造園の仕事がきついと言われる5個の理由とそれを乗り越える5個の方法。経験者が解説!
春になると色々な植物が芽吹き始め、雪化粧していた山々も少しずつ緑色に染まります。
貴方のお庭にはどんな植物が有りますか?
沢山植物のあるお宅はお手入れが大変なものです。
ご自分で手入れされる方もいますが,なかなか大変なものではないでしょうか?
そんな時にお庭の手入れを頼むのが造園業の職人さんです。
ここでは造園の仕事内容と得意とする人の特徴、造園業のメリットややりがい、その後のキャリアについて経験者が分かり易く紹介させていただきます。
目次
閉じる造園の大まかな仕事内容
造園とは、基本は庭を作り、その庭を管理する仕事が主になっています。
料亭や民家、団地、会社、あるいはホテルのエントランスや中庭など、スペースがあればどこにでも作れます。
しかし、木だけを扱うわけではなく、時には石やレンガ、垣根という柵を作ることもあります。
そんな数ある植木屋の仕事をご紹介します。
造園に関わる仕事は数多くある!
植栽工事、植栽管理
造園の仕事の中でもメインになる仕事です。
何も無い場所に木を植えて時には石やレンガも使い、庭を作り上げる工事です。
作り上げて放置では、綺麗に完成した庭が台無しになります。
そこで、作った後のメンテナンス、管理をすることになります。
石工事
実は、庭を作るのにあたり、大切なのがこの石です。
木だけを植えて庭を作る工事もありますが、石を使うとその情景がさらに豊かになります。
石が庭にあるだけで、せせらぎや、滝などが表現でき、人間で言うところの感情がより出てくるのです。
公共工事
株式会社のような大きな規模になると、公共団地での工事があることもあります。
大規模改修工事といい、植栽工事、石工事、コンクリートを使った工事などが出てきます。
ゼネコン会社の管理の元、周りの業者さんと打ち合わせ等をして、工事を行いますが、どの工事よりも一番神経を使う仕事でもあります。
垣根作り
垣根と言ってもイメージがしづらい方もいると思います。
簡単に言えば自然素材で出来たフェンスのようなものです。
竹や焼き丸太という丸太を焼いて色をつけた素材を使い、何十種類もある柵を作り上げていきます。
正確性が非常に強く求められる作業でもあります。
仕入れ、荷役作業
どの造園会社でもそうですが、肝心の材料がないといけません。
そのため、業者に配達してもらう時もあれば、自分たちで市場やお店に行き今一番良い状態の物を選別仕入れするときがあります。
また、余ってしまった材料を他社や、仲間内で取引することもあるので、その場合は包装して配達をする場合もあります。
植栽工事、植栽管理の3個の業務
植込み工事
まずはこの植込み工事が出てきます。
植えるものがなければ、管理するものもありません。
具体的には材料(芝や樹木、花など)を用意し設計された図面に沿って植えて行きます。
そして、用意された設計図面に従い植えて行きます。
しかし、図面通りに植えれば良いかと言われるとそうでもありません。
例えば四季折々の景観が楽しめる庭を作るとしましょう。
庭を見る場所(室内や縁側)、から枯れた花や木が見えるのはよくないですよね?
正面には四季で表情を変える物を植えないといけません。
春には新緑が付き、秋には実ができ、それを鳥たちが食べにくる…少し想像しただけでも楽しそうですよね!
そう言った”見る人を楽しませる庭”を線と数字が書いてある図面から想像をし、あの木はここ。この花はこっちかな?と考えながら植えていくのです。
また、背の高い高木ばかり植えていては、日が当たらないなどの問題も出てきます。
この木は何十年後にはこのくらいの大きさになるから、ここに植えるのがいいかな?
とこれもまた想像力を働かせて植えて行きます。
自分がみて綺麗だから大丈夫!ではなく、その庭を持つ人たちがどう思うかが非常に大切になってきます。
植栽管理
植栽工事をし、100点とも言える庭が完成しても、しばらく経つと生い茂り景観が悪くなります。
例えになりますが、お部屋をどれだけ完璧にしても、ホコリは出てきますしゴミも出ますよね?
