病院事務の仕事内容14個の業務。経験者が教えます!
病院事務の仕事内容と聞いて、何を思い浮かべますか?
病院と言えば、窓口で対応している、医療事務を想像しがちですが、それとは別に、病院事務とは病院運営に関する全てを担当している部署の一つです。
特に大きな病院では、役割が分かれていたりします。
ここではそんな病院の事務の仕事内容を詳しくご紹介させていただきます。
医療系に興味のある方はぜひ参考にしていただけたらと思います。
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病院事務の仕事は大きく4個の役割に分けられる
総務課業務
職員の入職・退職時の準備物の用意、提出書類の準備・届出を始め、病院の職員の方がスムーズに各自の業務に当たれるよう、サポートする業務が総務課業務になります。
人事・労務・勤怠管理などが含まれます。
経理課業務
病院外来窓口・入院による収入の売上計上・入力をし、医事課窓口に対しては両替などをします。
銀行に出向いたり、病院の収支の計算、報告書の作成、また職員の給与振込準備等含まれます。
用度課業務
日用品・医療材料含め、各部署から発注依頼のあった物品を購入し、配布します。
また高額な医療材料や初めて発注する物品などに関しては、各業者に見積もり依頼をかけたり稟議書の作成等もします。
その他庶務雑務全般
電話応対・来客者の対応はじめ、病院運営がスムーズにいくよう何事にでも対応するのが、この病院事務の仕事です。
その中には、電球交換やボイラーなどが壊れた時の対応まで含まれます。
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総務課業務の3個の業務
人事に関する業務(職員の入職・退職時の手続き業務)
入職時手続き
病院に職員が新たに入職する場合、まず面接の日時を設定し採用が決まれば、制服・ロッカー・名札等、必要な物品を手配します。
社会保険・雇用保険等の必要書類を提出してもらい、それぞれ各種届け出をします。
入職日にはオリエンテーションを実施し、院長や院内各部署に紹介、病院内を案内します。
退職時手続き
職員が退職される場合は、制服・ロッカーなど返却が必要な物の確認をし、社会保険・雇用保険等の喪失手続きをします。
また離職票を準備し本人に配布し、退職金が支払われる場合はその手続きをします。
勤怠管理・労務管理・給与計算
職員のシフトについては毎月各部署で作成されますが、総務課では毎月締日に各部署より提出されたシフト表や勤怠管理表を基に給与計算をします。
また有給休暇日数の管理もしていて、有給休暇を使用した場合は届出を提出してもらうので、その届出を基に有給休暇残数の管理をします。
年末調整の時期は職員に提出物の依頼をかけ、提出された書類を確認し、届出をします。
慶弔届も有給休暇管理と同様に、必要に応じて職員に届出の提出依頼をかけ、慶弔費が支払われる時にはその準備をして本人に渡します。
職員の健康診断やインフルエンザの予防接種などの手続きをし、実施します。
その他総務課業務
印刷物管理
病院内で使用される診断書やリハビリテーション依頼書など、手書きで使用される書類に関しては外部の業者に印刷依頼をかけ、購入します。
また院内に残っている印刷物の残数の管理もしているので、定期的に印刷物の棚卸をし、必要に応じて各部署に確認後に購入依頼をかけます。
郵便物管理
病院に送付されてくる郵便物の差出人などの情報を入力・管理した後、各部署に配布します。
また、病院から郵送される郵便物も同様に郵送先などの情報を全て入力・管理した後、切手を貼り送付します。
職員食堂の利用有無
職員食堂がある病院の場合では、利用有無・利用食数を確認し、給与天引きの手続きをします。
院内保育園の管理
病院には小さなお子さんを抱えた働くママが多く勤務されているので、病院によっては院内保育園が設置されている所もあります。
この保育園の管理も総務課の仕事になります。
保育園の運営自体は専門の業者にお任せしているところも多いですが、病院が設置している保育園になりますので、月に何度か保育園側スタッフと会議をし、より良い保育の提供について話し合い、双方で確認します。
