったときに、「その訴えは精神症状なのか、それとも身体症状なのか」を鑑別する事も必要になります。

日常生活動作(ADL)の援助

精神疾患の患者さんは、自分の身の回りの世話が自分ではできにくくなっている場合が多いです。

精神症状や妄想、幻覚、薬による抑制の影響など原因は様々ですが、入浴や洗顔、食事などの生活に関わる動作に支障を来している方が少なくありません。

そんな患者さんに対し、自分でできるように手助けをしたり、または代わりに行ったりします。

また精神科では身体拘束を行っている患者さんもいるため、そういった患者さんに対して介助を行う事もあります。

患者さんの暴力や暴言、興奮への対応

精神科では暴力や暴言、興奮と言った事態は避けられない物でもあります。

患者さんが自分の気持ちを表現する手段として、他者への暴力や暴言は日常的に起こりうることです。

そのような事態に対して、患者さんの安全を確保しつつも、スタッフの安全も確保し、複数のスタッフで患者さんを押さえたり、医師へ診察を依頼し、場合によっては法律に基づいて隔離や身体拘束などを実施することもあります。

なお、暴力や暴言、興奮に対しては、一人きりで対応するのではなく、他の看護師や医師などと協力して対応していきます。

生活指導

精神疾患の治療は、薬だけではなく、周囲の人々のサポートも重要になります。

例えば家族や信頼できる友人知人、職場の人などの理解や協力が得られるかがポイントです。

そのため、特に精神科外来では患者さんを始め、周囲の人々への生活指導も行っています。

精神科看護師の給料の相場はどのくらい?

一般科の看護師の給料と大差はありません。

正職員、新卒、正看護師で、夜勤手当やその他諸手当込みで年収300万〜500万円程度です。

額面月収では25万〜35万円あたりですね。

ボーナスの額によるところもあります。

なお、基本給は新卒で18〜20万円程度と、一般科よりもやや低く抑えられている傾向があります。

また精神科では男性看護師が多く活躍していますが、男女による差はありません。

基本給以外のものは、どうなっているの?

基本給以外に給料を左右する部分をありのままに紹介します。

給与が高い人は何が違うの?

まず、資格手当の部分は、正看護師と准看護師を比較すると、正看護師の方が高いです。

また、精神科関係の認定看護師資格を持っていたり、看護研究を行って学会発表などを行うと、それが評価されて資格手当や賞与に反映されることもあります。

そして看護師の給与の金額を大きく左右させるのは夜勤手当と時間外手当です。

後述しますが、精神科では時間外手当はそこまで多くなく、夜勤の回数で給与が決まると言っても過言ではありません。

さらに、一般企業でも設定されている企業はありますが、無遅刻・無早退・無欠勤の場合や、欠勤日数が極めて少ない場合に支給される精皆勤手当をしっかりと受け取ることも基本になります。

昇給の条件やタイミングは?

営業職と違って成果が数字として見えにくいため、多くは年1回、年度替わりなどの節目の時期に昇給があります。

以前は年功序列ということもあったようですが、上司の評価により昇給額が決まる場合が多いです。

評価は、日々の業務や患者さんへの対応、看護研究や研修への参加などを踏まえて行われます。

ただし看護師全般の傾向として、40代以降の昇給幅が少ない傾向にあります。

また民間病院と公立病院を比較すると、公立病院は公務員のため、年齢が上がると給与が上がりやすい傾向もあります。

残業代(時間外手当)は?

精神科では一般科に比べると急変が少なかったり、急性期病棟を除いて急な入院はほぼ皆無のため、業務時間内に仕事が全て終わることが多いです。

このため、定時に退勤できることが多く、結果として残業代はあまり付かない傾向があります。

サービス残業を何時間も行うようなこともないため、仕事自体の負担は一般科よりも軽いと言えるのではないでしょうか。

夜勤手当は?

夜勤を行うと1回当たりいくらで支給されます。

相場としては三交替の準夜勤で4000円程度、深夜勤で5000円程度、二交替夜勤で10000円程度です。

このあたりの金額は一般科の病院と大差はありません。

賞与は?

基本給の金額や上司の評価により支給額が変動してきますが、精神科看護師は年間合計で4~5ヶ月分程度支給されます。

ただし、いわゆるメンタルクリニックのような個人経営の診療所では少ない場合もあります。

福利厚生は?

精神科に特有の手当としては危険手当が上げられます。

精神科看護師は患者さんから暴力を受けるリスクがあることもあるために危険手当として支給している病院があります。

また扶養手当や通勤手当といった多くの一般企業に存在する手当は当然精神科病院にもあります。

なお都市部で三交替を導入している病院の場合、準夜勤後に公共交通機関では帰宅できない場合があるため、タクシーチケットを支給している病院もあります。

これも通勤手当、もしくは福利厚生の一環と言えるでしょう。

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精神科看護師で給与を上げるための方法とは

精神科看護師が給与を少しでも上げるためにはどうしたらいいか、考えてみましょう。

給与に反映される資格を取る

資格手当をいかにもらうかが最初の方法になります。

例えば同じ仕事をしていても、准看護師より正看護師の方が資格手当が高くなります。

さらに精神科に関連する認定看護師や専門看護師の資格を取得することも良い方法ですね。

日本看護協会が養成している認定看護師資格で精神科に関連するものとしては、認知症分野の認定看護師が挙げられます。

また同じく日本看護協会により精神看護分野と老人看護分野の専門看護師が養成されています。

さらに精神科看護師の団体である日本精神科看護協会でも、精神科認定看護師を養成しています。

こういった認定看護師や専門看護師資格以外にも、例えば専門学校卒の看護師なら通信制の看護大学などを卒業することで、大卒資格を得て、専門卒ではなく大卒での基本給をもらうという手段もあります。

