デベロッパーの仕事のやりがいとは?経験者の私が感じる6つのやりがいを感じる瞬間を紹介します
みなさんはデベロッパーという仕事をご存じでしょうか。
デベロッパーとは、土地や街の開発をする不動産業のことを言います。
地域の発展に貢献し、土地の価値をあげていくデベロッパーという仕事は、日本の経済を支える、なくてはならない仕事です。
今回は、そのデベロッパーの中でも、私たちの生活に密接に関係する、大型商業施設のデベロッパーについて、具体的な仕事内容や、この仕事のいいところは何なのか、ご紹介いたします。
デベロッパーの仕事は大きく5個の役割に分けられる
開発
商業施設を建設する土地を決定し、どういった施設にするのか、コンセプト等を考える役割です。
デベロッパーが建設する商業施設は、どれも地域の特性を生かしたコンセプトを元に作られています。
施設の方針を決める大事な役割です。
リーシング
リーシングとは、商業施設を建てるための土地の所有者や、商業施設の中に入って実際の営業を行うテナントに、土地の賃貸を行う役割です。
リーシングの業務が一番不動産業に近い業務です。
契約
契約とは、商業施設に入ってもらったテナントから家賃収入を得るため、テナントの代表者と入店条件について協議を行い、不動産契約を結ぶ役割です。
販売促進
販売促進とは、商業施設全体の売り上げを伸ばすための役割です。
施設の売り上げを伸ばすことが、その施設の価値をあげることになりますから、不動産業としての利益に関わる重要な役割です。
イベントを計画したり、チラシをまくことにより、来店客数を伸ばし、売り上げを獲得します。
施設管理
施設管理とは、商業施設の施設価値を上げるため、施設をよい状態で維持する役割です。
開発の2個の業務
土地を調べる
商業施設を建設するためには、まず建設予定地について下調べをする必要があります。
この下調べは開発業務の肝と言っていいでしょう。
その場に足を運び、立地条件や周辺の状況、その土地の年齢層等、色んな目線からその場所のことを調べ上げ、その情報をもとに、商業施設のコンセプトを作っていく業務です。
プランを作る
商業施設を建設するためには、どのような施設にするのか、プランを作成しなくてはなりません。
旅行者の多い土地柄に合わせて、リゾート感のある施設にしてみようとか、お年寄りが多い地域だからバリアフリーの施設にしようとか、そういったことを決定する業務です。
このプランの良し悪しが、今後の商業施設の売り上げに直結してくるため、商業施設のことを知り尽くしているベテランの社員がこの業務を担当することが多いです。
リーシングの2個の業務
土地の所有者との交渉
土地を決めてもその土地の所有者に了解を得なければ、商業施設の建設はできません。
そのため、土地の所有者に会いに行き、土地の使用目的や、それに伴う所有者の利益について説明し、土地を借りるお願いをする必要があります。
その際の交渉をするのがリーシングのメイン業務です。
世の中にはこの土地の売買で利益を得ている方もたくさんいらっしゃいますので、この所有者は個人とは限りません。
むしろ、商業施設を建てるような広大な土地であれば、個人のことの方が少ないでしょう。
よって、法人や複数人の所有者を相手に交渉をすることもあります。
たくさんの人に自分の会社の理念や、商業施設を建てることのメリットを説明し、理解してもらわねばならないため、会社のことだけでなく不動産や法律についても詳しい人物が当たります。
テナントの代表者との交渉
商業施設に絶対に必要なのが、中に入るテナントです。
リーシングでは、このテナントを選んで声をかけ、入店してもらうという業務を行います。
テナントはただで入店するわけでなく、もちろん家賃をもらうことになりますから、入店することにどのくらいメリットがあるのか、初期費用はどのくらいかかるのか等詳しくご説明し、納得してもらわねばなりません。
相手方に不審に思われないコミュニケーション能力と、話術が必要です。
どれだけ魅力的な店舗をお誘いできるかが腕の見せ所です。
契約の2個の業務
テナント代表者との交渉
