2022年5月3日

特別な技術を必要とするパティシエという仕事。

子どもたちの将来なりたい職業ランキングでも常に上位に入っている、華やかで明るい印象の世界です。

パティシエたちは日々切磋琢磨しながら新しいケーキを生み出し、私達の生活を彩るケーキを製造しています。

とても明るく素敵な世界に見えますが、実は忍耐とたゆまぬ努力が必要な世界。

オフィス勤務に比べると体力も必要ですし、労働時間もとても長く覚悟がないと働き続けられない厳しい世界です。

そんな修行を乗り越えて活躍するパティシエたちの懐事情は一体どうなっているのか、気になるところですよね。

今現在は会社員として働いている人の中にも、やっぱりパティシエへの道を諦めきれない!と転職を考えている方もいるでしょう。

一人暮らしができるくらいのお給料をいただけるのか?また、家族を養っていけるのか?などパティシエのお金についてはあまり語られることがなく、全く未知なのではないでしょうか。

働く上で給与はとても重要な要素ですから、給与相場を知っておくのはとても大切です。

今回は、そんなパティシエの給与事情についてお話していきたいと思います。

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ケーキ屋の給料の相場はどのくらい?

まずは給与相場を雇用形態の違い、または経験の有無などから見ていきましょう。

もちろん会社やお店によって多少の差はありますが、概ねこのくらい、と思っておいてください。

正社員で新卒入社した場合

製菓の専門学校などを卒業し、正社員としてケーキ店に就職した場合から見ていきましょう。

おそらくケーキ店で働きはじめるルートとしてはこの新卒で就職すると言うのが一番王道と言えます。

製菓学校を卒業し、新卒で入社した正社員の1ヶ月の給与は概ね15万円から18万円と言ったところ。

まれに20万円を超えるところもありますが、それはかなり良い待遇と言えるでしょう。

正社員で他のケーキ店から転職した場合

正社員で他のケーキ店から転職した場合を見てみましょう。

この場合は経験が3年以上あるかないかで給与が上下するところが多いです。

3年以上の経験があるなら転職先での給与は20万円前後からのスタートとなることが多いです。

パティシエの世界では転職回数はあまり重要視されません。

それでも2年以下で転職を繰り返しているといつまでたっても新人扱いで、給与が高くなることはないと考えて良いでしょう。

ステップアップのためにも1つのお店で3年は働くことを目標にしておくと良いですね。

正社員での経験無しの中途採用の場合

ケーキ屋さの仕事は学歴や経験を一切不問のお店が多くあります。

年齢も問わずの場合が多いので、一度社会人を経験してからやはりパティシエの夢を諦めきれず・・・と入社してくる方も多くいます。

このような経験無しの中途採用の場合は年齢に関わらず、新卒入社と同じお給料の場合が多いですね。

パティシエの世界は積み上げてきた経験が物を言う世界で、他業種での社会人経験はあまり評価される対象ではないと考えておきましょう。

最初は我慢が必要です。

派遣社員

少し前まではケーキ店に派遣社員は考えられませんでした。

技術のいる仕事ですし、なによりそのお店の裏側を直雇用の社員以外には見せるべきではない、見せたくないと言うのが当然でした。

しかし、人手不足に伴い、ケーキ店への派遣社員も増えています。

今はまだ大手のチェーン店が主になっていますが、これから個人店への派遣も増えるかもしれませんね。

派遣社員は間に派遣会社が入ることから8時間労働が守られ、給与は時給制です。

正直に話しますと直雇用の正社員ほどの給与では派遣社員は来てくれませんから、時給は高く設定されています。

その代わり繁忙期だけの期間限定であったり、キッチンだけでなく販売の仕事も含まれるなど正社員のパティシエとは仕事内容が大幅に異なります。

パート・アルバイト

パート・アルバイトでケーキ店で働く方も多いですね。

この場合のお仕事は主に販売接客です。

中には出来上がった焼き菓子の袋詰を手伝ったり、簡単なフルーツのカットを手伝うベテランパートさんもいますね。

パート・アルバイトはもちろん時給制。

時給はまちまちですが、900円から1000円くらいまでが平均でしょう。

ボーナスはあるの?

