経理事務というと数字とにらめっこしている少しお堅い事務職という印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。

いったいどんな人がそんなお堅いイメージの経理の仕事に向いているのか。

また、経理が得意な人の9個の特徴やキャリアについて、経理歴二十年のベテラン経理マンが解説します。

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経理はどんな仕事?

ざっくり言うと、会社の経営状態を示す「利益」や「資産」を見える化させるため、お金の動きを管理します。

日々のお金の動きを管理したうえで、決算時には「貸借対照表」や「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表を作成します。

経理事務の大まかな仕事内容

経理はお金を管理して財務諸表を作成するのがメイン業務ということですが、ではどんなことをしているのか仕事内容をおおまかにみてみます。

「売上管理」「仕入管理」「給与計算」「税金の計算」「決算書作成」などが主な仕事です。

以前は売上や仕入れなどのお金の動きを仕訳伝票に起票していましたが、最近はシステム管理されていますので、売上や仕入入力をすると、自動的に仕訳伝票が作成される会社もあります。

システムが仕訳してくれる場合でもシステムでは仕訳することができないものを経理が判断して、仕訳伝票を起票します。

それらのデータを元にして、決算書等の財務諸表を作成します。

この「仕訳」については後でご説明します。

経理事務の仕事内容は、こちらの記事を参考に!

仕事上の役割とは?

ズバリ言うと、経理は会社が健全な経営をするために必要不可欠で重要な役割を担っています。

決算時、会社の経営状態を示す「利益」や「資産」を見える化させるために、財務諸表を作成します。

財務諸表は経営状態を見える化(数値化)していますので、その数値化された財務諸表をもとに経営陣は会社の経営や展望を考えます。

在庫が多いので、仕入れは控えようだとか、売上が低い部署はどこかとか、必要経費を下げようとかいったものです。

経営方針を決める際、基準にするものが財務諸表です。

経理事務の仕事はどんな人に向いている?

