ガイドヘルパーになるには?どんな仕事?必要な資格や勉強・転職や就職についてもご紹介!
この記事を読んでいる皆さんはきっと、ガイドヘルパーの仕事に就くことを考えている、関心がある人たちなのだと思います。
ただ、ガイドヘルパーになるのはどんな資格や学習が必要なのか、あるいはどうしたらガイドヘルパーの仕事ができるような就職・転職をすることができるのか、よく分からないことも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、そういった皆さんを対象に、ガイドヘルパーとなるための情報をお伝えしていきたいと思っています。
この記事を読むことで必要なことが分かってくるように説明していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
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(正社員希望の人限定)
目次
閉じるガイドヘルパーの仕事についておさらいしておこう
ガイドヘルパーとは、障害のある人向けに外出や移動、余暇活動などを支援する付添を行うサービスです。
主に全身性障害のある人、視覚障害のある人、そして知的障害のある人向けに分かれており、それぞれ必要な資格も異なります。
ちなみに視覚障害のある人のガイドヘルパーを「同行援護従事者」、それ以外の二つを「移動支援従事者」といいます。
この記事では以下、実際の仕事の需要などを考慮し、知的障害のある人向けのガイドヘルパーについて、必要な資格や就職に関する紹介をします。
さて、知的障害のある人向けのガイドヘルパーについては、主に余暇活動を支援する、またそれによって保護者の方に休息を取っていただく、というのが制度の趣旨となっています。
ガイドヘルパーはご自宅などお迎え先に向かい、保護者の方などからご本人をいわばお預かりして余暇に向かい、交通機関利用支援や金銭管理などを行いつつ目的地に向かい、余暇活動をサポートしてまたお送り先に戻る、この一連の業務を行います。
これが大まかなガイドヘルパーの仕事です。
ガイドヘルパーになるには、資格は必要?
ここでは、ガイドヘルパーになるために必要な資格について説明します。
知的障害がある人向けのガイドヘルパーになるためには、資格が必要です。
ただ、いくつかの条件があって、そのうちのいずれかを満たせばよいこととなっています。
必要な資格
ガイドヘルパーになるためには、基本的には以下のいずれかの資格が必要です。
- 介護福祉士
- 介護職員初任者研修修了(実務者研修修了でも可)
- 旧ホームヘルパー2級、介護職員基礎研修(※旧制度)修了
- 移動支援従事者養成研修修了(行動援護従事者養成研修・強度行動障害支援者養成研修でも可)
- 保健師、看護師、准看護師
このいずれかの資格があれば、ガイドヘルパーとして働くことができます(旧制度資格や特定の自治体での特例など、例外的な資格もありますが、ここでは割愛します)。
学生の方など、どの資格も持っていない場合には、移動従事者養成研修(計3日間)の修了が最も適しているでしょう。
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ガイドヘルパーになるために勉強しておくべきことは?
移動従事者養成研修の修了により、資格を取得した場合には、それ以外に特別な勉強は必須ではありません。
但し、ご利用者様への理解をより深めたい場合や、他の要件によりガイドヘルパーの資格を取得した場合には、自閉症やアスペルガー、発達障害や精神障害・知的障害、ダウン症といった事項について学び、知っておくことが有益でしょう。
ガイドヘルパーになるために必要なスキルは?