自然はあくまで生き物です。
成長もしますし、陽の光を浴びて育つものであれば、より太陽に近づこうとします。
そうすると当然木の枝は増えてきますし、葉っぱも増えてきます。
また四季によって枯れて葉を落とすものであれば、地面に枯葉がたまります。
常に庭の景色を最高の状態に保つため、また、植物も病気や害虫もいますので、それを治したり気づくための作業が植栽管理です。
季節の花物を植え替えたり、枯れてしまった木を新しいのに取り替えたり、剪定と言って伸びてしまった枝を切り、木の成長を促すようにすることもあります。
基本は、剪定作業が主で、街中でよく見かけるものとしては、機会を使用して草や植込みを刈っているのが代表的でしょうか。
木の手入れは、木にとって成長がしやすくなると同時に、見た目も綺麗にします。
景観が悪くなってしまった庭を最高の状態に戻す意味合いもあるのです。
この作業をおろそかにしてしますと、気が多く植わっている場所は、雑木林になってしまいます。
植栽工事と同じかそれ以上に見る人や木にとって大切な作業になります。
伐採工事
この伐採工事、どういう仕事かというと、簡単に言えば木を抜く作業です。
しかしその規模は小さいものから大きなものまであります。
大きなものになると巨大な重機を用いて作業をします。
木は根っこを張り、土の中にある水分や栄養分を吸い取って成長します。
その根は木が巨大になればなるほど太く、細かく張り巡らされています。
その根っこを手作業で抜くとなると非常に大掛かりになり、労力と時間がかかります。
そのような時に重機を用いて作業をすると、費用や人件費を削減することにも繋がります。
重機を使って作業する工程を少しご説明しましょう。
木をそのままの大きさで伐採すると小さいものはいいですが、ケヤキやサクラなど巨大な樹木は倒れてくる時に、電線を切ってしまったり、家屋を傷つける恐れがあるため、人間の手が入ります。
ハシゴや高所作業車と呼ばれるものを使い、枝を細かく切って行きます。
そして重機で倒しても問題なくなった時、初めて機械を使って伐採作業に入ります。
太いワイヤーなどを使い、木を引っ張り倒す工法がよく使われますが、場所が狭い所などでは、ユニックと呼ばれるトラックの荷台に付いているクレーンなどを使って作業します。
ユニックの時も同様ですが、やはり一番気を使うのは周囲の安全です、しっかりと報連相ができているか?
合図はどういう方法で行うのか?
など、取り決めをしておかないと重大事故に繋がるリスクもあります。
石工事の3個の業務
石積み、石組み
どちらも、作業の内容や意味は同じです、地方によって呼び方が違うみたいです。(ここでは石積みとします。)
石積みをみなさまが想像しやすい例えにすると、お城、が出てきます。
城の下に石がたくさん積んであるのをみたことはありませんか?
長方形のブロック積みとは違い、大小様々な石を組み合わせて作る石積みは、完成度が高いものになると、接着剤などを使わず、石と石の重さだけでそのバランスを保つほどです。
石にも様々な種類があり、どの石を使って工事するかは、お客様との相談になります。
石一つ変えるだけでもその表情が大きく変わるので、お客様の理想をどれだけイメージできるかが腕の見せ所です。
石には模様があるものもあります。
御影石というのが一番わかりやすいでしょう。
御影石というのは、お墓の墓石に使われる石です。
採取したばかりの御影石は表面に凹凸があり、ザラザラした感触がありますが、丁寧に磨きをかけるとツルツルの表面になります。
そして、御影石の特徴としては、同じ模様が二つと無いことです。
その為、同じ石でも一つ一つが異なる表情を見せるので、石畳と呼ばれる、石を地面に埋めて通路にする工法にも使われます。
池、滝作り
石を敷き詰め、池を作る作業もあります。
公園の噴水広場などに丸い石で作られているものがあると思います。
実はあれも造園の仕事の一つになるのです。
ですが、公園など大きな所は少ないです。
基本はお客様の家に、コイが泳ぐ池を作りたいなどの要望がある時です。
池作りには、水を張ることになるので、防水シートと呼ばれるものを設置します。
これは、土を掘り、その中にビニールプールを入れる。
と想像していただければ、イメージがつきやすいかと思います。
その周りに石を組んで行き、隙間をコンクリートで崩れないように固めるのです。