では、どんな人が経理事務の仕事に向いているのでしょうか。

集中力がある人

月次決算の企業が多くなっています。

月次決算のメリットは、経営状態を知って、経営戦略を早く決めることができるためです。

月次決算では、翌月の第○営業日までに決算書等を作成します。

作成締め切りの営業日は会社によって違いますが、5営業日から7営業日くらいが標準です。

この5営業日から7営業日というのはスピードと正確さが要求されるので結構タイトです。

したがって特にこの期間中は相当の集中力が必要になります。

計算が好きな人

経理→簿記→数字を連想する方も多いのではないでしょうか。

確かに簿記は数字合わせ的な要素があり、貸方と借方がイコールになるものです。

ところが、これがイコールにならない・・・要因はいろいろありますが、計算間違いによるものも多々あります。

従って計算が好きで得意でなければ、なかなか続けることが難しい職種といえます。

コツコツ仕事ができる人

計算が得意でも、コツコツタイプでないと経理には不向きだと個人的には思っています。

貸方と借方がイコールになると申しあげましたが、もしイコールにならなかった場合は徹底的に追求する必要があります。

その際は日々のながれを検証したり、検算をしたりと細かい作業が必要です。

コツコツタイプの人はそんな作業も苦にせずできるからです。

デスクワークが苦じゃ無い人

計算が好きでコツコツ仕事をしますので、当然デスクワーク中心になります。

システム入力や入力されたデータを元に財務諸表以外の資料作成・データ分析のための表やグラフ作成などです。

外向きな仕事ではありません。

社員とのコミュニケーションが嫌いじゃ無い人

デスクワーク中心ですが、黙ってコツコツ仕事をしているだけでは勤まりません。

他部署の社員とのコミュニケーションも必要です。

例えば、新しい事業など導入する際は、スキームを理解し、お金のながれを正確に把握する必要があります。

もちろん勉強会等で理解できるのですが、社員とのコミュニケーションで思わぬヒントをもらうこともあります。

反対に他部署の人が経理とのコミュニケーションのなかからヒントを得ることもあるようです。

落ち着いた性格の人

常に経理は忙しいので、忙しさに負けない落ち着いた性格の人が向いています。

実際私の回りのメンバーは落ち着いた性格です。

「私もとても落ち着いています」というのは??ですが、落ち着いて仕事に臨むように心掛けています。

効率的に仕事をできる人

短期間に今後の経営方針を決める重要な財務諸表を作成するのでスピードを求められます。

早く正確な諸表を作成するためには効率的に仕事をする必要があります。

財務諸表作成のためだけでなく日頃から効率的に仕事ができる人は経理に向いていると言えます。

簿記などの資格がある人

経理をする上で、簿記は必要不可欠な知識です。

日々簿記のルールにある「仕訳」によって分けられたデータを元に、簿記のルールに則って財務諸表が作成されます。

従って、簿記を知らなければお手上げということです。

スピード感がある人

スピーディーに財務諸表を仕上げることを求められている経理ですが、仕事取り組む姿勢や態度にもスピード感を求められます。

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経理事務の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

経理事務の仕事が向いている人をご紹介しましたが、向いているというだけで仕事をするのは難しいかもしれません。

次は仕事をするために活かせる経験をご紹介します。

会計に関わる学歴

まず思いつくのが、経理専門学校です。

こちらは簿記検定の試験対策から会計士を目指す講座などがあり、自分のニーズにあった勉強をすることができます。

次にうかぶのが、商業高等学校です。

総合系・情報処理系・国際経済系などありますが会計系が一番強いように感じます。

そして大学なら経済学部・経営学部・商学部が思いつきます。

それぞれ特徴がありますが、経理の仕事に活かすのであれば商学部が一番お勧めです。

会計に関わる仕事の経験

「会計って結局経理じゃないですか・・・」と思っている方もいらっしゃいますよね。

実は厳密に言うと会計イコール経理ではありません。

会計は「お金の出入りを帳簿など使用して管理すること」です。

従って、営業部門が小口現金を管理して経費の精算をしているならその業務は会計業務です。

また、請求書や支払通知書を作成しているなら、それも会計業務ということになり、経理でなくても会計に関わる仕事の経験があるということになります。

営業や人事、総務といった経理以外の仕事の経験

営業や人事。

総務での経験も経理の仕事に活かすことができます。

営業は売上をあげるために作戦を練りますが、商品やサービスを販売した後も様々な業務があります。

そのなかでも、売上金の入金確認、粗利の計算などは経理の仕事に活かすことができます。

また、人事総務であれば、給与計算、各種保険料の支払い、備品などの経費の支払いなどの業務は実際の計算や支払いを担当していなくても、経理の仕事に活かすことができます。

経理事務で働くメリットとは?

では、経理事務で働くメリットをご紹介します。

どの業種でもどの部署でも通用する会計スキルが身につく

なんと言っても会計のスキルが身につきます。

このスキルは経理事務だけではなく、他部署でも役にたつスキルです。

普段意識せずこなしている業務が実は会計業務であることをご説明しましたが、経理で本格的に身につけた会計スキルはどの業種のどの部署でも通用します。

経営感覚を身につけることができる

経理の役割のところで、会社が健全な経営をするために必要不可欠で重要な役割を担っていると、ご説明しましたが、そんな役割があるので健全な経営がどのようなものなのかを身につけることができるとも言えます。