ご利用者様の障害特性は、一人ひとりがユニークですので、それらの個性を把握しご本人をよく観察した上で、パニックや興奮などを起こさせずにお迎え、移動・活動からお送りまでの一連の業務を遂行できることが必要になります。
このようにいうと、非常に難しそうではありますが、経験の浅いうちはいわゆる難しいご利用者様の支援にアサインされることはないのでご安心下さい。
もし今この記事を、障害についての知識があまりない状態でお読みになっている方は、不安を感じるかもしれません。
しかし、実際に初めてガイドヘルパーとして支援を行ってみると、緊張感で疲れることはあるかもしれませんが、そこまで難しいものではない、十分に遂行できるという印象を受ける人が多いようです。
そして、ガイドヘルパーの仕事で最も大事なのは、余暇活動をご利用者様と一緒になって最大限楽しむ、ということです。
これはスキルとは少し異なるかもしれません。
さらに、時にはご利用者様は、ヘルパーが楽しんでいるかどうかには全く関心を示さないこともあります。
しかしそれでも、ガイドヘルパーがただの仕事と割り切って傍観しているのでは、ご利用者様に社会参加を促しているとはいいがたく、制度の趣旨に十分に沿っていることにはなりません。
ガイドヘルパーも楽しんでいる様を余暇支援の度に示すことで、ご利用者様自身の嬉しさも増加してより一層、余暇支援に対してポジティブになり、その結果満足度も社会参加度も向上することになるのです。
経験者が語る!私はこうやってガイドヘルパーになりました
ここでは私自身の経験をご紹介します。
私はガイドヘルパーという仕事を知ったのは20代、福祉とは別の本業を抱えていた時のことでした。
それまでは週末に、発達障害のある子どもたちを支援するボランティアをしていましたが、移動支援従事者のことを知り、本業を抱えたまま週末の副業という形で働いてみたいと思ったのです。
もちろん資格はありませんので、移動支援従事者養成研修を受講しました。
その研修を実施していたNPO法人では、研修だけでなく移動支援事業も活発に行っていたので、研修修了と同時にそのNPO法人で週末と祝日のみ、ガイドヘルパーとして働くようになったのです。
ちなみに、他には学生の方、主婦の方、定年を迎えた方、そして私のように副業として働くことを希望する方などが、養成研修を受けてガイドヘルパーとして働いていました。
私は子どもが生まれたのをきっかけに、現在はガイドヘルパーはお休みしていますが、それまではずっと、週末・祝日のガイドヘルパーを続けることができました。
他にもそのような方は多く、副業としても無理のない働き方であることが分かります。
さらに、中には60代や70代のガイドヘルパーの方もいます。
もちろん健康であることが前提ですが、ガイドヘルパーになることに加えて、続けていくことも魅力的な仕事であることの証といえるでしょう。
ガイドヘルパーの募集状況や転職状況はどうなってるの?
ここでは、ガイドヘルパーの仕事の、職員募集や転職状況について紹介します。
求人の種類、求人が増えるタイミング、転職についてそれぞれ説明します。
ガイドヘルパーの求人の種類
雇用形態によって求人はどのように異なるのでしょうか。
ここでは、その違いを紹介します。
正社員
正社員の場合には、月給及び諸手当(又は年収)、休日、福利厚生が示された求人であることがほとんどです。
また、他の雇用形態と比べて最も充実している、処遇が優れているのが、正社員の求人です。
多くは有資格者、経験者を求めていることが多いです。
また、ガイドヘルパー専業ではない(例えばグループホーム施設の管理者業務との兼業など)求人であること、さらに高齢者介護などといった部門などへの人事異動の可能性がある求人など(人事異動の可能性といった情報まではなかなか求人広告だけでは分かりません)である場合もあります。
仕事は移動支援の現場のみならず、事務作業も含まれます。
また、それに伴い残業もありえます。
他方、稀ではありますが非常に規模の大きい移動支援事業所で、定期的に新卒採用を行っている事業所もあります。
ガイドヘルパーを本職として働いていきたい、と希望する場合には、こういった新卒採用の求人を探していくのがよいでしょう。
新卒採用を狙うのであれば、首都圏など大都市部の事業所を目指す必要がありますので、ご注意ください。
さて、正社員求人でも多くを占める中途採用では、経験者を募集することがほとんどです。
特にガイドヘルパースタッフというばかりでなく、マネジャーや事業所の責任者ポストを募集していることもしばしばあります。
このように管理職の求人も多いのが、正社員募集の特徴でもあります。
契約社員
契約社員求人の場合、正社員の募集と異なるのは諸手当や福利厚生といった待遇が比較的劣るこということです。
賞与や退職金がない、少ないという場合もあるでしょう。
また月給でなく時給制の場合もあります。
また、契約社員でも、新卒採用と中途採用の両方があります。
ただしその事情は、正社員の求人とは異なります。
まず新卒採用の場合、要するに正社員として採用して処遇するだけの余裕がないというのが、契約社員の新卒求人なのです。
ですので、定期的な新卒一括採用というようなものとは全く異なる、といえるでしょう。
次に中途採用についてですが、これも正社員の中途採用より低い待遇であることがほとんどです。
ただ、諸手当や福利厚生を除く、基本給や休日に限っては、あまり正社員と条件が変わらないこともしばしばありますので、求人内容など他の条件が魅力的であれば、そこまで気にならないかもしれません。
また、中途採用の場合には当然、有資格者や経験者が求められることがほとんどです。
アルバイト
アルバイト求人の場合、正社員や契約社員と異なるのは、まず時給制であることです。
また、事務業務を担当することはなく、ガイドヘルパーの現場での仕事に専念することのできる求人募集がほとんどです。
もちろん仕事は、ご利用者様及びそのアルバイトをする本人の都合が合う場合のみです。
それ以外の日は休日ということになるでしょう。
業務委託
業務委託に関心がある人は、例えば本業の会社から、複数の雇用契約締結を禁止されているなど、何かしらの事情で雇用契約を締結したくない、業務委託契約が望ましいという人でしょう。
しかしながら、ガイドヘルパーの仕事を雇用契約でなく、業務委託契約によって任されることはあまりないかと思います。
この移動支援などの支援事業にかかる経費は、ご利用者様負担は一部となっており、大半を市区町村が負担する公的な制度となっています。
そのため、市区町村はガイドヘルパーを雇って事業を行う事業者に渡った経費が、その後確かに、ガイドヘルパー本人に給料として支払われているかを確認する、といった監査を行っているのです(事業者への監査内容はこれ以外にも多岐にわたります)。
そしてこの制度では、ガイドヘルパーを雇用して事業を行うことは認められていますが、移動支援自体を業務委託することは認められていないようです。
市区町村によって制度の運用は異なりますので、もしかしたら業務委託方式を認めている自治体もあるかもしれません。
しかしガイドヘルパーの仕事をしたいと思うなら、業務委託でなく事業所に雇用されてガイドヘルパーになる方が現実的でしょう。
ガイドヘルパーの求人が増えるタイミングは?