使う石によって水の中に見える景色が変わる為、様々な表情を作ることが可能ですが、土を掘る作業、コンクリートの隙間埋めがキチンとできてないと、水漏れや、石崩れが起き、大変なことになります。
どの仕事もそうですが、しっかりとした知識と技術、そしてうるさいくらい言ってますが、イメージがないといけません。
特に石での作業は石を割ってみないとわからない。
というようなことも多々ありますので、柔軟に臨機応変な対応が求められます。
洗い出し
洗い出しとは、石とコンクリート(モルタル)を組み合わせ地面に流し込み、通路を作る作業です。
地面に細かい石が埋まってる通路をみたことはあると思います。
ここでは、その作業手順を説明しましょう。
まずコンクリートの元(モルタルと言います。)を砂と一緒に混ぜ合わせる「カラ練り」という作業を行います。
この作業で洗い出し全体の作業時間が決まると言ってもいいでしょう。
大抵の造園業ではモルタルと砂を1:1の割合で混ぜます。
そのカラ練りが完成すると今度はそこに水を入れて混ぜ合わせていき、コンクリートを作ります。
コンクリートができたら、今度はそこに砂利をいれ、さらに混ぜ合わせます。
これで、洗い出しの元、餃子で言うところのタネができたことになります。
今度はそのタネをあらかじめ決められた枠の中に流し、綺麗に整えて行きます。
そのあとコンクリートの地面であれば、乾燥をして、完全に水分が飛んだから完成ですが、洗い出しはその乾燥中に一手間加えます。
でないと、せっかく混ぜた砂利が出てこないのです。
乾燥をしている最中に、半乾きになったあたりで、一度表面を水洗いします。
そうすると表面の乾き始めたコンクリートが流れ、表面に砂利が出てきます。
砂利が出てきたら、洗うのをやめ、再度乾燥をさせます。
そして、完全に固まると洗い出しの完成です。
現場が大きくなればなるほど面積が広い為、時間を要する作業ですが、完成した時はすごく綺麗な通路になります。
公共工事の3個の業務
高速道路支障枝剪定
これはかなり限定された作業になりますが、高速道路を走っていると、街路樹が高速道路にかかってしまう場所もあります。
その時は緊急の工事を行い、支障となる枝を切るのですが、これは役所が管理をしているものもあるので、施工するにはかなり細かい規約などがあります。
また、工事中は高速道路を一時通行止めや車線規制を行うので、素早く正確に作業する必要があります。
夜中の作業がほとんどになるので、受注してる造園会社は少ないですが、売り上げという面で見ると、割高の仕事になるので、それを専門に行なっている業者もあると、聞いたことがあります。
中央分離帯清掃、草刈り工事
よく、大通りの中央に草や木が植えてあるところをみたことはありますか?
あの中央分離帯の草刈りや剪定作業は公共工事に入ります。
道路を管理しているのは、国土交通省、各役所、私道であれば土地の所有者が大きなところです。
中央分離帯は、大抵国道にあることが多く、国交相か各役所からの依頼工事となります。
公共工事は毎年入札というものがあり、その入札で選ばれた業者しか作業ができません。
道路使用許可証や駐車車両許可証、施工計画書など、役所へ提出する書類も多いので、専門に扱っている社員を置くところもあります。
書類に一つでも不備があると施工ができなくなり、来年の仕事がもらえなくなることもあります。
こう言った作業が多い為、公共工事はかなりシビアになって作業を行う必要が出てくるのです。
公共団地大規模改修工事
UR団地や、都営住宅など、公共団地が老朽化により改修工事をすることもあります。
その時に、公園や住宅前のスペースなどを改修するときも植木屋の出番です。
芝生を張り直したり、元の木を移植してスペースを作り、そこに新たな木を植えて、憩いの場にしたり…
沢山の作業がありますし、年単位の工事になりますが、その分同じ場所で工事している他業種の人たちもいます。
その人たちとうまく折り合いをつけ、この日はここ、次の日は別業者が入るからこっちなど、予定を綿密に立てていかなくてはいけません。
また、納期がはっきりと決められていて、遅れはまず許されないので、会社としても経験が豊富な人をお頭につけ作業する必要があります。
この仕事をうまくできると、また別の団地の工事も!
となるので、次に繋げやすい仕事でもありますが、失敗してしまうと、次が途絶えてしまうので、注意が必要です。
垣根作りの2個の業務
自然物で作る生垣
垣根とは、簡単に言えば、隣地との境界です。
一軒家が並んでる所には、フェンスがありますよね?