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経理課業務の4個の業務
日々の財務表の作成・管理
外来窓口から日々入金される売上金や入院患者様からの入院売上金などの医療費を管理し、それぞれシステム上に入力します。
また毎月月初には医事課から各保険者等に診療報酬の請求をするので、医事課より請求先・請求金額等の確認を取り、経理課として管理します。
病院の主な収入は医業による収入で、窓口で支払われる金額よりもこの保険者から支払われる診療報酬が大部分を占めます。
また、医事課からの売上の他に用度課による消耗品の購入や、職員が使う交通費の精算や出張旅費の支払い、慶弔費など、随時支払業務があります。
現金・切手等の管理
医事課での外来窓口などの入金分や両替用の紙幣・硬貨を管理するのも大事な業務です。
銀行に出向き、売上金を入金したり、また医事課両替用に紙幣・硬貨を両替します。
切手も同様に購入、併せて在庫管理をします。
病院の決算業務、債権・債務の管理
患者様からの入金や診療報酬による入金などの収入分と各業者支払い分や銀行返済分、職員給与など支出分とを合算し、病院全体の収支を計算します。
必要に応じて、収支報告書・各種決算統計資料等を作成し、提出します。
また病院の債務・債権の管理をし、病院運営について日々試行錯誤しながら考えていきます。
各業者からの請求管理・支払処理
病院には多数の業者が出入りし、各方面にて月々多数の支払いが行われています。
経理業務ではこれらの請求書等を一括して管理し、毎月支払日に入金されるように手続きを行います。
必要に応じて銀行に出向き、対応することもあります。
用度課業務の3個の業務
消耗品の発注・払い出し
週に一度、決まった曜日に、各部署から必要物品の購入依頼があがってきます。
インターネットや直接購入する形でそれぞれの物品を購入し、数日後各部署に払い出しをします。
常日頃から多く購入依頼がある物、例えばコピー用紙やプリンターのインクなどは予め購入しておき、用度課にて在庫管理しておきます。
病院によって金額の決まりがありますが、高額な物品の購入の際には稟議書等書類が必要になってくるので、各部署にて用意された書類を確認し、院長→理事長決済へとまわします。
医療材料の発注・検品・払い出し
医師や看護部、手術室からなど、消耗品の購入依頼と同じように医療材料の購入依頼が入ります。
この医療材料はA社、こちらの医療材料はB社などと、病院によって以前より購入している業者から続けて購入することが多いです。
新たに購入する医療材料の場合は数社に見積もり依頼を出し、最終的には医師の意見や金額面も考慮した上で決定されます。
これらの医療材料は業者の方が病院に持って来られて、用度課にて検品後、各必要部署への払い出しとなります。
各業者との打ち合わせ
医療材料を扱う部署である為、医師や看護師など医療スタッフと関わる機会が多く、また新たに医療材料を購入する際など各業者の担当者と打ち合わせをすることが増えます。
その後、医師など現場スタッフと業者の方との面会等必要になってくるので、双方の予定を確認し面会の機会を調整します。
必要に応じて会議室の用意・書類の準備等、業者の方と共に準備することもあります。
その他の庶務雑務全般4個の業務
電話応対・来客者対応
総務課には外部からの外線電話がかかってくることが多く、また医師や各部署への転送依頼も多いです。
また、業者の方や採用面接に来られる方など来客者も多いです。
必要に応じてお客様にお茶を出したり院内を案内したりします。
病院内管理物品の管理・修理・交換
例えば院内の電球が切れたとか、待合室のテレビの調子が悪い、または各種機械の故障など、院内のあらゆる物品の修理などに対応します。
電球等交換できるものはしますが、修理に出さなければならない物や修理に来てもらわなければならない物などは業者を手配し、対応してもらいます。
このように、各部署で管理している医療材料などを除く各物品や機械等は総務課などが全て管理していることになるので、あらゆる事柄に対応しなければなりません。
また、待合室のイスやテレビ、事務所の机やパソコンなど、病院内にある全ての物品にそれぞれ番号を振り分け記載し、管理します。