リーシングがお誘いしたテナントの代表者または営業担当の方とお話をし、テナントが入店する際の家賃や設備の工事費等、詳細の部分を交渉し、決めていく業務です。
交渉技術を必要とします。
契約書の作成
テナントが入店することになった場合や、退店することになった場合に、その都度契約書を作成する業務です。
新しい商業施設をオープンさせる際や、契約更新時期には、100を超える契約書を作成することもあります。
交渉ごとと進捗を合わせてする業務なので、うまく連携をとることも必要となります。
事務処理が速く、変更に臨機応変に対応できる人に向いている業務です。
販売促進の4個の業務
イベントの企画
商業施設に人を集めるためには、イベントを開催することが効果的です。
販売促進の係は、イベントを実施するための計画を立て、関係業者に発注をかけ、イベント当日の見守りをします。
その日の集客を左右する大きな仕事です。
チラシ等販促物の作成と発行
セール情報を掲載したチラシを発行するのも販売促進の仕事です。
商業施設に入店しているテナントにアンケート用紙をまき、チラシに載せる情報を収集します。
そしてその情報を印刷会社に渡し、チラシを作成してもらい、発行します。
また、TVCMやラジオCMの発注をするのもこの業務です。
VPの設置
VPとは、Visual Presentationの略で、マネキンや商品POP等、視覚に訴えるタイプの宣伝のことを言います。
商業施設に行くと、季節ごとに違ったマネキンの展示がされていますが、あれを設置する業務のことです。
月ごとにテーマを決め、お客様の購買意欲が高まるようなVPを提案し、業者に作成・設置をしてもらいます。
会議の運営
商業施設を運営していくためには、テナントや関係する業者すべてが目標を同じにする必要があります。
よって、月ごとに全体会議等が行われるのですが、その会議の運営をするのも販売促進の業務です。
館全体が何を目指して商売をしていくのか、資料をもとに説明します。
プレゼンテーション能力が必要となってきます。
施設管理の2個の業務
施設の修繕
商業施設を営業していくと、どうしても建物に不備が発生します。
その不備を発見し、業者に修繕を発注する業務が施設管理の主な業務です。
また、気候の変化に伴う施設内の環境の変化を察知し、環境を整えたり、より地域に即した形に施設を工事することもこの業務の1つです。
また、テナントの入退店における原状回復工事も行います。
テナント従業員の管理
商業施設には多数の従業員が出入りします。
その従業員を管理し、教育する業務です。
具体的には、従業員証を発行し、従業員研修を受けさせる、というような内容の仕事をします。
従業員を管理することによって、知識不足によるお客様とのトラブルや、不法侵入等の犯罪を未然に防ぐ効果があります。
デベロッパーの仕事の良いところ
デベロッパーの仕事の良いところは、商業施設を建設することによって、その地域の価値をグンとアップさせ、地域貢献ができるところです。
やりがいを感じるポイント
デベロッパーの仕事は大変な仕事ですが、それ故にやりがいを感じるシーンも多くあります。
来店者が予想を超える人数だった時
一つの商業施設を建設し、運営していくのには、多額のお金と手間がかかります。
それ故、大きな利益が出た時は、とても嬉しく感じます。
毎日どのくらいの人数の来店者が来るか予想をし、イベント等を実施するのですが、予想をはるかに上回る来店があり、その日の売り上げが伸びた日は、やっていてよかったと思います。
お客様の声をいただいた時
自分がやっている仕事の結果が売り上げ額でしか判断できないので、時には本当にこれでいいのか、と自分の働きぶりに疑問を感じることがあります。
そんな時、お客様の声をメールや封書、施設内にあるご意見箱からいただけると、自分のしていることを見直すきっかけとなるので、重宝しています。
時にはお褒めの言葉をいただけることもあり、励みになります。
自分の案で売り上げが伸びた時
特に販売促進の業務をしていると、自分の考えたイベントや企画をする機会が増えます。
売り上げがかかっているため、一生懸命立案するのですが、これがかなり大変です。