賞与についてはお店によってまちまちですので、募集案件をよく読むことをおすすめします。

全くないお店もありますし、寸志をいただけるところもあります。

きちんと何ヶ月分かの賞与をいただけるお店も多くはないですが存在します。

給与が高い人は何が違うの?

パティシエと言う仕事で高いお給料をもらっている人は一体何が違うのでしょうか。

パティシエとして生活を成り立たせるには時間がかかりますが、決して不可能なことではありません。

この道で生きていくと決めたなら、評価されて高いお給料がいただけるパティシエを目指しましょう。

スキル

まずは一番重要なスキルですね。

ホテルや有名パティスリーのパティシエとなれば高いスキルが必要で、腕が認められればお給料は高くなります。

中途採用の場合でも過去の実績などから判断され、最初から高給スタートとなる方も一握りですがいらっしゃいますね。

同じ洋菓子に携わる仕事でも、ウエディングケーキなどを作る結婚式場のパティシエは、通常のケーキ店よりも細やかな細工の技術が求められます。

ケーキ作りに加えてセンス、手先の器用さ、アメ細工、チョコレート細工などの技術に磨きをかけていくことでお給料は上がって行くでしょう。

役職

役職も大きく影響しますね。

と言うのも、パティシエの募集の中には店長クラス、お店の責任者クラスの募集をちらほら見かけます。

新しいお店を立ち上げる企業であったり、レストランのパティスリー部門であったりと業種は様々ですが、パティシエたちをまとめる店長や、シェフパティシエクラスになるとお給料もそれなりにいただけます。

今、中堅クラスのパティシエで同じお店で働き続けてもお給料が上がらないと悩んでいる方には、このような求人募集に応募して転職されることを強くおすすめします。

せっかくの技術、給与が上がらないと言う理由で他業種に転職してしまうのはとってももったいないことです。

活躍の場を変えれば、きっと満足のいく案件が見つかります。

ぜひ探してみましょう。

勤続年数

ひとつのお店で働き続けるなら、勤続年数も影響しますね。

特に個人店ではなくしっかりとした会社になっているケーキ店であれば勤続年数によってお給料はしっかりと上がっていくことでしょう。

個人店の場合は、正直に言うと5,6年で頭打ちの場合が多いですね。

オーナーが現場にいることが多いので店舗の責任者にステップアップしていくこともありませんし、そうなるとお給料も限界があります。

会社の形態

パティシエで高い給与を目指すなら会社の形態は必ず考えておかなければいけません。

全国展開している、デパートにも店舗があるような有名なケーキ店は一生勤めることができる上、給与体制も整っています。

会社の中での役職もしっかりあるので、頑張り次第でどんどんステップアップしていけますよ。

逆に個人店を選んでしまうと高い給与はあまり期待できません。

その代わり、オーナーの技術を間近で見られたり、経営に携われたりと独立を目指す人にはおすすめですね。

ケーキ屋の給料の決まり方

ケーキ店の給料の決まり方はとっても曖昧で、お店によって大きく差が出ます。

転職する際、前のお店の給与を保証してくれるところもありますが、本当に経験があるのか、技術があるのか見極める期間はお店側にとっては必要なこと。

給与の決まり方をご紹介して行きましょう。

経歴を重視するお店の場合

技術はあるものと信じて経歴を重視するお店の場合は、前のお店での継続年数や役職などによって給与が変わります。

経歴をしっかりと評価してくれるお店であれば、例えば店長クラスの仕事をしていた人に新人と全く同じ給与を提示してくることはありませんし、前職以上の給与を保証してくれるところも少なくありませんよ。

