DTPオペレーターは未経験でもできる?未経験から仕事に就く方法をご紹介します!
DTPオペレーターの仕事内容を詳しくご紹介します。
求人で見かけることはあっても、実際にはどんなことをしているのか分かりづらいDTPオペレーター。
DTPオペレーターとは印刷業界に限らず活躍の場が多い職業ですし、業界や会社によって担当する作業にも差があります。
どんな場所でどんな作業をしているのか、経験者の私が、どんな印刷物でも共通しそうな部分を中心に、DTPオペレーターの仕事内容をご紹介します。
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目次
閉じるDTPオペレーターとは?
DTPオペレーターとは、言葉のとおりDTPを操作する者という意味です。
DTPとはデスクトップパブリッシングの略で、卓上出版と訳されます。
今でこそパソコンで制作される印刷物は珍しくなくなりましたが、それまでの手作業と区別して、このように呼ばれるようになりました。
出力にあたる印刷の工程はプリンタではなく、従来の印刷であることも多いです。
デザイン関係で主に使用するのはIllustratorですが、はめこむ写真をPhotoshopで加工したり、冊子制作についてはInDesignを使用したりと、様々なソフトを扱います。
DTPオペレーターの大まかな業務内容
企業規模や業務形態によっ細かな点は異なりますが、仕事の概要としては「クライアントから渡されたた指示書を基に印刷用データを作る」作業になります。
ちなみに、私の現在の勤務先は担当する業界によってチームを分けているのですが、私自身が所属するチームでは、主に食品スーパーのチラシ制作を担っています。
それでは、担当業務が異なっても概ね共通しそうな部分を、大きく3つに分けて紹介します。
①デザイナーが作成したラフを基に作成
デザイナーが作成した広告やポスターのラフを実際に印刷できるデータへと作り変える作業です。
中には、1枚のラフデザインから複数のパターンで作成することを求められる場合もあります。
例えば商品POPでは、全く異なるパーツで7パターン×10種類、という発注が起きることもあるのです。
クライアントの意向や、商品のアピールポイントを汲み取りながら仕上げていかなければなりません。
②定型ものと呼ばれるチラシなどの作成
ひと目見ただけで「○○のチラシだ」と見分けられる、印象が毎回変わらない、デザインが統一されたチラシや冊子を目にしませんか。
配置のルールやレイアウト、商品数などが決まっているチラシは、DTPオペレーターが直接担当する仕事です。
形が決まっているという点では、表紙の写真と内容文が変わる程度の社内報や週報、株主総会で配布される決算書類などもあります。
デザイン要素が少ないことについては、他の担当も変わりません。
既存のイメージを壊さないように、お客様からいただいたテキストや写真などを配置します。
③既存データの修正
毎年、決まった季節に行われるイベントが同じようなデザインで告知されることがありますが、これは既存のデータを直接修正しています。
配布物やポスターへ掲載する写真やイラストなどの画像と、イベントの日程や開催場所を変更するだけの小さな変更であれば、デザイナーの手を通ることは少ないです。
同様に、名刺や伝票、値段と商品名が変わるだけの店内POPなどもDTPオペレーターが担当していることが多いでしょう。
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グラフィックデザイナーとの仕事内容の違い
会社の業態にもよるので一概には言えませんが、ざっくり分類するなら、グラフィックデザイナーはデザインをする人、DTPオペレーターはデザイナーの仕上げたデザインを基にデータを作る人です。
しかし昨今は、ソフトの機能上の理由からデザイナーがDTPオペレーターを兼任していることも多いため、職種の線引きは曖昧になっています。
DTPオペレーターの仕事にデザイン要素は少ないと言っても、チラシの隅にある企画コーナーのタイトルや囲み枠、装飾などは「おまかせ」であることも多いでしょう。
DTPオペレーターの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと
ここでは、DTPオペレーターはデザインをしないという前提で考えてみても、これだけは外せないということを挙げてみました。
印刷の基礎知識
解像度、用紙サイズ、仕上がり線、カラーモードなどの知識は押さえておきましょう。
例えば、どんなにデザインの技量があったとしても、フルカラー印刷を予定しているデータをRGBで制作することは、DTPオペレーターとして問題があります。
印刷作業そのものに携わらなくとも、印刷用のデータを作る者の知識として必須です。
ソフトの基本操作
一般的に使用されているソフトはAdobe社のIllustrator、Photoshop、InDesignです。
依頼されるのは既存データの修正だけではありません。
まっさらな状態から、指示されたサイズと配置通りのデータを作ることもあります。
いずれにしても、印刷用のデータを素早く確実に仕上げる能力が必要なのです。
便利な機能が沢山ありますので、基本操作以外も少しずつ覚えていくことをおすすめします。
ソフトの知識は自分の実務作業に大きな影響を与え、時間の短縮にも繋がるでしょう。
実務に関する知識
イメージカラー、レイアウト、基本のフォントなど、決められたルールの中で制作をすることが求められます。
