2020年7月6日

突然ですが、心理相談員ってどんな仕事なのかご存知ですか?

カウンセラーのこと?心の病気を治してくれる人?そんな疑問もこの記事を読めば一挙に解決すること間違いなしです。

なかなか知る機会の少ない心理相談員の詳しい仕事内容や役割、なり方から気になる給料・年収事情や、やりがいまで!

これを読めばあなたも心理相談員の求人をきっと見つけやすいはず!是非ご一読ください。

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心理相談員とはどんな仕事?

働く人の安全や健康の向上を図り、労働災害を発生させないことを目的とした活動をしている「中央労働災害防止協会」という組織があります。

そこが行うさまざまな活動の一つに、心理相談員の養成もあり、心理相談員は中央労働災害防止協会によって認定される資格です。

企業等で働く人を対象として、企業内で従業員の精神面の健康の維持のために、様々な活動を行うことが心理相談員の主な仕事です。

心理相談員の役割とは?

心と身体の健康づくり運動

働く人の心身の健康を維持し向上させることを目的として、厚生労働省はトータル・ヘルスプロモーション・プランというものを1988年に策定しました。

これに基づいて、各企業では従業員の健康の保持増進に努めています。

各企業が行う、トータル・ヘルスプロモーション・プランでは、産業医によって健康測定が行われます。

その結果、必要がある従業員に対して、運動指導・保健指導・メンタルヘルスケア・栄養指導等を行います。

この時、メンタルヘルスケアの部分で、従業員との面談等により、従業員の心の健康の増進を図ることが心理相談員の役割です。

正社員、契約社員、バイト、派遣などで求められる役割は変わる

各企業がトータル・ヘルスプロモーション・プランをどのように活用するかによって、担う役割は変わってきます。

積極的にトータル・ヘルスプロモーション・プランを推進している企業では、正社員としてメンタルヘルスケアの予防から不調者の対応まで、従業員の心の健康に関わる全てのことに携わることが求められると思います。

契約社員やアルバイトでは、そこまでのことはできないでしょうから、部分的に研修や面談を担当する事で、従業員のメンタルヘルスケアに携わることが多いです。

心理相談員の具体的な仕事内容とは?

具体的な業務

メンタルヘルスケア

十分な休息や栄養、適度な運動などと共に、心の健康についても意識的に取り組んでいないと、誰でも心の健康を保つことは難しいというのが、働く人の現状です。

どのようなことを意識して、どのようなケアをすることで、心の健康の維持増進が可能なのかを周知し、日頃から従業員一人一人が意識的にセルフケアを行うことが重要です。

このような研修や情報発信などの予防のための活動は、心理相談員の重要な業務の一つです。

ストレスへの対策援助

仕事の量、納期、上司や部下との関係、同僚同士の人間関係など、職場にはストレスの素となるものがとてもたくさんあります。

そうしたストレスの素に晒され続けることで、精神的に不調となる従業員もいます。

そうした時に面談等を通して、その方の辛さを受け止め、共に対策を考えたりすることがもう一つの重要な業務です。

仕事の流れ

カウンセリング

心理相談員の行うカウンセリングは、心の病の治療を目的としたものではありません。

しかし治療や服薬が必要な従業員がいたら、適切な専門機関につなげることは大切な役割です。

主には、従業員が本来持つ力を発揮して、健康に働くことができるように、抱えているストレスや問題を整理したり、必要に応じて職場環境の調整などを行うことを目的としてカウンセリングを行います。

職場の環境作り

例えば、職場の物理的な明るさ、静けさ、温度なども適切ではないと、大きなストレス要因となります。

業務を行うのに適した環境であるかどうか、メンタルケアの立場からも確認が必要です。

精神的な健康に大きく関わりのある職場環境というと、やはり人間関係が挙げられます。

本人が負担や不快に感じている人間関係を改善し、より働きやすい職場環境を作るために、何が必要なのかをアセスメントし対応します。

環境を調整すれば解決する場合もあれば、その人の偏ったものの捉え方や考え方が一因となっている場合も多く、そうした場合には長期的に面談を重ね、本人の思考の偏りを調整する事も求められます。

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心理相談員はどういう人と仕事で関わるの?