ここでは、ガイドヘルパーの求人が増えるタイミングがあるのかについて紹介します。
求人が増えるタイミングというのはあるのか?
ガイドヘルパーを目指す人にとっては気になるのが、「ガイドヘルパーの求人が増えるタイミングはあるのだろうか?」ということでしょう。
しかしながら、特にガイドヘルパーの求人が増える時期というものはありません。
ただ、三連休や大型連休の時には、ガイドヘルパーの利用自体の需要は大きく高まります。
アルバイトでガイドヘルパーをする人にとっては、比較的シフトの埋まりやすい、稼働の多い時期といえるでしょう。
ガイドヘルパーの転職事情
ガイドヘルパーの転職事情は、ある程度限られたものとなります。
移動支援事業の制度は、市区町村による公的な制度ですので、転職において最もポイントになる給料、その元になる事業収入の時間単価は、転職して勤務先を変えたからといって上がるようなものではないからです。
但し、以下のような考え方から、転職を検討することが考えられるでしょう。
- 経営が順調で、正社員や契約社員の月給・年収がより高い事業所への転職
- 事業所の規模が大きく、アルバイトで働く上でシフトが埋まりやすい事業所への転職
このような転職をすれば、実質的に給料を増やすことができるといえます。
また、ある程度経験を積んだ後、マネジャー・管理職の求人に応募して転職するということもありそうです。
特に、移動支援の事業を行う上で配置が必須である「サービス提供責任者」は実務経験が必要なこともあり、有資格者が不足しがちですので、比較的求人の見込める立場といえるでしょう。
もっとも、人手不足=待遇が不十分という側面もあるので注意が必要です。
また、ガイドヘルパーについては、移動支援のみ行っている会社・法人と、高齢者介護分野など近接福祉事業も併せて行っている会社・法人に分かれます。
ガイドヘルパーだけしたい、という人は前者に、色々なサービスを担当したい、という人は後者への転職も考えてみるといいでしょう。
全般的には、福祉事業は人手不足であり、例えば人間関係が不満で転職したい、という場合には、あまり変わらない待遇で転職先を見つけることが比較的容易(但し、逆に大きく待遇を上げることも難しいかもしれません)でしょう。
ガイドヘルパーの仕事に興味がある方へ(まとめ)
この記事では、ガイドヘルパーになるための資格やスキル、求人・就職や転職事情などについて説明してきました。
いかがでしたでしょうか。
文中でも触れましたが、ガイドヘルパーの仕事で最も大切なのは、事故などがないようにご利用者様の安全を確保することに加え、余暇活動をご利用者様と一緒になって最大限楽しむことです。
単にご利用者様を目的地に連れていき、スケジュールを消化すれば活動の充実ぶりはどうでもいい、ということでは決してありません。
逆に、余暇活動をご利用者様と一緒に楽しんでもらえることが、ご本人の満足だけでなく、社会活動意識や社会全体への関心、保護者様の休息、社会の障害認知・多様性など、多くの物事の向上に波及する好循環へとつながっていくのです。
つまり、社会的にも大きな意義のある、とてもやりがいのある仕事、それがガイドヘルパーの仕事なのです。
この記事をご覧になって、ガイドヘルパーの仕事をやってみたい、と思った人は、ぜひ求人に応募し、働いてみてください。
ガイドヘルパーの担い手はまだまだ足りません。
この記事を通じてガイドヘルパーが増えてくれれば、私もとても嬉しいです。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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