いつ購入し、いつ修理に出したのかなど、すぐに分かるように一括で管理しているのです。
各部署職員の対応
病院内には各部署で多くの職員が働いていて、またそれぞれ雇用形態も異なります。
特に大きな病院では、全ての職員の情報を把握するのは少し無理がありますが、できる限り各部署の状況等を把握し、職員の方がスムーズに各自の業務に従事できるようにサポートする必要があります。
必要に応じて総務課を訪ねてくる職員の対応をしたり、また総務課からは院内職員向けの回覧物を作成し配布したりします。
病院によっては、職員の親睦を深める為にレクリエーションや職員旅行の計画を立て運営している所もあります。
各部署では職員それぞれが患者様相手に医療に携わっているわけですが、病院事務を担当する総務課としては、それぞれ職員が気持ちよく毎日仕事ができるよう職員をサポートし支えていくことが一番大事な業務ではないでしょうか。
臨時的業務
医療監査
定期的に病院に医療監査が入ります。
その際に書類を用意したり医局・看護部と協力し数ヶ月分のシフト表やタイムカード等、必要な物品を準備します。
医事課応援
この業務に関しては病院により異なりますが、医事課での人員が不足した時など、臨時的に応援に入ることがあります。
日勤帯や夜間の当直など、時間はバラバラです。
病院事務のやりがいや面白いポイント
上記で述べてきたように、病院事務とは一括りにはできない程多種多様な業務に携わっています。
その中で様々なことを学ぶことができますし、また様々な経験を積むことができます。
病院事務の仕事のやりがいとは??
病院事務では医事課とは違い、直接患者様と関わる機会はそう多くありません。
しかし、より良い医療を提供させるべく、日々業務にあたっている他部署の病院スタッフが気持ち良くスムーズに業務にあたれるようサポートするのが、病院事務の一番の仕事なのです。
日々誰かから感謝されるわけでもなく、決められた仕事をこなす上でつまらないと感じてしまうかもしれません。
その決められた仕事以外にも自分に何ができるか?
どうしたら病院運営がスムーズにいくか?
などと考え業務にあたることにより、自分にできる仕事の範囲がグンと伸びるのです。
自分のことだけでなく病院運営全体、また病院で働くスタッフのことを考えての業務になるので、結果として成果が出る仕事ではありません。
しかし、より良い医療を患者様に提供しようという病院全体の目的のもと、縁の下の力持ち的な存在で医療に携わる病院スタッフを支えることができるこの仕事は、日々やりがいを感じながら働くことができるのです。
病院事務の面白いポイントとは?
医師・看護師はじめ、医療に携わる様々な方と接することができるのが一番のポイントです。
院内のスタッフだけに関わらず外部からも医療業者の方が多く出入りしているので、日々本当に沢山の方と接することになります。
また、医療関係や医療用語など初めは全く知識がなかった分野についても徐々に分かるようになってくるので、日々新たな発見が続き有意義な毎日を送れるはずです。
特に医療分野に興味がある方にとってはとてもオススメな仕事です。
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まとめ
病院事務について業務内容等説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
総務課業務や経理課業務については一般企業での事務と重なる点も多く、病院事務特有というより、よく知られている一般事務の仕事と同じ所が多いです。
企業で働くのであれば、売上重視で業務に従事することと思います。
しかし病院では、その売上も重要ですが、まず第一に「患者様により良い医療を提供する」という点を最重要事項として業務に従事しなければなりません。
病院事務の業務の中で直接患者様と接する機会はほとんどありませんが、病院で働く他部署のスタッフがより良い医療を提供できるよう、その土台を準備する大切な業務を担うのが病院事務の仕事なのです。
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