企業内で働く人々を対象に支援を行う心理相談員が関わるのは、同じ企業で働く従業員の方々のみではありません。

状況に応じて幅広く様々な人たちとの関わりが生じます。

ここではその一例を紹介します。

企業等で働いている人

心理相談員が関わるのは主として企業等で働く方々です。

一般の従業員に精神的不調の予防を目的として研修などを行なったり、不調となっている従業員の方に面談を行なったりします。

医療従事者

精神的な不調を感じている従業員の方との面談の結果、治療や服薬が必要である方には、受診を勧めます。

その際に、産業医や会社と提携しているメンタルクリニックなどの医師等と情報共有を行うこともあります。

また、精神的な不調により休職していた従業員の復職の際には、産業医や主治医の意見をもとに、安心して復職し働けるようサポートを行います。

地域の社会資源

精神的な不調により休職中などに、従業員の方が利用できる地域の社会資源等を案内したりもします。

心理相談員の給料事情は?

心理相談員という資格の他に、保健師や看護師という専門資格を持っている人も多く、そうした人は給与水準が高いです。

正社員であれば年収500万円程度、アルバイトであれば時給2,000円程度といったところだと思います。

保健師や看護師の資格がない場合は、もう少し低い金額になります。

心理相談員でやりがいを感じること

人と関わりながら働く心理相談員という仕事には、やりがいを感じる部分はとても多くあります。

その分、無力さを感じたり落ち込んでしまうこともありますが、ここでは具体的にやりがいを感じる部分はどんなところかをお伝えします。

悩んでいる人の力になれる

人の役に立てるということは、とても嬉しいことです。

特に悩みを抱えて苦しんでいる状態の人や、辛い思いをしている人の力になれることは、やりがいに直結します。

でも、「役に立てた」「苦しみや辛さを軽減できた」と感じられることは非常に稀でもあります。

結局役に立てたのだろうか、苦しみを軽減することができたのだろうかという無力感に苛まれることも多いものです。

カウンセリングした人の変化

職場での嫌な思いや悩みを抱えていた方が、カウンセリングを通して徐々に変化し、また職場に適応して笑顔で働くことができるようになったり、新たな目標を見つけ転職を決意したという変化を身近に感じ、その方の人生に大きく関わることにも、やりがいを感じます。

心理相談員に向いている人のタイプは?

「心理」や「相談」というキーワードから、優しい人や穏やかな人が向いているようなイメージがあるのではないでしょうか。

実際にはどのような人に向いているのかいくつか挙げてみました。

人の役に立ちたい人

前にも書きましたが、この仕事では「誰かの役に立てた」というやりがいを感じられることもあります。

そのため、人の役に立ちたい人に向いている仕事であるともいえます。

しかし、「役に立てた」と感じることよりも、「役に立てたのだろうか」と感じることや自分の無力さを思い知る場面にも、多く出くわします。

そうした時に、人の役に立ちたいという思いが強い人ほど挫けてしまうので、人の役に立ちたいということに、過度に執着していない人の方が向いているのかもしれません。

コミュニケーション能力がある人

面談では1対1でのコミュニケーションが求められ、研修では1対多のコミュニケーションが必要になります。

大勢を相手に行う研修もあれば、少人数を対象にしたワークショップのようなものもあります。

多様なスタイルでのコミュニケーションが苦ではなく、むしろそれを楽しいと思える人には向いていると思います。

また、精神的に不調な状態にある人と信頼関係を築き、再び元気に働けるようにサポートするという役割を果たすためには、柔軟なコミュニケーションができる能力も必要になります。