パティシエ業界内の転職なら、しっかりと経歴を見てくれるところを選びましょう。

技術を重視するお店の場合

経歴ではなく技術を求めるお店の場合は、パティシエ業界内での転職であっても最初の数ヶ月は新人と同じ給与の場合もありますね。

お店側にとっては応募者の技術は未知数です。

本当に技術があるのか、この会社で力を発揮してもらえるのかなどを見極める必要があります。

いわゆる試用期間のようなものですね。

この期間中は経験者であっても15から18万円ほどの給与で働き、2,3ヶ月の試用期間を経て給与が決まると言った具合ですね。

資格取得は給与に影響する

パティシエとして働くために、必ず必要な資格はありません。

しかし、取得しておけば転職の際にとても有利になる資格は存在しています。

それが製菓衛生師資格と、菓子製造技能士資格です。

どちらも一定の技術と知識の証明になります。

特に菓子製造技能士の方は実技試験もあり取得が比較的困難な資格で信頼も厚く評価対象になります。

2つの資格は専門学校を手でおらずとも条件を満たせば受験資格が与えられるので、働きながら資格取得を目指すのも良いでしょう。

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この働き方は、こんな人におすすめ!

続いて働き方による違い、そしておすすめの人をご紹介して行きましょう。

同じケーキ店での仕事であっても、雇用形態によって仕事内容は異なります。

自分にあった雇用形態を選び、ストレスなく働ける環境を整えましょう。

正社員

まずは正社員。

少し前まではキッチンに入ってケーキの製造ができるのはこの正社員だけでした。

今でも個人のお店ではこの正社員と言う雇用形態が一般的ですね。

正社員の仕事内容はケーキを作ること、販売することなどに加えて新しい商品の開発、新人の育成、店舗の管理などがあります。

オーナーが現場にいないお店の場合は店長と言う役職がつくこともありますね。

そうなると責任が重くなり、同時に給与も上がります。

ケーキ作り、衛生管理に加えてお店の経営に関わること全てをこなすのが正社員だと覚えておくと良いでしょう。

契約社員

続いて契約社員。

契約社員の仕事は正社員に比べると限定されています。

お店の経営に携わることはなく、もっぱらケーキ作りを専門に行うことになるでしょう。

契約社員も正社員と同じ店舗の直雇用になるので労働時間は長くなります。

その代わり、ケーキ作りを学べる環境は整っていますね。

まずはケーキ屋の仕事内容を知りたい方におすすめの雇用形態です。

アルバイト

パート・アルバイトは主婦の方におすすめですね。

小さなお子さんのいる主婦の方から大学生、お子さんがもう独立された方など幅広い年代の方がパート・アルバイトとして活躍されています。

仕事内容は主に接客販売です。

どれだけ美味しいケーキを作っても、接客が全くダメであれば流行りのお店にはなれません。

私の個人的な印象ですが、パティシエたちは接客を苦手とする人が多く愛想もあまり良くありません。

そんなパティシエたちを支えて、商品を販売してくれるパート・アルバイトさんたちの仕事はとても重要です。

時にはキッチンに入ってフルーツのカットを手伝ったり、商品の袋詰を手伝うこともあるでしょう。

パート・アルバイトですから出勤日数も自分で選べますし、プライベートをしっかり守りながら働けます。

派遣

ケーキ店の仕事はしたいけれど、長時間労働やサービス残業はしたくないと言う方におすすめなのが派遣社員として働くことです。

派遣会社が間に入るので、労働時間は守られますしお給料も保証されます。

これも私の個人的な印象になりますが、派遣社員としてケーキ店で働く人はもともと正社員で働いていた人が多く、ケーキ店の長時間労働に疲れてしまって派遣に切り替えた方が多い印象ですね。

そのため即戦力になりやすく、簡単な作業ならぱぱっと済ませてくれる人が多いです。

パート・アルバイトよりも時給が良い場合も多く、出勤日数も安定しているので結婚や子育てのためにパティシエを引退した女性におすすめの働き方です。

まとめ

今回はパティシエのお給料事情についてご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

ケーキ店の仕事は最初からたくさんのお金が稼げる業種ではありません。

むしろ修行期間は忍耐が必要な職種です。

その代わり手に職がつき、腕次第ではどこへ行っても働ける強みを手に入れることができる夢のある仕事です。

今、迷っているならぜひケーキ店で働いてみてくださいね。

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