介護施設で働くなら!おすすめ施設の特徴や、仕事の探し方を解説します
これから介護施設で働いてみたいという方は、どんな仕事があるのか気になるところですね。
一般に介護はキツい仕事だと言われており、ネガティブな事柄が取り上げられるケースが多いように思われます。
果たして本当にそれだけなのでしょうか。
確かに大変な部分があることは否定できませんが、それ以上に働きがいや仕事への喜びに繋がることもあるのです。
そこで今回は、介護施設の仕事内容、介護施設で働くならどのような所が良いのか、勤務先を選ぶポイントなどをご紹介していきたいと思います。
現役の介護士として働く私の経験も交えながらお話を進めていきます。
どうぞ参考になさってみてください。
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介護施設とは?
みなさんは、介護施設と聞くとどんなことをイメージされますか。
「高齢者がいっぱい住んでいる」「認知症の人がいる」「仕事がキツいし重労働だ」など尽きませんね。
病気やケガなど何らかの理由で生活することが困難な方をサポートしていくのが介護施設となります。
一般に病院は治療を目的としています。
介護施設はと言うと、退院後の生活を支援することや家庭の事情で介護負担を軽減させたい方の支援などを行っている所です。
また介護施設によっても例えば特別養護老人ホーム、デイサービス、デイケア、グループホーム、訪問介護などがあり、提供するサービスの特徴も様々です。
要は、高齢者の生活支援を行っていく所と認識していただければ間違いありません。
介護施設での仕事内容
それでは実際に、介護施設ではどういった仕事が展開されているのでしょうか。
介助と一口に言っても多岐にわたります。
ここでは基本的なことを取り上げますが、施設や地域により違いや特徴がありますので、その点はご了承ください。
食事
利用者さんにとって一番の楽しみになるのが食事です。
利用者さんの中にはご自分で召し上がれる方とそうでない方がいらっしゃいます。
病気やケガなどでお箸やスプーンが上手く使えない、あるいは認知機能の低下によって食事さえ認識することが難しい場合もあります。
そこで介護士は食事の介助をしていくわけですが、様々な危険も潜んでいりので注意が必要になってきます。
- 半身麻痺によって口全体が動かせず、どちらか片方に食べ物が溜まってしまう
- 筋力や認知機能の低下などによって、嚥下(飲み込み)が上手くできないため誤嚥してしまう
この他にも食事に関しては様々な注意点がありますが、介護士はこれらのリスクを考慮しながら利用者さんに食事を楽しんでいただけるよう支援していくのです。
また施設では四季折々の食事、いわゆる行事食というものが提供される時があります。
ひな祭り、五月の節句、土用の丑、敬老の日、クリスマス、正月などです。
また利用者さんの誕生日には、その方と出かけてお寿司屋やラーメンなど好きなものを召し上がっていただくということもあります。
こういったことを提供することも、介護施設の特徴となります。
入浴
こちらも楽しみにしている利用者さんもいらっしゃいます。
中には億劫な方もおられますが…。
高齢者になると熱い寒いなどの皮膚感覚が弱まり、私たちが普通に感じることでも分からない時があります。
お湯の温度がそうです。
私たちには心地よい温度であっても、利用者さんによっては感じ方が違います。
場合のよってはやけどの危険性もあります。
また腕や足などの可動域(動かせる幅)が狭くなっているので、手が上に挙げられないため頭を洗うのが困難という方がいます。
利用者さん本人ができるところはしていただきますが、難しいところを介助していくのが介護士の仕事となります。
入浴後の利用者さんから「さっぱりしたよ、ありがとうね」と声をかけていただくと、介護士も嬉しく感じて「やりがい」に繋がります。
排泄
介護と聞くとこれを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
排泄のことを考えると「介護はちょっと…」と敬遠される方もいらっしゃいます。
確かに自分のことならまだしも、他人様の排泄の介助となると気が引けるということはあります。
ですが、排泄は利用者さんの健康にとって大変重要なことになります。
排泄した内容によって病気の発見にも繋がるので、特に注意しなければなりません。
状態が悪ければ看護師に報告し指示を仰ぐようにします。
トイレで用を足すことができれば良いのですが、寝たきりの方の場合はベッド上でおむつ交換をします。
この時に介護士は中腰になったりするので、腰を痛めないように注意が必要となってきます。
移乗
これも非常に神経を使う作業です。
高齢者の皮膚は、私たちと比べ非常に弱いです。
簡単に皮剥けを起こしてしまいます。