企業で働いた経験のある人

心理相談員が対象としているのは、企業で働いている人々です。

そのため、自分自身が企業で働き、苦労したり悩んだりした経験は大いに役に立ちます。

働く人たちの抱えるストレスや悩み事を、感覚的にも理解しやすくもあるのではないでしょうか。

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心理相談員の仕事で大変なこと

人の心に触れる仕事は、自分自身の心にも大きな影響を与えます。

正直大変だと感じることも多いです。

その中からいくつか紹介します。

気苦労が多い

心理相談員が対応する問題は、一度で白黒ついてスッキリ解決という性質のものではないことが多いです。

複数の懸念事項を、ある程度の期間抱えざるを得ない仕事でもあります。

重たい症状の方からの相談や、職場内でこじれている問題の相談などが重なると、やはり自分の心理面にも影響が生じます。

そんな時には仕事から離れても、重たい気持ちを抱えてしまうということもあります。

そのため、自分なりのリフレッシュ方法や気分転換の手段をいくつか用意しておくことが必要です。

勉強をし続けなければいけない

さまざまな問題に適切に対応するためには、自分自身が研鑽をつみ、常に新しい情報や広い視野を持ち続けなければなりません。

休日を利用して、勉強会や研修会に参加する事もあり大変ではありますが、そうした場にいくことは刺激にもリフレッシュにもなります。

心理相談員になるためにはどうしたらいい?

企業の中で心理相談員として働くためには何が必要なのか説明します。

心理相談員に就職するために

心理相談員として就職するというよりも、保健師等の資格で企業の衛生管理部門スタッフとしてや、人事労務部門で衛生管理者などとして働き、中災防の開催する講座を受講して心理相談員の資格を取るという方が多いです。

資格は必要?

心理相談員、中央労働災害防止協会が行っている講座を受講することで得られる資格です。

その講座は誰でも受講できるものではなく、保健師や看護師、衛生管理者などの資格と、健康に関する面接又は相談の経験が必要等のいくつかの条件があります。

必要なスキルや資格、経験は?

心理相談員という名称を名乗って働くには上記のような講座の受講や資格が必要ですが、心理相談員という名称でなくても、企業の人事部等で同じような仕事をしている人もいるかと思います。

心理相談員の将来性は?

企業で働く人が心の健康を維持し、能力を発揮して働くことは、今後も変わらず求められることです。

社会情勢が変化しても、心身の健康に関する問題や不安がゼロになるということはあり得ず、そうした人や企業をサポートする役割は、今後も必要とされ続けることと思います。

需要は高まりそう

近年、企業にストレスチェックが義務付けられたり、働き方改革という名で労働時間に関して様々な取り組みがなされたりしています。

そうした中で、従業員一人一人が安心して健康に働けるよう、企業が充実したサポートを提供するということも必要となり、需要は高まると感じています。

専門性を高める必要がある

心理相談員としての専門性はもちろんですが、プラスアルファの専門も持つ人は強いと感じています。

例えば、今後ますます社会のグローバル化は進むでしょうから、英語や中国語など、他の言語での相談にも応じられるという人は貴重な人材とされるでしょう。

まとめ

心理相談員と聞くと、心理のことを専門としていて、心理療法などを行う人をイメージするかもしれません。

しかし実際は、ここまで書いてきたとおり、働く人の心身の健康維持増進を目的として、企業等で活動する人のことを指します。

心理相談員という資格も、試験があるわけではなく、中央労働災害防止協会が開催する講座を受講するだけで取ることが可能なものです。

ただ、保健師や看護師など、心身の健康に関する一定の知識を既に持っていることが受講条件とされているので、誰でも手軽に取れる資格という訳ではありません。

とはいえ、心理系、社会福祉系、保健系の大学を卒業している方や、衛生管理者の資格を持っている方も受講資格がありますので、興味がある方はまずは中央労働災害防止協会のホームページで確認してみることをおすすめします。

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