それが垣根と呼ばれるものです。
造園ではこの垣根を自然物(木や竹)などで作る方法があります。
竹で作るのは、竹垣、低木や中木(ちゅうぼく)で作るのは生垣と呼ばれています。
よく一戸建てやアパートに2m~3mくらいの木が植わって目隠しのようになっているのを見かけることがあると思います。
それが生垣です。
生垣に多く使われる木はウバメガシやレッドロビンと呼ばれる1.5m~3mくらいの木を植える方法です。
その木を一列に並べ、目隠しの代わりとして使いますが、公共団地などになると、柵の代わりとして植える場合もあります。
横一列に並べただけでは、木が倒れてしまうこともあるので、大抵の場合、杭丸太と呼ばれる先端が尖った丸太と、竹、杉皮、シュロ縄と呼ばれる縄を用いて固定をします。
その時に、木の正面と呼ばれる部分が人から見える位置(道路側)来ないと、見栄えが悪くなるので、慎重に正面を見極めて植えていきます。
また、男結びと呼ばれる植木屋ならではの結び方で木を固定し、倒れないようにします。
その時、杉皮と呼ばれる杉の木の皮で出来た、薄い紙みたいなのを巻いて、木の枝が傷つかないように保護をします、全てが自然物で出来たものなので、環境を汚染することなく作業できるのが、造園ならではの作業とも言えるでしょう。
竹垣
竹垣とは、お寺や神社である、竹を使った垣根のことです。
生垣とは違い、こちらは、竹と縄のみを使って仕上げることが多いです。
代表的なのは、四目垣と建仁寺垣と呼ばれる垣根があります。
四目垣とは、丸太を地面に打ち込み、竹を縦横に組んだ時、交差した形が四方形になることから命名されたと言います。
公園や神社などで見かけることが多いでしょうか。
四目垣は垣根の中でも、代表的なので、造園に詳しい方や、植木屋さんにお庭の手入れをお願いしている。
といった方はすぐわかるかと思います。
そのため、正確さもそうですが、竹の太さを均等になるように揃え、見栄えを考え作業するといったことが重要になってきます。
竹は自然で採れたものを使いますので、太さが長さがバラバラです。
その中でいかに均等に作業するか、目利きが試される仕事でもあります。
しかし、四目垣は目隠しにはならないので、立ち入り禁止区域などに使われることが多いです。
建仁寺垣は、建仁寺というお寺が最初に使ったものだから、建仁寺垣と呼ばれています。
こちらは、竹を四つ割り(わかりやすい例えだと、流しそうめんに使う竹をさらに半分にした形)にしたものを、隙間なく並べシュロ縄で結び、竹でできた押し緑(おしぶち)をして完成されるものです、こちらは、隙間なく作っているため、目隠しに向いています。
ブロック塀を隠したい、など無造作なものを隠すのにも使われますし、お寺さんによっては、トイレの入り口目隠しに使ったりもします。
建仁寺垣は四目垣よりも精度の高さと熟練した技術が求められるもので、なかなか新人がやろうとしても難しいところがあります。
しっかりと、知識、経験を積んだのち、チャレンジしてみるのが良いでしょう。
仕入れ、荷役の2個の業務
材料を現地へ調達
造園は庭を作るだけが造園ではありません。
工事に使う材料を現地まで引き取りに、または届けることもあります。
私も、神奈川の川崎から、茨木や栃木、遠いと京都まで車を走らせ材料を取りに行ったこともあります。
ほとんどの材料は近場で取引があったりするのですが、お客様からこの木が良い!
なんて指定をもらった時には、探して現地へ下見に行き、日程を段取りし引き取りに行くなんてこともあります。
その取りに行った材料は、傷んでしまうことが多いので、早朝に出発し、お昼頃に材料をもらい、その足で現場へ行き植えるなんてことが多くなります。
当然朝早く出て夜遅く作業をするので、肉体的にはきついかもしれないですが、現地での新しい発見や、この木にそんな剪定方法があるんだ!
なんてのが知れるので、ちょっとしたプチ旅な感じもします。
私は結構好きでした。笑
木には生産地があります、松の木はここのが良い。
桜はここの生産地がすごく綺麗に元気に咲く。
などその情報は造園屋さんどうしが共有をしあい、その情報を元に問い合わせをして下見に行きます。
木だけではなく、石や竹も調達しに行くことがありますが、木一つでもかなりの量や大きさになるので、一団を組んで大移動の時もあります。
そのため、造園屋で働きたいと言う人は免許の種類も多数あると良いでしょう。
梱包も自分で行う!
引き取る材料があれば、受け渡す材料もあります。
全ての材料をその現場で使えればそれに越したことはないですが、作業の都合上どうしても余ってしまう材料もあります。
当然仕入れるのにお金を払っているので、余ったから捨てるではもったいないです。
そういう時こそ造園屋の腕の見せ所で、お客様にさりげなく、こう言う木が余ってるんですが、見栄えがよくなるのでぜひ植えてみませんか?と交渉をします。
営業的なことですね。
お客様が是非!と仰っていただければこちらとしては「よっしゃ!」となります。
その材料を現場へ持って行くのに、一度梱包を解いてしまっているので、再度行わなければなりません。
会社や倉庫にある資材を使い、木が痛まないように梱包するのも大事な仕事です。
お客様のところへ持って行くものなので、傷はもちろん、この木枯れてないよね?