ルールを覚えることと守ることが必要です。
更に、実際の作業に携わるようになれば自然と身についていくことですが、クライアントごとの原稿や進行のパターン、覚えていかなければならないものです。
DTPオペレーターの仕事の良いところ
デザインが苦手でも、物を作り出す作業に携わることができるのは大きいでしょう。
データを扱う何でも屋になりがちですが、だからこそ楽しめることもあります。
やりがい
制作に直接携わった商品を実際手にできる
例えばチラシ、ポスター、POP、パッケージなど、様々な印刷物が世に溢れていますが、その中に自分が制作したものがあるのを直接目にすることができます。
やり遂げた仕事の成果を製品として手に取る瞬間は感慨深いものです。
制作部門の縁の下の力持ち
印刷物として完成させるには、案件の大小やデザインの優劣に関係なく、印刷のための条件を満たしたデータでなければなりません。
自分の知識と技術を駆使して必要な処理を行い、アイデアと工夫で足りないものを補い、そうしてラフから製品へと完成させていくのです。
決して華やかな職業ではありませんが、人を支えることが好きなら、やりがいは充分にあります。
面白いポイント
ラフから完成品にする「少しの工夫」
完成データを作るにあたって、与えられた原稿通りでは不完全になるものも現実には存在します。
多々あるのが、既存のスペースに対して原稿の量が多すぎる、反対に少なすぎるという問題で、都度クライアントに確認を取りながら作業を遂行させなければいけません。
その場合は、イメージを壊さない程度に原稿の抜けを補ったり言い回しを補完したりといったアレンジ力と、それを提案する能力も必要です。
ひと手間がラフを引き立たせたときの達成感は、DTPオペレーターならではないでしょうか。
知識の広がり
DTPオペレーターは、扱うデータの種類によって的確にソフトを選び、使い分ける必要があります。
このソフトでなければ、などと拘りすぎていると、仕事の効率を極端に落とすことに繋がるため、ソフトの技術もデータの種類も、悪く言えばごまかす方法も、あらゆる知識を探求せざるを得ません。
環境にもよりますが、データに関する実務の知識を一番得られるのではないでしょうか。
DTPオペレーターのココが大変!!
何でもできるということは、何でも頼まれるということです。
複数の案件を同時進行したり他担当の案件に助っ人参加したりということは多いので、タスク管理が苦手な人には大変仕事になるかもしれません。
データが来ない
クライアントもデザイナーも、良いものを作りたい気持ちから、ギリギリまで悩みます。
しかし印刷の工程と納期は変えられないので、しわ寄せは当然制作の工程にやってきて、作業時間がどんどん削られていくのです。
印刷予定日の前日にラフが上がってきても、納期に間に合わせなければならないのがDTPオペレーターです。
原稿とラフの乖離
これは本来なら、DTPオペレーターに回ってくるまでに解決しているべき問題なのかもしれません。
先に述べた通り、原稿とラフの文字量、チラシならばアイテム数がまったく一致しないということがよくあります。
3コマしか用意されていない枠に10品分の原稿を送ってくるのが当たり前のクライアントも、珍しくはありません。
提案を持ち掛けて交渉したり、どのように見た目よく仕上げるかは、DTPオペレーターの腕の見せどころです。
DTPオペレーターの仕事はどんな人に向いている?
DTPオペレーターは印刷物を作成する上でとても責任重大な立ち位置にいます。
どんな人に向いていて、どんな人に不向きなのでしょうか。
いくつかご紹介していきます。
集中と休憩のメリハリをつけることが上手い人
一つのミスが莫大な損失に繋がることもあるので、作業中は神経を使います。
自分で休憩のタイミングを見計らいながら続けられる人に向いているでしょう。
締め切りがシビアな仕事なので、タイムスケジュールを組めない人は向いていません。
気配り上手と言われる人
基本的にはクライアントからの指示通りに進めていきますが、経験からより良い提案を行うことも求められるので、意欲的な人が向いています。
指示通りの完璧を目指すのが得意な人は、アピールポイントとしては今一歩です。
コツコツとした作業が好きな人
パソコンに向かってコツコツとデータを作っていく作業の繰り返しなので、地道な作業が苦手な人は向いていません。
パズルを確実に組み上げていくような作業が好きな人なら、この仕事が向いているでしょう。
同時進行の作業ができる人
複数の案件を担当することはもちろん、突発で他担当の案件を手伝ったり新規案件が差し込まれたりするので、時間配分と切り替えが上手い人が向いています。
逆に、一つのことに集中すると他へ目が向かない人や、予定が狂うと立て直すのが苦手な人は難しいでしょう。
DTPオペレーターの仕事で活かせる経験
DTPオペレーターは、どんな経験を積んでいればなれるのでしょうか。
実務経験がなくても、ソフトを使った経験が多少なりともあればとても役立ちます。
DTPソフトの使用経験
レイアウトソフトとして主に使用されるInDesignだけでなく、イラストや写真などの加工にはillustratorやPhotoshopも使います。
趣味の範囲であっても使ったことがあれば、全くない人に比べてとても有利になります。
技術職
印刷物用のデータを作ったという経験がなくても、印刷関連の経験や知識があるといざという時の判断材料になります。
DTPオペレーターになったときにとても活かせるスキルです。
その後のキャリアについて
この仕事についた後のキャリアアップの道は?