夜勤を多くこなす

夜勤を多く行えばそれだけ夜勤手当が支給されますので、給与の上昇に繋がります。

ただし、その分身体的な負担が増し、心身を壊してしまうリスクもありますので、自身の心身状態と相談しながらになるでしょう。

なお、日本看護協会では「夜勤回数は3交代制勤務は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務は労働時間などに応じた回数とする。」「夜勤の連続回数は2連続(2回)までとする。」などと言った「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を作成していますが、このガイドラインが守られていない病院も少なくありません。

そのため、給与を上げるために意図的に夜勤回数が多い病院に転職するのも一つの方法かもしれません。

精神科単科の病院に転職する

特に総合病院の精神科勤務の場合におすすめできる方法です。

総合病院では様々な診療科がある関係で、精神科だけ特別扱いをすると給与格差に繋がるとして、精神科の事情が考慮されず、また評価も他の診療科と同様の基準で評価されるため、結果として給与が安くなってしまう場合があるのです。

一方で精神科単科の病院は、精神科の事情を考慮した評価や給与となっていますので、総合病院よりも給与が高くなる可能性があります。

公立の精神科病院に転職する

「精神科単科の病院に転職する」と似ていますが、現在精神科勤務の方にもおすすめできる方法です。

公立病院で勤務する看護師は公務員のため、年齢が上がると給与が上がりやすかったり、そもそもの金額が民間病院よりも高かったりする傾向があります。

また賞与もそれぞれの自治体の条例で定められた金額となり、民間病院よりも安定しています。

ただし、公立の精神科病院自体の数が少ないため、通勤等の条件とも合わせて考える必要はあります。

看護研究を行ったり研修に積極的に参加する

直接的に給与に反映されるわけではありませんが、昇給や賞与を決める際に上司からよりよい評価を受けるための方法になります。

日本精神科看護協会(日精看)が毎年開催している、日本精神科看護学術集会および日本精神科看護専門学術集会では、日本中の精神科看護師が現場で研究した事柄を発表したり、シンポジウムや講演などを通して精神科看護をより良いものに発展させるべく活動しています。

また、日精看や日本看護協会などが看護に関する研修を数多く開催しています。

こういった学会や研修に参加することで、自らの看護を向上させることができ、結果としてより良い看護が提供でき、上司からも評価されるという好循環が期待できます。

精神科看護師は、こんな人におすすめ!

残業が少ない方が良い人

精神科は残業が少なく定時で帰れる傾向がありますので、残業代は確かに少ないです。

ですが、それでも一般科と同等の給与が期待できますので、残業が少ない方がいい人におすすめです。

もっとも、残業が多い方が良いという人はそこまで多くないと思いますけれども。

家庭の事情で残業が難しい人

「残業が少ない方が良い人」と似ていますが、家庭の事情に合わせた勤務が行いやすいのも精神科の特徴です。

子育て中の人の場合、保育園の送迎などでどうしても残業が難しかったり、夜勤が行えなかったりすることがあると思います。

そういったときでも精神科は残業が少なく定時で帰れるため、そして夜勤も可能な限り調整してくれるため、家庭を大切にしながら仕事を続けられます。

認知症認定看護師資格を持っている人

認知症認定看護師は精神科以外でも役に立つ資格になります。

しかし他の一般科では、メインの疾患の治療に付随して認知症の対応を行うことが多いのに対し、精神科では他の精神疾患以外に認知症そのもので入院してくる患者さんもいます。

そのため、認知症認定看護師資格を存分に生かすチャンスが多く、また認定看護師資格を資格手当に反映できますので、給与面でもメリットが生まれます。

患者さんとしっかり向き合った看護を行いたい人

残業が少ないということは、それだけ仕事に余裕があると言うことでもあります。

また急変も少なく、慢性期病棟では時間にゆとりを持った仕事を行うことができます。

近年の高齢化社会の進展により、慢性期病棟に入院している患者さんも高齢となっているため、身体的なケアを行う機会は増えてきています。

しかし自立した患者さんも多いため、患者さんとしっかりと向き合い、関係性を構築し、患者さんの気持ちに寄り添った看護を行えます。

男性看護師

男性看護師が増えたとは言え、看護師全体から見るとまだまだ少ないのが現状です。

そのため、一般科の病院では同期の女性に比べて出世が遅くなったり、前例がないからと役職に就けないなどといった事例も見られるようです。

また男性が一生の仕事としていく上で、看護師はあまり得とは言えない事情もあります。

女性としては年収が高い看護師ですが、男性としては他の職種と比較すると決して高いとは言えず、昇給も他の職種に比べれば緩やかなのが現状です。

しかし、精神科では男性看護師が多く活躍しています。

そのため、男性の師長や主任も数多くいます。

出世の面で女性より遅いと言うこともなく、将来を見通しやすいです。

また、給与に繋がる資格を取ることで収入を増やすこともできます。

そういった事から、精神科単科の病院には男性看護師が働き続けやすい環境があります。

筆者自身も男性看護師として精神科で勤務しており、今後も続けていきたいと考えています。

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まとめ

精神科看護師がどんな仕事をしていて、給料はどうなっているのか、少しでもおわかりいただけましたでしょうか。

精神科は大変そうだというイメージを持たれていますが、残業は少なく、また急変もあまりないためイメージほど大変ではありません。

それでいて一般科と大差ない給料のため、実は意外とお得だったりするのです。

また男性看護師にとっても将来を見通しやすく、活躍する場を持ちやすいのも特徴です。

ぜひ皆さんも精神科で働いていませんか?

お待ちしています!

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