なんて突っ込まれてしまっては元も子もありません。
丁寧に梱包して、水やりを欠かさず商品を最高の状態に保つもの立派な仕事の一つです。
よく自己管理が〜なんて言われることもありますが、商品管理がしっかりなっていない造園屋は仕事が来ないと思ってもいいくらいだと思います。
造園の仕事が得意な人の4個の特徴
どんな仕事でも、向き不向きが有ります。
造園業の仕事でも、同じ作業をしていて是か人より上手に熟してる人がいるものです。
造園業の仕事が得意な人の特徴を、いくつか紹介させていただきます。
物覚えが早い
樹木や花木などの選定と言っても、季節や種類によって様々です。
他の職人たちと比べてみて、差が出てくるのは物覚えの早い人です。
造園業は職人仕事ですから、聞いたりするよりも、見て覚えます。
親方の選定作業をじっと観察し学習し、自分のものにして再現できることが、造園の仕事が得意な人の特徴の一つです。
動きがテキパキしてる
造園業は外仕事で天候に左右されますから、天気のいい日に作業を済ませてしまわないと、雨でどんどん予定がずれ込んでしまいます。
そのため作業をするときには、テキパキと効率良く動く事が求められます。
冗談話をしながらの作業になっても構いません。
しかしどのような時でも手はしっかりと動かしてなければいけません。
それもミス無く適格に作業を進めることが必要です。
指先が器用
造園業では、紐で結ぶ作業が多くあります。
邪魔な枝を仮止めしたり、支柱に誘引したり、長めの枝を束ねたりするのにも便利です。
雪の重みで枝が折れてしまうのを防ぐ為に、雪囲いをしなければなりません。
板を組んで花木などを冬囲いするのですが、その際に紐結び作業が何度もあるものですから、手先の不器用な人は難儀するかも知れません。
結ぶ際に使用する紐には2種類あって、麻紐としゅろ縄を使います。
麻紐はリーズナブルで良く知られていますが、しゅろ縄は初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?
しゅろ縄を使う際には、水で濡らし柔らかくしてから結びます。
乾くと固く締まるからです。
このように縄の特性に合わせた活用方法で、手先の器用さが求められるので、造園業で活躍する人の特徴の一つに挙げられるのです。
視覚的バランス感覚が優れている
剪定には剪定バサミの他にも、刈込バサミと言う柄の長いハサミを使う選定もあり、生垣などを刈り込むときに使用します。
花木を丸仕立てにしたりするものですから、視覚的バランスがとても重要になります。
技術力と感覚の両方が求められるので、そのようなバランス感覚が備わっている人はこの業界で活躍している方が多いです。
その後のキャリアについて
この仕事についた後のキャリアアップの道は?
造園の仕事は、冬場の仕事がないので、多くの職人は他の仕事をしています。
どのような仕事に就くかと言えば、雪寄せ作業などです。
住宅の屋根の雪下ろしや工場などの雪寄せ作業も有ります。
ご高齢の一人暮らしのお宅などには、無料で玄関先の雪寄せをしたりもします。
東北地方ですと、家の前に側溝があり、側溝上の雪は、各家の住人で寄せる事になっており、ご年配の方だけのお宅は、その作業がとても大変です。
更に大変なのが、雪投げする時間が、地区ごとで決まっており、その多くが早朝の6時~8時頃なので、朝一番の作業となり大変なのです。
そのような場合にも造園業の職人たちはとても頼りにされるのです。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
庭木の手入れをしていると、草花などにも近いですから、自然と詳しくなります。
造園を経て花屋さんやガーデニグプランナーなどに移行することができるでしょう。
造園以外の職種でも、植物に関わる仕事であればスムーズに経験を活かして活躍することが期待できます。
定年後の経験活用
造園業で積んだキャリアが、定年後の地域での暮らしの中でも非常に役に立ちます。
公民館や集会場などでの草むしり活動や、樹木の手入れなどにおいても活躍できます。
また地域住宅の庭などに作られた、スズメバチの巣の除去作業や鳥の巣箱の設置、花壇の手入れのボランティア活動などにも、造園知識を役立てることができるでしょう。
造園の仕事に就くためには?