DTPオペレーターとしての経験を積めば積むほど、数多くの仕事をこなしていけるようになります。
同じ会社でコツコツとキャリアを積んでいくこともできますし、転職して経験の幅を広げていく方法もあります。
専門職・技術職として様々な業界から必要とされるため、将来は派遣やフリーランスとして働くことも可能です。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
DTPオペレーターは印刷するまでの工程を行うので、ゆくゆくは印刷会社へ就職したり、またはデザイナーに転身するという方法もあります。
いずれにせよ、印刷関連の仕事をする際はDTPの知識が大変強みになるでしょう。
DTPオペレーターについてよくある疑問
DTPオペレーターという仕事に関する疑問に答えていきます。
DTPオペレーターは、どんな会社から求人があるの?
主に、印刷、広告代理店、自社で印刷部門を持っている会社などです。
店内POPは店内で作るという食品スーパーさんもありますし、店舗のカタログは自社で制作するというブランドもあります。
どんな業種にいても最終的に「印刷用データを作る」という業務の目的には変わりません。
お給料はどのくらい?
専門職ですが下請け的な要素があるため、正直高いとは言えません。
私の周囲で手取り月給12万円~15万円ほどです。
勤続年数と、携わった仕事の豊富な経験があって20万円前後といったところでした。
DTPオペレーターの業務自体は毎日同じことの繰り返し作業なので、デザインから任されるようなことにでもならない限り、大幅な昇給は見込めないでしょう。
未経験でも応募できる?
できないことはありません。
何か印刷物を制作した実績、もしくは知識があるか、IllustratorやPhotoshopなどのソフトを扱った経験がある方が、入社は叶いやすいでしょう。
部誌や同人誌をポートフォリオ代わりに提出して採用された、という事例もあります。
全くの未経験であっても、動機や熱意をしっかり伝えることができれば希望はあります。
面接でよく訊かれることは?面接合格の秘訣!
よく訊かれることと言えば、経験、残業の可否、自身の作った成果物、ソフトのスキルなどです。
経験として提示できる情報は、多い方が喜ばれます。
成果物はもちろんですが、身近な広告などの内このレベルのものを作ったことがある、このレベルのものならこのソフトを使って作ることができる、などと具体的に説明できると良いでしょう。
DTPオペレーターをやるなら、最低限、使えないといけないソフトは?
会社によっては専用システムを使っていることもあるので、どんなソフトでも習得する意志があることは大前提です。
その上で、求人に経験必須として明記されていることが多いのはIllistratorとPhotoshopでしょう。
冊子やカタログがメインの会社であれば、InDesignです。
ちなみに、何らかの画像加工ソフトを使ったことがあれば、感覚的に操作が可能なのはPohotoshopです。
他2つのソフトにも言えることですが、ネット上で使い方を公開しているサイトは沢山あります。
自分で操作方法を調べたり、積極的に質問できる気概があれば、実務に問題はありません。
必要な資格は?
DTP関連の資格として有名なのは、「DTPエキスパート」や「DTP検定」ですが、必須ではありません。
資格より、実技を重要視されることが多いでしょう。
デザインや印刷に関する知識も持っている方が断然有利ではありますが、同様です。
資格取得よりも、ソフトの習熟を優先してください。
まとめ
DTPオペレーターは、与えられた条件と期日の中で、より良いデータに仕上げるために力を注ぐ仕事です。
一から新しいものを作り上げることに興味がある人には物足りないかもしれませんが、ルールの中で黙々と何かを作ることが好き、少し工夫を加えることが好き、出来上がった印刷物を見るのが好き、という方には大変楽しめる仕事ではないでしょうか。
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