一つのイベントを実施するには、場所の選定から始まり、日程の確保や業者の選定、イベント内容の決定、集客の見込みの計算、利益の計算等、することがたくさんあります。
手間と労力がかかっているからこそ、実施したイベントが成功をおさめ、売り上げに貢献できた時は、大きな喜びがあります。
交渉が上手くいった時
テナントからの家賃収入が商業施設の利益となりますので、できればたくさんの家賃を払って欲しいと考えています。
よって、不動産契約の更新の際に、家賃の値上げ交渉をする必要があるのですが、これがとても難しい交渉となります。
多額のお金が動くため、相手側も慎重にならざるを得ません。
この交渉では、今までどのように自分がこのテナントと関係を作ってきたか、自分のこれまでの努力の結果が浮き彫りになります。
このテナントの売り上げを伸ばすため、たくさんの提案をし、イベントを実施してきた実績があれば、交渉をすすめることができますし、そうでなければ流れてしまいます。
値上げ交渉の担当者は人をよく見ていらっしゃいます。
よって、ここで交渉がうまくまとまれば、自分のかけてきた労力を評価された気持ちになり、充実感を覚えます。
地域に必要とされた時
デベロッパー事業の根底には、その地域を盛り上げていくという使命があります。
ですから、例えば地域の行事の開催場所に選ばれたり、地域活性化のための会議に呼ばれたりすると、その地域を盛り上げる一員として認められたのだと認識し、とても光栄です。
また、災害等が起こり、避難の場所が必要となった時に、ここにはあの商業施設があるではないか!
と避難場所としてご利用いただいた際にも、地域の住民の方に必要とされていることを実感し、嬉しく思いました。
面白いポイント
デベロッパーは地域を発展させる仕事ですから、地域の特性と向かい合う必要があります。
地域によって全然違う施設づくりをしていきます。
それを考えていくのが、とてもおもしろいです。
地域の特性を生かした新しいことに挑戦できる
商業施設をどう進化させていくのか、それは地域の数だけ答えがあります。
地域の特性を知れば知るほど、やってみたい企画が出てきます。
デベロッパー事業は、そうした地域特有のおもしろさを糧に、施設をよりよいものにしていくことができます。
それはとてもやりがいがあり、新しいことを考えることが好きな人にとっては、とてもおもしろいと感じる仕事です。
地域を盛り上げることができる
商業施設が建つということは、特に地方に在住の方にとっては、とても大きなことですよね。
商業施設には、その地域の生活をガラッと変えることができる力があります。
そういった大きな力を存分に利用して、沈んでいた地域を盛り立てていくことができます。
これは別の業態ではなかなか経験できないことではないでしょうか。
地域と密接につながった施設であるからこそ、商業施設が地域にどういった影響を与えているのか、はっきりと実感することができます。
何か大きなことをしたい、人を動かしてみたいと思っている方はチャレンジしてみることをおすすめします。
多種多様な職業の人と知り合うことができる
商業施設で働きますので、テナントの従業員の方と仲良くなります。
多種多様のテナントが入っているため、色んな職業の方と知り合うことになります。
その仕事特有の悩みや考え方を知ることができ、おもしろいです。
テナント従業員の方以外にも、出入りする業者の方や、設備点検のために常駐していただいている業者の方、その地域の自治体の方等、本当にたくさんの業種の方との出会いがあります。
参考になるお話がたくさんあり、ためになります。
まとめ
今回は、デベロッパーという仕事について、くわしくご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか。
デベロッパー企業には大企業が多く、全国展開だからこそのおもしろみがあります。
何かを作り上げていく作業がすきな人にはとくに楽しい仕事なので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
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