ハローワークなどにも求人を出していますが、造園業は家族経営が多いので、直接交渉でこの仕事に就く人も結構います。
ご近所で造園業されてるお宅やもしくは造園業にお勤めされてる職人さんを、訪ねてみたり紹介して頂いたりすると良いと思います。
探してみると結構多いものですから、近所の方や知人の縁を頼って、探してみて下さい。
造園の仕事に就くメリットとは?
手に職がつく
昨今のご時世では、一つの会社を定年まで勤め終える人が少なくなってきている状態ですし、定年後も年金だけで安心して暮らしていくことが難しくなっているとのニュースも耳にします。
定年後もシルバーワークなどで仕事をしている方も少なくないです。
造園業で樹木の選定や花木の選定などの、庭仕事の技術が身に付いていると、体力が許す限りは定年無く働けます。
需要も結構あり、例えば公園の整備作業や公共施設の庭の手入れなど、ご年配になられても仕事を頼まれますし、人々のとの交流もあり、頭も身体も使うため、健康維持に役立つ仕事だと言えるでしょう。
世界に通用する日本の造園
西洋ガーデンなど世界の庭園はとても美しいものですが、それらと比べてみても日本の庭園は引けをとりません。
ですから、日本の造園業の技術は世界の中でも最高水準と言えます。
それに日本庭園は、欧米でも流行していますし、その需要は海外に沢山ある事になります。
日本で親方に造園の技術を学び、会得した後には、国内で独立してもいいですし、挑戦したければ海外で日本の造園業を開業してみる事も出来ます。
これからの社会トレンド
この先の世界における共通の生活トレンドは、自然との調和、緑のある暮らし、と言った流れが非常に強くなると言われていますから、植物の手入れを仕事とする造園業での経験は、今後の暮らしの中で求められることも多いしょう。
シンガポールでは、コンクリート建築物と植物との調和がすでにとれています。
その点では日本はアジアの中でも遅れているという評価もありますが、今後日本においてもそのような景観づくりの徹底がされていくあると思います。
ショッピングモール内に広い庭園のスペースを設置したり、植物、つまりは緑が建物に絡みつくようなビルが多く建てられるかもしれません。
そうなってくると造園業のスキルが求められることになります。
これからの時代はIT化が進み、AIの活用も増えると言われていますが、並行して都市と緑の共存も同時に進むことでしょう。
造園業と言う仕事に携わることは将来においてとてもメリットになることが期待できます。
造園業のやりがい
資格が多く取れる!
造園業は資格が多ければ多いほど、仕事がたくさんできます。
施工管理技士と言った国家資格。
重機や車を運転するための免許などその種類は様々です。
いまでは、会社で免許を取らせてくれるところもあるそうなので、是非貪欲に仕事をして、資格をたくさん身につけると、新しいものに出会える確率が非常に高くなります。
普段は見れない景色が見える!
造園は高木に乗って木を切ることもあります、高所作業車などに乗り20m、高いものになると30〜40mほどの木に登り作業します。
ビルの中からみる景色とはまた違い、心地よい風が吹いている中でみる景色は造園でしか味わえないものだと思います。
また、材料をみに行く時などは、普段植わっている木はこうやって運ばれるんだ!
など、これまた日常とはかけ離れたものをみることができるでしょう。
自然と常に語り合える仕事
木は、水がなくなると枯れてしまいます。
どうやったら元気になるのか、元気になるにはどうしたらいいか?
などを考えて作業します。
考えて、作業をして、木が元気になったらなんとも言えない嬉しさが出てきます。
お客様にも「元気になったねこの木」なんて一言をいただけると、この仕事をしていてよかったなと思います。
自然やお客様と常に会話ができる仕事が造園業ならではの仕事と言えるのでしょう。
まとめ
ここまで、造園業に向いてる人から、造園業でのキャリアについてまで紹介させていただきました。
近年では女性の社会進出に伴って、大工や解体業などに就職する女性が非常に多くなりました。
山仕事の林業や造園業も同じく増えています。
体力は使いますが男性がほとんどの職場ですから、女性同士の人間関係とは異なる環境に身を置くことができます。
そして女性が増えることで、これまでよりも多彩で繊細な造園業界になることと思われます。
将来においても、需要が高まることも期待できます。
就職の扉も広く開かれていますし、まだ自信がないという方でもご興味お持ちの方は、挑戦されてみては如何でしょうか。
実際に造園求人を探す時は、こちらの記事を参考に!