車椅子からベッドに移乗する時など、皮膚が剥離しないよう細心の注意を払います。
また、足がフットレストにあたり皮膚を損傷してしまう事例も起きています。
身体の大きい方や体重が重い方などは、介護士も気をつけないと「ぎっくり腰」などになりやすいので、お互いにケガがないよう注意していきます。
私自身も、自分より身体の大きい方を移乗した際に腰を痛めてしまったことがありました。
このような時は無理をせず、介護士2人で介助するなどの協力体制が必要になってきます。
生活支援
認知症や精神疾患に限らず、これまで行えていたことができなくなってくることはよくあります。
身のまわりの整理整頓などが困難な場合にも、介護士が利用者さんと一緒に片付けを行っていきます。
認知症の場合「物盗られ妄想」というものがありますが、こういった時の身にまわりの整頓は利用者さんと共に行います。
介護士が勝手に片付けてしまうと「盗られた盗られない」の論争になってしまうので、利用者さんに都度了承していただきながら支援していきます。
また、施設で生活をしていると必要となる消耗品が出てきます。
シャンプーや歯磨き粉などもそうです。
ご自身で判断できる方にはご自身で入用なものをお知らせしていただき、介護士や施設の方でご家族に連絡するなどして購入をします。
事務処理
介護士の仕事が大変な理由の一つに挙げられます。
少ない人数で多くの利用者さんの支援をしていく中で、報告書など記録も作成していかなければなりません。
具体的には「何時に起きられて朝食を召し上がった」「何時にトイレに行ったが、排尿しかなかった」「お茶を8割程度飲まれて拒否された」など様々です。
ある程度の文型はあるのでそれに沿って記録していきますが、場合により事細かに記入することもあります。
また行政の実地指導もありますので、それにも対応していかなければなりません。
記録と言っても、普段私たちが書くような日記とは違います。
客観的にありのままの事実を記述していきます。
そこに「〇〇と思われる」など推測的な事柄は書いても、介護士の主観的な感想は書きません。
例「Aさんにこう言われた。すごくムカついた」などは書きません。
その他にもイベントなどの準備もあります。
行事食の項でも取り上げましたが、納涼祭、敬老会やクリスマス、忘新年会など利用者さんに楽しんでもらえるよう企画準備をしていきます。
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おすすめな介護施設の特徴とは?
あなたにとって働きやすいと感じる点はどんなところにありますか?
人によりそれぞれ感じ方が違うと思いますが、福利厚生が整っている、休日が取りやすい、職員間の雰囲気が良いなどがあります。
ここでは、このような介護施設はおすすめと思える項目をいくつか挙げてみました。
福利厚生が充実している
働く者にとって福利厚生はとても大切なことと言えるでしょう。
社会保険、厚生年金など加入できることで勤務中から退職後についてもある一定の安心感があります。
万が一勤務中にケガや病気をしても治療費など労災で賄えることもありますし、退職後には失業手当も支給されます。
その他にも通勤費の支給、職員の健康診断、家族の育児・介護における休職の取得、慶弔見舞金などがあります。
交通費などは雇用形態によって支給額が変わってきます。
子どもが産まれたときは育児休暇、家族に介護が必要になったときは介護休暇などが取れると非常に助かります。
また住宅に関しても手当が支給される場合がありますが、これは給与と見なされるため課税対象となります。
また法人などが独自に設けているものもありますので、就職活動する際にはそういった点にも注意してみてください。
休日が取りやすい
ただでさえ大変な介護の仕事なので、休日は確実に休みたいものです。
ほとんどの所が、公休を入れて9日~10日休めるようになっています。
その内ご自身の希望で取れる休みが2日~3日です。
長期で休みを取り旅行に行くことは少々難しいのですが、休みを上手く組み合わせて小旅行くらいでしたら行くことは可能です。
職員によっては夜勤明けを利用して、それこそ気軽に旅行に出かけるといった方もいます。
シフトの組み合わせもあるので思い通りにはいかないこともありますが、休みを上手く取ってプライベートも充実させてください。
仮眠が取れる(仮眠室が設けられている)
主に夜勤のある業務に限られますが、これも職員にとっては重要なことです。
本来、人間は夜は休むようにできています。
それを押して夜勤業務に入らなければなりません。
仕事だから仕方ないと言ってしまえばそれまでですが、いくら仕事とは言え職員にも休息が必要です。
四六時中と言っても良いほど利用者さんに意識を向け神経を使っているので、勤務中ずっとこの状態では疲労困憊してしまいます。