作成された財務諸表をもとに経営陣がどのような経営をするのか学ぶことができます。

そして、その結果会社の経営状態がどうなるのかを知ることもできます。

会社の経営状態がわかる

経理事務をしていると会社の経営状態が手に取るようにわかります。

売上は伸びているけれど、同時に宣伝費や経費も使っているので利益は思ったほど上がっていないとか・・・

少しブラックな視点からお話すると、この会社は危ないと、一般社員より早く察知できるのが経理事務です。

それがメリットかどうかは??ですが・・・

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その後のキャリアについて

メリットはご理解していただけたと思いますが、次にセカンドキャリアも含めて将来的なキャリアについて私自身も少し考えてみたいと思います。

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

キャリアアップについて考えてみます。

経理一筋

経理一筋(昭和なかんじですが・・・)でいくなら、キャリアを重ねて管理職になるという道があります。

経理畑の取締役ポストがあるという会社もあります。

また、入社した会社に拘らずより自分にあった会社に転職するという道もあします。

いずれにしても、経理業務を続けてスキルアップ・ブラッシュアップして、結果としてキャリアアップするということです。

職種転換

実際私のまわりにはほとんどいないのですが、経理を辞めて他の職種に就くという道もあります。

もちろん経理で培ったスキルを活かしてということになります。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

具体的にどんな職種に就くことができるか考えてみましょう。

税理士・公認会計士

どちらも国家資格ですので、難関の国家試験に合格する必要があります。

税理士は税務業務一般を納税者に替わって代理・代行します。

また、公認会計士は監査業務ですので、資本金5億円以上の大企業が作成した財務諸表が適正であるかを監査します。

税理士を目指している同僚がいました。

優秀な人でしたがなかなか難しいようです。

システムエンジニア

システムエンジニアは商品(サービスも含む)のながれとお金のながれを熟知していなければできません。

商品やお金のながれは会社毎違うかもしれませんが、お金は簿記をもとに計上しますので、経理の経験を活かすことができます。

専門学校講師

簿記や経営学の講師になっている人もいると聞きます。

自分にあった経理事務の求人の選び方や注意点

最後になりましたが、自分にあった経理事務の求人の選び方や注意点について記しておきます。

【選び方①】雇用形態から探す

直接雇用なのか、派遣雇用なのか。

また、直接雇用の場合は正社員なのかアルバイト・パートなのか。

このように雇用形態が違えば、給与や勤務時間に直結しますので、今なにが一番大切かを考えたうえで選択してください。

【選び方②】雇用条件から考える

給与も含めて雇用条件から探すのもひとつの手段です。

福利厚生が充実しているところが良い。

あるいは、がっつり働きたいので残業が多いところが良いとかですね。

福利厚生で言えば最近は産休・育休・介護休暇などが充実している会社を希望する人が増えていると聞きます。

ただし、条件の良いところばかり狙っていると、なかなか仕事が見つからなかったり、あっても応募者が集中して倍率が高くなり採用してもらえないということもあるので注意が必要です。

【選び方③】会社の業種から考える

会社の業種を基準に仕事を選択する方もいらっしゃいます。

車が好きなので車関係の業種に就きたい。

あるいは、IT企業で時代の先端をいきただとか、安定した製造業の中小企業で働きたいといった希望を叶えるかたちです。

【選び方④】スキル面から探す

未経験でも未経験可の応募を探せば、仕事をしながら実務を勉強できます。

また、マネージメントクラスであれば、ヘッドハンティング、スカウトなどという採用方法もあり、希望すればランクアップした条件の仕事に就くことができるかもしれません。

【選び方⑤】勤務地から考える

いろいろ条件はあるけれど、とにかく勤務地が大切と考えている人も多いようです。

通勤時間が1時間以内だとか。

とにかく都心で働きたいだとか。

仕事帰りにジムに寄ることができたら嬉しいだとか。

あるいは、都心に逆行する郊外で働きたいとか。

自分の希望を優先するかたちです。

その場合気になるのが、転勤があるのか無いのかです。

そのあたりは面接時に確認するほうが良いかもしれません。

まとめ

経理事務は地味でコツコツという印象があります。

実際、地味な部分も多いのですが、会社の将来がかかっている重要な役割を担っています。

また、計算して合わせるというだけではなく、パズル合わせのゲームのような要素もあり、失くしたパズスを探すのが好きで二十年続けることができたのかもしれません。

もし興味があるなら一度経理の世界を覗いてみてください。


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