施設や事業所によっては仮眠が取れるようになっていますが、場合によっては仮眠を取ることさえ難しい所もあります。
またこれも事業所によりますが、仮眠室が設けられておりそこで自由に過ごすことができます。
ただ利用者さんの状態によっては休憩中でも応援に行ったり、徘徊などの対応のために休憩が満足に取れないといったこともあります。
休憩が取れる
こちらも、その日の利用者さんや業務の状態によって様々です。
場合により15分くらいで昼ごはんを食べて現場に戻るといった少々ブラック的な所もあります。
施設を見学した際などに職員さんや担当者にどんな感じかを訊いてみるのも良いでしょう。
ずっと神経を張り詰めていては充分な仕事ができないばかりでなく、利用者さんにとっても質の良いサービスは提供できませんからね。
日本人は無理をしてでも仕事をすることが美徳と捉えがちですが、休みをしっかり取ることで、自分の健康を維持するだけでなく利用者さんにとっても「良い影響」を与えることに繋がります。
職員間の雰囲気が良い
福利厚生や休日と同じように、こちらも重要な要素です。
大変悲しいことですが、このことで施設を去る職員が後を絶ちません。
大変な仕事だからこそ、お互いにサポートし合って利用者さんを支援していきたいと思う職員は大勢います。
普段そんなに顔を合わせない職員でも、出社時など挨拶をするだけで気持ちの良いものです。
「今日も一日頑張ろう!」と思えてきます。
逆に挨拶してもそっぽを向かれたらどんな気分でしょうか。
そういう所は、利用者さんにとっても良いサービスが提供されているとは思えません。
職場に遊びに行くわけではないのですが、空いた時間には軽く雑談を挟むなど気軽に話し合える雰囲気の職場を選ぶことも重要なポイントです。
良い介護施設の働き先を見つけるポイントとは?探し方をご紹介!
どんな施設が良い勤務先だと言えるのでしょうか。
おすすめの介護施設の特徴の項でもお伝えしたことと重複しますが、就職活動をする際にこんなところに着目すると良いと思われる点を挙げてみました。
自宅から勤務先までの距離
ご自宅から一時間以上もかけて通勤するのは考えものです。
中にはやむを得ずという方もいらっしゃいますが、勤務で疲れて通勤で疲れてでは身体を壊していまいます。
希望する勤務内容にもよりますが、通勤時間なども考慮して働き先を見つけると良いでしょう。
勤務している方に訊いてみる
すでに勤務している方がいたら、どんな具合かそれとなく訊いてみることも良いでしょう。
それにより勤務するイメージが湧き、自分がどんな仕事の仕方をしていくかの参考になるからです。
あまり根掘り葉掘り訊くことは遠慮してくださいね。
施設見学やボランティアとして業務体験してみる
これは私がよくやる手ですが、施設に電話連絡する際には見学できるかを必ず訊くようにしています。
面接の際に行ってくださる事業所が多いですが、ぜひご自身の目で見ることをおすすめします。
また施設によって時間を決めてボランティアとして業務体験できる所があります。
私も夜勤専門で入る前に体験させていただきました。
実際にどういった流れで業務が進められるのかが体験できて、大変参考になりました。
福祉専門のハローワークなどを利用する
一般のハローワークに比べ、福祉に特化した求人を扱っています。
担当の職員さんが面接を受けたい事業所とのコーディネートをしてくれるので、安心して就職活動が行えます。
福祉人材バンクあるいは福祉人材センターという所もありますので、お住いの地域で確認してください。
オープニングスタッフとして入る
施設が出来上がって真新しい状態です。
これから自分たちが施設を一から作り上げていくんだという気持ちで勤務に臨むのも良いでしょう。
これからあなた自身で他の職員と共にその施設のやり方を確立していくのです。
これもなかなかやりがいがあると思いますよ。
介護需要も高まりあちらこちらで施設ができていますので、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
介護施設とはどんな所なのか、その仕事内容や勤務先の見つけ方などをご紹介しました。
こうして見ていくと介護士の仕事は大変かと思われますが、やりがいを感じられることも多々あるのです。
一つの目標に向かって多くの職員が協力し合い利用者を支援していくことは、とても素晴らしいことです。
きっと、実際に勤務してみると分かってくると思いますよ。
施設の選び方などをいくつか挙げてみましたが、これ以外にも沢山あります。
ぜひ参考にしてみてください。
そして、みなさんの介護体験をまた教えてください。
実際に介護施設の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!
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